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ボート競技とは
                         ボート競技の種目(日本)

                スカル種目                スイープ種目      スカル種目とは:
舵手   漕手                                          両手に一本ずつ(計2本)オールを
          男子    女子      呼称     男子    女子    呼称    操りボートを進める種目。基本的
                                                 に舵手(コックス)は付かないが、
     1人   M1X   W1X    シングル                      W4X+のみ舵手が付く。

     2人   M2X   W2X     ダブル    M2-   W2-   ペア    スイープ種目とは:
無                                                両手で一本のオールを操りボート
                       クォドルプ                     を進める種目。舵手が付く場合
     4人   M4X                  M4-         フォア   (+)と付かない場合(-)があ
                         ル                       るが、8人乗りの場合は必ず舵手が
                                                 付く。
     2人                        M2+         ペア
                       クォドルプ
付    4人         W4X+           M4+         フォア
                         ル
     8人                      M8+ W8+
                         ボート競技の距離(日本)エイト

全日本級レース(インカレ、軽量級選手権
等)                                          2,000m
上記以外のレース(お花見、東日本選手権
等)                                          1,000m

 ボートは既定の距離を漕ぎ切るスピードを競う競技
                                                             1
東京外国語大学端艇部の目標




4年間でセレクションで入ってきた大学生達よりも
    2,000mを速く漕げるようになる。




他大の選手よりも密度の濃い練習を行っていく!

                         2
東京外国語大学端艇部の5つの柱




          STRENGTH


RIGGING              TECHNIQUE

          SPEED
   CONDITION    FLEXIBILITY


                                 3
東京外国語大学端艇部の5つの柱

                        大きな力を出す
                        F1のエンジンを積んでいる車に普通車のエンジンを積んでいる車では決
STRENGTH      ストレングス    して勝てない。高いスピードを出すためには高い出力を発揮できる性能
                        のいいエンジン(=人間)を積むことが不可欠。高い出力は高いスピー
                        ドの大前提。

                        力を効率よく推進力へ変換する
                        高いスピードを出すには、発揮した力を効率よく推進力に変えることが
TECHNIQUE       技術      不可欠。水上という不安定な場所で多数の道具を使うため、発揮した力
                        を推進力に変えるのが困難。推進力への変換効率を100%に近づけるこ
                        とが、高いスピードを出す鍵。
                        正しく身体を使う
                        ボートでは日常生活と異なる身体の使い方が求められる。高い出力をす
FLEXIBILITY    柔軟性      るには正しい身体の使い方が必要となり、正しく身体を使うには正しい
                        姿勢をとれるだけの柔軟性が必要。正しい姿勢とれないことで怪我につ
                        ながることも少なくない。

                        強い身体を作る
CONDITION     コンディション   高性能のエンジンを作るには、ハードなトレーニングでダメージを受け
                        た身体を修復するための栄養、そして休息が必要となる。トレーニング、
                        栄養、休息のどれ一つ欠けてもいいエンジン(=強い身体)は作れない。

                        道具を正しく使う
              艇のセッティン   Rowingは道具(ボート、オール)を使うスポーツ。道具を良い状態に保
 RIGGING
                 グ      ち、正しいセッティングにしなければ発揮した力を効率よく推進力に変
                        えることはできないし、力を発揮する環境もできない。
                                                        4
第1の柱:STRENGTH




            STRENGTH


RIGGING                   TECHNIQUE

          SPEED
   CONDITION       FLEXIBILITY


                                      5
第1の柱:STRENGTH
       STRENGTHの3つの視点




                        エネルギー機構や血中乳酸濃
     生理学                度など、運動生理学的指標に
                        基づいたトレーニングを行う
                        ために必要な視点。

                        自己の能力の分析や年間ト
                        レーニング計画の作成、目的
                        に合わせたトレーニングメ
                        ニューを決定するために必要。



協調         筋力



                                   6
第1の柱:STRENGTH
                  生理学:3つのエネルギー機構とロウイング

 3つのエネルギー機構の特徴
               ホスファゲン回路                  解糖系             酸化系
     持続時間           10~20秒               2~3分             無限

      出力              大                   中                小
                  ATP、クレアチ
 エネルギー源                              グリコーゲン              脂肪、糖
                      ン

