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韓国の地域主義は乗り越えられるか
ー選挙公約の役割の実証分析ー
ソン
宋
ジェ
財
ヒョン
泫
神戸大学法学研究科・博士課程前期課程
2015 年 3 月 5 日 (木)
宋財泫 (神戸大学) STP 報告会 2015 年 3 月 5 日 (木...
問題意識 韓国の地域主義
韓国の地域主義
地域主義とは何か
特定の地域を排他的な支持基盤とした政党が選挙で当該地域出身者の票を集め
る構図 (大西 2004)
2004 年総選挙 2008 年総選挙 2012 年総選挙
宋財泫 (神戸大学) S...
問題意識 韓国の地域主義
リサーチ・クエスチョン
なぜ地域主義が生じたか
歴史の遺産? (李 1983、伸 1996、文 1984)
高度経済成長期の経済格差? (崔 1991, 金 1991, 黄 1996)
政治エリートの動員? (孫 19...
問題意識 先行研究
先行研究
政策競争と地域主義的投票行動
合理的選択論に基づく理論的研究が主流
民主化という争点が消滅し、代替争点の不在により、有権者は地域的要因をよ
り重視するように (
チョ
趙
ギ ス ク
己淑 2000、
パク
朴サン...
問題意識 先行研究
先行研究
選挙公約と投票行動
候補者の当落というマクロ的な観点から、見かけ上の相関を勘案した上で、選
挙公約の一定の効果 (小林 1997, 2008)
全ての選挙公約が有権者の投票行動に影響を与えるのではなく、一部の争点だ...
仮説 理論
理論
政策競争と投票決定基準
有権者は自分の効用が最大化できる候補者に投票する (Downs 1957)
候補者間の政策の差が小さくなると候補者を比較する時に必要とされるコスト
が増加 → 合理的無知 (Downs 1957)
政策...
仮説 仮説 1
仮説 1
仮説 1
選挙公報から表れる候補者間の政策の違いが大きくなると、有権者は投票先を
決定する際に選挙公約をより重視するようになる。
∆E[Upolicy ]:
二人の候補者 (x; y) の政策
から得られる期待効用の差...
仮説 仮説 2
仮説 2
仮説 2
選挙公約を重視する有権者は地域主義的投票行動を行う確率が低下する。
(ただし、候補者間の政策の差が拡大するとその傾向はより大きい。(仮説 2b))
覇権政党 D の候補者から得られる効用
:V D
i = (...
データ
データ
第 19 代国会議員選挙有権者調査
実施機関:韓国社会科学データセンター (KSDC)
調査期間:2012 年 4 月 12 日∼23 日 (選挙後調査)
抽出方法:層化抽出法 (地域, 年齢, 性別)
調査方法:面接調査
サン...
モデル モデル 1 (仮説 1)
モデル 1 (仮説 1)
従属変数:選挙公約の重視程度
「あなたは支持する候補を決定した際に政策/公約をどれほど考慮しましたか」
4 : とても考慮した ∼ 1 : 全く考慮しなかった
独立変数:選挙公約の距離...
モデル モデル 2, 2b (仮説 2, 2b)
モデル 2, 2b (仮説 2, 2b)
従属変数:地域主義的投票行動
覇権政党への投票有無
1 = 覇権政党へ投票; 0 = その他の政党へ投票
Appendix 参照
独立変数:選挙公約の相...
分析結果 仮説 1
仮説 1 の分析結果
変数名 係数 (標準誤差)
公約の距離 (1) 7:368˜˜˜
(2.822)
公約の距離 (2) `4:101˜˜˜
(2.522)
公約の距離 (3) 1:269˜˜˜
(2.684)
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分析結果 仮説 2
仮説 2 の分析結果
変数名 係数 (標準誤差)
公約の重視 `3:969˜˜˜
(1.955)
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(0.000)
LR ffl2
145:860˜˜˜
(0.000)
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分析結果 仮説 2b
仮説 2b の分析結果
変数名 係数 (標準誤差)
公約の重視 `1:196˜˜˜
(3.134)
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(14.61)
公約の距離 21:632˜˜˜
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おわりに 結論
結論
仮説 1
候補者間における地理的利益誘導型選挙公約の差が拡大すると投票決定基準と
して選挙公約をより重視
観察できる公約の差における最大値 (約 0.2) の場合、選挙公約を「とても重
視した」とする予測確率は約 45%
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おわりに 含意&課題
含意&課題
含意
既存のモデルでは (期待) 効用の最大化という合理的有権者を仮定
しかし、政策 (争点) 競争の強度が弱いと有権者は伝統的な合理的行動を行わ
ない可能性が存在
本稿は政策競争の強度が政策に基づく投票行動を...
