2019年11月26日情報倫理学で発表した「ネットにおける世論誘導、ステルスマーケティング」の発表資料です。

1. 「ネットにおける世論誘導，
ステルスマーケティング」
鹿児島大学工学部情報生体システム工学科
情報倫理学
セリナ

2. 目次
概要
世論誘導とは・事例
ステルスマーケティングとは・事例
まとめ
問題点
今後の方針

3. 概要
世論誘導，ステルスマーケティングとはネットによる印象操作である。
明らかな嘘をつかなくても都合の悪いことを意図的に黙って記事を書くだけで
印象が変わってくる。
書籍，ネットなどのメディアでこのような「嘘はついてないけど都合のいい伝えかたをしてる」例
は溢れかえっている。
（グラフの目盛りの表記の仕方，地図の縮尺の仕方，アンケートの結果の伝え方ニュースな
ど）

4. グラフの表示による印象操作
賛成
34%
どちら
でもな
い
33%
反対
33%
賛成
33%
賛成では
ない
67%
反対では
ない
67%
反対
33%
賛成が少なく見える 反対が少なく見える
他にも「国別のTOFEL結果から英語力を比較！→受験者数や対象が大きく違う」など
アンケートを正確に回答させる文言やアンケートを取る対象が大切である。

5. 世論誘導とは
・政府実行 政府自身あるいは関係組織がネット世論操作を実行する
・政府支持、調整 計画は政府が立てるが、指示と調整を行い、実行は外部にまかせる
・政府扇動、支援 政府が扇動してネット利用者が政府批判を行う個人や組織を攻撃し、世論
操作を実現する。四つのパターンの中でもっとも危険
・政府承認、支援 政府が名指しして批判することで、攻撃してもよいという雰囲気を作る

6. 事例①
中国：五毛党
中国における中国共産党配下のインターネット世論誘導集団を指すネットスラングである。
正式名は網路評論員（インターネットコメンテーター）であり，
2005年ごろまでは書き込み1件当たり5毛(0.5元)が支払われていた。
一般的には中国共産党主導のもと地方政府の宣伝部門（公務員）で構成され，
活動は地元政府と連携する事が殆どである。
4億8800万件のやらせ書き込みがあった。

7. 事例②
日本：Twitterによる拡散性質を持つSNSの利用
2014年の衆議院選期間中におけるツイートの統計分析を行った結果，政治に関するツイート
の83.2%がコピーであり、逆に言うとオリジナルの発言は、たったの16.8%に過ぎなかった。
コピーの裏にはボット（プログラムで自動的に運用されているアカウント）があったとしている。
【情報技術者側の対応】
今月に入りTwitterが発表した政治広告禁止措置が発効した。候補者、政党、政府、政府職員
などは、コンテンツの広告宣伝が一切禁止される。 新ルールは世界中すべての広告に適用さ
れる。

8. ステルスマーケティングとは
「ステマ」とも呼ばれ，企業から金銭を受け取っているにも関わらず，あくまで中立的な立場を
装い良い口コミや良い評価を行う行為である。「ヤラセ行為」「サクラ行為」とも呼ばれる。
手法は大きく２つ
一般の消費者を装い，イメージアップを狙う。
芸能人やインフルエンサーが宣伝であることを明記せず紹介して金銭をもらう。
一般消費者はだまされたと感じ，不快に思う。
日本では明確なステマ規制・基準は決まっていない。

9. 事例③
ソニーが一般人を装う
PSPとニンテンドーDSが熾烈なシェア争いを行っていた2004年。
PSPの不具合が発見され、2chやブログなどで大きな話題となり、それらの投稿に対してPSPを
擁護しニンテンドーDSをバッシングする書き込みが多く寄せられたため投稿のIPを分析すると
GateKeeper**.Sony.CO.JP
から投稿されていることがわかり、ソニー内部・関係者の投稿であることが発覚。
あまりの数の投稿から組織的な犯行であると判明した事件。

10. 事例④
芸能人が代金をもたったことを隠し紹介：ペニーオークション事件
2012年12月、参加者が入札しても事実上落札できない仕組みのペニーオークションサイト
「ワールドオークション」で、入札者から手数料をだまし取ったとして詐欺罪の容疑で4人が逮捕
された。
「激安で落札できた」とブログに書き込む芸能人（ほしのあきや熊田曜子、綾部祐二など）が多
数発生。
実際には落札しておらず、「３０万円の報酬があるアルバイトだ」といわれ事務所にも確認をせ
ずに書きこみ、サイトの仕組みは知らなかったと証言した。

11. インフルエンサーマーケティング

12. 信頼度

13. まとめ
世論誘導やステマといった印象操作は世界中で行われている。
テレビなどのメディアが操作していた時代からSNSなどの個人が操
作する時代になっている。
やらせ書き込みがビジネス化

14. 問題点
インターネットを利用する人にとって必要なことを見直す必要がある。
リテラシーの能力：情報機器を利用して、膨大な情報の中から必要な情報
を抜き出し、活用する能力
コスパが抜群でビジネス化している現状
情報技術者として運営が書き込みを制限していない
法律が明確化していない

15. 今後の方針
問題点の再度洗い出し
関連する法律を調べる
利用者側・情報技術者側両方の視点から対策を考える
→対象について元々詳しい知識があればよい,または自分の手で調べる
など本質を見る力が必要だと考えている。

16. 参考文献
メディアやネットでの印象操作についてわかりやすく図解する
https://www.yumekichi-blog.com/entry/impression-operation
これが印象操作！NHKの分かり易すぎる印象操作講座が話題に！
https://news.nicovideo.jp/watch/nw4839326
メディアへの信頼度が高いだけに世論誘導されやすい日本
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2015/10/post-4034.php
中国「五毛党」のやらせ書き込み、年間4億件超＝ハーバード大研究発表
https://www.epochtimes.jp/p/2016/05/25689-2.html