 2,000mレースとエネルギー機構(出力を100とした場合)
出力
     A:ホスファゲン回路     B:解糖系        C:酸化系
                                              2,000mレースで利用するエネルギー
                                              の
                                              大部分は酸化系で生成



 A         B                 C                酸化系のトレーニングを中心に行う

                                               運動時間
     20秒       3分                        7分
                                                                7
第1の柱:STRENGTH
              生理学:運動強度と血中乳酸濃度
血中乳酸濃度                                       血中乳酸濃度とは:
 (mmol/l)                                    乳酸は体内で解糖系(無酸素的代
                                             謝)により生成される。低い運動強
                                             度では解糖系による乳酸の生成を酸
                                             化系(有酸素的代謝)による乳酸の
            2,000mレース                        分解が上回る為血中乳酸濃度は上昇
                                             しないが、運動強度が高くなるにつ
                の強度                          れ上昇する。

                                             LTとは:
                                             乳酸性作業閾値(Lactate Threshold)。運
                                             動強度がLTを超えると血中の乳酸の
                                             蓄積が開始される。通常2mmol/lで観
  4                                          察される。


  2
                                             OBLAとは:
                                             血中乳酸蓄積開始点(Onset of Blood
                                             Lactate Accumulation)。運動強度が
                                             OBLAを超えると急激に乳酸が蓄積さ
                LT        OBLA   RP          れる。通常4mmol/lで観察される。
                                      運動強度
                                             ※図中のRPはRace Paceの略。

上図のように、血中乳酸濃度と運動強度には相関関係がある。STRENGTHの向上の目
的の一つは乳酸カーブが右方へ移動させることであり、下記能力の向上により達成さ
れる。
①乳酸の分解速度(乳酸をエネルギーへと変換するスピード)の向上
②無酸素的代謝能力の向上
③耐乳酸能力の向上
                                                                   8
第1の柱:STRENGTH
              生理学:トレーニングカテゴリーと運動強度
血中乳酸濃度                                              UT:
 (mmol/l)                                           Utilizationの略称。LSD(Long Slow
                                                    Desitance)と同義。rowing 16km、Ergo
                                                    80min等。

               2,000mレース               RPO          AT:
                                                    Anerobic Threshold(無酸素性作業閾
                   の強度                              値)の略称。実際にはAT強度(≒LT強
                                                    度)よりも高い運動強度でトレーニ
                                                    ングを行う。rowing 3,000m、Ergo
                                  AT                20min等。

  4                                                 RPO:
                                                    Race Pace Overの略称。OBLA以上の強
                          UT                        度で行うトレーニング。rowing 250m
  2                                                 on / 250m off、Ergo 1min on / 1min off
                                                    等。

                                                    ※どのカテゴリーでも一定の時間/距
                   LT          OBLA    RP    運動強度   離をできるだけ高い強度でトレーニ
                                                    ングすることが重要。
            • 有酸素的代謝(酸化系)能力の向上
      UT    • トレーニング量を確保するのに最も効率の良いカテゴリー

            • 無酸素的代謝(解糖系)能力の向上
      AT    • テクニックの向上にも重要なカテゴリー

            • 無酸素的代謝(解糖系)能力の向上(解糖系の寄与度がATよりも大きい)
      RPO   • 強度が高く、短い時間で疲労困憊となるため、トレーニング量の確保が難しい
                                                                                  9
第1の柱:STRENGTH
       STRENGTHの3つの視点




                        「重いものを持ち上げられ
     生理学                る」
                        「筋量が多い」など、シンプ
                        ルな身体の強さにフォーカス
                        した視点




協調         筋力



                                   10
第1の柱:STRENGTH
       STRENGTHの3つの視点




                        発揮した力をパフォーマンス
     生理学                に
                        つなげる身体の使い方をする
                        ための視点




協調         筋力



                                   11
第2の柱:TECHNIQUE




            STRENGTH


RIGGING                 TECHNIQUE

           SPEED
   CONDITION        FLEXIBILITY


                                    12
第2の柱:TECHNIQUE
             ロウイングの4フェイズ


             進行方向


 ドライブ            ドライブ

エントリー                                   フィニッ
                                         シュ



リカバリー         リカバリー
                              ※上記矢印はグリップの動きのイメー
                                              ジ




