SlideShare a Scribd company logo
1 of 19
Download to read offline
WebRTC Meetup Tokyo #26
【初⼼者向け】
WebRTCとボディソニックデバイスを使った
サイクリング体験のリアルタイム共有
2023.12.15
NTT⼈間情報研究所 槙 優⼀
1
Copyright NTT CORPORATION
⾃⼰紹介
槙 優⼀ / Yuichi MAKI
NTT⼈間情報研究所 サイバー世界研究プロジェクト 主任研究員
経歴︓
n 2011 NTT 研究所(旧組織)
n 2014 (株)NTTぷらら
n 2017 NTT 研究所(旧組織)
n 2021 NTT 研究所(現職)
HCI、Web(HTML5とか)
ISPの契約・課⾦管理のBPR、SE
IPTV・スマートホーム関連の新規サービス企画・開発
AR(透明ディスプレイ)
VR・メタバース(振動触覚、点群表現)
@ym_0124
2
Copyright NTT CORPORATION
ロードバイク楽しそう
https://www.pexels.com/ja-jp/photo/5312249/
COVID-19後のアドベンチャーツーリズム[1]
としても世界中で注⽬されているスポーツ
でも…
お⾦かかりそう
危なそう
体づくりが…
寒いよね…
[1]国⼟交通省 観光庁 -アドベンチャーツーリズムの推進-
https://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/kankochi/adventure.html
3
Copyright NTT CORPORATION https://www.pexels.com/ja-jp/photo/8072926/
観るのは楽しい
凱旋⾨前の⽯畳でスプリントかける
プロ選⼿のスピード感
トップ選⼿たちの絶妙な駆け引き
https://www.pexels.com/ja-jp/photo/3283114/
4
Copyright NTT CORPORATION
今⽇のお話
n ⾝体感覚まで含めた観戦体験︓触覚メディアの活⽤
n プロ選⼿の五感の刺激を擬似体験
n 映像・⾳響メディアだけでは得られない臨場感
n スポーツ観戦の魅⼒のひとつである「ライブ」感
n 実競技と同時進⾏で⼀緒に戦う感じを味わう
メディアとしての
振動触覚情報
WebRTCの活⽤
によるリアルタイム伝送
5
Copyright NTT CORPORATION
メディアとしての振動触覚情報
n 振動情報は⾳情報と発⽣メカニズムは同じ[2]
n ⾳ ︓ ⼀連の空気振動を⽿で知覚する情報
n 振動 ︓ ⼀連の物体振動を⽪膚で知覚する情報
⇒ オーディオの収⾳・伝送・提⽰と同じシステム設計が可能
n ヒトが知覚しやすい振動の周波数は数Hz〜数百Hzまで[3]
n ヒトの⽪膚には複数の触覚受容体があり、それぞれ異なる周波数帯に応答する
n 200Hz〜250Hzあたりの振動の知覚が最も感度が⾼い
(※実験条件による。加齢による影響も︕︖)
低周波数帯の⾳を取得・伝送・提⽰できることがカギ
[2]K. Minamizawa et. al., TECHTILE toolkit; a prototyping tool for design and education of haptic media., 2012
[3]坂本ほか, バイオメカニズム・ライブラリー ⽣体のふるえと振動知覚
-メカニカルバイブレーションの機能評価- 第10章「機械的振動受容の⼼理的特性」, 2009
6
Copyright NTT CORPORATION
ボディソニック(体感⾳響)
[4]⾝体で聴こう⾳楽会
https://jpn.pioneer/ja/corp/sustainability/karadadekikou/
n 椅⼦の座⾯や背もたれに設置した振動トランスデューサーで⾳を振動に変えて提⽰する
⾳響技術のひとつ
n 全⾝で⾳楽を楽しんだり、ゲームや映画の衝撃⾳を体で感じたりすることが可能
パイオニア「⾝体で聴こう⾳楽会とボディソニックについて」[4]
7
Copyright NTT CORPORATION
構成
360-degree
camera
Vibro-sound Mic
(Front)
Vibro-sound Mic
(Rear)
Single-board
Computer
Ambient Mic
(stereo)
360-degree Live Streaming
Ambient
Sound
Vibro
-sound
PC
Web Browser 1
Web Browser 2
WebRTC Media Stream 1
WebRTC Media Stream 2
360-degree Live Streaming
+
Vibro-sound
Ambient Sound
Recording Section(屋外⾃転⾞) Transmit Section Presentation Section(屋内トレーナ)
Screen/HMD
Amplifier(Front)
Body Sonic Device
Amplifier(Rear)
Body Sonic Device
Stereo Speaker
Jetson NANO
B01
ECM-PC60
モノラルコンデンサマイク
RICOH Theta Z1
Firefox v116
on
MacOS
ButtkickerGamer2
4K 360 video
(uvc, h264)
8
Copyright NTT CORPORATION
WebRTCクライアント
n (株)時⾬堂さま開発のオープンソースソフトウェア
WebRTC Native Client Momo を利⽤[5]
n Nativeクライアントで映像・⾳声の取得、エンコード、
受信側とのシグナリングを完結してくれる、検証にはとても便利なツール
WebRTC Native Client Momo -テストモード-
[5]WebRTC Native Client Momo, https://momo.shiguredo.jp/
$ ./momo --force-i420 --resolution 4K –disable-echo-cancellation –disable-auto-gain-control /
