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情報コミニュケーション学部
森ゼミ:メディアと報道されないもの
沖縄班
なぜ、沖縄?
 沖縄県の基地問題についてなにかと話題が
挙がるが、詳しい事はわからない。
 本土の「メディア」では氷山の一角に過ぎない。
 結局、沖縄問題って何なのかわからない。
実際現地はどうなっているのか?
普天間基地:大山ゲート近辺
辺野古基地:キャンプ・シュワブ周辺
過去にはこんなことがありました。
沖縄国際際学米軍ヘリ墜落事件
沖縄タイムス:全面的に記載
朝日新聞:↑(1面)
読売新聞:→(31面)
 沖縄本島では大きく報じられるものがあっ
ても…本土メディアでは取り上げられる頻
度や大きさがまったくちがう。
⇒現地に行かないとリアルはわからない。
だから、沖縄。
Fieldwork
普天間基地:大山ゲートでの反対運動
普天間基地:大山ゲートでの反対運動
テント村の様子
テント村の様子
テント村の様子
テント村の様子
平和運動には二つのタイプがある?
⇒積極的に反対する過激派
⇒消極的、賛成寄り容認派
⇒積極的に反対する過激派
↳何があっても基地に対して反対。
(過激な抗議運動、沖縄戦の歴史を重視)
法的・倫理的に問題のある活動が
目立つ
←:基地フェンスへのテープ貼付け
↓:基地周辺の違法テント設置
その他に、大山ゲートでの米兵に対する罵声
「ヤンキーゴーホーム!」(アメリカ人は帰れ!)
「マリンアウト!」(海兵隊は出ていけ!)
etc…
⇒積極的に反対する過激派
↳何があっても基地に対して反対。
(過激な抗議運動、沖縄戦の歴史を重視)
⇒消極的、賛成寄り容認派
↳基地は無いほうが勿論いいが、
止むを得ず容認。
反対運動リーダー逮捕事件
 拘束理由
⇒キャンプ・シュワブ敷地内に無断で侵入した
 反対派の主張
⇒リーダーの山城博治は黄色のラインを超えていない。
警備員が敷地内に引きずり込み拘束した。不当拘束だ。
 容認派の主張
⇒リーダーの山城博治は黄色のラインを何度も超え、
警備員を挑発していた。その一部始終を記者も見ていた。
反対運動リーダー逮捕事件
 山城さん動画
反対運動リーダー逮捕事件
 お互いの主張は全く異なる
 新聞記事に虚偽はないが、すべてを報道するわ
けではない
 メディアの報道も報道側のひとつの視点である
基地移設「容認」とは?
大山ゲートの反対運動の
際の容認派の活動
「ハートクリーン運動」
↰
キャンプ・シュワブでの
フェンスの現状
キャンプ・シュワブでの
フェンス清掃活動
「フェンスクリーン運動」
 容認派の主張
⇒米軍基地は勿論無いほうがいい。
⇒沖縄の立ち位置を考えた結果、基地
があることは仕方のない事。
沖縄タイムス東京支社
編集部長 宮城栄作さんへの取材
賛成:反対=3:7
ほぼ反対の意見しか載っていない
(両論併記してはいるけど…)
沖縄メディアの報道スタンス
沖縄タイムスの「報道理念」
“弱い立場の人間に寄り添
う”
反対の意見に偏るのではないか?
沖縄タイムス「報道の公正論」
「確かに沖縄タイムスは反対意見に偏っている」
→「しかし、それは住民の目線に立脚しているからこ
そ」 (報道理念「弱い立場の人間に寄り添う」)
「この理念を元に、読者の支持を得てきた歴史がある」
つまり…?
記事が米軍批判寄りになるのは“当たり前”
 沖縄タイムス「報道の公正論」
へ…?それじゃあ…
公平性もなにも
ないんじゃないの……??
不公平でしょ…
マ
ジ
か
マ
ジ
か
…
そ
れ
で
え
え
ん
か
沖縄タイムス「報道の公正論」
「確かに、沖縄タイムスの記事は公平ではない」
→「しかしそれは、今に至る沖縄の歴史にもとづいて、
おかしい事にはおかしいと、公正に報道し続けた結果だ」
ここでいう「公正」とは?
沖縄の歴史観、地元住民たちの考えを踏まえたうえで、
それらを、あくまで“弱い立場に寄り添う”ことを忘れずに報道すること
報道理念に沿った報道をしていくこと
宮城さんが見る「本土と沖縄の溝」
「報道差が激しいのは事実」
→「政治問題に発展しない限り、本土では大きく報道されない」
しかし最近では…
基地移設問題 → 本土のメディアも関心を持つよう
に!
これからの課題
 沖縄タイムスをネットで配信する!
→本土の人、本土の世論にも訴えかけられる!
 いずれは国外発信!
→外国人にも関心を持ってもらう!
本土と沖縄が互いの歴史を知り、「共感を得る努力をする」こと
「認識の差」を埋めていくこと
 フィールドワークを終えて
=本土での、反対運動の報道が一概に
沖縄県民の総意だとは言えない。
沖縄基地反対運動の実態
⇒根本的には大多数が反対なのは事実
(選挙結果、歴史観点を踏まえて明らか。)
⇒しかし、中には容認派もいる
(必要不可欠なものとしてみている。)
⇒偏ったものではあるものの、少数意見を代表す
るというその責任と理念を通している。
沖縄県内の報道姿勢
しかし…
⇒報道の公平性という側面からみた場合
疑問が残ってしまう。
考察
先入観という、大きな勘違い
⇒「報道されないもの」は、単なる報道側の事情や外部か
らの圧力ではない。
⇒沖縄県の報道に関して言うと私たちの関心の無さ=「報
道されないもの」へと結びついてしまっている。
⇒これは、沖縄だけに限ったことではなく、全ての「報道され
ないもの」に通ずるものがある。
(私たち情報の受け取り手の興味や関心に左右される。)
ご視聴ありがとうございました。