おわりに まとめ
まとめ
リサーチ・クエスチョンと仮説
問い 政策競争は韓国の地域主義的投票行動に影響を与えるか
⇒ 選挙公約に着目した実証分析
仮説 1 政策競争の拡大→投票決定基準として選挙公約を重視
:地理的利益誘導型選挙公約の競争の強度...
Appendix 仮説2の図解
Appendix:仮説2の図説 (1)
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Appendix 仮説2の図解
Appendix:仮説2の図説 (2)
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Appendix 選挙公約の距離
Appendix:選挙公約の距離
距離の測定
探索的因子分析:最尤推定法、プロマックス回転、3因子まで抽出
確証的因子分析:上記の結果から得られた結果に基き、確証的因子分析
抽出された因子
第1因子:地理的利益...
Appendix 覇権政党の定義
Appendix:覇権政党の定義
ホ ナ ム
湖南地域の出身または居住者:民主統合党
選挙協力を行った政党も含む (民主統合党と統合進歩党)
ヨンナム
嶺南地域の出身または居住者:セヌリ党
出身地と居住地が一致...
Appendix 統制変数
Appendix:統制変数
仮説 1
政策距離の認知
選挙公報の利用有無
政治的知識
選挙への関心
二大政党に対する感情温度の差
仮説 2, 2b
覇権政党に対する感情温度
選挙協力の有無
候補者数
保守・革新系無所...
Appendix 分析結果
仮説 1
変数名 係数 (標準誤差)
鍵変数
公約の距離 (1) 7:37˜˜ (2.93)
公約の距離 (2) `4:10˜˜ (2.62)
公約の距離 (3) 1:27˜˜ (2.81)
統制変数
政策距離の認知...
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韓国の地域主義は乗り越えられるかー選挙公約の役割の実証分析ー

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Is it Possible for Korea to Overcome Regionalism? - A Role of Manifestos -

Jaehyun Song
Ph.D Candidate in Political Science, Kobe University

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韓国の地域主義は乗り越えられるかー選挙公約の役割の実証分析ー

  1. 1. 韓国の地域主義は乗り越えられるか ー選挙公約の役割の実証分析ー ソン 宋 ジェ 財 ヒョン 泫 神戸大学法学研究科・博士課程前期課程 2015 年 3 月 5 日 (木) 宋財泫 (神戸大学) STP 報告会 2015 年 3 月 5 日 (木) 1 / 23
  2. 2. 問題意識 韓国の地域主義 韓国の地域主義 地域主義とは何か 特定の地域を排他的な支持基盤とした政党が選挙で当該地域出身者の票を集め る構図 (大西 2004) 2004 年総選挙 2008 年総選挙 2012 年総選挙 宋財泫 (神戸大学) STP 報告会 2015 年 3 月 5 日 (木) 2 / 23
  3. 3. 問題意識 韓国の地域主義 リサーチ・クエスチョン なぜ地域主義が生じたか 歴史の遺産? (李 1983、伸 1996、文 1984) 高度経済成長期の経済格差? (崔 1991, 金 1991, 黄 1996) 政治エリートの動員? (孫 1993, 李 1997) 争点 (政策競争) の不在? (趙 2000, 朴 2001, 李 2002) リサーチ・クエスチョン 候補者間の政策競争の活性化 は韓国の地域主義的投票行動を弱化させるか 選挙公約 に着目して政策競争と地域主義的投票行動の関係を実証 宋財泫 (神戸大学) STP 報告会 2015 年 3 月 5 日 (木) 3 / 23