--disable-noise-suppression –disable-highpass-filter test
※低周波振動を送りたいので、エコーキャンセリング・ノイズ低減・ハイパスフィルタ
のオプションはすべてdisableにする(⾼周波⾳は提⽰側のアンプでカット)
9
Copyright NTT CORPORATION
振動⾳の取得・伝送
n 50Hz〜収⾳可能なモノラルコンデンサマイクで前輪・後輪の振動⾳を収⾳
(取付イメージは後半で)
n 前輪・後輪2chのモノラル⾳声を、ステレオ変換アダプタを介して⼊⼒
n 取得したステレオ振動⾳を映像と同じmediaStreamのAudioTrakへ
Jetson NANO B01
Ubuntu18.04 LTS※ Momo
(test mode)
Pulse Audio
(set-default-source)
(module-loopback latency_msec=ʻʼ)
WebRTC
mediaStream
libwebrtc
Vibro-sound Mic
(Front)
Vibro-sound Mic
(Rear)
10
Copyright NTT CORPORATION
Jetson NANO B01
Ubuntu18.04 LTS※
libuvc-theta-sample
libuvc-theta
Thetaからの映像・環境⾳取得・伝送
n そのままではThetaZ1をWebカメラとして認識しない
n RICOH社が公開するTheta⽤libuvc(libuvc-theta)と、GStreamer・V4L2を使ったサンプル
(gst_loopback)を使⽤し、仮想カメラデバイス(/dev/video0)にビデオストリームを流し込む[6]
n 仮想カメラデバイスに流し込んだThetaZ1の360°映像をmomoでvideoTrakへ
n 環境⾳はカメラのマイク(ステレオ)をpulseAudio経由で取得し、
別のmediaStreamのaudioTrakへ(映像より早いのでpulseAudioで遅延を⼊れる)
360-degree camera
Ambient Mic
(stereo)
360-degree camera
(uvc, h.264)
[6] Linux Live Streaming Quick Start on Ubuntu x86 - How to Build libuvc for RICOH THETA V and Z1
https://community.theta360.guide/t/linux-live-streaming-quick-start-on-ubuntu-x86-how-to-build-libuvc-for-ricoh-theta-v-and-z1/6123s
gst_loopback
v4l2
/dev/video0
USB-C
Momo
(test mode)
Pulse Audio
(set-default-source)
GStreamer WebRTC
mediaStream
libwebrtc
11
Copyright NTT CORPORATION
360°カメラ映像の表⽰
n 表⽰はHMDで、360°カメラ映像(正距円筒図法映像)をVR表⽰したい
n WebVRフレームワーク A-FRAME[7]の<a-videosphere>を使⽤
n HTC Vive FlowのwolvicブラウザorPCブラウザ(firefox)
n なぜかv0.7.1じゃないと動かなかった(2023/8/30当時)
<html>
<head>
<script src="https://aframe.io/releases/0.7.1/aframe.min.js"></script>
</html>
<body>
<a-scene>
<a-assets>
<video id=“remote_video” autoplay loop cwebkit-playsinline playsinline crossorigin=“anonymous” />
</a-assets>
<a-videosphere src=“#remote_video” rotation=“0 90 0” play-on-window-click>
</a-videosphere>
</a-scene>
<script src=“./webrtc.js”></script>
</body>
[7]A-FRAME https://aframe.io/
12
Copyright NTT CORPORATION
機材セットアップ(屋外⾃転⾞)
13
Copyright NTT CORPORATION
機材セットアップ(屋外⾃転⾞)
14
Copyright NTT CORPORATION
振動トランスデューサは
ゲーミングチェア⽤の
Buttkicker® Gamer2を採⽤
(クランプがあり⾞体への取付が容易)
HTC Vive Flow
(w/Wolvic v1.3.2)
機材セットアップ(屋内トレーナ)
15
Copyright NTT CORPORATION
HMDで体験︕
n めちゃくちゃ酔います
n 1minもしないうちに気分が悪くなって倒れこみます
n 屋外で⾛⾏する⼈のハンドルの動きが映像のブレとなってHMDに表⽰され
るので、とんでもない映像体験になります
n 臨場感どころではない…
16
Copyright NTT CORPORATION
モニタ出⼒で体験︕
※デモ動画だと振動提⽰わかりづらい
17
Copyright NTT CORPORATION
まとめ
n ⾝体感覚を伴う、臨場感の⾼いスポーツ観戦体験を⽬指して
n メディアとしての振動触覚(=⾳情報)のリアルタイム伝送にWebRTCを活⽤
n プロトタイプにもってこいの便利なWebRTC Nativeクライアントの利⽤
n 映像・⾳響に合わせて⾞体からの振動をリアルタイムに擬似体験できる
n VR酔いのケアをしないとめっちゃ酔う(モニタ出⼒でも少し酔う)
n 低周波数帯域に対応するオーディオコーデックについてはノーケア
n G.722 は50Hz以下はカットされるのでOpus⼀択︖(ブラウザの実装次第︖)
n ⾳響や振動のチャネル数を増やしたい
n Skyway WebRTC GatewayでRTPをたくさん流し込む︖
⇨ 別チームでマルチチャンネルオーディオの伝送検証に活⽤
18
Copyright NTT CORPORATION
おわり

