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2009年度
医事振興会夏季佐久活動
    活動報告書




     1
○ はじめに

  私たち慶應義塾大学医事振興会は今回長野県小海町を拠点とし、佐久地域の活動に参加させていただ
きました。日ごろ大学の実習では大学病院など、大規模な病院や施設での医療をみる機会が多く設けられ
ている私たちにとって、今回の佐久地域での活動は、非常に多くの刺激があり、活動に参加したことに大
きな意義を感じることができたというのが、率直な感想です。
  学部・学年の違いによって感じ考えたことは様々でしたが、それぞれの学生にとって、とても貴重な
機会になったように思います。その率直な意見・感想を含め、各々が活動報告することで、何か還元でき
ることが尐しでもあればと思い、ここに活動報告書を作成させていただきました。学生の身分であり、至
らない部分もあったとは思いますが、本活動報告を私たちの活動の成果のひとつとして受け止めていただ
ければ幸いです。




                       2
○医事振興会の沿革
  慶應義塾大学医学部医事振興会は戦前、本土のみならず旧満州や朝鮮で診療活動を行っていた海外医
事振興会を母体とし、1952 年に学生団体として再発足した。
  当時、戦後の社会的混乱、各種物資の不足を背景として、国民の栄養状態と生活環境の不全に起因し
たであろう害虫、寄生虫の蔓延や感染症の流行は、殊に地方、農村地域において見過ごせない問題であっ
た。医事振興会ではそうした地域の住民を対象に、医学・医療関係者による講演会を企画、開催した。し
かしながらその講演対象が比較的恵まれた土地の有力者に限られていたため、              1957 年からは地方の無医地
区に遠征して、奉仕診療活動を開始した。この年の活動が現在に至るまでの活動の基盤になっているとし
て、本会ではこの 1957 年を第1回活動年度と規定している。当時の活動内容は学生と医師、看護婦によ
る医療奉仕団を結成し、休暇中の約 2 週間を活動期間に当てて地方に赴き、臨時の診療所を開設するとい
うものであった。
  第1回活動の対象地区は岩手県岩手郡岩手町川口北山形、南山形で、以降 1963 年までは毎年対象地
区を替えつつ、岩手県、秋田県、青森県の各地で無医地区診療奉仕活動が継続された。しかし 2 週間の診
療では治癒に至らしめる様な徹底的な診療を行うことができないという反省が出され、それ以降は予防医
学的な側面にも目が向けられるようになった。第 3 回の活動報告書には「病気にならない健康的な生活を
送ることが出来るようにする医学的指導、換言すれば、衛生思想の啓蒙も、我々の無医村診療の存在を意
義づける大きなものである」という記載がある。また第 7 回活動報告書では単なる診療活動だけでなく、
アフターケアも含めた広い社会的アプローチの必要性が言われている。
  この流れを受けて、      1964 年(第8回)より同一の町村にて 5 から 6 年間持続的に活動していくようにな
った。これによって 2 週間という短期の診療活動がなし得なかった長期的な住民の健康状態の管理が可能
となり、それと同時に対象となる疾患の性質も変化した。当時我が国では高度経済成長が起こり、飛躍的
に衛生環境、栄養状態が改善した。また医療体制の拡充も進み、脳血管障がい、心疾患、悪性新生物など
をはじめとする長期、慢性的な疾患が増加した。これら生活習慣病に対するアプローチは罹患後の医療従
事者からの一方的な治療のみでは不十分であり、罹患以前の段階から自律的な生活改善、予防措置が非常
に重要である。この頃より自主的健康管理が本会の活動の柱となっていったが、これは必然的な推移とい
えるだろう。
  1965 年(第9回)からは公衆衛生思想の普及に努めるべく、活発な活動が展開された。それまでは、1
年間を通じて夏期のみに限られていた活動を冬季にも行うようになり、活動内容も従来の集団検診だけで
なく、家庭訪問や座談会などが行われ、栄養調査、母子衛生調査に基づいて日常生活改善の為の働きかけ
も行われるようになった。1968 年(第 12 回)の山形県最上郡大蔵村、鮭川村における活動では、集団の健
康状態の把握が出来るような健康台帳を完成させ、これによって住民だけでなく行政に対しても働きかけ
が可能となった。この健康台帳の作成は、それ以降しばらく本会の活動の柱となった。それと同時に、地
元青年団との連携を活かしての地区啓蒙活動も行われるようになった。
  1970 年代に入ると医療体制の確立が進み、       無医地区が次々と姿を消していった。       医事振興会では当時
流行した「地域包括医療」の名の下に、地域医療における住民、行政、医療の三位一体化を目指した住民
の自主的組織活動の推進に努めることになった。具体的には検診や家庭訪問を軸として、住民が自己健康
管理から早期診断、治療、病後のリハビリテーションまでの医療サービスをより良い形で受けられるよう
にサポートした。   1988 年より始まった秋田県南秋田郡若美町における活動では、          それまで以上に家庭訪問
の比重を大きくし、検診の充実した同町の保健活動をサポートすることに主眼がおかれた。そして検診結
果の説明を中心に検診後のフォーローアップを行った。さらにこの頃より山梨県北巨摩郡高根町にある障
がい者の自活施設「あさひ福祉作業所」においての春期活動を開始し、障がい者福祉に関して学ぶ機会を
得た。この春期活動は現在も継続している。夏期活動に於いては 1994 年(第 38 回)より長野県上水内郡
小川村における活動を開始した。活動当初は家庭訪問が活動の柱と規定していたが、3 年目にはその意義
に時期尚早性を見出し、中断することとなる。のち地域包括医療の実際を学ぶことに加え、村民の方々と
の交流を通じ、  くらしと医療との何たるかを学ぶことが活動の中心となった。           また 2002 年(第 46 回)には、
本会の同村への浸透を鑑み、家庭訪問を再開した。
  そして平成 16 年度よりさらなる活動の発展を試み、プライマリケアを重点的に行っている山梨県塩
山診療所古屋医師(現山梨市立牧丘病院)のご指導の基、春期、夏期活動を展開した。
                                (第 41 回報告書沿革より;第 43、45、47、48 回補筆)



                                 3
○活動の理念

  本会第1回活動報告書には「私共の無医村診療はあくまで『恵まれない僻地の人々に
現代医学の恩恵を分かち、医学知識・衛生思想の向上を促す事』が目的」であると記され
ている。


  社会・医療情勢の変化に伴い、我々の活動は往事とは全く様相を異にするものとなっ
たが、この理念は今なお我々の行うべき活動の方向性を明らかに照らし出している。則ち、
第 45 回報告書に記されるように、
                 「医事振興会というのは、如何に微々たるものでも人々
に貢献したいという志から、時に診療活動、啓蒙活動などを行うことがあっても、決して
奉仕団体ではないということ。与えられているのは私達学生であって、多くの善意と協力、
努力と苦労に支えられた活動の中で、そして多くの人々と出会う活動の中で得た体験を、
自らのものとすること。それを決して忘れることなく、ゆくゆくは何らかの形で、人に、
そして社会に還元すること。」これこそが今も医事振興会の理念となっている。


  活動のもう一つの柱になっているのは、歴代報告書が理念の冒頭に掲げている、第1
回報告書に記されるところの「学問的に何らかの調査を行い、結果を得んとすることが目
的ではない」と云う一条である。地域にてフィールドワークを行っている団体の尐なから
ぬ割合が、このような疫学調査を行っている。だが我々は、疫学調査が必ずしも冒頭に掲
げた理念の実践には向かない、そればかりか時に弊害になりさえもするという考えの下、
之を敢えて排し続けている。


  学生団体をして社会の変革を求めることは、現今の社会情勢を鑑みるに所詮無力であ
るかもしれない。一方で「学生だからできること」に目を向ければ、やはり 45 回報告書が
指摘するように、学生は社会的な様々な利害・しがらみからある程度自由な立場にいるこ
とができるし、視点を潤色されることなく様々な問題を見つめることが出来るという、社
会人には望み得べくもない特質がある。医事振興会は、冒頭の活動理念の下、現存する問
題を認識し、医学的な視点だけでなく、他の様々な観点から問題を捉え、未来を模索して
いく姿勢を貫くべきである。さすれば必然として、将来その経験はもとの部員たちにより、
大きく社会に還元されるであろう。


                                  (第 48 回代表)




                     4
○活動報告       ~個人感想~

              【   高須   正太郎   医学部 1 年   】



1日目
 JR 小海駅の建物に併設された形で駅診療所はある。1 階で診察をし、2 階に職員さん方
の部屋がある。以前は 2 階に入院施設があったのだが、現在は障害者施設になっている。


◇ 活動 … 外来診察の見学・病院内見学・往診見学
  午前中は長先生と水本先生の外来診察を見学させていただいた。この日はお盆の時期
であり、患者さんが非常に尐なかったため、残りの時間長先生や臨床検査技師の方に案内
していただいて病院内を見学した。午後は小池先生につかせてもらい、往診を計 3 件ほど
見学した。そのうちの一軒が、デイサービス施設のすぐそばにあったので、小池先生のご
好意でそこを案内していただいた。


