統計アトラスに基づく単純X線画像からの
  人工股関節全置換術3次元カップ手術計画自動立
             案
            音丸 格a, Guoyan Zhengb, 高尾 正樹c, 中本 将彦c,菅野 伸彦c
            多田 幸生d,富山 憲幸c,佐藤 嘉伸c
            a 神戸大学大学院工学研究科, b University
                                 of Bern, Switzerland
            c 大阪大学大学院医学系研究科,d 神戸大学大学院システム情報学研究科




   単純X線画像                                  抽出された    再構築された   カップ手術計画
                                            輪郭点群   3次元骨盤形状   自動立案結果


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はじめに



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研究背景

                               自動                               手術計画
                              セグメン                              自動立案
                              テーション                            [Otomaru et al.,
                                  [Yokota et                    MICCAI 2009,
                             al., MICCAI 2009]                  MedIA 2011]

     3次元                                         骨盤・大腿骨3次元形状                       3次元
     CT画像                                          解剖学的特徴点                        手術計画

        客観的基準に基づいた手術計画を安定して立案するため,
         我々は,人工股関節全置換術を対象として,
         手術計画自動立案システムを研究・開発してきている.

        しかしながら,国外では3次元CT画像の撮影が日本ほど
         一般的でないため,本システムが適用できない問題があ
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研究背景                                                 骨盤側インプラン
                                                         ト(カップ)
                                  自動                           手術計画
                                 2D-3D                         自動立案
                                セグメン
                              骨盤再構成                            [Otomaru et
                              テーション
                              [Zheng, MICCAI                    al., MICCAI
                                  [Yokota et
                                    2009]                      2009, MedIA
                             al., MICCAI 2009]                     2011]

       単純
      3次元                                        骨盤・大腿骨3次元形状                   3次元
     X線画像
     CT画像                                          解剖学的特徴点                    手術計画

        そこで今回,単純X線画像からの2D-3D骨盤再構成手法
         (Zheng, MICCAI 2009)を用いることで,単純X線画像を入力と
         した
         手術計画自動立案を行なう.
        今回は特に,カップと呼ばれる骨盤側インプラントを対象
         とする.
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実験材料と方法



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実験材料 | 対象とした症例
     大阪大学医学部付属病院で実際に手術された症例を用い
      た.

     今回の評価では,Crowe分類に基づいて骨盤変形度を分類
      し,
      変形度が小さい(Crowe I 以下)症例のみを用いた.

     28症例を学習データ,6症例を評価データとした.




                       変形度が小さい症例                 変形度が大きい症例
                                     (Crowe I)
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                                                   (Crowe IV)
実験材料 | 単純X線画像
       2D-3D骨盤再構成 (Zheng., MICCAI 2009)のキャリブレーション
        に
        おいて必要な情報は,スケールパラメータのみだった.

       本研究ではスケールパラメータは既知とし,3次元CT画像から
        再構成された3次元骨盤形状から取得した.

       X線画像の仕様:
              正面から撮影された股関節単純X線画像
              線源-イメージングプレート間距離: 1,200 mm
              ピクセルサイズ: 0.1 x 0.1 mm2




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                                           股関節2次元単純X線画像
実験材料 | 統計アトラス
       2D-3D骨盤再構成・手術計画自動立案はともに,
    過去に手術された学習データから構築される統計アトラスを用
                   いる




                                           2D-3D骨盤再構成のための骨盤統計形状モデル
                                           [Zheng, MICCAI:2009]
                …




        学習データセット                            手術計画自動立案のための統計アトラ
                                            ス
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                                            [Otomaru et al., CAOS:2009]
方法 | 手術計画自動立案の概要




     2次元単純                                 抽出された    再構成された    手術計画
      X線画像                                 骨盤輪郭線   3次元骨盤形状   自動立案結果




1.      X線画像が与えられて,live-wireを用いることで半自動的に骨盤輪郭線が抽出され
        る.
2.      抽出された輪郭線に骨盤統計形状モデルを当てはめることで,3次元骨盤形状が
        再構成される.
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実験結果



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実験方法
        2D-3D骨盤再構成におけるスケールパラメータに着目し,
         スケールが正しく推定できた場合,スケールに誤差がある場
         合の
         手術計画自動立案性能をそれぞれ調べた.
          - 10%                            - 5%      正解値       + 5%   + 10%
                                                  (3次元CT画像から
                                                    再構成された
                                                  骨盤形状から取得)
        評価項目:
           1.      3次元CT画像から再構成された骨盤と比較したときの形状誤差
           2.      熟練外科医計画とのカップサイズ誤差・カップ位置誤差