More Related Content

Similar to 【初心者向け】WebRTCとボディソニックデバイスを使ったサイクリング体験のリアルタイム共有

Web RTCにより拓かれるコミュニケーションサービスの形 「新たなバリュー創造へ。ntt comのチャレンジ」webアプリケーション エバンジェリスト ...
Web RTCにより拓かれるコミュニケーションサービスの形 「新たなバリュー創造へ。ntt comのチャレンジ」webアプリケーション エバンジェリスト ...Web RTCにより拓かれるコミュニケーションサービスの形 「新たなバリュー創造へ。ntt comのチャレンジ」webアプリケーション エバンジェリスト ...
Web RTCにより拓かれるコミュニケーションサービスの形 「新たなバリュー創造へ。ntt comのチャレンジ」webアプリケーション エバンジェリスト ...Mickey Miki
 
IoT用途で簡単に使えるWebRTC Engineを作った話
IoT用途で簡単に使えるWebRTC Engineを作った話IoT用途で簡単に使えるWebRTC Engineを作った話
IoT用途で簡単に使えるWebRTC Engineを作った話ToshiyaNakakura1
 
WebRTCが拓く 新たなWebビジネスの世界
WebRTCが拓く新たなWebビジネスの世界WebRTCが拓く新たなWebビジネスの世界
WebRTCが拓く 新たなWebビジネスの世界Kensaku Komatsu
 
iPhoneでなんちゃってWebRTC
iPhoneでなんちゃってWebRTCiPhoneでなんちゃってWebRTC
iPhoneでなんちゃってWebRTCKensaku Komatsu
 
SkyWay国内唯一のCPaaS
SkyWay国内唯一のCPaaSSkyWay国内唯一のCPaaS
SkyWay国内唯一のCPaaSKensaku Komatsu
 
エフサミ2014 web rtcの傾向と対策
エフサミ2014 web rtcの傾向と対策エフサミ2014 web rtcの傾向と対策
エフサミ2014 web rtcの傾向と対策Kensaku Komatsu
 
WebRTC Meetup Tokyo #3 - WebRTC Conference参加報告
WebRTC Meetup Tokyo #3 - WebRTC Conference参加報告WebRTC Meetup Tokyo #3 - WebRTC Conference参加報告
WebRTC Meetup Tokyo #3 - WebRTC Conference参加報告satoru_tk
 
