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二河白道のたとえ

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浄土真宗本願寺派総合研究所より
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二河白道のたとえ

  1. 1. ここに一人の人がいて、 百千里の遠い道のりを 西に向かって行こうとしている。
  2. 2. その途中に、突然二つの河が現れる。 一つは火の河で南にあり、 もう一つは水の河で北にある。
  3. 3. その二つの河はそれぞれ幅が百歩で、 どちらも深くて底がなく、 果てしなく南北に続いている。
  4. 4. その水の河と火の河の間に 一すじの白い道がある。 その幅はわずか四、五寸ほどである。
  5. 5. この道の東の岸から 西の岸までの長さも、 また百歩である。
  6. 6. 水の河は道に激しく波を打ち寄せ、 火の河は炎をあげて道を焼く。
  7. 7. 水と火とがかわるがわる 道に襲いかかり、 少しも止むことがない。
  8. 8. この人が果てしない広野に さしかかった時、 他にはまったく人影はなかった。
  9. 9. そこに盗賊や 恐ろしい獣がたくさん現れ、
  10. 10. この人がただ一人でいるのを見て われ先にと襲ってきて 殺そうとした。
  11. 11. そこで、この人は死をおそれて
  12. 12. そこで、この人は死をおそれて すぐに走って西に向かったのであるが、
  13. 13. 突然現れたこの大河を見て 次のように思った。
  14. 14. 「この河は南北に果てしなく、 まん中に一すじの白い道が見えるが、 それはきわめて狭い。
  15. 15. 「東西両岸の間は近いけれども、 どうして渡ることができよう。
  16. 16. 「わたしは今日 死んでしまうに違いない。
  17. 17. 「東に引き返そうとすれば
  18. 18. 「盗賊や恐ろしい獣が 次第にせまってくる。
  19. 19. 「南や北へ逃げ去ろうとすれば
  20. 20. 「恐ろしい獣や毒虫が 先を争って わたしに向かってくる。
  21. 21. 「恐ろしい獣や毒虫が 先を争って わたしに向かってくる。
  22. 22. 「西に向かって 道をたどって行こうとすれば、
  23. 23. 「また恐らく この水と火の河に落ちるであろう」 と。
  24. 24. こう思って、とても言葉に いい表すことができないほど、 恐れおののいた。
  25. 25. そこで、次のように考えた。
  26. 26. 「わたしは今、引き返しても死ぬ、 とどまっても死ぬ、 進んでも死ぬ。
  27. 27. 「どうしても死を免れないのなら、 むしろこの道をたどって 前に進もう。
  28. 28. 「すでにこの道があるのだから、 必ず渡れるに違いない」 と。
  29. 29. こう考えた時、にわかに東の岸に、
  30. 30. 「そなたは、ためらうことなく、 ただこの道をたどって行け。 決して死ぬことはないであろう。
  31. 31. 「もし、そのままそこにいるなら 必ず死ぬであろう」 と人の勧める声が聞えた。
  32. 32. また、西の岸に人がいて、
  33. 33. 「そなたは一心にためらうことなく まっすぐに来るがよい。 わたしがそなたを護ろう。
  34. 34. 「水の河や火の河に 落ちるのではないかと恐れるな」 と喚ぶ声がする。
  35. 35. この人は、もはや、 こちらの岸から「行け」と勧められ、
  36. 36. 向こうの岸から「来るがよい」と 喚ばれるのを聞いた以上、 その通りに受けとめ、
  37. 37. 少しも疑ったり恐れたり、 またしりごみしたりもしないで、 ためらうことなく、
  38. 38. 道をたどって まっすぐ西へ進んだ。
  39. 39. そして少し行った時、 東の岸から、 盗賊などが、
  40. 40. 「おい、戻ってこい。 その道は危険だ。 とても向こうの岸までは行けない。
  41. 41. 「間違いなく死んでしまうだろう。