◇ 感想
  外来診察は今まで自分が医者にかかったときに経験しているので、初体験というわけ
ではないが、自分がかかるというのと他人がかかっているのを隣で見るというのは全く違
い、新鮮な経験になった。診察全体の流れや、患者さんと医師との対話の仕方など様々な
ことを学んだ。例えば、長先生のもとに 7,80 代のご夫婦が訪れた。その奥さんがここ最
近ずっと頭がいたいと訴えていらして、前に行った検査でも全く異常がないとのことだっ
た。実はその方は軽度の認知症を患っていて、「よく物忘れをして主人に怒られている」と
おっしゃっていた。さらに、「寝ているときはいいんだけれども、起きるとだるくて何もや
る気がしなくなる」とも訴えていた。ここで先生はこの方は認知症の初期で、最近物忘れ
をよくしてしまい、ご主人に叱られることに自分でも戸惑いを感じており、この不調を頭
痛と結びつけて考えていると考え、奥さんには、
                     「だるいからといって家にこもっていると
余計悪化してしまうから、なるべく外に出て気分転換しましょう」と、ご主人には(奥さ
んには部屋を出てもらって)「年齢からして物忘れは仕方ないことだから、あまり怒らない
でやってください」とアドバイスしていた。もちろん、これがベストな対忚だったかは誰
にも分からないが、尐なくともお二人とも安心した表情で帰られていた。短時間でこれほ
どたくさんのことを考え、対忚できるのは素晴らしいとただただ感心するばかりだった。
  病院見学では、処置室や検査室、超音波検査や胃カメラ検査のできる部屋を見学させ
てもらった。病院の規模からいって検査の機械はかなり充実しているとのことだ。しかし、
近くに分院があり、一度分院にかかった患者さんはそちらに移ってしまうことが多く、駅



                       5
診の患者さんも減尐傾向にあるのだとか。
  午後は小池先生につかせてもらい、往診の見学をした。1 件目のお宅の近くに、数ヶ月
前に自宅で看取った方の家があり、線香をあげに伺った。お盆の時期ということで、親戚
の方々がたくさんいらっしゃり、かなりにぎやかであった。小池先生によれば、この方は
老衰で亡くなったそうで、亡くなる直前にうまく親戚一同が集まることができ、親戚皆に
看取られながら亡くなったそうだ。だからこの方の奥さんも、小池先生に「主人を大往生
させてもらい、感謝しています」と目に涙を浮かべながら何度も言っていた。実際は、大
往生ではなく長い間体力の衰退でかなり苦しまれていたそうだが、親戚皆に囲まれて亡く
なるというのはとても幸せなことだと思うし、当人も奥さんも安心していられたのは往診
のおかげだろうと思う。
  その後伺った一軒目のお宅は、小児麻痺を抱えた 30 代の男性だった。その男性の母親
が介護を続けているらしいが、母親もお年をめされていたためかなり体も辛そうにされて
いた。見学したときには特に体調に異常はなかったが、もしもこの方の母親が体調を崩し
介護できなくなってしまった場合、いったいどうなるのだろうと思うとむなしくなった。
  次に伺ったお宅は、80 代の高齢者の方で、認知症を患い、勝手に外に出てしまうこと
を防ぐため娘さんが仕事で出ている間、夏だというのに窓を閉め切った状態だった。その
ためか、この方は血圧が低く、軽い熱中症状態だった。一人で介護する家庭では仕方ない
ともいえるが、もしも重度の熱中症にかかってしまったら、と考えると難しい問題だと感
じた。


◇まとめ
  この一日は、外来見学・病院見学・そして往診見学と様々な体験が出来、非常に濃い
一日となった。これほど医療に密着して見学できる一日は、夏・春活動では体験できない
のでは、と思う。忙しい中いろいろなお話や解説をしてくださり、見学にもつかせていた
だいた長先生、水本先生、小池先生をはじめとする駅診療所の職員の方々には厚く御礼申
し上げたい。


JR小海駅からバスで約 20 分行ったところにある南相木村診療所で、佐久総合病院地域ケ
ア科の色平哲郎先生につかせていただいて研修をした。この診療所はすぐ隣に保育園があ
るものの、それ以外は民家が点々とあるだけで、周りを畑と山に囲まれたまさに自然の中
にポツリと存在する診療所であった。


2日目
◇活動内容 … 色平先生からのお話・機織りで有名なちづさんのお宅を訪問
  診療所に到着してしばらくすると色平先生も到着され、色平先生を取り上げたラジオ
の録音を聞かせてもらった。そのラジオ番組では先生の経歴や活動、そして地域医療につ



                      6
いて 10 分弱取り上げていた。その後、先生から 30 分ほどお話を伺った。まず、ラジオに
ついて、この番組は尐し誇張しており、メディアリテラシー(メディアの情報を識別・評
価する能力)を身につけることが必要だとおっしゃっていた。次に、care と cure の言葉に
ついて教えてもらった。care,cure の語源はラテン語の“クーラ”=「憂い」であり、
                                           「他人
のクーラを自分が引き受ける」という概念が care.cure にはあるとのことだ。ちなみに、ク
ーラの反対語は“セクーラ”であり、これが語源になって secure(つまり、他人の憂いを
寄せ付けないように自分を守る)という言葉が出来た。
  お話の後、実は先生はその日講演に行かなければならないために、先生に付いて研修
することが出来ず、診療所から尐し離れたところにある、機織りで有名なちづさんという
方のお宅に連れて行ってもらった。先生のところに研修に行った学生は必ずちづさんのお
宅にお邪魔するとのことで、家には今まで来た学生達の写真や送られてきた葉書などがた
くさんあった。ちづさんのお宅では、機織りを見せてもらい、自分でも機織りにチャレン
ジしてみたり、ちづさんとご飯を食べながらお話をしたりと、平和な時間を過ごした。


◇感想
  先生の往診についていくことが出来ず非常に残念ではあったが、先生からお話を聞け
るだけでも貴重な体験になったと思う。先生からいただいた講演会のスクリプトには、「リ
アルな感覚を持つには『ぶつかりの体験』が必要」と書いてあった。確かに、日本という
衛生的で医療設備も充実している、いわばぬるま湯にどっぷりと浸かっているままでは、
医療のありがたみなど分かるはずもなく、一度衛生状態の悪い国に行ってみて下痢でもし
たほうが自分の見聞も広まるし、何より違った見方で日本の医療を見られると思った。
  その後うかがったちづさんは、とにかく元気な方だった。初対面の私たちを笑顔で迎
え、気さくに話しかけてくださり、まるで自分のおばあちゃんと話しているような懐かし
い気持ちになった。そして何より、ちづさんは元気であると感じた。機織りにしてもそう
だし、畑に収穫に行った時は、男の自分でも思いと感じるような大きなスイカをちづさん
は軽く持ち上げていて驚いた。
◇まとめ
  今後医療に従事する者として、医療を提供する側のみならず、医療を提供される側の
立場になって考えることは非常に重要なことだと思う。そしてこの点で今回、予想外のハ
プニングがあったものの、地元の方の生活を垣間見ることが出来てとてもよい経験になっ
たと思う。お忙しい中私達を受け入れ、お話をしてくださった色平先生、そして私たちを
暖かくもてなしていただいたちづさんには、ただただ感謝するばかりである。




                       7
佐久活動で学んだこと
                              医学部1年 中村 匠
    長野県佐久地域で、佐久総合病院やその管轄の病院が行っている訪問診療、訪問看護
などを体験することで、地方の医療の現実や、佐久総合病院が主となり整備を進めている
地域医療を学び、今日本の地域医療が直面している問題の解決策を考える活動である。
◇活動内容…ガイダンス・訪問診療(小海)
                   ・訪問看護(小海)・訪問看護(八千穂)・反省
会
    まず初日は、佐久総合病院でガイダンスを受ける。ここで、佐久総合病院が行ってい
る地域医療の概略を説明していただいた。また、佐久総合病院内を案内してもらい、スペ
シャリスト(外科の手術など)分野での佐久総合病院の機能を学んだ。
    二日目からは、班ごとに分かれて実際に訪問診療などを体験することで身をもって佐
久地域での地域医療を学び、その優れている点、改善すべき点を学んだ。私は、二日目午
前は水本先生の小海地域での訪問診療に同行し、二日目午後は看護師さんの小海地域での
訪問看護に同行した。三日目は、午前は看護師さんと、午後はケアマネージャーさんと一
緒に八千穂地域での訪問看護をまわった。
    最終日は、長先生とともに全員で活動全体の反省会を行い、またその時にゼネラリスト
(診療所や訪問診療など)の立場から見た地域医療についての話をしていただいた。
◇感想
    佐久地域での医療活動は、自分が今まで見たこともないようなことばかりで、非常に
驚いた。私は、子供のころから比較的都会といわれるところに住んできて、病気になれば
歩いて行けるくらいの距離にある病院に行き、そこで診察してもらい薬を飲む。そういう
生活を送ってきたので、近くに病院がない、そのため医師や看護師が患者の家まで行って
診察を行うというような行為を見たことが無かったからである。
    そして、二日目、三日目と実際に訪問診療や訪問看護に同行させていただいて一番大
変だと思ったのが、患者の家での診察や看護では医師や看護師はアウェーで戦わなければ
いけないということである。例えば訪問診療の場合では、普段の病院での診察ならば患者
は自分でどこが痛いかなどの病状を伝えられる状態で来るし、それが無理な場合でも代わ
りに説明できる者がいる。しかし、訪問診療では訪問した際に患者の家族が外出中であり、
また患者は言語障害があるため自分の病状を伝えられず、診察に非常に苦労することもあ
る。しかも、病院とは違い十分な検査器具もない。このような状況で正確な診断を下すに
は、医師自身がいつも以上に患者を観察し、尐しの異変も見逃さないことが重要になる。



