SlideShare a Scribd company logo
1 of 14
Download to read offline
オープンソース
ソフトウェア技術の
傾向分析
第14回情報科学技術フォーラム
中央大学 飯尾 淳
2015年9月15日 @ 松山
FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 2
発表の内容
●
背景と目的
●
分析の対象
●
分析手順の詳細
●
分析結果
●
考察とまとめ
FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 3
背景と目的
●
Open Source Software (OSS)
– サーバだけでなく,モバイル機器,組み込み,IoT
など,あらゆる分野で活用
– サイバーワールドを語るにも不可欠の要素技術
●
「技術」よりは,コミュニティのあり方やライセンス,
コードシェアリングなど,「技術」以外に妙味がある…
●
そうはいっても,技術の変遷にトレンドが
– 80年代 … Free Software Foundation (FSF)
– 90年代後半 … Open Source Initiative (OSI)
– 00年代 … サーバシステムからクラウドへ
– 10年台 … クラウド + IoT?
FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 4
背景と目的(続き)
●
OSS研究の動向
– ソフトウェア工学領域の研究
– 社会科学研究者によるコミュニティ研究
●
人的ネットワーク分析など
– SNSやCGMなど
●
開発者が参加する勉強会からトレンド分析
– J. Iio, “Technology Trends Indicated in “The IT Study
Meeting Calendar”,” Proc. WSSM2014, 590–595, 2014.
– その他,学際領域的研究例
●
ライセンスに関する法学的研究
●
経済効果など経済学,経営学の領域における研究
●
サイバーワールドを支える人材に着目
FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 5
分析の対象
●
仮説:
「OSSに関するコミュニティや技術者の発する情報
を分析することで,同分野の技術動向を浮かび上が
らせることができる」
●
対象のイベント
– 「オープンソースカンファレンス(OSC)」
●
2004年から,全国各地で開催
●
2015年3月開催分までを対象に(約100回,152件)
– 規模感:
●
1,000人〜 (東京開催)
●
〜1,00人 (地方開催)
FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 6
オープンソースカンファレンス
FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 7
プログラム例
FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 8
分析の手順
1. 発表タイトルの取得
– OSC過去のタイムテーブルからダウンロード
– <a>タグをキーとしてタイトルを半自動で取得
2. データのクリーニング
– 発表以外のコマ削除,言葉のゆらぎ修正,複数コマ
の統合など
3. 英単語の抽出
– 英単語トレンドの分析用として
4. 日本語単語の抽出
– 日単語トレンドの分析用として
FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 9
バッチ処理例
FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 10
英文キーワードの抽出結果
FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 11
和文キーワードのクラスタリング
●
出現頻度空間
– 横軸に各イベント,
– 縦軸に和文キーワード
●
クラスタリング
– 同空間におけるキー
ワード間の距離を用い
てクラスタリングを実
施
– キーワードの関連性か
ら,デンドログラムを
構成
FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 12
英文キーワードのトレンド
●
注目すべき点
– Linux, OSS, Webといった基本的なキーワー
ド,DB関連,CMSなどが頻出,人気は高い
– OpenStack, CloudStackなど,クラウド関連技術
が後半に登場
FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 13
和文キーワードのトレンド
●
注目すべき点
– 傾向は英文キーワードと同様
– 紹介,入門,開発,最新,技術など,一般名詞も
– 「クラウド」という単語が後半に登場
●
その具体例が,英文キーワードのOpenStackなど
FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 14
まとめ
●
10年来続けられてきたOSCというOSS関連イ
ベントの発表タイトルに着目
●
タイトルに含まれるキーワード分析によ
り,OSS業界のトレンドを確認
●
ざっくりした傾向を確認することができた
●
課題
– イベントの性質上,若干のノイズが含まれる(某
OSの例など)
– 今回は日本国内に特化した分析,海外との比較は?