  42. 42. 「俺たちは何もお前を 殺そうとしているわけではない」 と呼ぶ。
  43. 43. しかしこの人は、 その呼び声を聞いてもふり返らず、
  44. 44. わき目もふらずにその道を信じて進み、 間もなく西の岸にたどり着いて、
  45. 45. 永久にさまざまなわざわいを離れ、 善き友と会って、
  46. 46. 喜びも楽しみも 尽きることがなかった。
  47. 47. 以上は譬えである。
  48. 48. 次にこの譬えの意味を 法義に合せて示そう。
  49. 49. 「東の岸」というのは、 迷いの娑婆世界をたとえたのである。
  50. 50. 「西の岸」というのは、 極楽世界をたとえたのである。
  51. 51. 「盗賊や恐ろしい獣が 親しげに近づく」というのは、
  52. 52. 衆生の六根・六識・六塵・ 五陰・四大をたとえたのである。
  53. 53. 「人影一つない広野」というのは、 いつも悪い友にしたがうばかりで、 まことの善知識に遇わないことを たとえたのである。
  54. 54. 「水と火の二河」というのは、
  55. 55. 衆生の貪りや執着の心を水にたとえ、 怒りや憎しみの心を 火にたとえたのである。
  56. 56. 「間にある四、五寸ほどの白い道」 というのは、
  57. 57. 衆生の貪りや怒りの心の中に、 清らかな信心がおこることを たとえたのである。
  58. 58. 貪りや怒りの心は盛んであるから 水や火にたとえ、
  59. 59. 信心のありさまはかすかであるから 四、五寸ほどの白い道に たとえたのである。
  60. 60. また、「波が常に道に打ち寄せる」 というのは、
  61. 61. 貪りの心が常におこって、 信心を汚そうとすることをたとえ、
  62. 62. また、「炎が常に道を焼く」とは、 怒りの心が信心という功徳の宝を 焼こうとすることをたとえたのである。
  63. 63. 「道の上をまっすぐに西へ向かう」 というのは、 自力の行をすべてふり捨てて、 ただちに浄土へ向かうことを たとえたのである。
  64. 64. 「東の岸に人の勧める声が聞え、 道をたどってまっすぐに西へ進む」 というのは、
  65. 65. 釈尊はすでに入滅されて、 後の世の人は釈尊のお姿を 見たてまつることができないけれども、
  66. 66. 残された教えを 聞くことができるのを たとえたのである。
  67. 67. すなわち、 これを声にたとえたのである。
  68. 68. 「少し行くと盗賊などが呼ぶ」 というのは、
  69. 69. 本願他力の教えと異なる道を歩む人や、 間違った考えの人々が、
  70. 70. 「念仏の行者は勝手な考えで お互いに惑わしあい、 また自分自身で罪をつくって、
  71. 71. 「さとりの道からはずれ、 その利益を失うであろう」
  72. 72. とみだりに説くことを たとえたのである。
  73. 73. 「西の岸に人がいて喚ぶ」というのは、 阿弥陀仏の本願の心を たとえたのである。
  74. 74. 「間もなく西の岸にたどり着き、 善き友と会って喜ぶ」 というのは、
  75. 75. 衆生は長い間 迷いの世界に沈んで、
  76. 76. はかり知れない遠い昔から 生れ変り死に変りして迷い続け、
  77. 77. 自分の業に縛られて これを逃れる道がない。
  78. 78. 自分の業に縛られて これを逃れる道がない。
  79. 79. そこで、釈尊が 西方浄土へ往生せよと お勧めになるのを受け、
  80. 80. また阿弥陀仏が 大いなる慈悲の心をもって 浄土へ来れと招き喚ばれるのによって、
  81. 81. 今釈尊と阿弥陀仏のお心に信順し、 貪りや怒りの水と火の河を 気にもかけず、
  82. 82. ただひとすじに念仏して 阿弥陀仏の本願のはたらきに 身をまかせ、
  83. 83. この世の命を終えて浄土に往生し、
  84. 84. 仏とお会いして よろこびがきわまりない。
  85. 85. このことをたとえたのである。

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