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動画抜 ゼミ 沖縄班パワポ 完成版

Editor's Notes

  1. はい。彼らが活動の際に掲げてる横断幕ですね。 「あなたがたは良き友人だ。島を守ってくれてありがとう」と書いてあるのが分かりますね。 なぜこんなことをしているかというと、過激な反対運動によって心を痛めた米兵に、決して沖縄全てが敵ではないということを知ってもらうためだと言います。 彼らはこの活動を「ハートクリーン運動」と呼んでいました。 と、彼らの活動は他にもあります。
  2. ここで新聞記事に戻る
  3. ここでちょっと補足・・・というか大事なポイントなんですが、基地移設「容認」とは?ってことです。 (まぁ、ここでいう基地の移設を「容認」しているひとたちって、実際のところ「賛成」しているのか「反対」なのか、はっきりしませんよね~) ここでは、基地移設容認側の人達について、詳しく説明していきたいと思います。
  4. 先程、遠藤君の説明の中で、大山ゲートのふもとで反対運動をしている写真(動画?)を見ていただいたのですが、 実は、それより奥の方で、また反対運動とは違った活動をしているグループがあったんです。 それが、これから説明させていただく「容認派」グループの方たちなのですが…。 ほら、背景の写真を見てもらうとわかると思うんですが、なにやら過ぎ行く車に向かって、手を振っている人たちが右側にいますよね。 この方たちは、反対派の度を越した反対運動に対抗して、日本とアメリカの友好関係の持続を目標に活動しています。 で、どんなことをしているかというと、写真を見ればわかるんですが、朝、車で基地に出勤してくるアメリカの人達に、反対派のように罵声を浴びせたりする、のではなく、 友好的に手を振って、暖かく迎え入れる、ということをしています。
  5. はい。彼らが活動の際に掲げてる横断幕ですね。 「あなたがたは良き友人だ。島を守ってくれてありがとう」と書いてあるのが分かりますね。 なぜこんなことをしているかというと、過激な反対運動によって心を痛めた米兵に、決して沖縄全てが敵ではないということを知ってもらうためだと言います。 彼らはこの活動を「ハートクリーン運動」と呼んでいました。 と、彼らの活動は他にもあります。
  6. はい。いきなりですがこれ何だと思いますか? (次のスライドへ)
  7. キャンプシュワブ(まあ、辺野古にある海兵隊基地)です。 その領地の仕切りのフェンスに、こうやって貼ってあるわけですね。他にも… (次のスライドへ)
  8. それらを全て外して、フェンスを元通りにする「フェンスクリーン運動」と呼ばれる活動を行っていました。 (はい。ここまで見てどうでしょう?彼らは完全に基地移設に賛成的な、アメリカ側に近い立場のグループだと感じるのが普通でしょう。  しかし、ここが面白いところで、私たちが「基地移設には賛成なのですか?」と質問した時、彼らは「ないほうがいい」と脇目も振らず答えました。  「でも、国防問題や、他国への抑止力について考えた時、沖縄は絶好の土地だから、基地は必要不可欠なんだ。だから基地があるのは仕方のないことなんだ」と、彼らはそう言っていました。  ここのあたりは、突き詰めるには期間が足りなかったのと、発表時間内には収まりそうもない問題なので、深くは触れませんが、日本にとって重要な問題なのは火を見るより明らかです。  皆さんはどうお考えになりますか?)
  9. さて、沖縄でのフィールドワークを終えた私たちは、次に沖縄タイムスの宮城栄作さんを訪ねました。 そしてここでも、沖縄メディアの報道のスタンスについて、興味深い情報が得られました。
  10. 今現在、基地移設問題における、沖縄県民の賛成と反対の比率は、だいたい3:7と言われています。 (さっき説明した「容認派」の人達がこの3割に当てはまります) しかし、沖縄タイムスを読んでみると、その3割あるはずの賛成の意見がほとんど載ってなく、反対の意見が中心となって構成されていることが分かります。 それだけでなく、バックナンバーを調べてみても、そのほとんどが、住民寄りの目線で同情的な、読者に米軍批判を暗示させるような構成が目につきます。 (次)
  11. このような構成は、沖縄タイムスの報道理念に基づいて意図的に作成されているのだと言います。 その報道理念というのが、「弱い立場の人間に寄り添うこと」。 この場合、弱い立場というのは米軍基地に苦しめられている住民の方たちのことですね。 しかし、これでは載っている情報に偏りがあるのを自ら認めているようなものですよね。 これに関しても、宮城さんに質問してみました。
  12. 「今も昔も弱い立場に寄り添って報道してきた。在日米軍の約7割が沖縄にある以上、事件や事故が起こるのは当たり前。 たとえそれがどんなに小さいものでも、私たちは報道しなきゃいけない」 実際、今までずっとそうしてきたし、私たちが報道しなければ、沖縄の現状は伝わらない。 その結果、「反対」の意見に偏った記事ができたとしても、それは報道理念にある通り、「弱い立場に寄り添っ」ているのだから、公正である。 ということですね。 (……どこが?)
  13. 基地問題は県内だけの問題ではなく、日本全体の問題。 もっと関心を持ってもらうためにも、ネットなどを駆使して、本土の人にも読んでもらえるようなメディア展開をしたい。 本土の人は沖縄の歴史や、どういう生活をしてきたかを詳しくは知らない。 同じで、沖縄の人も、本土の歴史・生活がわからない。 同じ国民としての「共感」が必要。それが「認識の差」を少しずつ埋めていくカギとなる。