  4. 4. 問題意識 先行研究 先行研究 政策競争と地域主義的投票行動 合理的選択論に基づく理論的研究が主流 民主化という争点が消滅し、代替争点の不在により、有権者は地域的要因をよ り重視するように ( チョ 趙 ギ ス ク 己淑 2000、 パク 朴サンフン 2001、 イ 李 ガビュン 甲允 2002) 地域主義的投票行動から得られる効用は単純増加関数とし、地域主義的投票行 動の合理性を提示 ( ムン 文ウジン 2005) 争点が生じると有権者はその争点を重視するという仮定の非現実性 :争点投票あるいは展望的投票が行われやすい条件を無視 実証分析の不在 ⇒ 「政策競争」の操作化が困難 →  選挙公約に注目 宋財泫 (神戸大学) STP 報告会 2015 年 3 月 5 日 (木) 4 / 23
  5. 5. 問題意識 先行研究 先行研究 選挙公約と投票行動 候補者の当落というマクロ的な観点から、見かけ上の相関を勘案した上で、選 挙公約の一定の効果 (小林 1997, 2008) 全ての選挙公約が有権者の投票行動に影響を与えるのではなく、一部の争点だ けが有意な影響 (小林ほか 2014) 選挙公約から示される政策争点は個別的でなく、パッケージとして認識し、そ れが投票行動に影響 (堤 1998) 有権者が複数の政策に対して同程度の関心を有するという前提 他の要因によって投票決定を行う有権者の存在によって政策の効果が過小評価 されてきた可能性   ⇒ 投票決定する際に考慮する要因として 投票決定基準 (三宅 1995) 宋財泫 (神戸大学) STP 報告会 2015 年 3 月 5 日 (木) 5 / 23
  6. 6. 仮説 理論 理論 政策競争と投票決定基準 有権者は自分の効用が最大化できる候補者に投票する (Downs 1957) 候補者間の政策の差が小さくなると候補者を比較する時に必要とされるコスト が増加 → 合理的無知 (Downs 1957) 政策競争と投票行動 複数の争点の内、効用の差が小さい争点が存在すると、その争点が選挙結果に 与える影響が減少 → 亀裂軸の圧縮 (Sartori 1976) 韓国の投票行動への応用 有権者の期待効用を政党からの効用と政策による効用と分解 ( ムン 文ウジン 2005) 宋財泫 (神戸大学) STP 報告会 2015 年 3 月 5 日 (木) 6 / 23
  7. 7. 仮説 仮説 1 仮説 1 仮説 1 選挙公報から表れる候補者間の政策の違いが大きくなると、有権者は投票先を 決定する際に選挙公約をより重視するようになる。 ∆E[Upolicy ]: 二人の候補者 (x; y) の政策 から得られる期待効用の差   ∆E[Uparty ]: 二人の候補者の所属政党が 議会内で勢力を増やすこと によって得られる期待効用 の差 (a) j∆E[Upolicy ]j – j∆E[Uparty ]j の場合 ∆E[Uparty ] + ` ∆E[Upolicy ] + 候補者 x 候補者 x ` 候補者 y 候補者 y (b) j∆E[Upolicy ]j » j∆E[Uparty ]j の場合 ∆E[Uparty ] + ` ∆E[Upolicy ] + 候補者 x 候補者 y ` 候補者 x 候補者 y 宋財泫 (神戸大学) STP 報告会 2015 年 3 月 5 日 (木) 7 / 23
  8. 8. 仮説 仮説 2 仮説 2 仮説 2 選挙公約を重視する有権者は地域主義的投票行動を行う確率が低下する。 (ただし、候補者間の政策の差が拡大するとその傾向はより大きい。(仮説 2b)) 覇権政党 D の候補者から得られる効用 :V D i = (1 ` ıi )UD + ıi (PD ` „i )2 ı:選挙公約の重視程度; (1 ` ı):政党の重視程度; „i :有権者 i の政策選好; D:覇権政党; U:政党からの効用; P:政策からの効用; 覇権政党への投票の条件:0 < V D i ` V :D i + ›i   „i < (1`ı)(UD `U:D ) 2ı(PD `P:D ) + (PD +P:D ) 2 + ›i = fii „i < fii の場合、覇権政党へ投票 ıi が大きくなると fii は小さくなり、地域主義的投票行動を行う確率が低下 宋財泫 (神戸大学) STP 報告会 2015 年 3 月 5 日 (木) 8 / 23