5分でわかるWebRTC
5分でわかるWebRTC5分でわかるWebRTC
5分でわかるWebRTCRyosuke Otsuya
 
Webによるデバイスを用いたリアルタイムサービスの可能性(神戸ITフェスティバル版)
Webによるデバイスを用いたリアルタイムサービスの可能性(神戸ITフェスティバル版)Webによるデバイスを用いたリアルタイムサービスの可能性(神戸ITフェスティバル版)
Webによるデバイスを用いたリアルタイムサービスの可能性(神戸ITフェスティバル版)Kensaku Komatsu
 
WebRTC入門+最新動向
WebRTC入門+最新動向WebRTC入門+最新動向
WebRTC入門+最新動向Ryosuke Otsuya
 
ベアメタルプロビジョニング(Ironic)について
ベアメタルプロビジョニング(Ironic)についてベアメタルプロビジョニング(Ironic)について
ベアメタルプロビジョニング(Ironic)についてMitsuhiro SHIGEMATSU
 
WebRTC/ORTCの最新動向まるわかり!
WebRTC/ORTCの最新動向まるわかり!WebRTC/ORTCの最新動向まるわかり!
WebRTC/ORTCの最新動向まるわかり!Yusuke Naka
 
SkyWayとWebRTC開発者コミュニティ4年間の軌跡とCMC_Meetupで学んだこと、実践したこと
SkyWayとWebRTC開発者コミュニティ4年間の軌跡とCMC_Meetupで学んだこと、実践したことSkyWayとWebRTC開発者コミュニティ4年間の軌跡とCMC_Meetupで学んだこと、実践したこと
SkyWayとWebRTC開発者コミュニティ4年間の軌跡とCMC_Meetupで学んだこと、実践したことYusuke Naka
 
WebRTCエキスパート座談会
WebRTCエキスパート座談会WebRTCエキスパート座談会
WebRTCエキスパート座談会Ryosuke Otsuya
 
ビデオ通話・P2Pがコモディティ化する世界 WebRTCによるこれからを探る
ビデオ通話・P2Pがコモディティ化する世界 WebRTCによるこれからを探るビデオ通話・P2Pがコモディティ化する世界 WebRTCによるこれからを探る
ビデオ通話・P2Pがコモディティ化する世界 WebRTCによるこれからを探るKensaku Komatsu
 
IoT概論: AITCオープンラボ IoT勉強会
IoT概論: AITCオープンラボ IoT勉強会IoT概論: AITCオープンラボ IoT勉強会
IoT概論: AITCオープンラボ IoT勉強会dsuke Takaoka
 

Similar to 【初心者向け】WebRTCとボディソニックデバイスを使ったサイクリング体験のリアルタイム共有 (20)

WebRTC の紹介
WebRTC の紹介WebRTC の紹介
WebRTC の紹介
 
WebRTCで動かす“テレイグジスタンス”ロボット
WebRTCで動かす“テレイグジスタンス”ロボットWebRTCで動かす“テレイグジスタンス”ロボット
WebRTCで動かす“テレイグジスタンス”ロボット
 
Web RTCにより拓かれるコミュニケーションサービスの形 「新たなバリュー創造へ。ntt comのチャレンジ」webアプリケーション エバンジェリスト ...
Web RTCにより拓かれるコミュニケーションサービスの形 「新たなバリュー創造へ。ntt comのチャレンジ」webアプリケーション エバンジェリスト ...Web RTCにより拓かれるコミュニケーションサービスの形 「新たなバリュー創造へ。ntt comのチャレンジ」webアプリケーション エバンジェリスト ...
Web RTCにより拓かれるコミュニケーションサービスの形 「新たなバリュー創造へ。ntt comのチャレンジ」webアプリケーション エバンジェリスト ...
 
IoT用途で簡単に使えるWebRTC Engineを作った話
IoT用途で簡単に使えるWebRTC Engineを作った話IoT用途で簡単に使えるWebRTC Engineを作った話
IoT用途で簡単に使えるWebRTC Engineを作った話
 
WebRTCが拓く 新たなWebビジネスの世界
WebRTCが拓く新たなWebビジネスの世界WebRTCが拓く新たなWebビジネスの世界
WebRTCが拓く 新たなWebビジネスの世界
 
iPhoneでなんちゃってWebRTC
iPhoneでなんちゃってWebRTCiPhoneでなんちゃってWebRTC
iPhoneでなんちゃってWebRTC
 
SkyWay国内唯一のCPaaS
SkyWay国内唯一のCPaaSSkyWay国内唯一のCPaaS
SkyWay国内唯一のCPaaS
 
エフサミ2014 web rtcの傾向と対策
エフサミ2014 web rtcの傾向と対策エフサミ2014 web rtcの傾向と対策
エフサミ2014 web rtcの傾向と対策
 
