緑内障初期治療としてSLTを選択し、5年以上経過観察した59例59眼につき検討した。約半数が SLT治療のみで経過観察できた。

1. 緑内障初期治療としてのSLTの
位置づけ
濱田 恒一 （ハマダ眼科）

2. 緑内障初期治療としてのSLTの位置づけ
• Selective laser trabeculoplasty versus eye
drops for first-line treatment of ocular
hypertension and glaucoma (LiGHT): a
multicentre randomised controlled trial
• The lancet
• VOLUME 393, ISSUE 10180, P1505-
1516, APRIL 13, 2019

3. ハマダ眼科のSLT
• 2008年に導入
• 440例 675眼
• 追加治療ではなく初期治療として選択

4. 緑内障の初期治療
• 経過観察
• SLT
• 点眼治療
• MIGS

5. 経過観察
• MD -4.5 D 以上であれば RNFLT slope -1.0 μ/Y
• MD -4.5 D 以下であれば MD slope -1.0D/3Y

6. 点眼治療
• 20%以上の眼圧低下を目指すとき

7. SLT
• 15％程度の眼圧低下を目指すとき

8. SLTを提案する理由
• 患者さんに点眼治療以外の選択肢を提供し
選択する自由を提供する
• 点眼治療時のドロップアウトを避ける
• 点眼治療が継続しにくい患者さんへの提案

9. 問題点
• SLT のみで治療を継続できるのか
– 5年以上経過を見た患者さんで点眼治療を必要
としていない患者さんの率
• ドロップアウトの率
– SLT を選択することにより、ドロップアウトは増える
のか
• ドロップアウトまでの時間
– 薬剤選択と比較した場合

10. 対象と方法
• 2011年6月から2013年5月までにハマダ眼科
で初めての緑内障治療としてSLTを選択した
患者さん96例96眼男性63例女性33例
• 5年未満でドロップアウトした患者さん
• 5年未満で他の医師に紹介した患者さん
• 5年以上経過観察できた患者さん

11. SLT治療
• 360度 80 spot o.5mJ

12. 患者さん
• 5年以上経過観察できた患者さん
– 58例(60%) 男性39例女性19例
– 経過観察期間 6.0 ±1.3
• 5年未満でドロップアウトした患者さん
– 22例(23%) 男性13例女性９例
– 経過観察期間 2.2 ±1.5
• 5年未満で他の医師に紹介した患者さん
– 16例(17%) 男性11例女性5例
– 経過観察期間 3.0 ±2.2

13. 年齢
• 5年以上経過観察できた患者さん
– 58.4 ±11.3
• 5年未満でドロップアウトした患者さん
– 67.0±13.5
• 5年未満で他の医師に紹介した患者さん
– 62.8±14.3

14. SLT
• 作用機序
• 効果
• 治療方法
• 効果を期待できる要因
• 副作用
• 再治療が可能か
• 費用

15. 初期条件
SLTのみ SLT + 点眼
症例数 30 28
初期MD -3.3 ± 3.5D -3.4 ±4.9D
初期VFI 90.7 ± 8.5% 89.4 ±17.6%
初期眼圧 19.5 ± 4.1mmHG 20.6 ± 3.2 mmHG
初期RNFLT 71.3 ± 12.0μ 74.8 ± 12.8μ

16. 結果
SLTのみ SLT + 点眼
SLT施行回数 1.9 ± 1.0回 1.4 ± 0.7回
点眼本数 1.4 ± 0.6本
眼圧下降率 8 ±10％ 17 ± 10%

17. 結果
SLTのみ SLT ＋ 点眼
RNFLT slope -0.7±0.6μ/Y -1.4±0.8μ/Y
-1±1%/Y -1.9±1.2%/Y
VFI slope -0.5 ±0.6% -1.0 ±1.0%
MD slope -0.13 ±0.21 -0.27±0.44