                      8
そのためには、患者が健康な時にもしっかりと正常な状態を観察していなければならず、
とても大変なことだと思った。
  しかし、訪問診療・訪問看護には病院での診察などでは味わえない楽しみもある。一
番大きな楽しみは、患者やその家族と長く触れ合うことが出来るということである。病院
での診察では、多数の患者が項番待ちしているのでせわしなく、診察後に医師や看護師と
患者やその家族がゆっくり話をするということはほとんどない。しかし、訪問の場合では、
診察や看護が終わった後にお茶やお菓子などをごちそうしてもらいながら、医師や看護師
が患者やその家族と話をするということは珍しいことではなく、とても楽しいひと時を過
ごすことができた。また、この話を通じて患者の尐しの異変に気付くことができたり、患
者の家族の看護疲れのストレスの軽減につながるので、話をすることは診察や看護と並び
とても有意義なことであると感じた。
◇まとめ
  まだ医療のことは何も学んでおらず医師の卵とも呼べない私に、分かりやすく丁寧に
いろいろと説明してくださった施設の方々、またこんな未熟な私を受け入れていただいた
患者さんおよびその家族の方には非常に感謝しています。本当にありがとうございました。
この佐久活動で学んだ様々なことを胸に刻んで、立派な医師になれるよう精進していきた
いと思います。




            看護医療学部1年     小林

 「予防は治療に勝る」という佐久病院の看板を元に佐久地域の病院を廻らせてもらいま
した。中でも予防医学には非常に興味をそそられた。佐久地域は農業が盛んに行われてい
て、佐久病院は住民のための、住民による、住民のための病院づくりを行っているという
ことでした。実習1日目には、訪問看護体験をすることができ、伺ったお宅はほとんどが
高齢者で、各人の趣味や家族構成やプライベートの話など、ケアを目的に訪問看護を行っ
ているこちらまで勇気や貴重なお話を伺うこと出来ました。また、患者と医療従事者との
距離がとても近いことを感じました。そのような尐しでも感じることができるのは、訪問
診療(看護)のメリットであると思います。
 また、患者さんとのアイコンタクトは非常に重要で、クライエントの気持ちを理解する
こと改めて感じることができた。とてもいい体験ができました。また春夏と是非とも参加
をしたいと思います。先輩や佐久病院の先生がた、お世話になった方々本当にありがとう
ございました。




                    9
【氏名:長沼 由佳・看護医療学部1年】
  今回は川上村の訪問看護と小海の老健で活動をしました。
◇活動内容 …
 川上村の訪問看護:訪問看護の看護師さんと同行し、5件ほど患者さんのお宅に訪問。
そこで患者さんや家族の方とお話をしたり、行き帰りの車内で看護師さんと村のことや患
者さんのことを話しました。訪問前後に訪問看護ステーションにて患者さんの看護計画書
や訪問看護記録、疾病や処方されている薬などの情報を見せていただきました。また空い
た時間には施設の見学をさせていただきました。一日の終わりにケアマネージャーや診療
所の看護師、デイサービスの方など様々な役職の方が集まって情報交換するカンファレン
スに参加し、各役職同士の連携の様子を拝見しました。
 小海の老健:まず初めに職員さんと共にデイケアの利用者さんを6人程迎えに行きまし
た。その車内で職員さんや利用者さんとお話を伺いました。老健に到着すると利用者さん
を広間へ連れて行き引き続きお話をしました。その後利用者さんの衣服の着脱を手伝う入
浴介助を行いました。また入浴後の利用者さんの髪をドライヤーで乾かしました。昼食の
時間には昼食の配膳や食事の介助をさせていただきました。私が訪問した日はちょうど迎
え盆の日だったため、利用者さんの一部を玄関先まで誘導して一緒に迎え盆をしました。
最後に一日お世話になった利用者さんを職員の方と共に家まで送り届けました。
◇感想
  2日間の活動を通して患者さんや利用者さんにとって家族の存在が大切なものだと思
いました。例えば家族のバックアップがしっかりしていたり、家族が本人のことを気にか
けているかによって利用者さんや患者さんの環境が大きく変わると思いました。また精神
的にも及ぼす影響が大きいと感じました。施設では固い表情だった利用者さんが家に着い
て落ち着いた瞬間、表情が和らいだり言葉を交わすようになったことより、やはり住み慣
れた環境が一番いいのかなと思いました。
 また看護師だけでなく医療事務やケアマネージャー、医師やデイケアの職員の方々が患
者さんに関わることで多方面から本人や家族を支えることができると感じました。それだ
けではなく患者さんの状態が変化するにつれて主に利用する施設が変わる際に、施設間で
の引き継ぎが円滑になされると思います。その点で佐久地域の医療体制は優れていると思
いました。



                      10
◇まとめ
  活動全体を通して感じたことは現実を目の当たりにして自分の無力さでした。高齢者
だけの住宅を訪問した際、家族の方の目が行き届いていないため、とても不衛生な状態だ
ったり、生活がほとんど成り立っていない状態のお宅がありました。何とかしたいという
気持ちはあっても、家族の方にも生活がありその他にも様々な事情があるためどうするの
が一番良いのか判断できない。しかし今の状態はどうにかしなければいけないと感じるこ
とがありました。
 そして介助をする際にも一見簡単そうなことでも、いざやってみるとうまくできなかっ
たり、加減やどこまで介助するべきかなど悩むところは多々ありました。実際に現場に出
て経験することと頭で考えていることはだいぶ異なると思いました。その違いは私が予想
していた以上でした。やはり経験は貴重です。
 最後になってしまいましたが、今回受け入れて下さり活動をさせていただいた施設の
方々、利用者の皆様、そして佐久での活動の機会を与えてくださった長先生に心より御礼
申し上げます。




                佐久活動で学んだこと


                               慶應義塾大学 看護医療学部 2 年
                                            秋澤智子


 私たち医事振興会は 2008 年 8 月に初めて佐久地域で活動させていただき、2009 年の 2
月と今回の活動で計 3 回お世話になっている。私は 3 回とも参加させていただいている。3
回目の佐久活動ということや学年もあがり看護や医療について知識が深まったことによっ
て、佐久地域特有の医療体制が尐しずつ分かってきた。
 今回は、佐久病院本院でのガイダンス、訪問リハビリ、臼田(本院)の訪問看護を体験
させていただいた。この活動を通して、医療だけでは地域を支えられないということが分
かった。本院は佐久地域の医療の中核を担っており、最先端医療の提供など主として医療
の領域を担っている。訪問リハビリは理学療法士が利用者の自宅を訪問してリハビリを行
うもので、福祉の領域を担っている。私は訪問リハビリというものがあるなんて聞いたこ
とがなく、とてもめずらしいなと感じた。おそらく訪問リハビリはどの地域にもあるメジ
ャーなものではなく、佐久地域特有のものではないかと思った。訪問看護も同様に利用者
の自宅へ出向き、医療はもちろんのこと、利用者の生活の部分をも支えている。しっかり
とした在宅の体制が整っているのも佐久地域特有だと思う。このように、佐久地域には医



                        11
療を担うサービスだけではなく、福祉を担うサービスがあり、医療の領域からはみ出す部
分を支えることができる体制がある。けして医療だけでは成り立たない。医療、福祉、保
健がそれぞれしっかりと成り立った包括的な体制があって初めて地域を支えることができ
るということを実感した。また、佐久地域は高齢化率が高く、将来の日本の姿を表してい
る。そのなかで行われている佐久地域の医療体制は、高齢化が進む日本で今後どのような
医療が必要であるか考えるうえで参考になる。佐久地域の医療体制は佐久地域だからこそ
できるものもあり、これをそのまま他の地域にあてはめるのは難しいが、その地域にあっ
た医療体制に変えて適用することはできるだろう。地域性をふまえたうえでの高齢化に対
忚できる医療体制を考えていかなければならないと思った。医療体制を考えるきっかけに
もなった。
 上で述べたように、この活動で多くの学びが得ることができ、とても有意義な活動がで
きた。今回学んだことを忘れず、今後の学習に活かしていきたいと思う。


 私たちが活動するにあたり、多くの方々に協力していただきました。長先生をはじめ各
活動場所の先生方、スタッフの皆様、私たちを受け入れてくださった地域住民の方々に感
謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。




