Recommended
More Related Content
Similar to 想定外大規模集団災害に対応する要件 石垣市民講座
想定外大規模集団災害に対応する要件 石垣市民講座
- 1. 想定外大規模集団災害に対応する要件 気仙沼災害医療チーム活動報告からの考察 気仙沼市立病院 脳神経外科 宮城県災害医療コーディネーター 成田 徳雄 八重山市民講座20111126 1
- 2. 項目 1.気仙沼市立病院トリアージ訓練2006 2.東日本大震災：気仙沼の特徴 3.気仙沼災害医療：事例の検証と課題 4.災害医療コーディネーター 5.想定外を想定した危機対応の要件 6.次の大規模災害に向けての提言 八重山市民講座20111126 2
- 3. 項目 1.気仙沼市立病院トリアージ訓練2006 2.東日本大震災：気仙沼の特徴 3.気仙沼災害医療：事例の検証と課題 4.災害医療コーディネーター 5.想定外を想定した危機対応の要件 6.次の大規模災害に向けての提言 八重山市民講座20111126 3
- 4. 気仙沼市立病院トリアージ訓練2006 八重山市民講座20111126 4
- 5. 項目 1.気仙沼市立病院トリアージ訓練2006 2.東日本大震災：気仙沼の特徴 3.気仙沼災害医療：事例の検証と課題 4.災害医療コーディネーター 5.想定外を想定した危機対応の要件 6.次の大規模災害に向けての提言 八重山市民講座20111126 5
- 6. 平成23年3月11日午後２時４６分、 マグニチュード9.0、 最大深度7の大地震が発生。 津波、火災発生。 八重山市民講座20111126 津波映像 6
- 7. 気仙沼大島ー東北最大の有人島ー 八重山市民講座20111126 7
- 8. 3.11東日本大震災：気仙沼の特徴 地震・津波・広域火災＝複合災害 東京消防庁:3.11夜には活動開始 東京DMAT・東京都医療救護班が統括任務を担当 八重山市民講座20111126 8
- 9. 3.11東日本大震災：気仙沼の特徴 市役所・災害拠点病院・保健所・医師会館・広域防災セ ンターが被災を免れ、機能温存される 医師会会員が避難先で医療救護活動を開始 発災直後、衛星携帯電話も機能せず、電話・インター ネットでの情報発信可能となるまでに1週間を要した 八重山市民講座20111126 9
- 10. 項目 1.気仙沼市立病院トリアージ訓練2006 2.東日本大震災：気仙沼の特徴 3.気仙沼災害医療：事例の検証と課題 4.災害医療コーディネーター 5.想定外を想定した危機対応の要件 6.次の大規模災害に向けての提言 八重山市民講座20111126 10
- 11. 気仙沼災害医療：事例検証と課題 1. 発災4日目、緊急医療搬送（3/15) 2. 慢性透析患者の広域医療搬送(3/19~23) 3. 避難所における感染制御活動(3/21~) 八重山市民講座20111126 11
- 12. 事例１：発災4日目、緊急医療搬送 3月15日早朝、気仙沼市立病院近傍に市街地 火災が延焼。さらに発災当初から稼働して いた仮設電源が長期使用に伴い不具合を生 じた →午前3：45分緊急会議 八重山市民講座20111126 12
- 13. 事例１：発災4日目、緊急医療搬送 •院内重症患者24名を後方病院である東北大 学へ防災ヘリ・自衛隊ヘリにより緊急搬送 → 5：30方針決定、7：00一例目搬送 •自衛隊との初の協働オペレーション 八重山市民講座20111126 13
- 14. 事例１：発災4日目、緊急医療搬送 •津波の後の火災 •エネルギー問題；仮設電源の限界 •情報伝達：ツールが使えない場合は足で •自衛隊の驚異的機動性＝強力なリソース •自衛隊にあわせた指揮命令系統が必要 八重山市民講座20111126 14
- 15. 医療救護活動 災害医療コーディネーター 八重山市民講座20111126 災害医療コーディネーター 15
- 16. こんなになるとは思わね。ほんでも命が助かって。 あんたがたから、こうして応援いただいて、ほんと何もいわれね。手 あわせて拝むようだでば。 ありがとう、ありがとう。こういう優しさをいただいて。 八重山市民講座20111126 16