  9. 9. データ データ 第 19 代国会議員選挙有権者調査 実施機関:韓国社会科学データセンター (KSDC) 調査期間:2012 年 4 月 12 日∼23 日 (選挙後調査) 抽出方法:層化抽出法 (地域, 年齢, 性別) 調査方法:面接調査 サンプルサイズ:1,000 選挙公約データ 対象:134 選挙区、272 候補者 サンプルサイズ:10,082 個 コーディング:ヒューマン・コーディング (品田 1998, 2006) 宋財泫 (神戸大学) STP 報告会 2015 年 3 月 5 日 (木) 9 / 23
  10. 10. モデル モデル 1 (仮説 1) モデル 1 (仮説 1) 従属変数:選挙公約の重視程度 「あなたは支持する候補を決定した際に政策/公約をどれほど考慮しましたか」 4 : とても考慮した ∼ 1 : 全く考慮しなかった 独立変数:選挙公約の距離 選挙公約データを用い、探索的因子分析→確証的因子分析 各因子ごとの因子得点の差の絶対値→選挙公約の距離 Appendix 参照 分析手法 順序ロジスティック回帰分析 宋財泫 (神戸大学) STP 報告会 2015 年 3 月 5 日 (木) 10 / 23
  11. 11. モデル モデル 2, 2b (仮説 2, 2b) モデル 2, 2b (仮説 2, 2b) 従属変数:地域主義的投票行動 覇権政党への投票有無 1 = 覇権政党へ投票; 0 = その他の政党へ投票 Appendix 参照 独立変数:選挙公約の相対的重視程度 選挙公約の相対的重視程度 (0.2∼0.8) X1 X1+X2 (X1: 選挙公約の重視程度、X2: 政党の重視程度) 仮説 2b の場合、 X1X3 X1X3+X2 (X3: 選挙公約の距離) の交差項を投入 分析手法 ロジスティック回帰分析 宋財泫 (神戸大学) STP 報告会 2015 年 3 月 5 日 (木) 11 / 23
  12. 12. 分析結果 仮説 1 仮説 1 の分析結果 変数名 係数 (標準誤差) 公約の距離 (1) 7:368˜˜˜ (2.822) 公約の距離 (2) `4:101˜˜˜ (2.522) 公約の距離 (3) 1:269˜˜˜ (2.684) N 265˜˜˜ (0:0000) LR ffl2 27:800˜˜˜ (0.000) Nagelkerke R2 0.113˜˜˜ (0:0000) ˜ p » 0:05;˜˜ p » 0:01 注: 片側検定、統制変数の係数は省略 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 選挙公約の距離(地理的利益誘導型) 予測確率 選挙公約を 全く重視しなかった ほぼ重視しなかった やや重視した とても重視した 宋財泫 (神戸大学) STP 報告会 2015 年 3 月 5 日 (木) 12 / 23
  13. 13. 分析結果 仮説 2 仮説 2 の分析結果 変数名 係数 (標準誤差) 公約の重視 `3:969˜˜˜ (1.955) N 297˜˜˜ (0.000) LR ffl2 145:860˜˜˜ (0.000) Nagelkerke R2 0.545˜˜˜ (0.000) ˜ p » 0:05;˜˜˜ p » 0:001 注: 片側検定、統制変数の係数は省略 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 0.2 0.4 0.6 0.8 選挙公約の相対的重視程度 予測確率 出身地 その他 湖南 宋財泫 (神戸大学) STP 報告会 2015 年 3 月 5 日 (木) 13 / 23
  14. 14. 分析結果 仮説 2b 仮説 2b の分析結果 変数名 係数 (標準誤差) 公約の重視 `1:196˜˜˜ (3.134) 重視 ˆ 距離 `16:956˜˜˜ (14.61) 公約の距離 21:632˜˜˜ (14.59) N 297˜˜˜ (0.000) LR ffl2 149:330˜˜˜ (0.000) Nagelkerke R2 0.555˜˜˜ (0.000) ˜˜˜ p » 0:001 注: 片側検定、統制変数の係数は省略 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 0.2 0.4 0.6 0.8 選挙公約の相対的重視程度 予測確率 選挙公約の距離 0 0.1 0.2 宋財泫 (神戸大学) STP 報告会 2015 年 3 月 5 日 (木) 14 / 23