            看護医療学部2年    岡井芙喜子
  川上村の「ヘルシーパークかわかみ」で訪問看護の見学をさせていただきました。
○活動内容
  訪問看護、連絡会
   訪問看護では、5件のお宅に伺いバイタル測定や清潔ケアを行っていました。また、
  利用者や家族の方々とのコミュニケーションを大切にしていて、悩みや不安の相談に
  ものっていた。
   連絡会では訪問看護、デイサービス、ヘルパー、宅老所、診療所、地域包括支援セ
  ンター、居宅のその日の代表者が集まり、情報を交換し共有しあっていた。その日の
  利用者の様子や変更事頄など報告をし、話し合っていた。
○感想
  今回、訪問看護を実習させていただき、在宅での看護の現状を見ることができた。一
  番印象に残ったことは、家族の存在の大きさである。家族が一生懸命介護している利
  用者とそうではない利用者とでは表情が違っていたように感じた。偶然で単なる私の
  思い込みかもしれないが、介護している家族がいる利用者の方が明るい表情をしてい



                   12
たように感じた。在宅での看護には家族の協力が必要なのだと改めて実感した。
  また、訪問看護では、利用者の家族関係や生活など、利用者の全体像を把握すること
  が非常に重要なことであると学んだ。訪問看護師が利用者の家族関係からその人の人
  格まで、把握しており、病棟の看護師以上に、利用者のことを理解し、一歩踏み込ん
  だ看護をしていることが印象に残っている。更に、訪問看護は24時間体制で行って
  おり、家族の相談も快くのっていることから、家族にとっても訪問看護師は心強い存
  在であることを知った。利用者だけでなくその家族との信頼関係を築くことも大切な
  ことなのだと思った。
  今回、初めて「ヘルシーパークかわかみ」で実習して、訪問看護、デイサービス、ヘ
  ルパー、宅老所、診療所、地域包括支援センター、居宅が一括している施設を初めて
  見学することができ感動した。一括していて連携しやすく効率的な施設だと感じた。
  毎日の連絡会も重視しており、今日の利用者の様子、変化などをメモでのやり取りで
  はなく実際に報告でき、話し合うことができることで、それぞれ次の日の看護やケア
  により生かすことができているのだと感じた。
○まとめ
  訪問看護の実際やさまざまな職種が一括して連携し合っている施設を見学すること
  ができ、たった1日という短い実習でしたが、学びは大きかった。今回の実習で学ん
  だこと、感じたことを、今後の看護に生かしていきたい。
  忙しい中、「ヘルシーパークかわかみ」さんが学びの場を提供してくださったおかげ
  で、多くのことを学び、それを将来の自分に生かしていこうと思うことができました。
  1日、ありがとうございました。


看護医療学部2年 岡井芙喜子
  佐久総合病院産婦人科病棟で実習させていただきました。
○活動内容
 看護師についての実習、妊婦の状態確認、新生児のおむつ交換、授乳援助、分娩の見学
  妊婦の状態確認は機械やレオポルド触診法を使い、陣痛の有無や胎児の心拍、位置な
  どに異常はないか観察していた。新生児のおむつ交換では、泣いている新生児をあや
  しながら、また、黄疸の様子を観察しながら素早く行っていた。授乳の援助では、う
  まく母乳が出せなかったり、新生児の口に乳頭がうまくフィットしていなかったりす
  る母親にアドバイスをしてしっかり授乳が行えるようにしていた。分娩の見学では、
  実際の分娩やその後のケアや処置を見ることができた。
○感想
  今回、初めて産婦人科での実習をさせていただき、産婦人科では具体的にどのような
  看護がなされているのか学ぶことができた。何を見学するにもすべてが初めてのこと
  ばかりで、とても勉強になった。また、坐学で学んだことを実際の現場で実践したり



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確認したりできて理解が深まった。
  特に印象に残っているのは、分娩である。初めて分娩を見て、生命が誕生する時間に
  立ち会うという非常に貴重な体験をすることができ、感動した。一生忘れられない経
  験をすることができた。
  また、理想と現実について痛感した。私は、学校で母子同室のメリットを習い、母子
  同室を勧めていくべきだと自分なりに考えていた。佐久総合病院でもおそらく母子同
  室であると期待して行ったが、実際は母子別室であり、残念に思った。看護師から、
  母子同室が理想的であるが、場所が狭いなどの理由により母子同室にできないのが現
  実である、と伺い、医療の場で理想を現実に生かすことの難しさについて思い知った。
  産婦人科の地域性についてだが、私にとって病棟のことが新鮮過ぎて地域性について
  多くの学びを得ることができなかった。これが私の一番の反省点である。そんな中で
  も、お産をしてくれる産婦人科の減尐で妊婦のたらい回しが問題となっていることに
  ついてお話を伺ったところ、佐久総合病院では断らずすべての妊婦を受け入れている
  と教えてくださった。産婦人科の減尐により産婦人科の病棟に収まり切れないほどの
  妊婦が入院したこともあったというエピソードより、地域の人々にとってこの病院が
  最後の砦となっていること、地域の中核となっていることを改めて実感した。どんな
  に忙しくても地域内の困っている人を助けようとする精神を強く感じた実習となった。
○まとめ
  産婦人科の減尐に伴い、入院してくる妊婦が増えてきても受け入れを拒否せず、看護
  する、という佐久総合病院の素晴らしい一面を見ることができ、勉強になった。
  忙しい中、佐久総合病院産婦人科が学びの場を提供してくださったおかげでたくさん
  のことを学び、将来進みたい道を見つける糧となりました。ありがとうございました。




               【芝田 友紀・看2】

「南相木村に行ってみて」
  活動2日目に、南相木村に行かせていただきました。南相木村は、道を尋ねると優し
く教えていただいたり、挨拶をしてくださったり、温かい雰囲気の方々が多い印象を受け
ました。


◇活動内容 … 色平先生の紹介(ラジオを聞いたり、おすすめの文献を読む)、色平先生の
お話を伺う、ちづさんの家に訪問する。
  色平先生が紹介されているラジオを聞かせていただきました。おすすめの文献(ヘル



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プマン!8巻)も教えていただき、尐し読みました。その後、色平先生のお話を伺いまし
た。そして、ちづさんの家に訪問させていただきました。ちづさんの家では、ちづさんと
お話したり、機織りの仕方を教えていただいたりしました。機織りは実際に体験させてい
ただきました。また、すいかやとうもろこしを収穫しに畑に同行させていただきました。
昼食は、ちづさんがお味噌汁などを作ってくださり、おいしくいただきました。


◇感想
  活動1日目の佐久地域についてのガイダンスで、佐久地域は農業のおかげで元気な高
齢者が多いと知りました。また、色平先生も、手に職を持ち働いている高齢者が多く、寝
たきりの方が尐ないとおっしゃっていました。聞いてすぐはどういうことなのかよく分か
らなかったけれど、ちづさんと出会って、その意味がわかりました。ちづさんは、機織り
の展覧会を開いたり、作ったものを売ったりしています。また、農作業もしています。機
織りは実際にやってみると、2パターンの糸の項番を覚え、それを繰り返していくため、
途中で頭がこんがらがりそうになりました。しかし、ちづさんは間違えることなく素早く
機を織っていました。農作業では、すいかやとうもろこしなどを収穫しましたが、意外に
重く、持ち運びが大変でした。ちづさんの生活は、機織りは脳の活性化につながり、農作
業は体を鍛える運動になっているのだと思いました。初めてお会いしたのに、「息子と娘み
たいだ」とおっしゃってくださり、とても嬉しかったです。ちづさんの笑顔を見ていると、
元気になりました。
  私たちは、病院で高齢者の方と接することが多いと思います。しかし、元気に生活し
ているちづさんのような高齢者の方と接することにより、どのような姿が健康なのか、ど
のような姿が元気と言えるのかが分かるのだと思いました。ちづさんのような高齢者の方
に出会ったからこそ、病いを抱えた高齢者の方と向き合えるのかなと思いました。


◇まとめ
  ガイダンスや色平先生のお話でうかがったことを、身をもって実感することができま
した。また、色平先生は「地域医療を見たかったらお盆の時期に来るのはどうなのかな」
とおっしゃっているのを聞いて、確かにそうだと思いました。私も昨年までは、お盆の時
期に祖父母の家に帰省していました。お盆の時期は、帰省する人も多く、本来の地域の姿
とは尐し違うのだろうなと感じました。色平先生の意見を参考にさせていただいて、次回
の佐久活動について考えていきたいと思いました。今回学んだことを忘れずに、次回の活
動に活かしていきたいです。ありがとうございました。




「川上村に行ってみて」
  初めて川上村に行かせていただきました。川上村は、とてもきれいなところで、車で



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移動している時から景色に見入ってしまいました。福祉施設の充実しているところや、連
携の素晴らしさなど、見習うべきところがたくさんありました。


◇活動内容 … ヘルシーパーク全体の見学、デイサービスの見学、訪問看護の見学、報告会
への参加
  ヘルシーパーク全体の案内をしていただき、訪問看護の時間が来るまで、デイサービ
スの見学をさせていただきました。見学中、利用者さんの体温と血圧を測らせていただき
ました。訪問看護の時間になり、午前中に2人、午後に1人の患者の訪問看護に同行させ
ていただきました。午後の訪問看護が終わり、看護師さんのお話をうかがい、訪問看護・
デイサービス・ヘルパー・診療所などの担当者が集まる報告会にも参加させていただきま
した。


