ブレンディッドラーニングによるビジネス日本語研修の紹介
•Download as PPTX, PDF•
1 like•4,459 views
2017年8月9日 日本語教育振興協会 日本語学校教育研究大会ポストセッション 「日本語教育e-learning展示会」及び「日本語教育教材展示会」にて発表
Recommended
More Related Content
Similar to ブレンディッドラーニングによるビジネス日本語研修の紹介
Recently uploaded
Recently uploaded (7)
ブレンディッドラーニングによるビジネス日本語研修の紹介
- 1. ブレンディッドラーニングによる ビジネス日本語研修の紹介 特定非営利活動法人 日本語教育研究所 2017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポストセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教育材展示会」 1
- 2. 背景 • 2017 年度（2017年4月～2018年3月入社）の外国人留 学生採用予定（株式会社ディスコ2016年度調査より） 「採用予定あり」 ◇ 従業員数1000 人以上の企業： 前年51.9％→64.6％ ◇ 従業員数1000 人未満の企業： 前年30％台→50％超 →企業規模に関わらず、外国人社員の採用がかなり浸透 22017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポストセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教育材展示会」
- 3. 背景 日本の企業におけるグローバル化の動き 2017 年度大卒以上の外国人留学生の採用を見込ん でいる企業 ◇ 59.8％ 2017年度海外大学卒の外国人材の採用を予定して いる企業 ◇ 32.0％ 2017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポストセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教育材展示会」 3
- 4. 外国人社員雇用の理由 （抜粋） →多くの日本企業が、社内の体質強化を考えている 42017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポストセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教育材展示会」 文系 理系 優秀な人材を確保するため 64.1％ 69.9％ 外国人としての感性・国際 感覚等の強みを発揮しても らうため 38.1％ 34.9％ ダイバーシティ強化のため 27.1％ 28.9％
- 5. 入社前日本語研修の必要性 •入社後速やかに仕事の研修に入るために、 日本語の研修は入社前に行いたい •しかし、内定者は日本国内に留まらず 各地に点在している →集合研修が難しい •オンラインでの入社前研修のニーズの高まり 52017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポストセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教育材展示会」
- 6. ブレンディッドラーニングによる 入社前研修 6 2015年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会プレセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教育材展示会」
- 9. ブレンディッドラーニングの実践報告 対象企業 A社：日系総合エレクトロニクス企業 B社：日系電機メーカー •海外大学卒の初級外国人材へのブレンデ ィッドラーニング 2017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポストセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教育材展示会」 9
- 10. ブレンディッドラーニングの実践報告 ゼロ初心者 人数 映像視聴 スカイプレッスン 2015 6名 4カ月 4カ月 24コマ 2016 7名 6カ月 5カ月 36コマ 2017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポストセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教育材展示会」 10 初級前半終了者 人数 映像視聴 スカイプレッスン 2015 2名 4カ月 4カ月 24コマ 2016 5名 6カ月 5カ月 24コマ A社
- 11. ブレンディッドラーニングの実践報告 ゼロ初心者 人数 映像視聴 スカイプ 2016 10名 4カ月 ０ 2017 9名 4カ月 4回 2017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポストセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教育材展示会」 11 初級前半終了 人数 映像視聴 スカイプ 2016 5名 4カ月 ０ 2017 3名 4カ月 4回 B社
- 12. eラーニングによる自己学習 2017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポストセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教育材展示会」 12
- 13. 教材 2種類の教材を組み合わせて使用 1. 初級動画教材 2. eラーニングシステム (edulio) 2017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポストセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教育材展示会」
- 14. 初級動画教材 N5 コース ・ゼロ初級者のためのコース ・初級の前半をカバーできる N4 コース ・初級前半終了程度の方のためのコース ・初級の後半をカバーできる 2017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポストセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教育材展示会」
- 15. eラーニングシステム(edulio) 内容 *4カ月の学習スケジュール *ダウンロード用PDF 語彙リスト 漢字リスト ワークシート ビデオセッションごとのパワーポイント *各セッションの練習問題 2017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポストセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教育材展示会」