  15. 15. おわりに 結論 結論 仮説 1 候補者間における地理的利益誘導型選挙公約の差が拡大すると投票決定基準と して選挙公約をより重視 観察できる公約の差における最大値 (約 0.2) の場合、選挙公約を「とても重 視した」とする予測確率は約 45% 階層的利益誘導型、第一次産業の選挙公約に関しては仮説を棄却 仮説 2, 2b 選挙公約を相対的に重視する有権者は覇権政党へ投票する予測確率が低下 ホ ナ ム 湖南地域の有権者の予測確率は 97.97%→ 81.66%(約 15 ポイント) ホ ナ ム 湖南地域以外の有権者の予測確率は 92.55%→ 53.44%(約 40 ポイント) 選挙公約の距離との交互作用を検証した仮説 2b は棄却 ただし、傾向としては仮説と合致 宋財泫 (神戸大学) STP 報告会 2015 年 3 月 5 日 (木) 15 / 23
  16. 16. おわりに 含意&課題 含意&課題 含意 既存のモデルでは (期待) 効用の最大化という合理的有権者を仮定 しかし、政策 (争点) 競争の強度が弱いと有権者は伝統的な合理的行動を行わ ない可能性が存在 本稿は政策競争の強度が政策に基づく投票行動を行うか否かに影響を与える可 能性を提示 展望的投票 (Prospective Voting) モデルの拡張 課題 データ:選挙公約データの処理方法、サンプルサイズ モデル:階層的利益誘導型選挙公約の検証モデル、仮説 2b のモデルの精緻化 宋財泫 (神戸大学) STP 報告会 2015 年 3 月 5 日 (木) 16 / 23
  17. 17. おわりに まとめ まとめ リサーチ・クエスチョンと仮説 問い 政策競争は韓国の地域主義的投票行動に影響を与えるか ⇒ 選挙公約に着目した実証分析 仮説 1 政策競争の拡大→投票決定基準として選挙公約を重視 :地理的利益誘導型選挙公約の競争の強度と有意な関係 仮説 2 選挙公約を重視→非地域主義的投票行動 :選挙公約を重視する有権者は地域主義的投票行動を行う傾向↓ 分析結果 仮説 1 地理的利益誘導型選挙公約の競争の強度と有意な関係 ⇔ 階層的利益誘導型、第一産業選挙公約は ˆ 仮説 2 選挙公約を重視する有権者は地域主義的投票行動を行う傾向↓ ⇔ 公約の距離との交互作用は、方向は仮説と一致するものの棄却 宋財泫 (神戸大学) STP 報告会 2015 年 3 月 5 日 (木) 17 / 23
  18. 18. Appendix 仮説2の図解 Appendix:仮説2の図説 (1) „i < (1`ıi )(UD `U:D ) 2ıi (PD `P:D ) + (PD +P:D ) 2 + ›i = fii の場合、有権者は覇権政党へ投 票する。 ›i が正規分布 (分布の形は関係ない) にしたがう場合、有権者が覇権政党へ投 票する確率は下の図の網掛けの面積となる。 Figure: „ < fi の場合 宋財泫 (神戸大学) STP 報告会 2015 年 3 月 5 日 (木) 18 / 23
  19. 19. Appendix 仮説2の図解 Appendix:仮説2の図説 (2) ıi が大きくなると fii は小さくなり、覇権政党へ投票する確率も減少する。 Figure: „ > fi の場合 宋財泫 (神戸大学) STP 報告会 2015 年 3 月 5 日 (木) 19 / 23
  20. 20. Appendix 選挙公約の距離 Appendix:選挙公約の距離 距離の測定 探索的因子分析:最尤推定法、プロマックス回転、3因子まで抽出 確証的因子分析:上記の結果から得られた結果に基き、確証的因子分析 抽出された因子 第1因子:地理的利益誘導型選挙公約 (国全体の利益 vs. 地元の利益) 第2因子:階層的利益誘導型選挙公約 (国民の利益 vs. 特定階層の利益) 第3因子:第一次産業型選挙公約 同一選挙区内における二人の候補者の各因子得点の差の絶対値 → 選挙公約の距離 宋財泫 (神戸大学) STP 報告会 2015 年 3 月 5 日 (木) 20 / 23