◇感想
  デイサービスでは、初めて利用者さんの血圧を測らせていただき、緊張しました。朝
のバイタルによって、その利用者さんが入浴できるかどうかなどが判断されるため、責任
を持って行わなければいけないのだと感じました。
  訪問看護では、3人の患者のところに同行させていただきました。訪問看護は、その
場で判断することが数多くあります。それだけ責任の重い仕事なのだと分かりました。ま
た、この時期はレタスの収穫時期なので、家族が農作業に行ってしまい、普段は自宅で生
活していても、この時期だけ施設に入所される方が多いのだと分かりました。学校の授業
では、医療従事者の分業が大切だと学びましたが、訪問看護の看護師は「看護師は何でも
屋さんだ」とおっしゃって、実際の現場では難しいことも分かりました。診療所・訪問看
護・デイサービスの連携が取れているので、私は、デイサービスの送迎車でデイサービス
に来て、そのまま診療も受けることができるのだと思っていました。そうすれば、自力で
診療所に行くことが難しい利用者さんも受診することができるからです。しかし、そのよ
うなことはしないと訪問看護の看護師がおっしゃっていました。過剰なサービスは本来看
るべき家族が役割を放置してしまう可能性につながるからです。どこからが過剰になるの
かが難しいと思いました。
  都会は便利だけれど、福祉の連携が薄いように感じます。暮らしている人の数が多い
ので、連携を取り、把握することは不可能に近いと思います。川上村では、最後の報告会
で、「○○さんが今日は××でした。」と言うだけで、誰のことか把握し、対策を立ててい
ました。都会で暮らすのがいいのか、川上村のように福祉施設が充実しているところがい
いのか、どちらにも善し悪しがあり、結論を出すのが難しく出ませんでした。


◇まとめ
  疑問を抱いてすぐに質問でき、多くのことを学ぶことができました。また、川上村の



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きれいな空気・自然に触れ、元気をもらうことができました。福祉の連携についてどこか
らが過剰な福祉になってしまうのかなど、今回難しいと感じた点を考えながら、過ごして
いきたいと思います。ありがとうございました。




「全体の感想」


     初めての佐久活動に参加して、夏活動とは違うものが見られて勉強になりました。地
域医療のことは、今まであまり知らなかったので、今回の活動を通して、興味を持つこと
ができました。これから学校の授業でも、学んでいきたいと思います。
  佐久地域は、高齢化率が高く、これからの日本の姿を先取りしていると考えると、最
先端の医療と言えると思います。そのため、もっと見たいことがたくさんあったので、こ
れからも継続して参加していきたいと思いました。
     長先生を初め、佐久地域の方々には大変お世話になりました。ありがとうございまし
た。



              【中園   紗希子・看 2】
  老人保健施設 小海
  小海訪問看護ステーション
◇感想
     老人保健施設、小海では、ほかの老人保健施設と異なる点が多々あり、とても面白い
発見ができた。例えば、通常の平均滞在日数が 1 か月のところを、小海では約 6.5 日であっ
たり、ベッドに空きがなくても緊急受入れが可能なことなどである。これらは、地域住民
同士のつながりが強く互いに助け合おうとする精神が根付いている地域だからできたこと
かもしれないが、やはり、利用者さんが在宅になっても援助体制が十分整っていることも
大きな理由の一つだと思う。今回、訪問看護ステーションでの活動の際に、A さん宅へ訪問
入浴をさせていただく機会があった。その際に一緒に訪問入浴を行ったのが社会福祉協議
会の方たちだった。その他にも、老人保健施設の中では、分院から来られた医師もいらっ
しゃったりと、普通、分離されてそれぞれ独自のサービス提供を行っている機関が、とて
も強く結び付いていて、それによりサポート体制がしっかり成り立っているのだと思う。
今回私は事前の希望調査で、佐久の病院での活動を希望していた。それは、看護師になる
のだから、医療現場を見て、看護実践を学ぶべきと考えてたからだ。でも、老人保健施設
小海では、医師、看護師、ケアワーカーさんもみな同じ服装をしていて、職種に関係なく
自分のできる範囲のことはやっていると知り、今まで自分が看護師になるのだから看護だ
けに気持ちが集中してしまっていたのかもしれないと考えさせられた。これからは、一対



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一の支援ではなく、みんなで看ることをもっと学んで、一人の人がこうなりたいと思って
いる姿にむけて援助できる看護師になりたいと思う。
◇まとめ
  今回は、お忙しい中様々な御指導、御配慮いただいて本当にありがとうございました。
この活動を通して、常に色んな人の協力があるからこそ成長させてもらえていることを、
強く感じました。この活動で得たことを、実践に活かして、いつか尐しでもお世話になっ
た方たちへの恩返しできればいいなと思います。




             【看 2    福原梨紗】

佐久での感想


 佐久ついてすぐ、佐久病院でのオリエンテーションを受け、これは本当に何をどうやっ
て運営しているのだろうと不思議に思った。
 私は奈良県の出身で、僻地・地域医療での医療者と患者との人間的な繋がりに憧れを持
っていたし、具合が悪い体を医師に診てもらうときの安心感を知っていたので、医療職を
目指した。そんな中、奈良県で妊婦のたらい回しが問題になり、奈良県や医療の影の部分
を見た気がした。しかし私の知る限り、医師は一生懸命働いていたし、患者思いの人ばか
りだった。だからこそ、これは解決し難い、悲しい現実だと受け止めた。
 それが、佐久では、受け入れを拒否することはないという。その上農民(即ち地域住民)
とともに、という医療が成り立っているという。私が、小さな村の診療所でしかできない
と思っていたような医療を、こんなに大きな佐久総合病院がやってのけているという。そ
れだけ無理をするということか、あるいはもともとに余裕があるということか。
 腑に落ちないような気持ちと、やればできるのかもしれないという希望が心に残り 1 日
目を終えた。
 2 日目、八千穂村の訪問看護師さんにつかせていただき、一緒に患者さんのところへうか
がった。訪問看護は、生活の中に入っていくので、看護の力が発揮できるフィールドだと
考えている。生活者にとっての医療を考えた1日であった。一人暮らしの高齢者宅全てに
訪問看護師がつけば…などということも考えた。また、駅前の診療所で行われるカンファ
レンスも見学させてもらうことができた。様々な医療が協力して患者を支えようとしてい
る気概を感じた。人口が尐ないからできるのではなく、考えたことを本当にやってみよう
とするやる気が大切なのかもしれない。
 3 日目、分院の看護師さんについて病院の見学をさせて頂いた。設備が整っていて、資金
の潤沢さを感じ、佐久病院の謎が深まった気がした。



                     18
4 日目、長先生からのお話を聴き、地域福祉を考えるきっかけを頂いた。人の幸せを考え
て必要なのは、生活を支える医療なのだと確認できたような気がした。福祉を支える医療
でなければ、と思った。医療の介入が必要な場面は、厳密にはとても限られているのでは
ないかと感じたし、逆に言うと医療が介入しすぎると人は生活を守れなくなるのではない
かと感じた。もちろん医療の優先される場面もあるが、それはやはり急性期だけ…?長先
生のお話で印象的であったのは、医療と福祉のバランスを正すのは看護師の仕事ではない
かということと、癌の終末期は在宅医療が可能であるということと、地域共生型の富山方
式のケア(障害者・子どもと認知症の方のケアを一緒にすることで、対象者同士がケアし
合うことができ、職員はその補助が仕事であるという福祉の形)への希望、そして福祉が
地域の就業の場として有用であるということ。こう挙げると長先生のほとんどが刺激的で
あったということになってしまうが、本当に色々な事が考えられた。
 とても勉強になった 4 日間であったが、それでも佐久地域の医療について十分に分かっ
たとは言えない。ただ、福祉が地域の就業の場であるという考え方が、佐久地域の謎を解
くひとつの鍵ではないかと思っている。それが日本全体に忚用されると、一体どんな社会
になるのだろうと想像を絶するところがあるが、高齢社会とはそういうものなのかもしれ
ない。
 とにかく、私自身はこれからの医事振での佐久活動に期待するところがとても大きい。


 今回の活動は希望者が多くご迷惑だったのではないでしょうか。私たち全員に勉強の機
会を与えていただき、そして温かく熱心にご指導下さり、本当にありがとうございました。




             佐久での活動を終えて
                           看護医療学部二年 宮田奈々


 今年は小海診療所、往診、訪問看護を見学させていただくことができた。一
年の頃より看護の知識が増えたことによって新たな発見・新たな学びを得るこ
とができたと思う。
小海診療所では看護師が2人の医師の手伝いをし、患者の次の予約や薬のこと
などすべて1人で行っていた。医療品の準備、採血、カルテチェックなどを診
察の様子や患者の様子で要領よくこなされており、私は見学で付いていくだけ
なのに精一杯であった。見学していて、この仕事は看護師ではなく他の人がや