- 17. 事例２：慢性透析患者の広域医療搬送 日本災害医療で初めての自衛隊ジェット輸送機による広域医療搬送 発災以後、慢性透析医療において、ガソリン不足および避 難所生活のための通院困難者の増大が問題となっていた。 南三陸町、陸前高田市の透析病院が全壊し、活動不可。 阪神淡路大震災において、被災地での透析医療を継続され た患者の状態悪化例が多数みられた。 発災直後から日本透析学会メーリングリスト他において、 ニーズ・リソース調査は行われていたが、広域医療搬送の ニーズはなかった。 3月15日宮城県災害対策本部への定時報告により、気仙 沼での広域医療搬送のニーズがあることが各関係各位に 認識され、具体的な体制構築が進んだ。 八重山市民講座20111126 17
- 18. 3・11東日本大震災 気仙沼 広域医療搬送調整における情報管理・任務調整 東京DMAT 福岡DMAT 宮城県・東北大学 ＤＭＡＴ 宮城DMAT 受け入れ機関 東京都 災害対策本部 空自機動衛生 北海道 車両 救急車（気仙沼消防） 統制 ネット空間 救急車（仙台消防） 救急車（全日病） 3月15日 リソース情報 東北大学バス SCU/SB 航空機 空港 災害現場 自衛隊輸送機 仙台空港 ヘリ ドクターヘリ 東北大学 民間機 防災ヘリ 気仙沼市立 霞目SCU 航空自衛隊 松島基地 自衛隊ヘリ 病院 千歳空港 情報収集 八重山市民講座20111126 18
- 19. 3・11東日本大震災 気仙沼 広域医療搬送調整における情報管理・任務調整 東京DMAT 福岡DMAT 宮城県・東北大学 ＤＭＡＴ 宮城DMAT 受け入れ機関 東京都 災害対策本部 空自機動衛生 北海道 ニーズ情報 ニーズ情報 車両 救急車（気仙沼消防） 統制 ネット空間 救急車（仙台消防） 救急車（全日病） 3月15日 東北大学バス SCU/SB 航空機 空港 災害現場 自衛隊輸送機 仙台空港 ヘリ ドクターヘリ 東北大学 民間機 防災ヘリ 気仙沼市立 霞目SCU 航空自衛隊 松島基地 自衛隊ヘリ 病院 千歳空港 情報収集 八重山市民講座20111126 19
- 20. 3・11東日本大震災 気仙沼 広域医療搬送調整における情報管理・任務調整 東京DMAT 福岡DMAT 宮城県・東北大学 ＤＭＡＴ 宮城DMAT 受け入れ機関 東京都 災害対策本部 空自機動衛生 北海道 リソース調査 車両 救急車（気仙沼消防） 統制 ネット空間 救急車（仙台消防） 救急車（全日病） 3月15日 東北大学バス SCU/SB 航空機 空港 災害現場 自衛隊輸送機 仙台空港 ヘリ ドクターヘリ 東北大学 防災ヘリ 民間機 航空自衛隊 霞目SCU 気仙沼市立病院 松島基地 自衛隊ヘリ 千歳空港 情報共有 八重山市民講座20111126 20
- 21. 3・11東日本大震災 気仙沼 広域医療搬送調整における情報管理・任務調整 東京DMAT 福岡DMAT 宮城県・東北大学 ＤＭＡＴ 宮城DMAT 受け入れ機関 東京都 災害対策本部 空自機動衛生 北海道 車両 救急車（気仙沼消防） 統制 ネット空間 救急車（仙台消防） 救急車（全日病） 3月17日 東北大学バス SCU/SB 航空機 空港 災害現場 自衛隊輸送機 仙台空港 ヘリ ドクターヘリ 東北大学 防災ヘリ 民間機 航空自衛隊 霞目SCU 気仙沼市立病院 松島基地 自衛隊ヘリ 千歳空港 情報収集共有 八重山市民講座20111126 21
- 22. 3・11東日本大震災 気仙沼 広域医療搬送調整における情報管理 東京DMAT 福岡DMAT 宮城県・東北大学 ＤＭＡＴ 宮城DMAT 受け入れ機関 東京都 災害対策本部 空自機動衛生 北海道 車両 救急車（気仙沼消防） 統制 ネット空間 救急車（仙台消防） 救急車（全日病） 東北大学バス 3月17日 SCU/SB 航空機 空港 災害現場 自衛隊輸送機 ヘリ ドクターヘリ 東北大学 民間機 仙台空港 航空自衛隊 防災ヘリ 霞目SCU 松島基地 自衛隊ヘリ 気仙沼市立病院 千歳空港 Network centric operation 八重山市民講座20111126 任務調整共有分配 22
- 23. 3・11東日本大震災 気仙沼 広域医療搬送調整における情報管理・任務調整 Network centric operation 八重山市民講座20111126 23
- 25. 事例3：避難所における感染制御 •3/21 インフルエンザ第一例目が発生 •3/26 ノロウイルス第一例目が発生 •3/28 急性肺炎による入院患者が急激に増加 医療救護班の中の感染制御を専門とするメン バーでチーム編成し、対策を検討してもらう 八重山市民講座20111126 25
- 26. 事例3：避難所における感染制御 •インフルエンザ対策 →ガイドライン作成、手洗い・うがいの励行、濃 厚接触者への薬剤予防的投与、 •ノロウイルス対策 →次亜塩素酸ナトリウム消毒、 •急性肺炎対策 →粉塵調査、マスク着用啓発、肺炎球菌ワクチン 接種 八重山市民講座20111126 26