ロウイングは大きくドライブフェイズとリカバリーフェイズに分けられ、ドライブ
フェイズはさらにエントリーフェイズ、ドライブフェイズ、フィニッシュフェイズ
に細分化される。
                                            13
第2の柱:TECHNIQUE
               ドライブフェイズ


             進行方向


 ドライブ            ドライブ

エントリー                                   フィニッ
                                         シュ



リカバリー         リカバリー
                              ※上記矢印はグリップの動きのイメー
                                              ジ


ドライブフェイズでのポイント

1.ロウイングの支点、力点、作用点
2.クラッチへの荷重

                                            14
第2の柱:TECHNIQUE
         ドライブフェイズ:1.ロウイングの支点・力点・作用点

ロウイングはオールを用い、てこを使うことで発揮した力を推進力へと変換する。
直感的には図Aのように支点がクラッチ、力点がグリップ、作用点がブレードとなる
が、正しくは図Bのように支点がブレード、力点がグリップ、作用点がクラッチの場
合である。
図A                   図B
           視線の方向               視線の方向
(誤)                  (正)


                  力点
   作用点
                                 作用点     力点

          支点


                           支点
           進行方向                        進行方向

図Aのイメージで漕いでいると・・・
1.水が壊れる(ブレードが大きく飛沫を上げ、バシャッと音が鳴る)
2.カラーがクラッチの中で動く(リガーが大きく揺れ、クラッチからガコガコ音
が鳴る)
                                              15
第2の柱:TECHNIQUE
             フィニッシュフェイズ


            進行方向


 ドライブ           ドライブ

エントリー                                  フィニッ
                                        シュ



リカバリー        リカバリー
                             ※上記矢印はグリップの動きのイメー
                                             ジ


フィニッシュフェイズでのポイント

1.リリース
2.ドロップダウン
3.ハンザウェイ
                                           16
第2の柱:TECHNIQUE
             フィニッシュフェイズ:1.リリース

リリース:ドライブで加速させた艇を離してあげること


 ドライブ              ドライブ                  リリース

エントリー                                     フィニッ
                                           シュ



リカバリー            リカバリー
                                ※上記矢印はグリップの動きのイメー
                                                ジ


リリースでのポイント

1.リリースする瞬間までクラッチに力をかけ続け、艇を加速させ続ける。
2.リリース前に艇が減速するのはクラッチに力をかけられていないことが原因。
3.リリース前に艇が減速する場合、リリースポイントを前にしてみる。
                                              17
第2の柱:TECHNIQUE
         フィニッシュフェイズ:2.ドロップダウン

ドロップダウン:グリップを下げオールをクラッチに乗せること


 ドライブ            ドライブ            ドロップダウ
                                   ン
エントリー                                   フィニッ
                                         シュ



リカバリー           リカバリー
                              ※上記矢印はグリップの動きのイメー
                                              ジ


ドロップダウンでのポイント
1.オールを完全にクラッチに乗せる。(中途半端な状態は駄目)
2.垂直に行うのではなく、クラッチに力をかけながら円を描くように行う。
3.ドロップダウンしたところで動きを止めない。(ハンザウェイへのスムーズな
移行)
                                            18
第2の柱:TECHNIQUE
          フィニッシュフェイズ:3.ハンザウェイ

ハンザウェイ:リリースしてから腕を伸ばすまでの動作


 ドライブ              ドライブ

エントリー                                     フィニッ
                                           シュ



リカバリー           リカバリー                  ハンザウェイ
                                ※上記矢印はグリップの動きのイメー
                                                ジ


ハンザウェイでのポイント

1.ストレッチャーを押し続ける。(途中で膝を緩めたりしない)
2.しっかりとクラッチにオールを預けた状態で素早く行う。
3.フェザリングは手首で行わず、手のひらの中で行う。
                                              19
第2の柱:TECHNIQUE
参考:フェザリングとは




                 20
第2の柱:TECHNIQUE
              リカバリーフェイズ


             進行方向


 ドライブ             ドライブ

エントリー                                   フィニッ
                                         シュ



リカバリー         リカバリー
                              ※上記矢印はグリップの動きのイメー
                                              ジ