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れば良いのではないか疑問に思うことがあった。看護師の業務ではないものを
行っていたように思う。医師1人に看護師1人が付けば本来の仕事を集中して
行うことが可能かもしれない。しかし、人手不足で看護師を雇うことができず、
1人でせざるを得ないという問題があることを知った。
 訪問看護・往診では医療者が家族とたくさん話している光景がうかがえた。
家に行って医療者にしかできないケアをするのかと思っていたが、患者や家族
に話をうかがっている時間がとても多かったように思う。これは意外であった
が、雑談のような話をすることによって患者や家族のことを理解し、問診を行
っているようにも見えた。何件かのお宅に行かせていただいて患者を本当に支
えているのは家族であると感じた。患者の周りに家族がいてその周りを医療者
が支え寄り添っているようにも思えた。
 2年生になってから技術がメインの授業が増え、医学知識ばかり詰め込んで
いたということもあって「患者にとっての医療」というものを最近はあまり考
えていなかったように思う。今回参加して地域医療を再び間近で見ることがで
き、ケアを行うことが医療の全てではないことを改めて思い知らされた。医療
者は患者や家族との信頼関係を築くことで在宅医療の力が発揮されていくのだ
と思った。




              三度目の佐久で
                           医学部2年   田沢   雄基

 今回は昨年に続き3度目の佐久における活動であった。昨年との大きな違いは自分の中
で明確な目標を持って活動に臨んでいた、ということであった。昨年は1年生ということ
もあり、明確な目標はなかった。そこに佐久という地域で学ぶ機会があったのでただ我武
者羅に何かを学びたい、とにかく生の医療に触れたい、という意識で活動に臨んだ、とい
うのが正直なところである。もちろん、1年生としてはその姿勢も非常に大事だと思って
いたし、去年の活動の中で学ぶことも非常に多かった。しかし、2年生になり、今年の佐
久活動が視野に入ってきたとき、今年も去年と同じままの姿勢では許されないと感じた。
そこでまず、去年の活動を振り返ったり、佐久に関する書籍をいくつか読むことで、今期



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活動の目標を模索した。その中で、佐久について新たに学ぶことも多かった。自分は佐久
についてこんなにも無知のまま去年の活動に臨んでいたのかと愕然とすることもあった。
医療を学ぶという点において佐久が如何に重要で、如何に希尐な土地であるかということ
を学ぶにつれ、何を目標とするかについて慎重にならざるを得なかった。漠然に過ぎれば
目標に振り回され、ともすれば目標を見失うことにもなるであろう。具体的に過ぎれば目
標に固執して本来学ぶことができたはずのものを見落としてしまう可能性もある。この貴
重な学びの機会を最大限に活かせる目標とはどのようなものであるか。模索する中で大き
な道しるべとなったものが二つある。
 一つは六十年前から続く佐久の医療の歴史である。戦後間もなく若月先生が佐久に赴任
して小規模な診療所で医療を初めて以来、佐久病院は発展を続けており、今では多くの分
院や診療所を抱え、日本有数の大病院となっている。変わったのは規模のみではない。こ
こ六十年で日本の医療も大きな変化を遂げ、佐久の医療も時代とともに尐なからず変遷し
ている。その中で変わらないことは、佐久病院が常に地域の医療の第一線を担っていると
いうことであろう。このことは、佐久が、若月先生が掲げた理念が、医療というものに普
遍的に通ずるものであったということに帰すると考えられる。日本全土を見回しても、そ
のような普遍的な理念の下、最前線で医療を行っている地域というのはそう多くはないで
あろう。とすれば、佐久で学ぶ機会を得た今、この理念を学び取らない手はないように思
えた。ではこの理念の習得を目標として掲げるのか。先に記した視点に立てば、それはい
ささか漠然に過ぎる目標と言えるであろう。ここまできたとき、この漠然とした目標に如
何に具体性を与えるかが次の課題であった。
 この課題に取り組む中で次の道しるべになったものは昨年の春季佐久活動で長先生から
お聞きした言葉であった。長先生は高齢化が進むこれからの日本では、既に高齢化率30
パーセントに上る佐久の医療がスタンダードになるとおっしゃった。この言葉にそのとき
の私は衝撃と感動を覚えた。現在の日本では、急速な高齢化に制度の整備が追いつかず、
このまま進めば高齢化の波に飲み込まれ、人口の集中する都市部を中心に日本の医療は立
ち行かなくなってしまうであろう。そんな中で佐久病院は高齢化の顕著な地域で、何十年
も前からその広大な医療圏をぶれることなく支えてきたのである。佐久の医療が、整備さ
れた医療体系の下、如何に効率的に高齢化した地域の医療を支えているかはそれまでの夏、
春、二度の活動で既にそれまでに目にしていた。ここまで考えたとき、自分が知らず知ら
ずのうちに重要なことを学び取っていたことに気づいた。昨年の二度の活動がなければ、
長先生のこの話にここまで感銘を受けることもなかったであろう。一年生なりに我武者羅
に佐久の医療に触れたことは、やはり無駄ではなかったとこのとき実感した。
 これは私の勝手な考えであるが、若月先生が戦後より、時間を超えて普遍的な医療の理
念を実践してきたとするならば、長先生のこの考えは、若月先生の理念に地域を超えた普
遍性を与えるものだと思う。もちろん、若月先生の理念ははじめからその普遍性も内在し
ていたに違いないが、それを表在化することは特に医療という領域においては、理念その



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ものと同じくらい重要なことだと思う。この話についてこれ以上この場で議論するのは私
の領分ではないが、この考えに至った時、先の課題に解決の兆しが見えてきたように思え
た。
 「佐久病院開設以来、貫かれてきた医療の理念を習得すること」。これでは目標として漠
然に過ぎる。では、
        「その理念を習得し、将来自分が如何にその理念を活かし、その理念を
以てどのような医療を行うのか、その答えを見つけること」。これならばどうであろうか。
当初考えていた具体性とは異なるものの、これもある意味具体化であり、目指す目標とし
て安定感が飛躍的に増したように思えた。偶然ではあるが、これは私たち医事振興会が創
設当初から掲げる、
        「活動で得たものを、ゆくゆくは何らかの形で社会に還元すること」と
いう理念にも通ずるところがあった。もちろんこの目標は一度や二度の活動で達成できる
ようなものではないであろう。今後活動を継続していき、目標に向かって最大限努力した
結果として達成できればよいと考えている。そのほうが自分の性分に合っているし、目標
とは本来そのようなものであろうと思う。
 このような経緯を経て、私は佐久活動の目標を設定することができた。結論のみ見れば
誰でも思いつくような陳腐な目標に見えるかもしれないが、重要なことは私が昨年の二度
の活動において佐久の医療に直に触れ、長先生をはじめとする佐久の最前線で活躍するさ
まざまなスタッフの方々と触れ合う中で佐久の歴史や現状を知り、そのうえで、上述した
ような思考の結果としてこの目標を見出したことだと思う。だからこそ他の全てに優先し
て、この経緯を活動報告書に記したのである。
 この目標を持って臨んだ三度目の活動は、非常に実りの多いものであった。今回は初め
て佐久本院での実習を行わせて頂き、佐久の先端医療を肌で感じるとともに、その対極と
しての村での医療の重要性も学んだ。両者が如何に連絡を取って医療を行っているのかも
学ばせて頂いた。また、小海の訪問医療では、医師や看護師が直接お宅まで訪問し、お宅
に上がって医療を行う在宅医療の重要性を確認することができた。長先生からこれらの学
びに対する理論的なフィードバックも頂いた。特に今回は、専門化された先端医療と、村
で行う在宅医療という二つの視点から両者を眺めることができたという点が重要であった
と思う。また、今回の活動では、昨年の活動で学んだことを再確認するという場面が多々
あった。このようなことの中には、昨年一年生のときに、先入観を持たずに我武者羅に学
んだからこそ得られた学びもあったであろうと思う。その意味で昨年無我夢中に活動した
意義を実感できたと言える。それでは今回、目標を持って活動に臨んだことによって新た
に得られたことはなんであろうか。それは、今まで学んできたこと、今回新たに学んだこ
とが、独立した一つの知識ではなく、目標を達成するための掛け替えのないピースとして
得られたことであろうと思う。各医療職間の連携の重要性、本院と診療所との連携の意義、
在宅医療の本質、これまでの三度の活動で学んだことは数え上げればきりがなく、それぞ
れが非常に重要な医療の知識の一つであるが、これらを独立した知識として扱っていては
それぞれが持つ医療的な重要性を十分に発揮することができないように思える。このよう



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な重要な知識を一つにまとめ上げることのできる目標のもと、一つ一つを目標を達成する
ためのピースとして、包括的に吸収して初めてこれらの知識の持つ本質を最大限活かすこ
とができるのではないだろうか。この先活動を継続していく中で、さまざまな困難にぶち
当たり、悩むことも数多くあるだろうが、必要な知識を目標へのピースとして余すことな
く吸収し、ゆくゆくはそれを社会に還元することで、佐久という地で学ばせて頂いたこと
に対する恩返しができればいいと思っている。
 最後になったが、今回の活動では長先生をはじめ非常に多くの方々にお世話になった。
活動代表として至らないことも数多くあり、ご迷惑をおかけすることも尐なくなかったで
あろう。この場を借りてお詫び申し上げたい。このような中でこちらの我が儘を聞き入れ
てくださり、快く活動を受け入れてくださった長先生には本当に心から感謝している。こ
れから先、より多くのことを学べるよう精一杯努力し、この御好意に報いることができれ
ばと思う。本当にありがとう御座いました。




