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いしかわ就職・定住総合サポートセンターの
人材確保支援について
人材不足の時代に、必要な人材を戦略的に獲得できる
思考・ノウハウとは?
平成30年1月22日
話のアウトライン
1.いしかわ就職・定住総合サポートセンターの紹介
2.人口減少時代における人材マネジメント思考
3.具体的な人材確保、定着に関するノウハウ
1
いしかわ就職・定住総合サポートセンターの紹介
2
H28.4 人口減少対策の実行部隊として開設
3
いしかわ就職・定住総合サポートセンター[ILAC]
UIターンサポート石川
いしかわ移住UIターン
相談センター (ILAC東京)
ふるさと回帰支援センター窓口
仕事と暮らしのワンストップ窓口
(東京交通会館内)
パソナグループ本部ビル内(東京駅日本橋口徒歩2分)
4
5
UIターン希望者と県内企業とのマッチング
マッチング
パソナ委託
無料
【求人情報】
・ハローワーク求人
・センター独自の求人
【求職者】
・UIターン希望者
・都市部大企業人材
連携する民間人材紹介会社によるマッチング(企業側有料)
希望に応じて
取り次ぐ
希望に応じて
取り次ぐ
*人材コーディネーター
*金融機関、関係団体と連携
・人材情報センター ・スターシップ人財銀行 ・キャリアドットコム
・カラフルカンパニー・パソナ ・ビズリーチ
6
UIターン人材を企業に紹介していく中で
人材を紹介したくない
NG 企業、経営者、人事、社員がいる
7
2
人口減少時代における
人材マネジメント思考
8
我
執
社
長
補
填
社
長
固
執
人
事
閉
鎖
社
員
が
し
ゅ
う
ほ
て
ん
こ
し
ゅ
う
へ
い
さ
NG
9
我執社長の傾向
・人の話をなかなか聞かない
・「右腕」「参謀」人材がいない「なべぶた組織」
・「会社のビジョン」がないか社長の頭の中だけ
・会社を変革しうる「プロ人材」よりも
変革しない「番頭」を求む
10
補填社長の傾向
・人材ニーズ=離職者の補填 としか考えず
・現場人材に対するニーズであり、幹部ニーズはない
・思想が「昭和」
(人口は増え続る、給料は上がり続ける)
・組織や事業遂行に「感情は必要ない」
という考え方
11
固執人事の傾向
・「30歳以下でプロフェッショナルで、かつ営業も総務も
生産管理もできて複数の仕事ができて、即戦力な人を
月10万円でほしい」
・選考期間4か月、面接は3回、最終面談は大阪、
これは規則
・ITツール? Web? わからんからタダでもやらない
・HWには一応だしている
12
閉鎖社員の傾向
・中途採用者、とくにIターン者を仲間外れにする
・プロ人材には「お手並み拝見」モード
例)「トイレの場所? 鍵のかけ方? それくらい大卒で大企業
出身者なら 教えられなくてもわかるでしょ?ふふっ。」
→ それはプロ人材ではなく『プロの空き巣』です・・・
・「仕事ができる人よりも
地元の人の方が偉い」
という優越感
13
これからの時代
NG企業の人材の確保・定着は絶望的
それは何故か?
時代背景も踏まえ考えてみましょう
14
2008年
誰もが初めての経験で正解がない時代
有史以来の人口減少社会の到来
15
データ出所:鬼頭(2000),森田(1944),総務省統計局『国勢調査報告』,同『人口推計年報』,国立社会保障・人口問題研究所(2002)『日本の将来推計人口』,
同(2006)『人口統計資料集2006』,内閣統計局(1930)『明治五年以降我国の人口』(調査資料第三集)
拡大成長 縮小均衡
正解
のようなもの
縮小均衡への移行とともに、正解のようなものがなくなった。
正解らしきものがわからない
個人の志向・嗜好・思考の多様化=個別化
16
例:マイホーム、車・・・
◆「自分ファースト」志向
◆理想の上司は「寛容型」
◆今の日本は「曇り」 10年後も悲観的
三菱UFJリサーチ&コンサルティング
「平成29年度新入社員意識調査アンケート結果」
人口減少時代における若い世代の意識
17
若い世代は社長より立場が強くなっている!?
「すぐ辞める」「リーダーになりたがらない」
「プライベートを優先しすぎ」
若者と「自分ファースト」志向
18
最近の若者は弱くなった
Q.若い世代が今スイスイやってのけることで
経営者「だけ」ができないことって何?