リカバリーフェイズでのポイント

1.ブレードを水面に擦ることのデメリット
2.バランスのコントロール

                                            21
第2の柱:TECHNIQUE
     リカバリーフェイズ:1.ブレードを水面に擦ることのデメリット

リカバリー(次のドライブへ向けた準備のフェイズ)中にブレードを水面に
擦ることには多数のデメリットが存在する。

  デメリット1:スピードの減速

ブレードが水面を擦ることで抵抗が生まれ、艇に与えたスピードが減速する。


   デメリット2:肩周りの緊張
リカバリーは次のドライブへの準備段階。リカバリー中に身体(特に肩周り)が緊
張すると、ドライブ中に上手く力を発揮することができない。ブレードが水面を擦
ると抵抗が生まれ、リカバリー自体に力が必要となり身体が緊張する。

 デメリット3:エントリー前の動作の
         増加
エントリー(キャッチ)は『高い位置から、速く、ブレードが一枚入る深さに』行
うことが重要。ブレードを擦っている場合、エントリーを行う直前にブレードを一
度空中へあげる動作など余分な動作が必要となるため、エントリーを正確に行うこ
とが困難となる。
                                      22
第2の柱:TECHNIQUE
          リカバリーフェイズ:2.バランスのコントロール

Q1:何故オールを乗せることができないのか?
A1:崩れたバランスをコントロールできる能力が開発されていないから。
   思い切って両舷ともオールを乗せ、どちらかに傾いても構わず漕ぎ続
ける。
  両舷ともオールを乗せれば、どちらかに傾いてバランスを崩すのが普通。オールを乗せられる選手は
  バランスが良いだけではなく、艇のバランスを崩してもそれをコントロールできる能力を開発してい
  る。バランスを崩しても乗せ続けることで、バランスを回復する能力が開発される。オールを擦った
  まま、艇のバランスを崩さないで漕ごうとするから、バランスを回復する能力が育たない。思い切っ
  て、乗せてみてどちらかに傾いても構わず続ける。


Q2:オールを乗せられるようになるにはどのようなドリルをすればいいの
か。
A2:崩れたバランスをコントロールできる能力が開発されていないから。
   思い切って両舷ともオールを乗せ、どちらかに傾いても構わず漕ぎ続
ける。




                                             23
第2の柱:TECHNIQUE
                エントリーフェイズ


               進行方向


 ドライブ              ドライブ

エントリー                                     フィニッ
                                           シュ



リカバリー           リカバリー
                                ※上記矢印はグリップの動きのイメー
                                                ジ


エントリーフェイズでのポイント

1.振り込みのタイミング
2.振り込みのスピード

                                              24
第3の柱:FLEXIBILITY




            STRENGTH


RIGGING                  TECHNIQUE

           SPEED
   CONDITION         FLEXIBILITY


                                     25
第4の柱:CONDITION




            STRENGTH


RIGGING                    TECHNIQUE

           SPEED
   CONDITION        FLEXIBILITY


                                       26
第5の柱:RIGGING




           STRENGTH


RIGGING                  TECHNIQUE

          SPEED
   CONDITION       FLEXIBILITY


                                     27
第5の柱:RIGGING
  RIGGINGとは




               28

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お勉強資料(仮)