More Related Content

Similar to オープンソースソフトウェア技術の傾向分析

Robomec2014 rtm講習会第1部(その1)
Robomec2014 rtm講習会第1部(その1)Robomec2014 rtm講習会第1部(その1)
Robomec2014 rtm講習会第1部(その1)
openrtm
 
企業における自然言語処理技術の活用の現場(情報処理学会東海支部主催講演会@名古屋大学)
企業における自然言語処理技術の活用の現場(情報処理学会東海支部主催講演会@名古屋大学)企業における自然言語処理技術の活用の現場(情報処理学会東海支部主催講演会@名古屋大学)
企業における自然言語処理技術の活用の現場(情報処理学会東海支部主催講演会@名古屋大学)
Yuya Unno
 

Similar to オープンソースソフトウェア技術の傾向分析 (20)

Robomec2014 rtm講習会第1部(その1)
Robomec2014 rtm講習会第1部(その1)Robomec2014 rtm講習会第1部(その1)
Robomec2014 rtm講習会第1部(その1)
 
2016年9月6日 IoTとセキュリティ『IoT開発におけるセキュリティ設計の手引き』
2016年9月6日 IoTとセキュリティ『IoT開発におけるセキュリティ設計の手引き』2016年9月6日 IoTとセキュリティ『IoT開発におけるセキュリティ設計の手引き』
2016年9月6日 IoTとセキュリティ『IoT開発におけるセキュリティ設計の手引き』
 
「IoTビジネスの嘘とホント~必要な検討事項と技術検証~」Developer Summit kansai 20160915
「IoTビジネスの嘘とホント~必要な検討事項と技術検証~」Developer Summit kansai 20160915「IoTビジネスの嘘とホント~必要な検討事項と技術検証~」Developer Summit kansai 20160915
「IoTビジネスの嘘とホント~必要な検討事項と技術検証~」Developer Summit kansai 20160915
 
【16-D-1】UI のこれまでの10年とこれから
【16-D-1】UI のこれまでの10年とこれから【16-D-1】UI のこれまでの10年とこれから
【16-D-1】UI のこれまでの10年とこれから
 
IoT概論: AITCオープンラボ IoT勉強会
IoT概論: AITCオープンラボ IoT勉強会IoT概論: AITCオープンラボ IoT勉強会
IoT概論: AITCオープンラボ IoT勉強会
 
Smart at reception
Smart at receptionSmart at reception
Smart at reception
 
オープンソースソフトウェア開発におけるコミュニティ活動の課題分析とその解決方法の提案
オープンソースソフトウェア開発におけるコミュニティ活動の課題分析とその解決方法の提案オープンソースソフトウェア開発におけるコミュニティ活動の課題分析とその解決方法の提案
オープンソースソフトウェア開発におけるコミュニティ活動の課題分析とその解決方法の提案
 
IoT案件を70件やってみて分かった事
IoT案件を70件やってみて分かった事IoT案件を70件やってみて分かった事
IoT案件を70件やってみて分かった事
 
ET2017資料: mruby/cの利用事例
ET2017資料: mruby/cの利用事例ET2017資料: mruby/cの利用事例
ET2017資料: mruby/cの利用事例
 
20141101 大田区民大学での講演「実際にロボットを動かす方法」
20141101 大田区民大学での講演「実際にロボットを動かす方法」20141101 大田区民大学での講演「実際にロボットを動かす方法」
20141101 大田区民大学での講演「実際にロボットを動かす方法」
 
AI/ML開発・運用ワークフロー検討案(日本ソフトウェア科学会 機械学習工学研究会 本番適用のためのインフラと運用WG主催 討論会)
AI/ML開発・運用ワークフロー検討案(日本ソフトウェア科学会 機械学習工学研究会 本番適用のためのインフラと運用WG主催 討論会)AI/ML開発・運用ワークフロー検討案(日本ソフトウェア科学会 機械学習工学研究会 本番適用のためのインフラと運用WG主催 討論会)
AI/ML開発・運用ワークフロー検討案(日本ソフトウェア科学会 機械学習工学研究会 本番適用のためのインフラと運用WG主催 討論会)
 
The 12th picmet japan_minitalk
The 12th picmet japan_minitalkThe 12th picmet japan_minitalk
The 12th picmet japan_minitalk
 
企業における自然言語処理技術の活用の現場(情報処理学会東海支部主催講演会@名古屋大学)
企業における自然言語処理技術の活用の現場(情報処理学会東海支部主催講演会@名古屋大学)企業における自然言語処理技術の活用の現場(情報処理学会東海支部主催講演会@名古屋大学)
企業における自然言語処理技術の活用の現場(情報処理学会東海支部主催講演会@名古屋大学)
 
A development of an Online Education System using Mobile Ad Hoc Networks
A development of an Online Education System using Mobile Ad Hoc NetworksA development of an Online Education System using Mobile Ad Hoc Networks
A development of an Online Education System using Mobile Ad Hoc Networks
 