WebRTC Meetup Tokyo #3 - WebRTC Conference参加報告
WebRTC Meetup Tokyo #3 - WebRTC Conference参加報告WebRTC Meetup Tokyo #3 - WebRTC Conference参加報告
WebRTC Meetup Tokyo #3 - WebRTC Conference参加報告
 
5分でわかるWebRTC
5分でわかるWebRTC5分でわかるWebRTC
5分でわかるWebRTC
 
Webによるデバイスを用いたリアルタイムサービスの可能性(神戸ITフェスティバル版)
Webによるデバイスを用いたリアルタイムサービスの可能性(神戸ITフェスティバル版)Webによるデバイスを用いたリアルタイムサービスの可能性(神戸ITフェスティバル版)
Webによるデバイスを用いたリアルタイムサービスの可能性(神戸ITフェスティバル版)
 
WebRTC入門+最新動向
WebRTC入門+最新動向WebRTC入門+最新動向
WebRTC入門+最新動向
 
ベアメタルプロビジョニング(Ironic)について
ベアメタルプロビジョニング(Ironic)についてベアメタルプロビジョニング(Ironic)について
ベアメタルプロビジョニング(Ironic)について
 
WebRTC/ORTCの最新動向まるわかり!
WebRTC/ORTCの最新動向まるわかり!WebRTC/ORTCの最新動向まるわかり!
WebRTC/ORTCの最新動向まるわかり!
 
What is tmcn for isit
What is tmcn for isitWhat is tmcn for isit
What is tmcn for isit
 
SkyWayとWebRTC開発者コミュニティ4年間の軌跡とCMC_Meetupで学んだこと、実践したこと
SkyWayとWebRTC開発者コミュニティ4年間の軌跡とCMC_Meetupで学んだこと、実践したことSkyWayとWebRTC開発者コミュニティ4年間の軌跡とCMC_Meetupで学んだこと、実践したこと
SkyWayとWebRTC開発者コミュニティ4年間の軌跡とCMC_Meetupで学んだこと、実践したこと
 
20190915 hayashi nw_jaws
20190915 hayashi nw_jaws 20190915 hayashi nw_jaws
20190915 hayashi nw_jaws
 
WebRTCエキスパート座談会
WebRTCエキスパート座談会WebRTCエキスパート座談会
WebRTCエキスパート座談会
 
ビデオ通話・P2Pがコモディティ化する世界 WebRTCによるこれからを探る
ビデオ通話・P2Pがコモディティ化する世界 WebRTCによるこれからを探るビデオ通話・P2Pがコモディティ化する世界 WebRTCによるこれからを探る
ビデオ通話・P2Pがコモディティ化する世界 WebRTCによるこれからを探る
 
IoT概論: AITCオープンラボ IoT勉強会
IoT概論: AITCオープンラボ IoT勉強会IoT概論: AITCオープンラボ IoT勉強会
IoT概論: AITCオープンラボ IoT勉強会
 

