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背景と課題
RWDIは、建築や自然環境の多領域を専門とする技術コンサルテ
ィング会社です。RWDIは、これまでにロンドンのミレニアム・ブリ
ッジ、マレーシアのペトロナス・タワー、世界貿易センター跡地に
建設されたフリーダム・タワー、タコマ・ナローズ橋の第二橋、台
北101展望台、また、現在世界で最も高い超高層ビルであるブル
ジュ・ハリファなどの、世界で最も著名な建造物に向けた、大気環
境、気候解析、エネルギーと水のモデル化、気象学、構造力学、換
気(通気)、および風工学に関するサービスを含む、多分野にわた
るに多彩な工学研究を行っています。RWDIは地理的な多様性に
も富んだ会社で、中国、オーストラリア、中東、欧州、米国、および、
カナダの本社に事業拠点を構えています。
RWDIの事業は急成長を遂げており、自社が保有するオンプレミ
スの高性能コンピューティング(HPC)環境では十分に対処でき
なくなっています。先日、RWDIは中東における大規模な風速マ
ッピング・プロジェクトを獲得しました。2ヶ月にわたり地域全体
における過去30年分の気象データを分析するためにRWDIが必
要とする時間を計算したところ、100万コア時間に達することが
明らかとなりました。これは、自社が保有するオンプレミスのシス
テムが持つ能力をはるかに上回る作業量です。プロジェクトのス
ケジュールが短期間であるため、自社が保有するオンプレミスの
HPCを拡張するのは実行不可能でした。また、独自のパブリック・
クラウドにバーストするために自社のソフトウェアとミドルウェア
のインフラを構築することも現実的ではありませんでした。RWDI
が必要としていたのは、既存の能力を拡張してくれるターンキ
ー方式のハイブリッド・クラウドのソリューションでした。そこで
RWDIは、Rescaleをはじめとする複数のマネージド・クラウド・サ
ービスの比較検討を行いました。
結果的にRWDIが選んだのは、RescaleのScaleX®
でした。それ
はScaleXが、彼らの技術者に極めて一貫性のあるフロントエン
ドのユーザーエクスペリエンスをもたらす最もシームレスなオン
プレミス/クラウドの統合ができて、RWDIが必要としていた高性
能インスタンス・タイプを含む多様なハードウェアを揃えていて、
ならびにRescaleの技術チームの手による卓越した顧客サービ
スを提供するからでした。
RescaleとAzureのソリューション
RWDIは、摩擦のないユーザーエクスペリエンスと高速のハード
ウェア性能という2つの要求事項を携えてRescaleのもとにやっ
てきました。
RWDIのエンジニアリングプロセスの途絶を最小限に抑えるた
め、RescaleはRWDIのオンプレミスのスケジューラーとのバック
エンドの統合をセットアップしました。ScaleX上で作業を行うた
めに、技術者はいくつかの単純なコマンドをサブミット・スクリプ
トに追加することでジョブをクラウドに投入するだけです。技術
者は、既存のワークフローに最小限の変更を加えることで、工学
プロセスを途絶させることなくシミュレーションのスループットを
飛躍的に高めることができるのです。
RWDIは、速度と性能に関して独自の必要条件を持ってお
り、RWDIとRescaleとの間で協議が行われた結果、彼らが目指
す速度と性能を実現するには、高速インターコネクトを利用可能
なMicrosoftのAzure VMアーキテクチャーが最適であるとの
結論に至りました。
RWDIが、ハイブリッド・クラウドによって収益を生み出す機会に
対応するための柔軟性と能力を実現
www.rescale.com/jp
RWDIは、マンハッタン南部地域に所在するニューヨーク・バイ・ゲーリー
(New York by Gehry)(8スプルース・ストリート)など、世界的に著
名な構造物のいくつかを対象に、さまざまな風工学サービスを提供して
います。
「Rescaleは、当社のユーザー基盤の挙動を変更することなく、当社
のオンプレミスのクラスターからクラウド・バーストするための極めて
シームレスな方法を提供してくれました。すなわち、当社のユーザー基
盤は自由にオンプレミスのキュー、もしくはクラウドへジョブをサブミ
ットすることができるのです。ユーザーがどちらを選ぼうとも、プロセ
