VR空間における自己意識
VRChatプレイヤーのアバターへの感情移入
発表者@HHOTATEA_V
自己意識
身体所有感
(Sense of Ownership)
身体操作感
(Sense of Agency)
‘アバターの所有感覚’
‘アバターを動かしている感覚’
・ラバーハンドが自分の手のように思えてくる
・無意識にリアルハンドをラバーハンドの
位置に動かそうとする
・触知覚を錯覚することがある
VRHMDはラバーハンド錯覚を起こしやすい環
境!
n=460
自分のアバターに対する意識
n=460
自分のアバターに対する意識
n=460
n=462
Avatar Size
n=461 n=462
身体所有感 身体操作感
身体所有感 身体操作感
n=461 n=462
身体所有感 身体操作感
急減少
n=461 n=462
アバターが特に小さいときに、
身体所有感が薄れる
急減少
n=462
主観でのラバーハンド錯覚客観(鏡)でのラバーハンド錯覚
n=461n=448
主観でのラバーハンド錯覚
n=461
客観(鏡)でのラバーハンド錯覚
n=448
主観でのラバーハンド錯覚
N=461
客観(鏡)でのラバーハンド錯覚
N=448
アバターが特に小さいときに、
錯覚が弱まる
身体所有感の
グラフに形が近い
身体操作感の
グラフに形が近い
n=462
VRChatにおける自己意識
VRChatにおける自己意識

Editor's Notes

  • #2 今回私は、VR空間における自己意識というテーマでのLTを行います。 専門で研究しているわけではないので、間違っている部分などあるかもしれません。ご了承下さい。
  • #3 自己意識というものを考えるにあたり、これを 身体所有感と、身体操作感の2要素について注目したいと思います 身体所有感というのは、観察された物体を自分の身体に備わっている所有物であると認知する感覚 で、VRChat的にに言えばHMDから見たアバターの腕や足、鏡の中のアバターの身体を自分の身体であると認知する感覚です。 対して、身体操作感というのは観察された物体の運動が自身によって引き起こされていると認知する感覚 で、VRChatで言えばキーボード入力や、トラッキングされたコントローラの入力によってアバターを自分の体のように動かしているという感覚です。
  • #4 ここでラバーハンド錯覚というものを軽く説明します ラバーハンド錯覚は本物の手とゴム製のラバーハンドを並べた状態で、ラバーハンドのみが目に入るように目隠しを置き リアルハンドとラバーハンドの両方に同時に刺激を与えることで ラバーハンドを自分の手だと錯覚する現象で 被験者は ラバーハンドのしわなどの特徴も自分の手のように見えてきたり、 無意識のうちにリアルハンドをラバーハンドの位置に近づけようとします。 先ほどの自己意識の分類でいえば身体所有感がラバーハンドに移っている例と言えます。
  • #5 ラバーハンドに関する論文で面白いのは視覚情報のみでの実験で ラバーハンドにのみ刺激を与え、リアルハンドには何もしない場合でも 多くの被験者が触知覚を錯覚しました。
  • #6 VRHMDは視覚聴覚を操作できるので、ラバーハンド錯覚を起こしやすい環境になっており、当然そのような研究もたくさんあります。 幻肢痛治療の研究などはよく目にするのではないでしょうか?
  • #7 ここからが本題なのですが、今回のLTにあたり私はアバターの所有感に関するアンケートをTwitterで取りました、 16項目の長いアンケートにもかかわらず、426件もの回答をいただきました、 回答してくれた方、ありがとうございます すべてのデータを公開するわけにも行かないので、今日はデータから見えたおもしろい傾向などを紹介します
  • #8 まず自分のアバターに関してどう感じているかというアンケートです。 自分の分身であると考えている人が最も多く50%近くを占めていますが、 自分のアバターは自分自身であると考えている人も25%います 今回はそのような人たちに注目して傾向を見てみます。
  • #9 いきなり情報量の多いスライドになってしまいましたが、先ほどのえんグラフを様々なデータ別に分けたものです 青い部分が自分のアバターは自分自身であると答えた人の割合で、上から順にみていくと、 プレイ時間は長くなるほど、アバターへの感情移入が強くなる トラッキング個所も増えるほど、アバターへの感情移入が強くなる プレイ環境は面白いことに、感情移入にはほとんど関係していない そしてこれも奇妙なのですが、アバターのサイズを実際の身長よりも小さくしている人ほど、アバターへの感情移入が進んでいる
  • #10 プレイ時間は長くなればアバターへの愛着が増え、トラッキング個所が増えれば運動主体性が強くなるのでアバターへの感情移入が進むのが理解できます。 プレイ環境で相関関係がみられないのは、VRMHDを付けた時点で外界を一切意識しない人がほとんどであるからと考えられます。 アバターのサイズが小さいほうがアバターへの感情移入が進んでいる傾向があるように見えるが、これは
  • #11 これは、VRChatプレイヤーがプレイ時間が長くなるほど小さいアバターを使う割合が増える傾向があるためで アバターのサイズとアバターへの感情移入度合いに直接的な相関関係はないと考えられる。
  • #12 身体所有感はおよそ80%の人が感じていることがわかりました。 この結果を詳しく見ると
  • #13 このようになります、 プレイ時間が長くなれば、アバターへの愛着がわき身体所有感が若干増えています。 VR環境も身体所有感に影響を与えているようです 残りの2項目に強い相関は見られませんが、
  • #14 このようになります、 プレイ時間が長くなれば、アバターへの愛着がわき身体所有感が若干増えています。 VR環境も身体所有感に影響を与えているようです 残りの2項目に強い相関は見られませんが、
  • #15 VRChatをやっていて他者のアバターに存在感を感じるかという質問ですが、これは自分のプラットフォーム関係なく感じるという意見が大多数を占めていました。
  • #16 次にアバターが触られたときに触覚を感じるか?というアンケートの結果です このアンケートは2つに分けていて、主観・一人称視点・通常のVR視点で触覚を感じるか?というものと、 客観・鏡に写ったアバターを見て錯覚を感じるかというものです。 結果を見ると錯覚を感じている人は今までの身体所有感や身体操作感のアンケートと比べて少ないことがわかります。 また主観のほうが触覚を錯覚する人が多いこともわかります。 これらの詳しい結果を見てみましょう
  • #17 2つのグラフは形が似ていて プレイ時間が伸びるほど、またトラッキング個所が増えるほど錯覚を覚える人が多いことがわかります。
  • #18 2つのグラフは形が似ていて プレイ時間が伸びるほど、またトラッキング個所が増えるほど錯覚を覚える人が多いことがわかります。
  • #19 このグラフは先のラバーハンド錯覚を感じると答えた人の中で、錯覚を感じる身体部分を質問したものです。 頭の割合が一番高いのは、撫でられた時の想像がしやすいという要因があると思われます。 興味深いのが一番下で、実際の身体には存在しないと思われるケモミミやしっぽなどの部位に錯覚を覚える方が一定数いるのがわかります。
  • #20 今後はそのような感覚が発生する条件などを調べてみたいと思います。