  • 1. ボート競技とは ボート競技の種目(日本) スカル種目 スイープ種目 スカル種目とは: 舵手 漕手 両手に一本ずつ(計2本)オールを 男子 女子 呼称 男子 女子 呼称 操りボートを進める種目。基本的 に舵手(コックス)は付かないが、 1人 M1X W1X シングル W4X+のみ舵手が付く。 2人 M2X W2X ダブル M2- W2- ペア スイープ種目とは: 無 両手で一本のオールを操りボート クォドルプ を進める種目。舵手が付く場合 4人 M4X M4- フォア (+)と付かない場合(-)があ ル るが、8人乗りの場合は必ず舵手が 付く。 2人 M2+ ペア クォドルプ 付 4人 W4X+ M4+ フォア ル 8人 M8+ W8+ ボート競技の距離(日本)エイト 全日本級レース(インカレ、軽量級選手権 等) 2,000m 上記以外のレース(お花見、東日本選手権 等) 1,000m ボートは既定の距離を漕ぎ切るスピードを競う競技 1
  • 2. 東京外国語大学端艇部の目標 4年間でセレクションで入ってきた大学生達よりも 2,000mを速く漕げるようになる。 他大の選手よりも密度の濃い練習を行っていく! 2
  • 3. 東京外国語大学端艇部の5つの柱 STRENGTH RIGGING TECHNIQUE SPEED CONDITION FLEXIBILITY 3
  • 4. 東京外国語大学端艇部の5つの柱 大きな力を出す F1のエンジンを積んでいる車に普通車のエンジンを積んでいる車では決 STRENGTH ストレングス して勝てない。高いスピードを出すためには高い出力を発揮できる性能 のいいエンジン(=人間)を積むことが不可欠。高い出力は高いスピー ドの大前提。 力を効率よく推進力へ変換する 高いスピードを出すには、発揮した力を効率よく推進力に変えることが TECHNIQUE 技術 不可欠。水上という不安定な場所で多数の道具を使うため、発揮した力 を推進力に変えるのが困難。推進力への変換効率を100%に近づけるこ とが、高いスピードを出す鍵。 正しく身体を使う ボートでは日常生活と異なる身体の使い方が求められる。高い出力をす FLEXIBILITY 柔軟性 るには正しい身体の使い方が必要となり、正しく身体を使うには正しい 姿勢をとれるだけの柔軟性が必要。正しい姿勢とれないことで怪我につ ながることも少なくない。 強い身体を作る CONDITION コンディション 高性能のエンジンを作るには、ハードなトレーニングでダメージを受け た身体を修復するための栄養、そして休息が必要となる。トレーニング、 栄養、休息のどれ一つ欠けてもいいエンジン(=強い身体)は作れない。 道具を正しく使う 艇のセッティン Rowingは道具(ボート、オール)を使うスポーツ。道具を良い状態に保 RIGGING グ ち、正しいセッティングにしなければ発揮した力を効率よく推進力に変 えることはできないし、力を発揮する環境もできない。 4
  • 5. 第1の柱:STRENGTH STRENGTH RIGGING TECHNIQUE SPEED CONDITION FLEXIBILITY 5
  • 6. 第1の柱:STRENGTH STRENGTHの3つの視点 エネルギー機構や血中乳酸濃 生理学 度など、運動生理学的指標に 基づいたトレーニングを行う ために必要な視点。 自己の能力の分析や年間ト レーニング計画の作成、目的 に合わせたトレーニングメ ニューを決定するために必要。 協調 筋力 6
  • 7. 第1の柱:STRENGTH 生理学:3つのエネルギー機構とロウイング 3つのエネルギー機構の特徴 ホスファゲン回路 解糖系 酸化系 持続時間 10~20秒 2~3分 無限 出力 大 中 小 ATP、クレアチ エネルギー源 グリコーゲン 脂肪、糖 ン 2,000mレースとエネルギー機構(出力を100とした場合) 出力 A:ホスファゲン回路 B:解糖系 C:酸化系 2,000mレースで利用するエネルギー の 大部分は酸化系で生成 A B C 酸化系のトレーニングを中心に行う 運動時間 20秒 3分 7分 7