第77回MBL研究会 "多様なIoTデータストリームをクラウドレスで分散処理するミドルウェアの設計"
第77回MBL研究会 "多様なIoTデータストリームをクラウドレスで分散処理するミドルウェアの設計"第77回MBL研究会 "多様なIoTデータストリームをクラウドレスで分散処理するミドルウェアの設計"
第77回MBL研究会 "多様なIoTデータストリームをクラウドレスで分散処理するミドルウェアの設計"
 
OpenEL for Robot(Japanese)
OpenEL for Robot(Japanese)OpenEL for Robot(Japanese)
OpenEL for Robot(Japanese)
 
利用者本位のAPI提供に向けたアイデンティティ (ID) 標準仕様の動向
利用者本位のAPI提供に向けたアイデンティティ (ID) 標準仕様の動向利用者本位のAPI提供に向けたアイデンティティ (ID) 標準仕様の動向
利用者本位のAPI提供に向けたアイデンティティ (ID) 標準仕様の動向
 
【日商USA】Wbinar 2024.4.5 SXSW2024から見える最新テックトレンド
【日商USA】Wbinar 2024.4.5 SXSW2024から見える最新テックトレンド【日商USA】Wbinar 2024.4.5 SXSW2024から見える最新テックトレンド
【日商USA】Wbinar 2024.4.5 SXSW2024から見える最新テックトレンド
 
【日商USA】Wbinar 2024.4.5 SXSW2024から見える最新テックトレンド
【日商USA】Wbinar 2024.4.5 SXSW2024から見える最新テックトレンド【日商USA】Wbinar 2024.4.5 SXSW2024から見える最新テックトレンド
【日商USA】Wbinar 2024.4.5 SXSW2024から見える最新テックトレンド
 
[DynamoDB][AmazonES]メディア向けデータストアサービスをリリースして直面したツラミ ~X-Tech後日談~
[DynamoDB][AmazonES]メディア向けデータストアサービスをリリースして直面したツラミ ~X-Tech後日談~[DynamoDB][AmazonES]メディア向けデータストアサービスをリリースして直面したツラミ ~X-Tech後日談~
[DynamoDB][AmazonES]メディア向けデータストアサービスをリリースして直面したツラミ ~X-Tech後日談~
 

More from Jun Iio

More from Jun Iio (20)

フラクタルへの誘い an introduction to fractal
フラクタルへの誘い an introduction to fractalフラクタルへの誘い an introduction to fractal
フラクタルへの誘い an introduction to fractal
 
オンラインイベント支援システムOLiVESの開発と運用
オンラインイベント支援システムOLiVESの開発と運用オンラインイベント支援システムOLiVESの開発と運用
オンラインイベント支援システムOLiVESの開発と運用
 
麻雀を全く知らない人に純正九蓮宝燈とは何かを教えるための資料
麻雀を全く知らない人に純正九蓮宝燈とは何かを教えるための資料麻雀を全く知らない人に純正九蓮宝燈とは何かを教えるための資料
麻雀を全く知らない人に純正九蓮宝燈とは何かを教えるための資料
 
オンラインイベント支援システムを作ってみたらどうだったかな?
オンラインイベント支援システムを作ってみたらどうだったかな?オンラインイベント支援システムを作ってみたらどうだったかな?
オンラインイベント支援システムを作ってみたらどうだったかな?
 
Do you know every cat has four bears?
Do you know every cat has four bears?Do you know every cat has four bears?
Do you know every cat has four bears?
 
大学教員になりたい企業人の皆様へ
大学教員になりたい企業人の皆様へ大学教員になりたい企業人の皆様へ
大学教員になりたい企業人の皆様へ
 
情報系学部におけるBYODの試み
情報系学部におけるBYODの試み情報系学部におけるBYODの試み
情報系学部におけるBYODの試み
 
The Semiotics of Toilet Signs
The Semiotics of Toilet SignsThe Semiotics of Toilet Signs
The Semiotics of Toilet Signs
 
OpenCampus2019_Tama
OpenCampus2019_TamaOpenCampus2019_Tama
OpenCampus2019_Tama
 
不偏分散ではなぜNでなくN-1で割るのか
不偏分散ではなぜNでなくN-1で割るのか不偏分散ではなぜNでなくN-1で割るのか
不偏分散ではなぜNでなくN-1で割るのか
 