           28症例を学習データ,6症例を評価データとして用い
            た.
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結果 | 2D-3D再構成された骨盤の形状誤差
                p < 0.01                    p < 0.05
                    p < 0.01
    8
    7
    6
    5
    4                                                               形状誤差(骨盤全体)
    3
                                                                    形状誤差(臼蓋周辺)
    2
    1
    0
                -10%                  -5%   0          +5%   +10%



        スケール誤差が±5% 以下の場合,正解値の場合と比較し
         て,
         形状誤差に有意差は見られなかった
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結果 | 手術計画自動立案結果 p < 0.05
   16                                                                   p < 0.01
   14                                              サイズ誤差 [mm]
                                                                     p < 0.05
   12                                              位置誤差 [mm]
   10
    8
    6
    4
    2
    0
   -2              -10%                    -5%       0         +5%   +10%

                                                 2D-3D骨盤再構成                     3次元CT
        スケール誤差が+10%の場合,3次元CT画像上で立案された
         自動手術計画と比較して,有意に誤差が大きかった.
        スケール誤差が± 5%以内の場合,カップサイズ誤差には
         有意差は見られなかった.
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手術計画立案結果例




サイズ誤差                                  48mm   50mm     48mm     52mm
   位置誤差                          2.7 mm  2.3mm         2.7 mm  11.0 mm
                               3次元CTから スケール誤差:       3次元CTから スケール誤差:
                                 再構成       -5 %        再構成     + 10%

        スケール誤差が -5%の場合,3次元CTの場合とほぼ同じ位置
         に設置された.
        スケール誤差が+10%の場合,3次元CTの場合と比べ,外側に
         偏位した設置位置をとった.
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おわりに



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考察とまとめ
       本研究では,2次元単純X線画像を対象として,
        3次元カップ手術計画自動立案を行った.

       評価実験では,2D-3D骨盤再構成におけるスケール誤差が
        手術計画自動立案結果に与える影響を調べた.

       実験結果から,スケール誤差が±5%程度であれば,
        3次元CTと同程度の性能を発揮できる可能性があると考えられ
        る.

       現在,スケール誤差±5%の精度を達成するためのスケール
        キャリブレーション方法を検討中である.
        また,今後さらに多くの症例を用いた解析を行う.
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2011.11.22 第20回日本コンピュータ外科学会大会 統計アトラスに基づく単純X線画像からの人工股関節3次元カップ手術計画自動立案