スは同じで、かつシームレスです。Rescaleとの統合には多くの魅力が
あります。」
マルコ・アッカルド(Marco Accardo)、RWDI 情報技術ディレクター
Rescaleは、RWDIのWRF(領域気象モデル)シミュレーションをクラウド
にバーストさせるためにハイブリッドのオンプレミス/クラウドHPC環境を
セットアップしました。このWRFマップは、アラビア半島における地上風の
ベクトルと温度を示しています。
CASE STUDY
RWDIでは、財務リスクのモデル化、地震や貯水池のシミュレーシ
ョン、分子モデル化、およびゲノム研究など、ハイパフォーマンス
コンピューティングのワークロード向けに独自に設計されたイン
スタンス・タイプである、Microsoft AzureのH16rで処理を実
行しました。
Hシリーズは、インテルXeon E5-2667 v3 Haswell 3.2
GHz(3.6 GHz、ターボ搭載)とDDR4メモリーを基盤としていま
す。バックエンドでは、RWDIの前処理と後処理がローカルで行わ
れる一方、大量の計算ステップがRescale上で行われます。
導入による利点
RescaleのScaleXクラウド・インフラを組み込んだRWDIのハ
イブリッド・クラウド・ソリューションによって、RWDIは自社の柔
軟性を欠いた、静的なオンプレミスのシステムを、クライアントか
らの課題とそのデッドラインに迅速に対応することを可能にする
敏しょう性(アジリティ)と融通性の高いシステムに変容させまし
た。すなわち、ハイブリッド・クラウドは、以下をもたらすのです。
•	 プロジェクトの規模を問わず、大きな収益を生むプロジェクト
を引き受け、デッドラインを守るための能力
•	 既存の工学プロセスを中断させない、オンプレミスのシステ
ムとのシームレスな統合
•	 マルチクラウドのハードウェア・アーキテクチャーによる幅広
い選択肢、ならびに変化を続けるプロジェクトのニーズに合
わせてそれらを調整できる柔軟性
•	 Rescaleの技術サポート・チームが提供する卓越した顧客サ
ービス
Rescaleについて
Rescale™は、エンタープライズ ビッグコンピュート分野のグロ
ーバルリーダー企業です。
RescaleのScaleXプラットフォーム
は、数百を超えるソフトウェアと世界最大かつ最も強力なHPCネ
ットワーク上に構築された柔軟なハイブリッド、プライベート、パ
ブリックのクラウドリソースを活用するスケーラブルでセキュアな
オンデマンド・クラウドHPC環境です。ScaleXを利用することで
設計者や研究者は、工学設計から科学技術計算、およびディープ
ラーニング(深層学習)に至る幅広い分野において、より速く、より
良い成果を得ることができます。
Rescaleの詳細については以下をご覧ください。
www.rescale.com/jp
©2017 Rescale, Inc.
Rescale, Inc.
944 Market Street
Suite 300
San Francisco, CA 94102
Rescale Japan株式会社
150-0002
東京都渋谷区渋谷1-23-21 co-lab渋谷キャスト
info-japan@rescale.com
Produced in the United States of America
All Rights Reserved
中東地域ので30年に渡る風のマッピング調査のプロジェクトに関する大
口の契約を獲得した際に、RWDIの自社HPC環境ではこれに十分に対処
することができませんでした。
「Rescaleは、一流の組織です。彼らは当社のニーズに熱心に耳を傾
け、プロジェクトのデッドラインに合わせることができるよう、当社の
パートナーとして緊密に連携してくれます。」
マルコ・アッカルド(Marco Accardo)、RWDI 情報技術ディレクター
CASE STUDY
Rescale、ScaleX は米国における Resale, Inc. の商標または登録商標です。Microsoft および Azure は,米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標または商標です。

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