  • 8. 第1の柱:STRENGTH 生理学:運動強度と血中乳酸濃度 血中乳酸濃度 血中乳酸濃度とは: (mmol/l) 乳酸は体内で解糖系(無酸素的代 謝)により生成される。低い運動強 度では解糖系による乳酸の生成を酸 化系(有酸素的代謝)による乳酸の 2,000mレース 分解が上回る為血中乳酸濃度は上昇 しないが、運動強度が高くなるにつ の強度 れ上昇する。 LTとは: 乳酸性作業閾値(Lactate Threshold)。運 動強度がLTを超えると血中の乳酸の 蓄積が開始される。通常2mmol/lで観 4 察される。 2 OBLAとは: 血中乳酸蓄積開始点(Onset of Blood Lactate Accumulation)。運動強度が OBLAを超えると急激に乳酸が蓄積さ LT OBLA RP れる。通常4mmol/lで観察される。 運動強度 ※図中のRPはRace Paceの略。 上図のように、血中乳酸濃度と運動強度には相関関係がある。STRENGTHの向上の目 的の一つは乳酸カーブが右方へ移動させることであり、下記能力の向上により達成さ れる。 ①乳酸の分解速度(乳酸をエネルギーへと変換するスピード)の向上 ②無酸素的代謝能力の向上 ③耐乳酸能力の向上 8
  • 9. 第1の柱:STRENGTH 生理学:トレーニングカテゴリーと運動強度 血中乳酸濃度 UT: (mmol/l) Utilizationの略称。LSD(Long Slow Desitance)と同義。rowing 16km、Ergo 80min等。 2,000mレース RPO AT: Anerobic Threshold(無酸素性作業閾 の強度 値)の略称。実際にはAT強度(≒LT強 度)よりも高い運動強度でトレーニ ングを行う。rowing 3,000m、Ergo AT 20min等。 4 RPO: Race Pace Overの略称。OBLA以上の強 UT 度で行うトレーニング。rowing 250m 2 on / 250m off、Ergo 1min on / 1min off 等。 ※どのカテゴリーでも一定の時間/距 LT OBLA RP 運動強度 離をできるだけ高い強度でトレーニ ングすることが重要。 • 有酸素的代謝(酸化系)能力の向上 UT • トレーニング量を確保するのに最も効率の良いカテゴリー • 無酸素的代謝(解糖系)能力の向上 AT • テクニックの向上にも重要なカテゴリー • 無酸素的代謝(解糖系)能力の向上(解糖系の寄与度がATよりも大きい) RPO • 強度が高く、短い時間で疲労困憊となるため、トレーニング量の確保が難しい 9
  • 10. 第1の柱:STRENGTH STRENGTHの3つの視点 「重いものを持ち上げられ 生理学 る」 「筋量が多い」など、シンプ ルな身体の強さにフォーカス した視点 協調 筋力 10
  • 11. 第1の柱:STRENGTH STRENGTHの3つの視点 発揮した力をパフォーマンス 生理学 に つなげる身体の使い方をする ための視点 協調 筋力 11
  • 12. 第2の柱:TECHNIQUE STRENGTH RIGGING TECHNIQUE SPEED CONDITION FLEXIBILITY 12
  • 13. 第2の柱:TECHNIQUE ロウイングの4フェイズ 進行方向 ドライブ ドライブ エントリー フィニッ シュ リカバリー リカバリー ※上記矢印はグリップの動きのイメー ジ ロウイングは大きくドライブフェイズとリカバリーフェイズに分けられ、ドライブ フェイズはさらにエントリーフェイズ、ドライブフェイズ、フィニッシュフェイズ に細分化される。 13
  • 14. 第2の柱:TECHNIQUE ドライブフェイズ 進行方向 ドライブ ドライブ エントリー フィニッ シュ リカバリー リカバリー ※上記矢印はグリップの動きのイメー ジ ドライブフェイズでのポイント 1.ロウイングの支点、力点、作用点 2.クラッチへの荷重 14
  • 15. 第2の柱:TECHNIQUE ドライブフェイズ:1.ロウイングの支点・力点・作用点 ロウイングはオールを用い、てこを使うことで発揮した力を推進力へと変換する。 直感的には図Aのように支点がクラッチ、力点がグリップ、作用点がブレードとなる が、正しくは図Bのように支点がブレード、力点がグリップ、作用点がクラッチの場 合である。 図A 図B 視線の方向 視線の方向 (誤) (正) 力点 作用点 作用点 力点 支点 支点 進行方向 進行方向 図Aのイメージで漕いでいると・・・ 1.水が壊れる(ブレードが大きく飛沫を上げ、バシャッと音が鳴る) 2.カラーがクラッチの中で動く(リガーが大きく揺れ、クラッチからガコガコ音 が鳴る) 15
  • 16. 第2の柱:TECHNIQUE フィニッシュフェイズ 進行方向 ドライブ ドライブ エントリー フィニッ シュ リカバリー リカバリー ※上記矢印はグリップの動きのイメー ジ フィニッシュフェイズでのポイント 1.リリース 2.ドロップダウン 3.ハンザウェイ 16
