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Why the EHTC made an artifact black image and how to obtain real black hole shadow images in future
- 1. 2020/9/9 2020年9月9日（水）午前（10:00-12:00） ［B会場］ 11:00 Z105a 超巨大ブラックホール研究の新展開：初撮像から形成進化の全貌解明へ Why the EHTC made an artifact black image and how to obtain real black hole shadow images in future Makoto Miyoshi(NAOJ), Yoshiaki Kato(RIKEN), & Junichiro Makino(Kobe Univ.) @344Makoto 顔出しはご勘弁 2021/09/16；誤り部分があったので修正、一部削除 残っている記述には問題ありません。
- 2. まとめ • 独立解析から、コア-ジェット、ダブルコア構造を検出 • EHT観測データには重大なサンプリングバイアス有り ✓ EHTC報告のリングサイズに対応する空間フーリエ成分が観測されていない →PSFに影響,そのせいでリングが見えてしまう。 →実像がリングでない場合でも、リング像が創造できる。 ✓ 45 μas前後の空間フーリエ成分の欠落が、42±3 μasサイズのリングを生 み出し、ブラックホールシャドーの撮像と思わせた。 ✓ 予想されたM87のブラックホールシャドーサイズに偶然一致。 • ブラックホール像の撮像を実現するには？ ✓ uv面を密に、短時間にサンプルする観測装置が必要 2020/9/9 コア＋ノット
- 3. 2020/9/9 • EHTC報告の約 40 µas サイズのリング構造は ブラックホール像ではなく、データ較正不足と EHTのデータサンプリングバイアスによる artifactである。 • 較正では空間フーリエ成分の振幅と位相の較 正量を、像モデルを仮定、最小自乗法的に求め るので誤りを持ち込む可能性が常にある。 そして…
- 4. データ：4日分全部 2020/9/9 EHTがM 87 観測において取得できるuv (空間フーリエ成分)を調べると、40 – 46 µas 成分がほぼ完全に欠落している。この欠落はdirty beam (PSF)に… EHTのM 87に対するuv カバー 40μasリングの撮像に本来必要なはずの空間フーリエ 成分がほとんど観測されていない。 データサンプル総数→ 空間フーリエ成分・フリンジ間隔 （μas 単位）→ EHTCの測定リング直径 (42±3µas）相当のデータが ほとんど観測されていない。 -- サンプリングにバイアス。 この欠落はdirty beam (PSF)に………
- 5. 2020/9/9 この欠落はdirty beam (PSF)にそのサイズの構造を作る。つまり、欠落成分はそ のサイズの構造が有るかのような像を作る。 EHTのM 87に対する Dirty Beam （point spread function) 一点源を観測したとき、 uvデータをフーリエ変換 して画像にしたもの ありもしない 約40µasの構造が、あるように見える 黒がプラス。破線領域はマイナスになっている
- 6. 2020/9/9 この欠落はdirty beam (PSF)にそのサイズの構造を作る。つまり、欠落成分はそ のサイズの構造が有るかのような像を作る。 EHTのM 87に対する Dirty Beam （point spread function) 一点源を観測したとき、 uvデータをフーリエ変換 して画像にしたもの 試しに42±3 µasのリングを、適当に、極小値部分に置く。 黒がプラス。破線領域はマイナスになっている 42±3 µas リングは、 その周囲にある、プラ ス部分に、だいたい 乗る。
- 7. 2020/9/9 dirty beam (PSF)の構造は、dirty map (単純にデータを逆フーリエ変換した像）にその影響が当然現 れ、約 40 µas サイズの鎖状構造になって現れる。 EHTのM 87に対する Dirty Map 観測データをフーリエ 変換して画像にしたも の この鎖構造を誤って利用すればリングが作り出せるはず。 白がプラス。黒い領域はマイナスになっている ここで、誤りの較正法、 「中央鎖部分を像モ デルとしてセルフキャ リブレーション」をする。 結果は如何？（次頁）
- 10. 2020/9/9 点源構造・ノイズのsimulation dataからも約 40 µas サイズのリング構造を作り出せることがわかった。 ノイズなしの「一点源」のデータ から創った40µasリング像 EHTCのリング撮像結果は実像ではなく、データサンプリング バイアスの反映構造。ブラックホールシャドー像ではない。 ほぼ「ノイズ」のデータから 創った40µasリング像 ともに、EHTCリング像をモデルにセルフキャリブレーション、 さらに、狭いBOX設定をしてCLEANを行った。 ただし、BOXを外すとリングは壊れます
- 11. 空間フーリエ成分・フリンジ間隔 （μas 単位）→ データサンプル総数→ 2020/9/9 EHTの特性として、40 – 46 µasサイズの情報が欠落しているために現れるPSFの構造をも とに、天体がリング構造と信じて解析した結果、そのような構造が得られた可能性が高い。 EHTのM 87に対するuv カバー データ：4日分全部 45 μas前後の空間フーリエ成分の欠落が、42±3 μasサイズのリングを生み出し、ブラックホール シャドーの撮像と思わせた！
- 12. 2020/9/9 • また、将来のブラックホール撮像の見通しにつ いて述べる。 (1) 銀河系中心BH、SgrA*では構造の時間変動が 速すぎ、露出時間のかかる今のVLBIでの撮像は 不可能である。 ALMAによる観測は、ミリ波・サブミリ波で、 SgrA* は1時間 以下の短期強度変動を、常時、していることが判った。 干渉計撮像の基本仮定「観測中に天体は変化しない」を満 たさないため、観測に一日（or 一晩）かかる現状のVLBIで はSgrA*の正確な撮像はできない。
- 13. ALMA観測による Sgr A* の短期強度変動の検出： ミリ波サブミリ波では常に変動 ALMA 230 GHz （Iwata 他 2020) ALMA 340 GHz (Miyoshi 他 2019) 60 min 60 min 2020/9/9
- 14. 2020/9/9 • また、将来のブラックホール撮像の見通しについて 述べる。 (2) M 87においてはコアの像はリング構造ではない。 我々の結果は複数天体を示すが、これも過分解によ る像であって、正しい像ではない可能性もある。 現EHTの構成では 30 µas以上の大構造は検出できない！ コア・ジェット構造のうち、広がった部分が検出できないため、 ブラックホール周辺構造の正しい把握が難しい。
- 15. 2020/9/9 モデル像： ガウス型輝度分布 （FWHM，500～2.5µas） 様々なサイズの天体を 仮定、 これらをEHTアレイで検 出できるかをsimulation. （感度は無限大を仮定）
- 16. 2020/9/9 モデル像： ガウス型輝度分布 （FWHM，500～2．5 µas） 様々なサイズの天体 を仮定、 これらをEHTアレイで 検出できるかを simulation. （感度は無限大を仮定） 不検出 不検出 不検出 不検出 現EHTの構成では 30 µas以上の大構造 は検出できない！
- 18. まとめ(再掲) • 独立解析から、コア-ジェット、ダブルコア構造を検出 • EHT観測データには重大なサンプリングバイアス有り ✓ EHTC報告のリングサイズに対応する空間フーリエ成分が観測されていない →PSFに影響,そのせいでリングが見えてしまう。 →実像がリングでない場合でも、リング像が創造できる。 ✓ 45 μas前後の空間フーリエ成分の欠落が、42±3 μasサイズのリングを生 み出し、ブラックホールシャドーの撮像と思わせた。 ✓ 予想されたM87のブラックホールシャドーサイズに偶然一致。 • ブラックホール像の撮像を実現するには？ ✓ uv面を密に、短時間にサンプルする観測装置が必要 2020/9/9 コア＋ノット