Tech Fun 株式会社
ビッグデータシステム開発のための
ハードウェア入出力の基礎知識
2013年6月17日
スペシャリスト ヤマザキ
CopyrightⒸ2013-2014 Tech Fun Corporation All Rights Reserved.
自己紹介
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こんにちは Tech Fun 株式会社 ヤマザキです
今回は
ビッグデータ開発のための
ハードウェア入出力基礎知識
と醍して、お話させていただきます
弊社Tech Fun 株式会社に関しましては
http://techfun.co.jp/ でご確認ください
CopyrightⒸ2013-2014 Tech Fun Corporation All Rights Reserved.
ビッグデータ(Big Data)は
従来ツールで処理するのが困難な巨大なデータ
のことです
巨大データを扱う開発は増えつつあります
ビッグデータシステムの開発は既存の常識と異
なるため、その基礎知識は重要です
今回は基礎中の基礎である「入出力」に焦点を
当ててお話しいたします
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概要
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巨大データを実感する
「ビッグデータ」を扱った事がないと、巨大デ
ータの実感が無いでしょう
まずは、「M2M」でのデータ収集を例とし
て、データ量がどの程度になるのか確認してみ
ます
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M2Mとは
M2Mは「Machine-to-Machine」の略です
機械同士が人間を介在させず情報交換するシス
テムを指します
通信モジュールの小型化及びコスト削減、通信
その物の高速化により、センサーを代表とする
様々な機器から情報を容易に収集できるように
なりました
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M2Mの具体例
家庭で都市ガスを利用されている方も多いかと
思いますが、都市ガスの場合ガス会社が毎月
「検針」しているのはご存知でしょうか
作業員が各家庭のメータを直接見ています
これをセンサーで自動送信できるようにすれ
ば、明らかにコスト削減になります
東京ガスの場合、現在40万台を越えてガスメー
タにセンサーを搭載しています
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データ収集の例
以下の例で収集できるデータ量を概算します
■「10万台」の機器
■「10種類」のデータ
■「2種類」のフォーマット
「10種類」のデータは「温度」や「湿度」等を
取得する場合もあるためです
フォーマットを複数取得するのは値検証等が目
的です
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データ量の計算
先の例で計算すると
10万 10 2 = 「200万」ファイルです
センサーデータは頻繁に取得した方が正確にな
ります
例えば、5分に一度データを取得した場合
■1日288回
■1日5億7千6百万ファイル
■1データ4KBの場合1日約2.3TB です
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入力と出力
収集したデータは当然入力と出力が必要です
■出力、書き込み、output
■入力、読み込み、input
ビッグデータ処理における最初の難関がこの
「I/O」処理の大きさになります
入出力の知識が無いと、見積が不可能です
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ディスク
データはディスクに保存します
2013年現在、保存ディスクは通常「HDD」か
「SSD」を選択することになります
「HDD」と「SSD」はどの程度の入出力が可能
なのでしょうか
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HDDの基礎知識
HDDのごく基礎的な知識でも意外と理解されて
いない場合もあるようです
まず最初に知らなければいけないのは
「HDDは回転してデータを入出力する」
という事です
あたりまえ過ぎますが、これがビッグデータ処
理では問題になります
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HDDの処理速度
HDDの処理速度に関して単位が存在します
HDDの回転数に関する単位は「rpm」です
1分間に何回回転できるかを表わした単位です
rpmだけだと性能が正しく判断できないため、
「IOPS(I/O per second)」を利用します
IOPSは1秒に何回I/Oできるかの単位です
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SATA と SAS
HDD には SATA と SAS が存在します
比較目安は以下です(2013年現在)
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種類 rpm 最大容量
平均故障間隔
(MTBF)
誤り率
(BER)
参考価格 特徴
SATA
7,200
10,000
4TB 40万 - 120万 10^15bits
7,200rpm
1TB
6千円程度
安価
大容量
低速
低耐久
SAS
10,000
15,000
1TB 80万 - 160万 10^16bits
10,000rpm
600G
6万円程度
高価
低容量
高速
高耐久
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HDD IOPSの目安
HDD の IOPS の目安は以下です
あくまで目安のため実機での検証が必須です
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種類 IOPS目安
SATA HDD 7,200rpm 96 IOPS前後
SATA HDD 10,000rpm 133 IOPS前後
SAS HDD 10,000rpm 158 IOPS前後
SAS HDD 15,000rpm 237 IOPS前後
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HDDでI/Oが間に合うか
IOPSを「120」とした場合
5分で「200万個」のファイルをディスクに書き
込むのは1台のディスクでは不可能です
では単純に計算すると何台必要でしょうか
(200万 5) (120 60) 「56」台
処理するためには複数のディスクを連結させる
必要があります
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SSD の基礎知識