【初心者向け】WebRTCとボディソニックデバイスを使ったサイクリング体験のリアルタイム共有

  • 1. WebRTC Meetup Tokyo #26 【初⼼者向け】 WebRTCとボディソニックデバイスを使った サイクリング体験のリアルタイム共有 2023.12.15 NTT⼈間情報研究所 槙 優⼀
  • 2. 1 Copyright NTT CORPORATION ⾃⼰紹介 槙 優⼀ / Yuichi MAKI NTT⼈間情報研究所 サイバー世界研究プロジェクト 主任研究員 経歴︓ n 2011 NTT 研究所(旧組織) n 2014 (株)NTTぷらら n 2017 NTT 研究所(旧組織) n 2021 NTT 研究所(現職) HCI、Web(HTML5とか) ISPの契約・課⾦管理のBPR、SE IPTV・スマートホーム関連の新規サービス企画・開発 AR(透明ディスプレイ) VR・メタバース(振動触覚、点群表現) @ym_0124
  • 4. 3 Copyright NTT CORPORATION https://www.pexels.com/ja-jp/photo/8072926/ 観るのは楽しい 凱旋⾨前の⽯畳でスプリントかける プロ選⼿のスピード感 トップ選⼿たちの絶妙な駆け引き https://www.pexels.com/ja-jp/photo/3283114/
  • 5. 4 Copyright NTT CORPORATION 今⽇のお話 n ⾝体感覚まで含めた観戦体験︓触覚メディアの活⽤ n プロ選⼿の五感の刺激を擬似体験 n 映像・⾳響メディアだけでは得られない臨場感 n スポーツ観戦の魅⼒のひとつである「ライブ」感 n 実競技と同時進⾏で⼀緒に戦う感じを味わう メディアとしての 振動触覚情報 WebRTCの活⽤ によるリアルタイム伝送
  • 6. 5 Copyright NTT CORPORATION メディアとしての振動触覚情報 n 振動情報は⾳情報と発⽣メカニズムは同じ[2] n ⾳ ︓ ⼀連の空気振動を⽿で知覚する情報 n 振動 ︓ ⼀連の物体振動を⽪膚で知覚する情報 ⇒ オーディオの収⾳・伝送・提⽰と同じシステム設計が可能 n ヒトが知覚しやすい振動の周波数は数Hz〜数百Hzまで[3] n ヒトの⽪膚には複数の触覚受容体があり、それぞれ異なる周波数帯に応答する n 200Hz〜250Hzあたりの振動の知覚が最も感度が⾼い (※実験条件による。加齢による影響も︕︖) 低周波数帯の⾳を取得・伝送・提⽰できることがカギ [2]K. Minamizawa et. al., TECHTILE toolkit; a prototyping tool for design and education of haptic media., 2012 [3]坂本ほか, バイオメカニズム・ライブラリー ⽣体のふるえと振動知覚 -メカニカルバイブレーションの機能評価- 第10章「機械的振動受容の⼼理的特性」, 2009
  • 7. 6 Copyright NTT CORPORATION ボディソニック(体感⾳響) [4]⾝体で聴こう⾳楽会 https://jpn.pioneer/ja/corp/sustainability/karadadekikou/ n 椅⼦の座⾯や背もたれに設置した振動トランスデューサーで⾳を振動に変えて提⽰する ⾳響技術のひとつ n 全⾝で⾳楽を楽しんだり、ゲームや映画の衝撃⾳を体で感じたりすることが可能 パイオニア「⾝体で聴こう⾳楽会とボディソニックについて」[4]
  • 8. 7 Copyright NTT CORPORATION 構成 360-degree camera Vibro-sound Mic (Front) Vibro-sound Mic (Rear) Single-board Computer Ambient Mic (stereo) 360-degree Live Streaming Ambient Sound Vibro -sound PC Web Browser 1 Web Browser 2 WebRTC Media Stream 1 WebRTC Media Stream 2 360-degree Live Streaming + Vibro-sound Ambient Sound Recording Section(屋外⾃転⾞) Transmit Section Presentation Section(屋内トレーナ) Screen/HMD Amplifier(Front) Body Sonic Device Amplifier(Rear) Body Sonic Device Stereo Speaker Jetson NANO B01 ECM-PC60 モノラルコンデンサマイク RICOH Theta Z1 Firefox v116 on MacOS ButtkickerGamer2 4K 360 video (uvc, h264)
  • 9. 8 Copyright NTT CORPORATION WebRTCクライアント n (株)時⾬堂さま開発のオープンソースソフトウェア WebRTC Native Client Momo を利⽤[5] n Nativeクライアントで映像・⾳声の取得、エンコード、 受信側とのシグナリングを完結してくれる、検証にはとても便利なツール WebRTC Native Client Momo -テストモード- [5]WebRTC Native Client Momo, https://momo.shiguredo.jp/ $ ./momo --force-i420 --resolution 4K –disable-echo-cancellation –disable-auto-gain-control / --disable-noise-suppression –disable-highpass-filter test ※低周波振動を送りたいので、エコーキャンセリング・ノイズ低減・ハイパスフィルタ のオプションはすべてdisableにする(⾼周波⾳は提⽰側のアンプでカット)