              農村社会の医療
                           医学部二年 水上 貴裕
 医師不足、医療崩壊が社会問題として取り上げられている今日、この対策として民主、
自民の二大政党は医学部の定員の拡充を提案し選挙公約として掲げていた。しかし果たし
て医師の絶対数を増やすことが解決につながるのだろうか。医師の絶対数が増えれば、そ
れに伴って地方に赴く医師の数が増えて医師の偏在が解消されるだろうか。僕は去年の夏、
今年の夏と長野県の佐久地方を訪れてみてそのようには思わない。地方で実際に働く医療
従事者の方々と直接お会いして話して思ったことは、地域で働く医師などの医療従事者に
はかなりの高い志、モチベーションそして幅広い知識が必要だということだ。医療におい
て医療者と患者の間の信頼関係が重要だというのは地域、都市などの場所を問わず共通で
あろうが、農村という閉鎖的な特殊な環境ゆえに、都会の病院以上に人間関係の構築が大
事になってくる。僕が訪問診療を同伴させていただいた先生は、担当患者の背景(生い立
ち、家族構成等々)についていろいろと知っており、都市の病院にいる医師よりも真摯に
患者の訴えや話に耳を傾けているように思った。患者も先生を信頼し強固な信頼関係が成
り立っているように思えた。これは自分たちの手で患者にとって最善の医療を提供しよう
という志を持った先生の並みならぬ努力の結果可能になることだと思う。特に訪問診療で
は一人の患者のために車で片道30分もかけて診察に行くこともあるみたいで、これは高
いモチベーションがなければ続かないと思う。また診療所には様々な症状を訴える患者さ



                   23
んが毎日赴き、それぞれの患者の重症度を的確に判断し必要があれば中核病院の佐久総合
病院を紹介する。大学病院や大病院にいる知識の深さを求められる専門医のように紹介さ
れてきた自分の専門分野の患者のみを診るのと違い、幅広い患者を診なければならず知識
の幅を求められる。だから僕は地域などの医師不足の解決のために医師を増やしたいと思
うなら、単に学力試験で上から定員を増やした分の生徒をとっていくのではなく、地域医
療に対するモチベーションの高い学生を採るべきだと思う。長先生の積極的に学生を受け
入れて、地域医療の実際の現場を見せたり、実際に地域で働く医療従事者と話す機会を提
供して、卒業後に実際に地域に医療者として来てくれる人を増やそうとするのは、素晴ら
し考えだと思いました。去年の夏、今年の春、夏と医事振興会の学生を受け入れていただ
いたことに非常に感謝しております。本当にありがとうございました。また実際に私たち
学生を同伴してくださった先生方、本当にありがとうございました。興味深いお話を聞か
せていただいたり、色々なことを考えるきっかけをいただいたりと非常に有意義な実習が
できました。この実習で学んだこと、考えたことは自分の中で暖めて、また次回の実習や
将来に活かしていきたいと思います。最後になりましたが今回20名近い学生を受け入れ
ていただき本当にありがとうございました。




             【石塚 あずさ・医3】
  第2日目活動:佐久総合病院地域ケア科
◇活動内容 … 往診への付き添い
  地域ケア科の医局でお話を伺った後、午前・午後に分けてそれぞれ医師・看護師によ
る往診に付き添わせて頂きました。
◇ 感想
  往診で伺う一軒一軒で、患者さんやご家族から患者さんのお元気だった頃のことなど
色々なお話を伺ったり、またお盆休みが近かったことから遠方にお住まいのご家族が見え
ているお宅も多かったことなどから、ご自宅で療養するという意義を改めて考えることが
できました。自分は将来、患者さんにとってその人が持っている「歴史」や「大事にして
いるもの」を大切にできるような医療者になりたいと考えていますが、そういった医療の
実現には、自身の生活の基盤となる家庭での療養は非常に大きな意味をもつと思います。



                   24
それを支える、24時間での連絡体制などはとても驚きでした。
  また、見知らぬ学生である自分を、ご家族の方がとても快く受け入れてくださったこ
とや、往診の医師・看護師の方とご家族の方々とのあたたかい信頼関係が今も強く印象に
残っています。今までは、地域に深く根ざしたものである地域医療は、医療者自身もその
地域の出身であるなど、地域への深いつながりが必要不可欠なのではないかと思う部分も
あったのですが、今回活動して若い医師の方からもお話を伺うことで、必ずしもそうでは
なく、地域に対する本人の理解や意識などが大切になることも分かりました。
◇まとめ
  初日のお話であった「病院で出来ない事はたくさんあるけれど、在宅で出来ないこと
はない」という言葉を実感しました。在宅でのケアを支えるものとして地域ケア科の活動
や連携を直接見せて頂け、またたくさんのお話を聞かせて頂けたのは非常に有意義でした。
最後になりましたが、活動にあたりお世話になった地域ケア科の皆様にあつく御礼申し上
げます。ありがとうございました。




  第3日目活動:八千穂訪問看護ステーション
◇活動内容 … 訪問看護、ケアマネージャーによる訪問への付き添い
  午前中には訪問看護、午後はケアマネージャーの方による訪問にそれぞれ付き添わせ
て頂きました。
◇感想
  看護・ケアマネージャーというまた異なる視点から在宅ケアを見せて頂くことが出来
ました。訪問看護では、治療よりもより生活に即した身近なケアを手助けすることでの信
頼関係を感じたように思います。ケアマネージャーの方の訪問に付き添わせて頂く中では、
医療・看護とその他様々なケアのそれぞれの役割や連携について理解を深めることが出来
ました。その方それぞれに合わせたケアプランが存在し、状況に合わせて変えていくこと
を実際に見ることができ、興味深かったです。また、前日の活動に比べて訪問先でお話を
伺える時間も長かったことから、ご家族のことや地域のこと、お仕事のお話をたくさん伺
うことが出来ました。
◇まとめ
  「八千穂村全村健康管理」として初の全参加健診が行われ、先駆けであった八千穂で
在宅ケアを見せて頂け、とても勉強になりました。活動にあたりお世話になりました、八
千穂訪問看護ステーションの皆様に厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。




             【新美   望・医学部 3 年】


                     25
今回、8 月 11 日~15 日に小海などで活動。初日に、佐久総合病院の全体の説明。2 日
目に訪問看護と往診に、3 日目に川上の診療所、4 日目に長先生に教えを請い、勉強させて
頂いた。佐久での活動は 2 回目であり、初回時は訪問看護と訪問診療に付き添わせていた
だいた。


先ず、初日の佐久総合病院に説明では病院スタッフの方々の強い熱意を感じることが出来
た。地域医療という理想について歴史とともに詳細に教えて頂いた。その内容について全
てを理解出来たとは思わないが、その熱意やその理想について尐しでも触れることが出来、
私自身も強く感銘を受けた。
先生は様々な問いにも直截的にこたえて下さった。

                   「農民と共に」
この事が最初から与えられていたヒントであり、答えであった。
二日目、訪問看護と訪問診療は 2 度目であり「無計画でなく、計画的に学習しよう」と心
に決めていた。
共同体の中に訪れる異物である、私がどのようにして入れるか。
恥じらってはいけない。
こちらから踏み込みすぎてもいけない。
単に愉しい話だけではいけない。
相手の事を慮らなくてはいけない。
前回の反省を生かして、出来るだけ相手の立場を考えて相手と同等になる。言葉が過った。

                   「農民と共に」
訪問診療では、バイタルを測らせていただいた。SPO2 や、血圧などの機器は思ったよりも
重く、その意味を知るには及ばなかった。
「for じゃなくて with って考えに共感出来たんだよね」
付き添わせて頂いた先生はそうおっしゃっていた。
訪問診療/看護の終わりに長先生とお話させて頂いた。
「他の地域に佐久をモデルとして同じようなシステム作りたいのか、地区それぞれに合っ
たシステムを作るために佐久の作り方のアルゴリズムを真似るのか」
医療者として政治にはそこまで興味を持っていなかったが、それではいけないと思った。
それは、単に上に立ちその人の事を考えるのではない。その地域の立場になれば否忚なく
来る問題なのだろう。長先生は長先生のやり方で先に進まれていた。

                   「農民と共に」


                        26
3 日目の診療所では医者のあり方について見る事が出来た。ある種の予感に満ちた将来像。
塑像というよりは、彫刻のようだったと思う。
3 日目の夜に、他大学の医学部で、実習に来られた方や勉強させて頂いた先生、研修医の先
生とお話する機会があった。失礼と思い、去年溜め込んでいた疑問をぶつけた
「最初から死を計算に入れた医療など存在し得るのか?患者さんの死期を決める権利を持
つ事など出来るのか?」
命は或いは泰山より重く、或いは鴻毛より軽し。
色々な答えを聞き、色々な考えを聞いた。論難し、論破され、更に質問をした。
そこで、漸く気付いた。
                       、、、、、、、、、、、
否、最初から知っていたことだった。常に目の前に答えに限りなく近いものはあった。