SSDはメモリを用いたディスクです
メモリにはRAM、フラッシュメモリ等を利用し
ます
HDDと異なり回転するわけではないので、
IOPSが非常に大きいのが特徴です
但し、価格が高く、寿命も短い傾向にあります
データ蓄積に必要な1単位は「セル」です
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SSDの種類
SSD には複数のタイプが存在します
「SLC」「MLC」「TLC」が入手可能です
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タイプ
1セル
保存量
主流の
容量
書き換え可能
回数(寿命)
IOPS
参考価格
(256GB)
特徴
SLC 1bit 256GB 10万回 1万 - 10万 3万円程度 高安定
MLC 2bit 512GB 5千 - 1万回 1万 - 10万 2万円程度 主流
TCL 3bit 512GB 千 - 5千回 1万 - 10万 1.5万円程度 安価
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SSD の入出力速度
SSDの入出力速度はタイプの違いよりも、メー
カーでの違いが大きいのが現状です
メーカーによっては HDD よりも遅い物も実在
しています
実機検証は必須です
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SSDでI/Oが間に合うか
SSDのIOPSを「1万」とした場合
5分で「200万個」のファイルをディスクに書き
込むのは1台のディスクで「可能」です
ただ、SSDは容量が少ないため、複数のディス
クを連結させることが多いです
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RAID
RAIDは複数のディスクを組合せ
仮想的な1つのディスクにする技術です
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タイプ 説明 速度比
RAID 0 ディスクの単純結合 100%
RAID 1
ディスクの2重化
利用可能容量は半分
80%
RAID 5
多重化、分散記録
4台以上のHDDが必須
57%
RAID 1+0(10)
RAID 0ディスクをRAID 1にした方式
4台以上のHDDが必須
80%
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RAIDの速度
ビッグデータ処理ではRAID 1か RAID 10 にす
るのが実用的です
その場合速度比 80 % です
IOPS 120 のディスク 4台 で RAID 10の場合
書き込み分散は2台に行なわれますので
120 2 80% = 192 IOPS
となります
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ディスク速度の計測
HDD も SSD も実機で速度計測が必須です
計測するソフト、コマンドは以下を利用すると
簡単です
Windows: CrystalDiskMark
Linux/Mac:dd、fio、iometer
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CrystalDiskMark
CrystalDiskMark はオープンソースの
Windows用HDDベンチマークソフトです
GUI操作で簡単に速度計測が可能です
23
画像はCrystalDiskMark公式サイトより引用
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dd
ddはLinux/Macでは通常標準インストールされ
ているコマンドの一つです
以下のように利用します
■書き込み速度計測
time dd if=/dev/zero of=data.dd bs=1M 
count=1024 oflag=direct
■読み込み速度計測
time dd if=data.dd of=/dev/null bs=1M
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メモリ
ディスク書き込みは速度に限界がありますの
で、メモリも非常に重要です
メモリにもいくつかの種類が存在します
例えば「DDR SDRAM PC3200(DDR-400)
1GB CL3 ECC Registered」の表記の意味を
全て理解できている必要があります
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DDR SDRAM
メモリにもCPU同様クロック(周期)が存在しま
す
DDR SDRAM は1クロックに2回入出力可能で
す
クロック数の2倍処理可能になっています
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クロック
CPUとメモリはバスにより接続されています
バスとの通信回数が「クロック」で定義され、
単位は「MHz」です
「PC3200」等はメモリの名前(型番)
「DDR-400」等がメモリの入出力速度です
SDRAMでは2倍なので「DDR-400」とは
「クロック200MHz」の意味になります
「PC3200」は必ず「DDR-400」です
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CL
CL(CASLatency)は READ に必要なクロック
数です
数値が少ないほどREADが速いことになります
通常の処理ではこの差は体感できないのです
が、ビッグデータ処理ではデータ量によりかな
り大きな差として表われる場合があります
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ECC
ECCはメモリ入出力のエラー検出訂正機構です
正確なデータ処理が必要な場合はECCが必要で
すが、ECCを有効にすると、当然のように
「入出力が遅く」なります
ビッグデータ処理ではECCを無効にする場合も
あります
ECC付きメモリは高額ですので本当に意味があ
るのか検証する必要があります
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CPUのI/O問題
入出力をするのはディスクだけでは無理です
必ずCPUが入出力処理をします
CPUの品質やクロックによって変化しますが
CPU 1コアで処理できるI/Oは
「200MB/s」
程度を目安とすると良いでしょう
これを越えるとI/O wait(待機)が発生します
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CopyrightⒸ2013-2014 Tech Fun Corporation All Rights Reserved.