  • 17. 第2の柱:TECHNIQUE フィニッシュフェイズ:1.リリース リリース:ドライブで加速させた艇を離してあげること ドライブ ドライブ リリース エントリー フィニッ シュ リカバリー リカバリー ※上記矢印はグリップの動きのイメー ジ リリースでのポイント 1.リリースする瞬間までクラッチに力をかけ続け、艇を加速させ続ける。 2.リリース前に艇が減速するのはクラッチに力をかけられていないことが原因。 3.リリース前に艇が減速する場合、リリースポイントを前にしてみる。 17
  • 18. 第2の柱:TECHNIQUE フィニッシュフェイズ:2.ドロップダウン ドロップダウン:グリップを下げオールをクラッチに乗せること ドライブ ドライブ ドロップダウ ン エントリー フィニッ シュ リカバリー リカバリー ※上記矢印はグリップの動きのイメー ジ ドロップダウンでのポイント 1.オールを完全にクラッチに乗せる。(中途半端な状態は駄目) 2.垂直に行うのではなく、クラッチに力をかけながら円を描くように行う。 3.ドロップダウンしたところで動きを止めない。(ハンザウェイへのスムーズな 移行) 18
  • 19. 第2の柱:TECHNIQUE フィニッシュフェイズ:3.ハンザウェイ ハンザウェイ:リリースしてから腕を伸ばすまでの動作 ドライブ ドライブ エントリー フィニッ シュ リカバリー リカバリー ハンザウェイ ※上記矢印はグリップの動きのイメー ジ ハンザウェイでのポイント 1.ストレッチャーを押し続ける。(途中で膝を緩めたりしない) 2.しっかりとクラッチにオールを預けた状態で素早く行う。 3.フェザリングは手首で行わず、手のひらの中で行う。 19
  • 21. 第2の柱:TECHNIQUE リカバリーフェイズ 進行方向 ドライブ ドライブ エントリー フィニッ シュ リカバリー リカバリー ※上記矢印はグリップの動きのイメー ジ リカバリーフェイズでのポイント 1.ブレードを水面に擦ることのデメリット 2.バランスのコントロール 21
  • 22. 第2の柱:TECHNIQUE リカバリーフェイズ:1.ブレードを水面に擦ることのデメリット リカバリー(次のドライブへ向けた準備のフェイズ)中にブレードを水面に 擦ることには多数のデメリットが存在する。 デメリット1:スピードの減速 ブレードが水面を擦ることで抵抗が生まれ、艇に与えたスピードが減速する。 デメリット2:肩周りの緊張 リカバリーは次のドライブへの準備段階。リカバリー中に身体(特に肩周り)が緊 張すると、ドライブ中に上手く力を発揮することができない。ブレードが水面を擦 ると抵抗が生まれ、リカバリー自体に力が必要となり身体が緊張する。 デメリット3:エントリー前の動作の 増加 エントリー(キャッチ)は『高い位置から、速く、ブレードが一枚入る深さに』行 うことが重要。ブレードを擦っている場合、エントリーを行う直前にブレードを一 度空中へあげる動作など余分な動作が必要となるため、エントリーを正確に行うこ とが困難となる。 22
  • 23. 第2の柱:TECHNIQUE リカバリーフェイズ:2.バランスのコントロール Q1:何故オールを乗せることができないのか? A1:崩れたバランスをコントロールできる能力が開発されていないから。 思い切って両舷ともオールを乗せ、どちらかに傾いても構わず漕ぎ続 ける。 両舷ともオールを乗せれば、どちらかに傾いてバランスを崩すのが普通。オールを乗せられる選手は バランスが良いだけではなく、艇のバランスを崩してもそれをコントロールできる能力を開発してい る。バランスを崩しても乗せ続けることで、バランスを回復する能力が開発される。オールを擦った まま、艇のバランスを崩さないで漕ごうとするから、バランスを回復する能力が育たない。思い切っ て、乗せてみてどちらかに傾いても構わず続ける。 Q2:オールを乗せられるようになるにはどのようなドリルをすればいいの か。 A2:崩れたバランスをコントロールできる能力が開発されていないから。 思い切って両舷ともオールを乗せ、どちらかに傾いても構わず漕ぎ続 ける。 23
  • 24. 第2の柱:TECHNIQUE エントリーフェイズ 進行方向 ドライブ ドライブ エントリー フィニッ シュ リカバリー リカバリー ※上記矢印はグリップの動きのイメー ジ エントリーフェイズでのポイント 1.振り込みのタイミング 2.振り込みのスピード 24
  • 25. 第3の柱:FLEXIBILITY STRENGTH RIGGING TECHNIQUE SPEED CONDITION FLEXIBILITY 25
  • 26. 第4の柱:CONDITION STRENGTH RIGGING TECHNIQUE SPEED CONDITION FLEXIBILITY 26
  • 27. 第5の柱:RIGGING STRENGTH RIGGING TECHNIQUE SPEED CONDITION FLEXIBILITY 27