  • 1.
    統計アトラスに基づく単純X線画像からの 人工股関節全置換術3次元カップ手術計画自動立 案 音丸 格a, Guoyan Zhengb, 高尾 正樹c, 中本 将彦c,菅野 伸彦c 多田 幸生d,富山 憲幸c,佐藤 嘉伸c a 神戸大学大学院工学研究科, b University of Bern, Switzerland c 大阪大学大学院医学系研究科,d 神戸大学大学院システム情報学研究科 単純X線画像 抽出された 再構築された カップ手術計画 輪郭点群 3次元骨盤形状 自動立案結果 Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
  • 2.
    はじめに Copyright © OsakaUniv., Kobe Univ. 2011
  • 3.
    研究背景 自動 手術計画 セグメン 自動立案 テーション [Otomaru et al., [Yokota et MICCAI 2009, al., MICCAI 2009] MedIA 2011] 3次元 骨盤・大腿骨3次元形状 3次元 CT画像 解剖学的特徴点 手術計画  客観的基準に基づいた手術計画を安定して立案するため, 我々は,人工股関節全置換術を対象として, 手術計画自動立案システムを研究・開発してきている.  しかしながら,国外では3次元CT画像の撮影が日本ほど 一般的でないため,本システムが適用できない問題があ Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
  • 4.
    研究背景 骨盤側インプラン ト(カップ) 自動 手術計画 2D-3D 自動立案 セグメン 骨盤再構成 [Otomaru et テーション [Zheng, MICCAI al., MICCAI [Yokota et 2009] 2009, MedIA al., MICCAI 2009] 2011] 単純 3次元 骨盤・大腿骨3次元形状 3次元 X線画像 CT画像 解剖学的特徴点 手術計画  そこで今回,単純X線画像からの2D-3D骨盤再構成手法 (Zheng, MICCAI 2009)を用いることで,単純X線画像を入力と した 手術計画自動立案を行なう.  今回は特に,カップと呼ばれる骨盤側インプラントを対象 とする. Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
  • 5.
  • 6.
    実験材料 | 対象とした症例  大阪大学医学部付属病院で実際に手術された症例を用い た.  今回の評価では,Crowe分類に基づいて骨盤変形度を分類 し, 変形度が小さい(Crowe I 以下)症例のみを用いた.  28症例を学習データ,6症例を評価データとした. 変形度が小さい症例 変形度が大きい症例 (Crowe I) Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011 (Crowe IV)
  • 7.
    実験材料 | 単純X線画像  2D-3D骨盤再構成 (Zheng., MICCAI 2009)のキャリブレーション に おいて必要な情報は,スケールパラメータのみだった.  本研究ではスケールパラメータは既知とし,3次元CT画像から 再構成された3次元骨盤形状から取得した.  X線画像の仕様:  正面から撮影された股関節単純X線画像  線源-イメージングプレート間距離: 1,200 mm  ピクセルサイズ: 0.1 x 0.1 mm2 Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011 股関節2次元単純X線画像
  • 8.
    実験材料 | 統計アトラス 2D-3D骨盤再構成・手術計画自動立案はともに, 過去に手術された学習データから構築される統計アトラスを用 いる 2D-3D骨盤再構成のための骨盤統計形状モデル [Zheng, MICCAI:2009] … 学習データセット 手術計画自動立案のための統計アトラ ス Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011 [Otomaru et al., CAOS:2009]
  • 9.
    方法 | 手術計画自動立案の概要 2次元単純 抽出された 再構成された 手術計画 X線画像 骨盤輪郭線 3次元骨盤形状 自動立案結果 1. X線画像が与えられて,live-wireを用いることで半自動的に骨盤輪郭線が抽出され る. 2. 抽出された輪郭線に骨盤統計形状モデルを当てはめることで,3次元骨盤形状が 再構成される. Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
  • 10.
    実験結果 Copyright © OsakaUniv., Kobe Univ. 2011
  • 11.
    実験方法  2D-3D骨盤再構成におけるスケールパラメータに着目し, スケールが正しく推定できた場合,スケールに誤差がある場 合の 手術計画自動立案性能をそれぞれ調べた. - 10% - 5% 正解値 + 5% + 10% (3次元CT画像から 再構成された 骨盤形状から取得)  評価項目: 1. 3次元CT画像から再構成された骨盤と比較したときの形状誤差 2. 熟練外科医計画とのカップサイズ誤差・カップ位置誤差  28症例を学習データ,6症例を評価データとして用い た. Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
  • 12.
    結果 | 2D-3D再構成された骨盤の形状誤差 p < 0.01 p < 0.05 p < 0.01 8 7 6 5 4 形状誤差(骨盤全体) 3 形状誤差(臼蓋周辺) 2 1 0 -10% -5% 0 +5% +10%  スケール誤差が±5% 以下の場合,正解値の場合と比較し て, 形状誤差に有意差は見られなかった Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
  • 13.
    結果 | 手術計画自動立案結果p < 0.05 16 p < 0.01 14 サイズ誤差 [mm] p < 0.05 12 位置誤差 [mm] 10 8 6 4 2 0 -2 -10% -5% 0 +5% +10% 2D-3D骨盤再構成 3次元CT  スケール誤差が+10%の場合,3次元CT画像上で立案された 自動手術計画と比較して,有意に誤差が大きかった.  スケール誤差が± 5%以内の場合,カップサイズ誤差には 有意差は見られなかった. Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
  • 14.
    手術計画立案結果例 サイズ誤差 48mm 50mm 48mm 52mm 位置誤差 2.7 mm 2.3mm 2.7 mm 11.0 mm 3次元CTから スケール誤差: 3次元CTから スケール誤差: 再構成 -5 % 再構成 + 10%  スケール誤差が -5%の場合,3次元CTの場合とほぼ同じ位置 に設置された.  スケール誤差が+10%の場合,3次元CTの場合と比べ,外側に 偏位した設置位置をとった. Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
  • 15.
    おわりに Copyright © OsakaUniv., Kobe Univ. 2011
  • 16.
    考察とまとめ  本研究では,2次元単純X線画像を対象として, 3次元カップ手術計画自動立案を行った.  評価実験では,2D-3D骨盤再構成におけるスケール誤差が 手術計画自動立案結果に与える影響を調べた.  実験結果から,スケール誤差が±5%程度であれば, 3次元CTと同程度の性能を発揮できる可能性があると考えられ る.  現在,スケール誤差±5%の精度を達成するためのスケール キャリブレーション方法を検討中である. また,今後さらに多くの症例を用いた解析を行う. Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
  • 17.
    Copyright © OsakaUniv., Kobe Univ. 2011