SSD における CPU問題
SSD を利用すると I/O が高速に可能です
ただし、CPUが間に合わない場合が発生します
SSD を利用する場合、CPUが処理可能なI/Oを
正確に確認する必要があります
I/OにおいてCPUの考慮が抜ける場合は比較的
多いようですので注意したい所です
また、コアを増やした場合、プログラム側の処
理も変更する必要があるかもしれません
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ネットワーク
ネットワークとの通信はネットワークカード
(NIC)を通して行なわれ、速度は
「10Mbps」「100Mbps」「1000Mbps」
が存在します
「1000Mbps」= 「1Gbps」で1分に 60G 転
送可能です
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CopyrightⒸ2013-2014 Tech Fun Corporation All Rights Reserved.
NICの速度
NICだけ速度が速くても意味がありません
ケーブル、ハブ等全ての速度が影響します
インターネットとの接続がある場合は、最速で
も100Mbps の 8割程度までしか出ない前提で
考慮すると良いでしょう
33
CopyrightⒸ2013-2014 Tech Fun Corporation All Rights Reserved.
ボンディング
NICで帯域不足や、負荷の分散をしたい場合
「チャンネルボンディング」や「チーミング」
という手法で複数のインターフェースを束ねる
ことが可能です
当然、マザーボードの対応と、複数のインター
フェースが必要です
Public 2、Private 2 で 4インターフェース
存在するのが理想的です
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CopyrightⒸ2013-2014 Tech Fun Corporation All Rights Reserved.
プログラム側の対応
当然のように入出力はハードウェアのみ対応し
ても速度は速くならない場合があり、プログラ
ム側の工夫も必要です
プログラム側の入出力対応は別の機会にご説明
いたします
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CopyrightⒸ2013-2014 Tech Fun Corporation All Rights Reserved.
まとめ
ソフトウェア開発者であってもハードウェアの
知識が求められる機会も今後増えてくるでしょ
う
今回は簡単な事項しか説明していませんので、
各自でさらに調査していただけると良いかと思
います
本日はご静聴ありがとうございました
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ビッグデータシステム開発のための入出力の基礎知識

  • 1.
  • 2.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. 自己紹介 2 こんにちは Tech Fun 株式会社 ヤマザキです 今回は ビッグデータ開発のための ハードウェア入出力基礎知識 と醍して、お話させていただきます 弊社Tech Fun 株式会社に関しましては http://techfun.co.jp/ でご確認ください
  • 3.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. ビッグデータ(Big Data)は 従来ツールで処理するのが困難な巨大なデータ のことです 巨大データを扱う開発は増えつつあります ビッグデータシステムの開発は既存の常識と異 なるため、その基礎知識は重要です 今回は基礎中の基礎である「入出力」に焦点を 当ててお話しいたします 3 概要
  • 4.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. 巨大データを実感する 「ビッグデータ」を扱った事がないと、巨大デ ータの実感が無いでしょう まずは、「M2M」でのデータ収集を例とし て、データ量がどの程度になるのか確認してみ ます 4
  • 5.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. M2Mとは M2Mは「Machine-to-Machine」の略です 機械同士が人間を介在させず情報交換するシス テムを指します 通信モジュールの小型化及びコスト削減、通信 その物の高速化により、センサーを代表とする 様々な機器から情報を容易に収集できるように なりました 5
  • 6.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. M2Mの具体例 家庭で都市ガスを利用されている方も多いかと 思いますが、都市ガスの場合ガス会社が毎月 「検針」しているのはご存知でしょうか 作業員が各家庭のメータを直接見ています これをセンサーで自動送信できるようにすれ ば、明らかにコスト削減になります 東京ガスの場合、現在40万台を越えてガスメー タにセンサーを搭載しています 6
  • 7.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. データ収集の例 以下の例で収集できるデータ量を概算します ■「10万台」の機器 ■「10種類」のデータ ■「2種類」のフォーマット 「10種類」のデータは「温度」や「湿度」等を 取得する場合もあるためです フォーマットを複数取得するのは値検証等が目 的です 7
  • 8.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. データ量の計算 先の例で計算すると 10万 10 2 = 「200万」ファイルです センサーデータは頻繁に取得した方が正確にな ります 例えば、5分に一度データを取得した場合 ■1日288回 ■1日5億7千6百万ファイル ■1データ4KBの場合1日約2.3TB です 8
  • 9.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. 入力と出力 収集したデータは当然入力と出力が必要です ■出力、書き込み、output ■入力、読み込み、input ビッグデータ処理における最初の難関がこの 「I/O」処理の大きさになります 入出力の知識が無いと、見積が不可能です 9