                 「農民と共に」
最終日の長先生の話は素直に聞くことが出来た。


最後になりますが、長先生を初めとするスタッフの方々には大変お世話になりました。厚
く御礼申し上げます。佐久の精神の一滴でも汲むことが出来る医者になりたいと思います。


有難うございました。




                【尾崎彩佳・看4】
臼田訪問看護ステーション(佐久総合病院本院)
◇ 活動内容 … 訪問看護への随行
  午前 3 ケース・午後 2 ケースとそれぞれ別の訪問看護師に随行させていただき、活動
を行った。内容としては、各対象者においてバイタルサインのチェックや、生活援助など、
可能な範囲でケアにも関わらせていただく中で、対象者または看護師にお話をうかがい、
臼田地域の生活を見つめた。
◇ 感想
  佐久地域の中でも臼田は本院が近くにあるような比較的栄えた地域であるためか、お
盆シーズンであったため平常通りの家庭内の様子とは異なることが多かったせいか、家族
や孫が在宅中で、独居の高齢者のお宅には行かなかった。しかし、その中においても必ず
しも家族が有力なサポートになっていないことや、訪問看護時に必要な介護・看護用品は
準備しておいても、家族が姿を現さないお宅もあったりと、課題多きケースも何件かうか
がわせていただいた。高齢化が進む今の現状において、老老介護になることも課題である



                     27
が、家族がいるからといって必ずしも安心できるわけではないことも改めて実感させられ
たように思う。また、佐久本院があるため、この地域の訪問看護の利用者はほとんどが、
地域ケア科にかかっている患者であることもここの特徴である。そのため、患者の身体状
態や情報、受診時の様子や異常への対忚は、主治医との指示や連携が行いやすく、患者の
退院時の移行なども非常にスムーズに行われるという個々特異のメリットも感じられた。
実際、一緒に同行させていただいた看護師にも実際の感想として、他職種スタッフとの連
携の図りやすさを聞くこともでき、地域で作り上げる医療の大切さを再確認することがで
きた。ただ、佐久本院に全ての機関や整っている一方で、非常に多くの対象者とスタッフ
数の不均衡により看護ステーションの運営が、大変になってきている現状も耳にし、その
運営・管理の難しさを考えさせられると同時に、状態悪化の阻止・遅延、予防医学の大切
さを重々感じる活動となったように思う。人々の健全な生活をいかに必要以上に早く壊れ
ることの無いよう、どれほど長く人々のQOLの高い生活を守って地域が崩壊することの
ないよう、医療専門職者として関わっていくか今後もさらに考え続けていきたいと思う。
◇ まとめ
  今回で、佐久地域の中で 4 つ目の地域活動をさせていただいた。現地での一言感想で
も述べさせていただいたが、どの地域にもそれぞれ独自の地域性があり、その地域の濃さ
を味わう活動であったように思う。今回の地域が一番、都市型の地形に近い活動であった
かもしれないが、それでも、大きい病院が限られた地域としての特徴をみるなど、やはり、
この地域の特徴が現れていたのが事実であった。前回までの活動、今回の活動とも、毎回
思うのは各々に根付いている地域性、その地域だからこそ存在するメリット・デメリット
など、本当にその土地の色の濃さを感じさせられる。おそらくどの地域に行ってもそれぞ
れの地域らしさを感じることにはなると思われる。しかし、その中でも佐久地域のような
地域に根ざした医療を展開しているところの様子、住民ありきの佐久地域の暮らし、医療
体系を学ぶことができ、非常に有意義な活動をできたように思う。また、活動時に限らず
多くの方にご協力いただいた下で、このような活動をさせていただけたことに本当に感謝
の思いでいっぱいである。ここに改めて感謝の意を表したく思う。ご多忙な中、様々なこ
とにご協力いただき、私たち学生をあたたかく受け入れ、貴重な時間を割いていただいた
こと、本当に感謝しております。ありがとうございました。




        小海診療所:訪問看護・訪問診療に同行して
                           看護医療学部 4 年 小谷 望美
 今回で佐久地域での活動は 3 回目になるが、全て川上村での活動で、今回はじめての小
海での活動になった。訪問看護と訪問診療に同行させていただいた中で、小海地域での医
療職の働きとその役割、様々な家庭を訪問させていただき、農山村で療養生活を送る方の



                    28
姿をこの目で見てきた。
 川上村は、レタス畑が一面に広がっていて同じ時期の夏は人々が忙しく農業に勤しむ姿
を見かけることが多く、また、農業に携わる若者の姿も多く目にすることがあった。一方、
小海は駅の周辺は割合民家や商店、旅館があり尐し栄えているが、山村部に訪問すること
が多く見ることが出来たのだが、山村にももちろん畑は広がっていたが、若者の姿を見る
ことが無く、また、もともと畑であっただろうところが荒れ果て草が生い茂っているよう
な集落もあった。高齢化率が 90%を超える集落もあるということで、深刻な高齢社会を迎
えているということも実際に村の様子を見ることで感じた。
 小海町で一人暮らしをしている遺伝性の難病を抱える方のお宅に訪問させていただいた。
この方が暮らしているのは、デイサービスや社協がある施設の下に設置されている集合住
宅で、室内はフローリング、バリアフリーであり、見回りに来る職員の方もいるというと
ころだった。このような形態の住宅は増加傾向であり、生活を支えていくための介護福祉
の手が求められている現状を肌で感じた。ある程度の医療の充足は疾患をみることは出来
るだろう。けれど、その先にあるその人が生活を送っていくというところは、医療よりも
むしろ介護福祉の手が入り、支えていかなくては成り立たないのではないかと改めて考え
させられた。
<さいごに…>
 訪問診療では、水元先生の状態が安定しているように見える人でも月に 2 回以上は訪問
診療が入ったほうが良いのはなぜかという問いにあまり答えることが出来なかったのが心
残りでした。一つ感じたことは、月に 1 回でその人の生活、その人その家族をちゃんと理
解できるのだろうか、その人の生活に入って診ているといえるのだろうかということです。
 私は、医療はその人にとっての“健康”を支える 縁の下の力持ちで、困ったときや困っ
てしまう前にさっと手を伸ばして支えて、共に目指す状態に歩んでいく役割でありたいと
考えています。川上村でも見てきたことですが、特にこの地域では、医療者が医療者とい
うよりは人として村の人を思っている、人に関心を向けている方が多くいらっしゃること
がとても素晴らしいと思いました。村で病気や障害を抱えながら生活する人を思い続ける
力、人を思い続ける力それが人をつなげ、地域がつながっていくのだと感じることが出来
ました。
 私は学生時代に佐久地域で、素晴らしい先生方、先輩、地域の方々、仲間に出会えて貴
重な経験をさせていただいたことに、心から感謝をしたいと思います。この活動は、多く
の方のご厚意、ご協力によって支えられ成り立っているものだと強く感じています。特に、
お忙しい中、去年から各機関と連絡、調整を行ってくださった長先生には厚く御礼申し上
げます。
 医療とは何なのか、その対象である人とは何か、その問いを胸にここでの学びは私の中
の看護観・人間観に大きな影響を与えて下さいました。今後もこの学びや感じたことを胸
にしながら、日々精進してまいりたいと思います。誠にありがとうございました。



                    29
○おわりに      ~活動を終えて~

  本活動に参加することにより、私たちは地域医療の特徴や地域医療らしさや特長を
重々感じることができました。また、小海町、川上村、佐久市という今回の私たちの活動
地は、地域の連携や、医療職の連携がとても分かりやすい地域であったように思います。
そのおかげで、よりいっそう地域医療の現状が見やすい場を提供していただけたのではな
いかと考えています。活動した者はもちろん、本活動に参加できなかったメンバーも含め、
本会の意向としてもまた機会を見つけ、人数に限りはあると思いますが、ぜひ活動させて
いただきたく思っております。また、可能であれば今回とは異なる時期にも訪れ、佐久地
域を多面的に見つめることで、よりいっそう深い地域医療の様子の理解や経験につなげる
ことができればと考えております。そして、この活動で感じ考えたことを、いつか各々の
形で己の目指す目標に生かしていきたいと思っております。
  学生の身分でありながら、誠に勝手な希望や今後のことなど、各々の意見を述べさせ
ていただきました。ただ、医療についての己の思考をめぐらす上で今回のような活動は、
私たちに非常に大きな意義をもたらしてくれたことは、活動メンバー全員が一致して感じ
ていることであります。今回このようなチャンスを与えて頂いたこと、また、このように
感じさせてくれた、この活動で出会った多くの方にとても感謝しています。
  活動運営の準備から活動中、活動後も含め、ご協力いただいた方々に、いま一度厚く
御礼申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。


                                慶應義塾大学医事振興会
                        2009年度活動代表 田沢 雄基




                   30

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