- 16. 学習の手順 2017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポストセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教育材展示会」 V • セッションのビデオを見て練習する E • ワークシート(pdf)で学習事項を確認する V • ワークシートビデオで、答えを確認する E • Eラーニングシステム(edulio)の練習問題で復習する
- 17. 学習の手順 1) セッションのビデオを見て練習する 2017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポス トセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教 育材展示会」 ビデオの中の指示 に従って練習する
- 18. 学習の手順 1) セッションのビデオを見て練習する 2017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポス トセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教 育材展示会」 手元用に、セッショ ンのpdfを印刷して メモを取りながら学 習する
- 19. 学習の手順 1) セッションのビデオを見て練習する 2017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポス トセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教 育材展示会」 ビデオに出ている教 師と一緒に声に出し て言ってみる
- 20. 学習の手順 2) ワークシート(pdf)で学習事項を確認する Pdfを印刷して、答 えを書き込んでおく 2017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポストセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教育材展示会」
- 21. 学習の手順 3) ワークシートビデオで、答えを確認する ・ワークシートの解 答はビデオで提示さ れている ・ビデオで答え合わ せをして、声に出し て練習する 2017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポストセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教育材展示会」
- 22. 学習の手順 4) eラーニングシステム(edulio)の練習 問題で復習する 2017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポス トセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教 育材展示会」
- 23. スカイプによる 対面レッスン 2017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポストセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教育材展示会」 23
- 24. •講師と受講生とで日程を決定する •レッスン前に、どこまで自習ができたかをメールで知ら せておく •特に質問があれば、事前にメールで質問をしておく •質問に対してメールで回答したり、レッスンで確認した りした上で、学習した箇所を口頭練習する •提示してある学習スケジュール通りに進まなくても、 学習者に合わせた進度で進む。 eラーニングとの連携 2017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポストセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教育材展示会」 24 到達度を重視
- 25. 効果と課題 2017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポストセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教育材展示会」 25
- 26. 学習効果 eラーニング(自己学習)だけでの学習との比較 2017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポストセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教育材展示会」 26 eラーニングのみ スカイプレッスンとの連携 進度 自習をしない受講 生に対してのフォ ローができない 定期的に進度を確認するた め遅れていてもフォローで きる 理解度 確認できない 直接話すことで確認できる 発話練習 実際に声に出して 練習しているかど うかわからない 相互のやり取りが必要なの で発話練習ができる
- 27. 学習効果 1)eラーニングで自己学習をしていた受講生は 、スカイプレッスンでは、口頭練習に十分な 時間を割くことができた。 2)各受講生の進度や理解度にあわせて、きめ細 かいフォローができた。 3)自習の進度の遅い受講生も、スカイプレッス ンをすることで、途中であきらめることなく 最後まで受講できた。 2017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポストセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教育材展示会」 27
- 28. 問題点と今後の課題 【問題点】 スカイプレッスンに頼ってしまい、eラーニング での自己学習を怠る受講生がいた。 【課題】 1)学習の手順をいかに徹底させるか。 2)通信環境が整っていない受講生をいかにフォ ローしていくか。 2017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポストセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教育材展示会」 28
- 29. 参考文献・サイト • 「外国人留学生の採用に関する企業調査」アンケート 結果 http://www.disc.co.jp/uploads/2016/12/2016kigyou- gaikoku-report.pdf • Eラーニングシステム edulio http://www.edulio.com/ 292017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポストセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教育材展示会」
- 30. 教師養成講座との連携 302017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポストセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教育材展示会」