  • 10.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. ディスク データはディスクに保存します 2013年現在、保存ディスクは通常「HDD」か 「SSD」を選択することになります 「HDD」と「SSD」はどの程度の入出力が可能 なのでしょうか 10
  • 11.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. HDDの基礎知識 HDDのごく基礎的な知識でも意外と理解されて いない場合もあるようです まず最初に知らなければいけないのは 「HDDは回転してデータを入出力する」 という事です あたりまえ過ぎますが、これがビッグデータ処 理では問題になります 11
  • 12.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. HDDの処理速度 HDDの処理速度に関して単位が存在します HDDの回転数に関する単位は「rpm」です 1分間に何回回転できるかを表わした単位です rpmだけだと性能が正しく判断できないため、 「IOPS(I/O per second)」を利用します IOPSは1秒に何回I/Oできるかの単位です 12
  • 13.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. SATA と SAS HDD には SATA と SAS が存在します 比較目安は以下です(2013年現在) 13 種類 rpm 最大容量 平均故障間隔 (MTBF) 誤り率 (BER) 参考価格 特徴 SATA 7,200 10,000 4TB 40万 - 120万 10^15bits 7,200rpm 1TB 6千円程度 安価 大容量 低速 低耐久 SAS 10,000 15,000 1TB 80万 - 160万 10^16bits 10,000rpm 600G 6万円程度 高価 低容量 高速 高耐久
  • 14.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. HDD IOPSの目安 HDD の IOPS の目安は以下です あくまで目安のため実機での検証が必須です 14 種類 IOPS目安 SATA HDD 7,200rpm 96 IOPS前後 SATA HDD 10,000rpm 133 IOPS前後 SAS HDD 10,000rpm 158 IOPS前後 SAS HDD 15,000rpm 237 IOPS前後
  • 15.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. HDDでI/Oが間に合うか IOPSを「120」とした場合 5分で「200万個」のファイルをディスクに書き 込むのは1台のディスクでは不可能です では単純に計算すると何台必要でしょうか (200万 5) (120 60) 「56」台 処理するためには複数のディスクを連結させる 必要があります 15
  • 16.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. SSD の基礎知識 SSDはメモリを用いたディスクです メモリにはRAM、フラッシュメモリ等を利用し ます HDDと異なり回転するわけではないので、 IOPSが非常に大きいのが特徴です 但し、価格が高く、寿命も短い傾向にあります データ蓄積に必要な1単位は「セル」です 16
  • 17.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. SSDの種類 SSD には複数のタイプが存在します 「SLC」「MLC」「TLC」が入手可能です 17 タイプ 1セル 保存量 主流の 容量 書き換え可能 回数(寿命) IOPS 参考価格 (256GB) 特徴 SLC 1bit 256GB 10万回 1万 - 10万 3万円程度 高安定 MLC 2bit 512GB 5千 - 1万回 1万 - 10万 2万円程度 主流 TCL 3bit 512GB 千 - 5千回 1万 - 10万 1.5万円程度 安価
  • 18.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. SSD の入出力速度 SSDの入出力速度はタイプの違いよりも、メー カーでの違いが大きいのが現状です メーカーによっては HDD よりも遅い物も実在 しています 実機検証は必須です 18
  • 19.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. SSDでI/Oが間に合うか SSDのIOPSを「1万」とした場合 5分で「200万個」のファイルをディスクに書き 込むのは1台のディスクで「可能」です ただ、SSDは容量が少ないため、複数のディス クを連結させることが多いです 19
  • 20.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. RAID RAIDは複数のディスクを組合せ 仮想的な1つのディスクにする技術です 20 タイプ 説明 速度比 RAID 0 ディスクの単純結合 100% RAID 1 ディスクの2重化 利用可能容量は半分 80% RAID 5 多重化、分散記録 4台以上のHDDが必須 57% RAID 1+0(10) RAID 0ディスクをRAID 1にした方式 4台以上のHDDが必須 80%
  • 21.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. RAIDの速度 ビッグデータ処理ではRAID 1か RAID 10 にす るのが実用的です その場合速度比 80 % です IOPS 120 のディスク 4台 で RAID 10の場合 書き込み分散は2台に行なわれますので 120 2 80% = 192 IOPS となります 21
  • 22.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. ディスク速度の計測 HDD も SSD も実機で速度計測が必須です 計測するソフト、コマンドは以下を利用すると 簡単です Windows: CrystalDiskMark Linux/Mac:dd、fio、iometer 22