2019年春季HCD研究発表会特別講話
2019年春季HCD研究発表会特別講話2019年春季HCD研究発表会特別講話
2019年春季HCD研究発表会特別講話
 
UXDの課題
UXDの課題UXDの課題
UXDの課題
 
2019年度BYODソフトウェアインストールガイダンス資料
2019年度BYODソフトウェアインストールガイダンス資料2019年度BYODソフトウェアインストールガイダンス資料
2019年度BYODソフトウェアインストールガイダンス資料
 
Twitterでみる社会のトレンド
Twitterでみる社会のトレンドTwitterでみる社会のトレンド
Twitterでみる社会のトレンド
 
The presentation material for my lecture at the open campus, 22nd Sep. 2018 (2)
The presentation material for my lecture at the open campus, 22nd Sep. 2018 (2)The presentation material for my lecture at the open campus, 22nd Sep. 2018 (2)
The presentation material for my lecture at the open campus, 22nd Sep. 2018 (2)
 
The presentation material for my lecture at the open campus, 22nd Sep. 2018
The presentation material for my lecture at the open campus, 22nd Sep. 2018The presentation material for my lecture at the open campus, 22nd Sep. 2018
The presentation material for my lecture at the open campus, 22nd Sep. 2018
 
Lessons Learned from Data Preparation for Geographic Information Systems Usin...
Lessons Learned from Data Preparation for Geographic Information Systems Usin...Lessons Learned from Data Preparation for Geographic Information Systems Usin...
Lessons Learned from Data Preparation for Geographic Information Systems Usin...
 
図書館利用実態の可視化 および 読書感想文コンクール作品の分析
図書館利用実態の可視化 および 読書感想文コンクール作品の分析図書館利用実態の可視化 および 読書感想文コンクール作品の分析
図書館利用実態の可視化 および 読書感想文コンクール作品の分析
 
たこ焼き屋で学ぶ情報隠蔽
たこ焼き屋で学ぶ情報隠蔽たこ焼き屋で学ぶ情報隠蔽
たこ焼き屋で学ぶ情報隠蔽
 
トイレサインとピクトグラム
トイレサインとピクトグラムトイレサインとピクトグラム
トイレサインとピクトグラム
 

Recently uploaded

Recently uploaded (7)

LoRaWANスマート距離検出センサー DS20L カタログ LiDARデバイス
LoRaWANスマート距離検出センサー  DS20L  カタログ  LiDARデバイスLoRaWANスマート距離検出センサー  DS20L  カタログ  LiDARデバイス
LoRaWANスマート距離検出センサー DS20L カタログ LiDARデバイス
 
NewSQLの可用性構成パターン(OCHaCafe Season 8 #4 発表資料)
NewSQLの可用性構成パターン(OCHaCafe Season 8 #4 発表資料)NewSQLの可用性構成パターン(OCHaCafe Season 8 #4 発表資料)
NewSQLの可用性構成パターン(OCHaCafe Season 8 #4 発表資料)
 
Amazon SES を勉強してみる その22024/04/26の勉強会で発表されたものです。
Amazon SES を勉強してみる その22024/04/26の勉強会で発表されたものです。Amazon SES を勉強してみる その22024/04/26の勉強会で発表されたものです。
Amazon SES を勉強してみる その22024/04/26の勉強会で発表されたものです。
 
Amazon SES を勉強してみる その32024/04/26の勉強会で発表されたものです。
Amazon SES を勉強してみる その32024/04/26の勉強会で発表されたものです。Amazon SES を勉強してみる その32024/04/26の勉強会で発表されたものです。
Amazon SES を勉強してみる その32024/04/26の勉強会で発表されたものです。
 
業務で生成AIを活用したい人のための生成AI入門講座(社外公開版:キンドリルジャパン社内勉強会:2024年4月発表)
業務で生成AIを活用したい人のための生成AI入門講座(社外公開版:キンドリルジャパン社内勉強会:2024年4月発表)業務で生成AIを活用したい人のための生成AI入門講座(社外公開版:キンドリルジャパン社内勉強会:2024年4月発表)
業務で生成AIを活用したい人のための生成AI入門講座(社外公開版:キンドリルジャパン社内勉強会:2024年4月発表)
 