- 31. 教師養成 •現場の経験を生かした養成講座 ◇ビジネス日本語教師養成 ◇オンラインレッスン講師養成 312017年8月9日 平成29年度日本語学校教育研究大会ポストセッション「日本語教育 e-learning 展示会」 及び「日本語教育材展示会」
Editor's Notes
- みなさん、こんにちは。日本語教育研究所の池田と申します。 私たち日本語教育研究所では、企業向けの様々な日本語研修を行っております。 今日は、近年需要がの大きくなった高くなった内定者向けの入社前研修で実施している、eラーニングでの自習と、スカイプを使った講師との対面レッスンとのブレンディッドラーニングについてご紹介発表いたします。
- 近年、外国籍の社員を採用する企業はが増えてきています。おり、ディスコ社の調査によりますと、企業規模にかからわず前年に比べ、ご覧の通り、外国人社員の採用が、かなり浸透してきていることがわかります。 このように増えてきていることがわかります。
- 国内の外国人留学生の採用のみならず、海外大学卒の人材も採用されてきています。
- 外国人社員採用の理由としては、このように、優秀な人材を確保するため、外国人としての感性・国債感覚などの強みを発揮してもらうため、ダイバーシティ強化のためなど、多くの日本企業が、社内の体質強化を考えていると考えられます思われます。
- そのようなこのような外国人社員のために、入社前研修が必要とされています。 しかし日本語の研修は入社前に行いたいとはいうものの、内定者は海外大学卒業生など、日本国内にとどまらず、各地に点在しているため、集合研修が難しい状況です。 そこで、遠隔地でも可能な、オンラインでの入社前研修のニーズが高まっています。
- それでは、そのこのような背景を踏まえたうえで、当所が実施しているブレンディッドラーニングによる入社前研修についてご紹介します報告いたします。
- まず、ブレンディッドラーニングというのは、一般には eラーニングによる個別学習と、対面型の集合研修の組み合わせをさします。しかし、先ほど申し上げたように、内定者が各地に点在していることで、対面型の集合研修が難しいため、私どもでは、集合研修ではなく、スカイプを使った1対1の対面レッスンを実施しました。 つまり、eラーニングによる自己学習と、スカイプを使った対面レッスンとを組み合わせた、ブレンディッドラーニングです。
- ブレンディッドラーニングの対象者のレベルは、初級から上級レベルまでいます。初級レベルの受講生は全員東南アジアに在住しており、eラーニングでの自己学習とスカイプでの対面授業とを組み合わせていますです。また、中級レベル以上では、ビジネスライティングコースと、スカイプでの対面授業とのブレンディッドとなりました。とを組み合わせています。
- 現在、対象企業は2社あります。それぞれの企業の海外大学卒の外国人へのブレンディッドラーニングについて説明します。報告いたします。
- A社は2015年よりブレンディッドラーニングによる日本語研修を始め、初年度は、映像視聴、スカイプレッスンとも4カ月とし、スカイプレッスンも24コマとしました。 このスカイプレッスンのコマ数は上級レベルの受講者を含め全受講生に一律同じコマ数を実施しましたが、2年めの2016年は、中上級レベルのレッスン数を減らし、その分、ゼロ初心者のレッスンを36コマに増やし、手厚いフォローをすることにしました。短期でより効果的な日本語研修を提供するようにしました。 映像視聴を自分のペースで学習、進捗の確認と口頭練習を週１回または2回のSkype対面レッスンで対面授業で行いました。 1コマは50分です。
- B社は2016年よりeラーニングによる研修を導入しましたが、2016年はスカイプによる対面授業は実施せず、自己学習のeラーニングのみを取り入れました。しかし、今年度は、よりeラーニングによる学習を進めてもらい、日本語力をつけてもらうために、スカイプによる対面カウンセリングを実施しました。 カウンセリングは1回30分です。この今年の初級前半終了の中には1人初級終了者もが一人含まれています。
- それではeラーニングによる自己学習についてご説明いたします。
- 教材は、ビデオを見て勉強する初級動画教材と、edulioというeラーニングシステムを使った教材の2種類があります。
- 初級動画教材は、N5コースとN4コースがあります。
- edulioには、4ヶ月間の学習スケジュール、ダウンロード用pdfとビデオのセッションごとの練習問題があります。
- 学習の手順としては、ビデオとedulioを組み合わせて、このように自己学習をしてもらいます。 次に具体的にご紹介いたします。
- ビデオを見ながら、中の指示に従って練習します。
- 文法の説明もしますので、できれば手元用にセッションのpdfを印刷してメモをとりながら学習することを勧めています。
- 教師と一緒に声を出して言ってみます。
- 次に、eラーニングシステムから、ワークシートで学習事項を確認します。pdfを印刷して答えを書いておきます。
- またビデオに戻り、ワークシートの答えを確認します。解答はビデオで提示されています。ここでも声に出して練習するように促しています。
- さらに、eラーニングシステムの練習問題で復習します。
- 次にスカイプによる対面レッスンです。
- 事前に講師と受講生とで日程を決定しておきます。基本的には、定期的にレッスン日時は決めてありますが、1対1のレッスンなので、ある程度の融通はききます。 レッスン前に、どこまで自習ができたかをメールで知らせ、特に質問があればメールで質問しておきます。 質問に対しては、メールで回答したり、レッスンで確認したりした上で、学習した箇所を口頭練習します。 最初に提示してある学習スケジュール通りに進まなくても、学習者に合わせた進度で進みます。 あくまでも学習到達度を重視しています。
- 次に効果と課題についてです。
- ブレンディッドラーニングでの学習効果を、eラーニングによる自己学習だけでの学習と比較してみました。 進度に関しましては、eラーニングのみの場合、自己学習をしていない受講生に対してのフォローができなかったのに対し、スカイプレッスンと連携することで、定期的に進度を確認するため、フォローができました。 eラーニングのみの場合、学習をしたかどうかはシステムで確認はできるのですが、理解しているかどうかの確認はできませんが、スカイプで直接話すことができるので、確認ができます。 発話練習についても、ビデオで教師と一緒に実際に声を出して練習しているかどうかはわかりませんが、スカイプでは相互のやり取りが必要なので、発話練習ができます。
- つまり、eラーニングで自己学習をしていた受講生は、スカイプレッスンでは、口頭練習に十分な時間を割くことができました。 さらに、きめ細かいフォローができ、皆途中であきらめることなく最後まで受講できました。
- 最後に、問題点と今後の課題です。 問題点として明らかになったことは、一部の受講生がスカイプレッスンに頼ってしまい、eラーニングでの自己学習を怠る受講生がいたことです。傾向がありました。 それを解決するための今後の課題として、学習の手順をいかに徹底させるか、また、通信環境が整っていない受講生をいかにフォローしていくかということが残りました。 今後の課題です。 今後この課題を克服し、新しい展開があれば、それも発表していきたいと思います。