  21. 21. Appendix 覇権政党の定義 Appendix:覇権政党の定義 ホ ナ ム 湖南地域の出身または居住者:民主統合党 選挙協力を行った政党も含む (民主統合党と統合進歩党) ヨンナム 嶺南地域の出身または居住者:セヌリ党 出身地と居住地が一致しない場合、出身地を優先 (Kim&Koh 1980; 趙 1995) 宋財泫 (神戸大学) STP 報告会 2015 年 3 月 5 日 (木) 21 / 23
  22. 22. Appendix 統制変数 Appendix:統制変数 仮説 1 政策距離の認知 選挙公報の利用有無 政治的知識 選挙への関心 二大政党に対する感情温度の差 仮説 2, 2b 覇権政党に対する感情温度 選挙協力の有無 候補者数 保守・革新系無所属候補者の有無 出身地と居住地の一致 共通 女性、年齢、教育年数、居住地の都市規模、 ホ ナ ム 湖南出身 宋財泫 (神戸大学) STP 報告会 2015 年 3 月 5 日 (木) 22 / 23
  23. 23. Appendix 分析結果 仮説 1 変数名 係数 (標準誤差) 鍵変数 公約の距離 (1) 7:37˜˜ (2.93) 公約の距離 (2) `4:10˜˜ (2.62) 公約の距離 (3) 1:27˜˜ (2.81) 統制変数 政策距離の認知 0:26y˜ (0.21) 公報の利用有無 `0:32˜˜ (0.28) 政治的知識 `0:66˜˜ (1.19) 選挙への関心 0:24y˜ (0.20) 感情温度の差 `0:02˜˜ (0.04) 女性 `0:46y˜ (0.27) 年齢 0:00˜˜ (0.01) 教育年数 0:10˜˜ (0.05) 都市規模 0:01˜˜ (0.15) ホ 湖 ナム 南出身 0:57y˜ (0.31) fi1 `1:36˜˜ (1.39) fi2 1:12˜˜ (1.33) fi3 3:81˜˜ (1.35) N 265˜˜(0:000) LR ffl2 27:80˜˜ (0.00) Pseudo R2 0:11˜˜(0:000) yp » 0:1;˜p » 0:05;˜˜p » 0:01 注: 社会経済学的変数は両側検定 仮説 2, 2b 仮説 2 仮説 2b 変数名 係数 (標準誤差) 係数 (標準誤差) 鍵変数 公約の重視 `3:97˜˜˜ (1.96) `1:20˜˜˜ (3.13) 重視 ˆ 距離 `16:96˜˜˜ (14.6) 公約の距離 21:63˜˜˜ (14.6) 統制変数 覇権政党温度 0:66˜˜˜ (0.10) 0:68˜˜˜ (0.09) 選挙協力 0:67˜˜˜ (0.39) 0:74˜˜˜ (0.32) 候補者数 `0:39˜˜˜ (0.18) `0:40˜˜˜ (0.18) 無所属 0:39˜˜˜ (0.05) 0:46˜˜˜ (0.52) 女性 `0:12˜˜˜ (0.40) `0:16˜˜˜ (0.36) 年齢 `0:23˜˜˜ (0.02) 0:02˜˜˜ (0.02) 教育年数 `0:09˜˜˜ (0.09) 0:08˜˜˜ (0.08) 都市規模 0:27˜˜˜ (0.21) 0:21˜˜˜ (0.17) ホ 湖 ナム 南出身 1:36˜˜˜ (0.49) 1:42˜˜˜ (0.53) 出身–居住地 `0:09˜˜˜ (0.51) `0:17˜˜˜ (0.45) 切片 1:40˜˜˜ (2.05) `0:24˜˜˜ (2.41) N 297˜˜˜(0:000) 297˜˜˜(0:000) LR ffl2 145:86˜˜˜ (0.00) 149:33˜˜˜ (0.00) Pseudo R2 0:55˜˜˜(0:000) 0:56˜˜˜(0:000) AIC 247:36˜˜˜(0:000) 247:89˜˜˜(0:000) ˜p » 0:05;˜˜p » 0:01;˜˜˜p » 0:001 注: 社会経済学的変数は両側検定 宋財泫 (神戸大学) STP 報告会 2015 年 3 月 5 日 (木) 23 / 23

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