新人研修 後半 2024/04/26の勉強会で発表されたものです。
新人研修 後半        2024/04/26の勉強会で発表されたものです。新人研修 後半        2024/04/26の勉強会で発表されたものです。
新人研修 後半 2024/04/26の勉強会で発表されたものです。
 
LoRaWAN スマート距離検出デバイスDS20L日本語マニュアル
LoRaWAN スマート距離検出デバイスDS20L日本語マニュアルLoRaWAN スマート距離検出デバイスDS20L日本語マニュアル
LoRaWAN スマート距離検出デバイスDS20L日本語マニュアル
 

オープンソースソフトウェア技術の傾向分析

  • 2. FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 2 発表の内容 ● 背景と目的 ● 分析の対象 ● 分析手順の詳細 ● 分析結果 ● 考察とまとめ
  • 3. FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 3 背景と目的 ● Open Source Software (OSS) – サーバだけでなく,モバイル機器,組み込み,IoT など,あらゆる分野で活用 – サイバーワールドを語るにも不可欠の要素技術 ● 「技術」よりは,コミュニティのあり方やライセンス, コードシェアリングなど,「技術」以外に妙味がある… ● そうはいっても,技術の変遷にトレンドが – 80年代 … Free Software Foundation (FSF) – 90年代後半 … Open Source Initiative (OSI) – 00年代 … サーバシステムからクラウドへ – 10年台 … クラウド + IoT?
  • 4. FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 4 背景と目的(続き) ● OSS研究の動向 – ソフトウェア工学領域の研究 – 社会科学研究者によるコミュニティ研究 ● 人的ネットワーク分析など – SNSやCGMなど ● 開発者が参加する勉強会からトレンド分析 – J. Iio, “Technology Trends Indicated in “The IT Study Meeting Calendar”,” Proc. WSSM2014, 590–595, 2014. – その他,学際領域的研究例 ● ライセンスに関する法学的研究 ● 経済効果など経済学,経営学の領域における研究 ● サイバーワールドを支える人材に着目
  • 5. FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 5 分析の対象 ● 仮説: 「OSSに関するコミュニティや技術者の発する情報 を分析することで,同分野の技術動向を浮かび上が らせることができる」 ● 対象のイベント – 「オープンソースカンファレンス(OSC)」 ● 2004年から,全国各地で開催 ● 2015年3月開催分までを対象に(約100回,152件) – 規模感: ● 1,000人〜 (東京開催) ● 〜1,00人 (地方開催)
  • 6. FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 6 オープンソースカンファレンス
  • 7. FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 7 プログラム例
  • 8. FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 8 分析の手順 1. 発表タイトルの取得 – OSC過去のタイムテーブルからダウンロード – <a>タグをキーとしてタイトルを半自動で取得 2. データのクリーニング – 発表以外のコマ削除,言葉のゆらぎ修正,複数コマ の統合など 3. 英単語の抽出 – 英単語トレンドの分析用として 4. 日本語単語の抽出 – 日単語トレンドの分析用として
  • 9. FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 9 バッチ処理例
  • 10. FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 10 英文キーワードの抽出結果
  • 11. FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 11 和文キーワードのクラスタリング ● 出現頻度空間 – 横軸に各イベント, – 縦軸に和文キーワード ● クラスタリング – 同空間におけるキー ワード間の距離を用い てクラスタリングを実 施 – キーワードの関連性か ら,デンドログラムを 構成
  • 12. FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 12 英文キーワードのトレンド ● 注目すべき点 – Linux, OSS, Webといった基本的なキーワー ド,DB関連,CMSなどが頻出,人気は高い – OpenStack, CloudStackなど,クラウド関連技術 が後半に登場
  • 13. FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 13 和文キーワードのトレンド ● 注目すべき点 – 傾向は英文キーワードと同様 – 紹介,入門,開発,最新,技術など,一般名詞も – 「クラウド」という単語が後半に登場 ● その具体例が,英文キーワードのOpenStackなど
  • 14. FIT2015, 15/09/2015 Copyright © Jun Iio 14 まとめ ● 10年来続けられてきたOSCというOSS関連イ ベントの発表タイトルに着目 ● タイトルに含まれるキーワード分析によ り,OSS業界のトレンドを確認 ● ざっくりした傾向を確認することができた ● 課題 – イベントの性質上,若干のノイズが含まれる(某 OSの例など) – 今回は日本国内に特化した分析,海外との比較は?