- 27. 事例3：避難所における感染制御 •サーベイランス •迅速なフィードバック •アセスメント •オペレーション •保健行政との連携 八重山市民講座20111126 27
- 28. 項目 1.気仙沼市立病院トリアージ訓練2006 2.東日本大震災：気仙沼の特徴 3.気仙沼災害医療：事例の検証と課題 4.災害医療コーディネーター 5.想定外を想定した危機対応の要件 6.次の大規模災害に向けての提言 八重山市民講座20111126 28
- 29. 災害医療コーディネーター災害対 策本部 県 学会 平成22年宮城県にて災害医療コー 大学 医師会 ディネーター制度導入。 任務に関して、明確な定義なし。 宮城県各被災地において、各地域 に併せた柔軟かつ多面的任務形態 現地情報の支援者への提供。 調整 想定外大規模災害では、指揮統括 系統が多元的であり、調整が必要。 現地・対策本部・後方支援、それ ぞれにコーディネーターが必要 現場 八重山市民講座20111126 29
- 30. 災害医療コーディネーター 八重山市民講座20111126 30
- 31. 大規模災害 災害医療対応の基本コンセプト C: Comand&Control &Coordination 指揮・統制 S: Safty 安全 C: Communication 情報伝達 A: Assesment 評価 T: Triage トリアージ T: Treatment 治療 T: Transport 搬送 八重山市民講座20111126 31
- 32. 項目 1.気仙沼市立病院トリアージ訓練2006 2.東日本大震災：気仙沼の特徴 3.気仙沼災害医療：事例の検証と課題 4.災害医療コーディネーター 5.想定外を想定した危機対応の要件 6.次の大規模災害に向けての提言 八重山市民講座20111126 32
- 33. 想定外を想定した危機対応の要件１ オープンでフラットな情報管理体制 気仙沼市 東北大学 宮城県 自衛隊 気仙沼広域防災センター 東京消防庁 警察 国土交通省 東北電力 ＮＴＴ 気仙沼保健所 海上保安庁 八重山市民講座20111126 33
- 34. 想定外を想定した危機対応の要件２ Pinpoint Logistics 必要なものを、必要な時に 使えるものは、何でも使う 八重山市民講座20111126 34
- 35. 想定外を想定した危機対応の要件３ 高信頼性組織の構築 毎日変更するチーム編成 単純かつ明確な目的付け “防ぎえる死” “防ぎえる要介護者”をなくす！ 八重山市民講座20111126 35
- 36. 想定外を想定した危機対応の要件４ Apathyの是正 日本人は慎重性に欠ける • 低頻度の事象は考えない • 想定外を無視する 目標達成能力は極めて高い • 実行可能な最適解 • 蓋然性重視 八重山市民講座20111126 36
- 37. 想定外を想定した危機対応の要件 Network Centric Operation 目標に向かい、Networkを形成しな がら、Networkを中心に、柔軟に、 迅速に対応するチーム医療 各プラットフォーム間に従属関係なし 次世代型チーム医療 八重山市民講座20111126 37
- 38. 項目 1.東日本大震災：気仙沼の特徴 2.気仙沼災害医療：事例の検証と課題 3.災害医療コーディネーター 4.想定外を想定した危機対応の要件 5.次の大規模災害に向けての提言 八重山市民講座20111126 38
- 39. 20??年 大規模災害 対応は？ 多重的多層的情報管理システム構築：なければ飛脚。 国・行政が動くまでには、時間がかかる 自らがコミュニティーを守る覚悟が必要→ 自助・互助 官民連携：平時から、お互いが補完しあう関係 病診行連携：特に保健行政との連携 情報発信が可能となれば、積極的に活用 被災地近傍の安全区域に情報・物流の中継基地ロジ ステーション設置 八重山市民講座20111126 39
- 40. 想定外を想定した危機対応の要諦 人 信頼できる組織 ネットワーク 八重山市民講座20111126 40
- 41. 次の大規模災害の現地のリーダーへ 必ず、誰かが助けに来て くれる！ 諦めるな！ 日本は凄い！ 八重山市民講座20111126 41
- 42. 東日本大震災におきまして、 災害の現地および後方で、ご支援いただいた 多数の皆様方に、心より感謝申し上げます。 「はまぎく」 花言葉：逆境に立ち向かう 八重山市民講座20111126 42