  • 23.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. CrystalDiskMark CrystalDiskMark はオープンソースの Windows用HDDベンチマークソフトです GUI操作で簡単に速度計測が可能です 23 画像はCrystalDiskMark公式サイトより引用
  • 24.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. dd ddはLinux/Macでは通常標準インストールされ ているコマンドの一つです 以下のように利用します ■書き込み速度計測 time dd if=/dev/zero of=data.dd bs=1M count=1024 oflag=direct ■読み込み速度計測 time dd if=data.dd of=/dev/null bs=1M 24
  • 25.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. メモリ ディスク書き込みは速度に限界がありますの で、メモリも非常に重要です メモリにもいくつかの種類が存在します 例えば「DDR SDRAM PC3200(DDR-400) 1GB CL3 ECC Registered」の表記の意味を 全て理解できている必要があります 25
  • 26.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. DDR SDRAM メモリにもCPU同様クロック(周期)が存在しま す DDR SDRAM は1クロックに2回入出力可能で す クロック数の2倍処理可能になっています 26
  • 27.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. クロック CPUとメモリはバスにより接続されています バスとの通信回数が「クロック」で定義され、 単位は「MHz」です 「PC3200」等はメモリの名前(型番) 「DDR-400」等がメモリの入出力速度です SDRAMでは2倍なので「DDR-400」とは 「クロック200MHz」の意味になります 「PC3200」は必ず「DDR-400」です 27
  • 28.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. CL CL(CASLatency)は READ に必要なクロック 数です 数値が少ないほどREADが速いことになります 通常の処理ではこの差は体感できないのです が、ビッグデータ処理ではデータ量によりかな り大きな差として表われる場合があります 28
  • 29.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. ECC ECCはメモリ入出力のエラー検出訂正機構です 正確なデータ処理が必要な場合はECCが必要で すが、ECCを有効にすると、当然のように 「入出力が遅く」なります ビッグデータ処理ではECCを無効にする場合も あります ECC付きメモリは高額ですので本当に意味があ るのか検証する必要があります 29
  • 30.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. CPUのI/O問題 入出力をするのはディスクだけでは無理です 必ずCPUが入出力処理をします CPUの品質やクロックによって変化しますが CPU 1コアで処理できるI/Oは 「200MB/s」 程度を目安とすると良いでしょう これを越えるとI/O wait(待機)が発生します 30
  • 31.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. SSD における CPU問題 SSD を利用すると I/O が高速に可能です ただし、CPUが間に合わない場合が発生します SSD を利用する場合、CPUが処理可能なI/Oを 正確に確認する必要があります I/OにおいてCPUの考慮が抜ける場合は比較的 多いようですので注意したい所です また、コアを増やした場合、プログラム側の処 理も変更する必要があるかもしれません 31
  • 32.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. ネットワーク ネットワークとの通信はネットワークカード (NIC)を通して行なわれ、速度は 「10Mbps」「100Mbps」「1000Mbps」 が存在します 「1000Mbps」= 「1Gbps」で1分に 60G 転 送可能です 32
  • 33.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. NICの速度 NICだけ速度が速くても意味がありません ケーブル、ハブ等全ての速度が影響します インターネットとの接続がある場合は、最速で も100Mbps の 8割程度までしか出ない前提で 考慮すると良いでしょう 33
  • 34.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. ボンディング NICで帯域不足や、負荷の分散をしたい場合 「チャンネルボンディング」や「チーミング」 という手法で複数のインターフェースを束ねる ことが可能です 当然、マザーボードの対応と、複数のインター フェースが必要です Public 2、Private 2 で 4インターフェース 存在するのが理想的です 34
  • 35.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. プログラム側の対応 当然のように入出力はハードウェアのみ対応し ても速度は速くならない場合があり、プログラ ム側の工夫も必要です プログラム側の入出力対応は別の機会にご説明 いたします 35
  • 36.
    CopyrightⒸ2013-2014 Tech FunCorporation All Rights Reserved. まとめ ソフトウェア開発者であってもハードウェアの 知識が求められる機会も今後増えてくるでしょ う 今回は簡単な事項しか説明していませんので、 各自でさらに調査していただけると良いかと思 います 本日はご静聴ありがとうございました 36