  • 10. 9 Copyright NTT CORPORATION 振動⾳の取得・伝送 n 50Hz〜収⾳可能なモノラルコンデンサマイクで前輪・後輪の振動⾳を収⾳ (取付イメージは後半で) n 前輪・後輪2chのモノラル⾳声を、ステレオ変換アダプタを介して⼊⼒ n 取得したステレオ振動⾳を映像と同じmediaStreamのAudioTrakへ Jetson NANO B01 Ubuntu18.04 LTS※ Momo (test mode) Pulse Audio (set-default-source) (module-loopback latency_msec=ʻʼ) WebRTC mediaStream libwebrtc Vibro-sound Mic (Front) Vibro-sound Mic (Rear)
  • 11. 10 Copyright NTT CORPORATION Jetson NANO B01 Ubuntu18.04 LTS※ libuvc-theta-sample libuvc-theta Thetaからの映像・環境⾳取得・伝送 n そのままではThetaZ1をWebカメラとして認識しない n RICOH社が公開するTheta⽤libuvc(libuvc-theta)と、GStreamer・V4L2を使ったサンプル (gst_loopback)を使⽤し、仮想カメラデバイス(/dev/video0)にビデオストリームを流し込む[6] n 仮想カメラデバイスに流し込んだThetaZ1の360°映像をmomoでvideoTrakへ n 環境⾳はカメラのマイク(ステレオ)をpulseAudio経由で取得し、 別のmediaStreamのaudioTrakへ(映像より早いのでpulseAudioで遅延を⼊れる) 360-degree camera Ambient Mic (stereo) 360-degree camera (uvc, h.264) [6] Linux Live Streaming Quick Start on Ubuntu x86 - How to Build libuvc for RICOH THETA V and Z1 https://community.theta360.guide/t/linux-live-streaming-quick-start-on-ubuntu-x86-how-to-build-libuvc-for-ricoh-theta-v-and-z1/6123s gst_loopback v4l2 /dev/video0 USB-C Momo (test mode) Pulse Audio (set-default-source) GStreamer WebRTC mediaStream libwebrtc
  • 12. 11 Copyright NTT CORPORATION 360°カメラ映像の表⽰ n 表⽰はHMDで、360°カメラ映像(正距円筒図法映像)をVR表⽰したい n WebVRフレームワーク A-FRAME[7]の<a-videosphere>を使⽤ n HTC Vive FlowのwolvicブラウザorPCブラウザ(firefox) n なぜかv0.7.1じゃないと動かなかった(2023/8/30当時) <html> <head> <script src="https://aframe.io/releases/0.7.1/aframe.min.js"></script> </html> <body> <a-scene> <a-assets> <video id=“remote_video” autoplay loop cwebkit-playsinline playsinline crossorigin=“anonymous” /> </a-assets> <a-videosphere src=“#remote_video” rotation=“0 90 0” play-on-window-click> </a-videosphere> </a-scene> <script src=“./webrtc.js”></script> </body> [7]A-FRAME https://aframe.io/
  • 15. 14 Copyright NTT CORPORATION 振動トランスデューサは ゲーミングチェア⽤の Buttkicker® Gamer2を採⽤ (クランプがあり⾞体への取付が容易) HTC Vive Flow (w/Wolvic v1.3.2) 機材セットアップ(屋内トレーナ)
  • 16. 15 Copyright NTT CORPORATION HMDで体験︕ n めちゃくちゃ酔います n 1minもしないうちに気分が悪くなって倒れこみます n 屋外で⾛⾏する⼈のハンドルの動きが映像のブレとなってHMDに表⽰され るので、とんでもない映像体験になります n 臨場感どころではない…
  • 18. 17 Copyright NTT CORPORATION まとめ n ⾝体感覚を伴う、臨場感の⾼いスポーツ観戦体験を⽬指して n メディアとしての振動触覚(=⾳情報)のリアルタイム伝送にWebRTCを活⽤ n プロトタイプにもってこいの便利なWebRTC Nativeクライアントの利⽤ n 映像・⾳響に合わせて⾞体からの振動をリアルタイムに擬似体験できる n VR酔いのケアをしないとめっちゃ酔う(モニタ出⼒でも少し酔う) n 低周波数帯域に対応するオーディオコーデックについてはノーケア n G.722 は50Hz以下はカットされるのでOpus⼀択︖(ブラウザの実装次第︖) n ⾳響や振動のチャネル数を増やしたい n Skyway WebRTC GatewayでRTPをたくさん流し込む︖ ⇨ 別チームでマルチチャンネルオーディオの伝送検証に活⽤