19
A. スマホ1台でカンタンに転職活動
充実した転職サポート
SNSで日々情報交換
ネットで同世代のキャリア転職や
成功経験が日々発信され、
「私はこんなもんじゃない・・・」
20
+
給与や福利厚生以上に
いごこちがよい職場を重要視
こんな人はあまりいません
「この会社で楽しく仕事ができていて、
とてもいごこちがよいので、辞めます♪」
若者の離職理由からみるモチベーション
21
目の前で現実に起きていること と
自分の脳内 との間にズレが生じたら
今は目の前の現実の方 に合わせる
自分のほうに引っ張り込まない
今は、加速度的に変化している
人口減少時代の人材マネジメントで重要なこと
22
そのためにリアルな現場に
聞きにいって情報を仕入れる
「~どう思う?どうして?分かったら教えて、やってみて♪」
「話す・する」から「聞く・してもらう」へ
メディア情報よりも体感が大事
拡大成長の頃の成功例は参考にならない
23
人口減少時代の人材マネジメントで重要なこと
報連相の本当の意味
報告・連絡・相談をしやすい環境を
作る事が大事だ
山崎 富治 出典:『ほうれんそうが会社を強くする』1986年
現場視察で大切なのは「ゆっくりヒマそうに歩くこと」
社員が話かけやすいようにするためだ
木股 昌俊 クボタ代表取締役社長 (2018/1/15日経経済新聞)
24
評価は【加点主義】
聞きに行く組織=トップアップ!
現場の一人ひとりが主役!
自ら考え行動
(自分で言ったことはやる)
※ボトムアップだと、情報が歪んだり、意思決定に時間がかかる恐れ
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我
執
社
長
補
填
社
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人
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鎖
社
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う
へ
い
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聞きにいこう
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「社長!好かれていますか?」
社長もわからないことばかり。そういう中で現場社員に
いろいろ教えてもらうためには、まず好かれること
「社長!長い目でみると『自社の魅力』を明確にしてくださいね」
問われるべきは、社長が会社の魅力をどう考えているか
ぜひ、社員の皆さまと意見交換して、そのキーワードを求人票に
反映してください
「部長がおっしゃるような人に、今まであったことがありますか?」
日常生活で、求める求人像のような人物にあったら具体的に話を
聞いて人物像をリアルにしていってください。
「社長!社員と対話しましょう」
中小企業の社風は社長で決まる、といっても過言ではなく
社長が社員にそのように接しているから社員が真似をしていると
考えるべき
27
そのために社長も人事もリーダーも
最大の味方である社員の皆さんに
とにかく好かれてくださいね♪
人材に関し、現場にいろいろ聞いて、
教えてもらって、体感しリアルな
情報を仕入れながら人口減少時代の
前提で行動する
本日のまとめ
28
3
具体的な人材確保
定着に関する
ノウハウ
29
転職入職者の入職経路(2013年)
広告 33%
ハローワーク 27%
縁故 25%
人材紹介会社 3%
その他 12%
人材紹介会社による
マッチングは
全体の3%ほど
30
資料出所:厚生労働省「雇用動向調査」(平成25年)
人材紹介会社の特徴
幹部クラス
メンバークラス
コスト
高
コスト
低
リクルート、DODA、パソナなど
代表的な企業・サービス名
1次スクリーニング
あうんの呼吸で適した人材を紹介
完全成功報酬型
メリット
コンサルタントの力量に依存する
企業側に費用が発生する
デメリット
転職後年収の
約3割の手数料!
31
その前に無料で
できることが
まだあります
それどころか、それができてないと
有料サービスを使っても効果が乏しい!?
32
聞きに
いこう♡
33
専任の採用担当者がいない
採用担当は社員全員
その時、どんな「旗」を掲げるかが重要
「会社の魅力・将来性」「求める人材像」
1年でどれくらいの
人にあっている?
社内に聞きに行こう
34
大学・高校に全くコネがないんです!
社員や社員の家族関係こと、
どれだけ知っていますか
●●大学の××研究室に
社員の親戚の子供が
いた
社内に聞きに行こう
35
※内定辞退者も同様
接待してでも情報収集
人材採用・定着のカギを知っている
辞めたからこそ、縁を太く
離職者・退職者に聞きに行こう
辞めていく人、去るもの追わず?!
36
ハローワーク (公共職業安定所) に
求人票はちゃんと出しているんだけど
「無料の人材コンサルティング機関」
自社の担当は●●さん(勝手に)
職安に遊びに行け♪
(能美市企業)
ハローワークに聞きに行こう
37
会社説明会は会社を説明するところ?
求職者(学生)の欲求に応え、感謝され
自社に“業界見学”に来てもらうところ
「目的」と「手段」を間違えない
求職者(学生)に聞きに行こう
38
インターンシップは生徒・学生に
仕事を教えて高校・大学に貢献するもの?
生徒・学生から直々に自社の魅力を
聞いたり、提案いただけるチャンス
どんどん自社に貢献してもらって
インターンシップ終了後も自社の広報担当
生徒・学生に聞きに行こう
39
①ビズリーチ等の人材データベースサービス利用
②SNSをフォローしタイミングを見計らって引き抜き
③社員紹介による採用でボーナス30万円/人
④道で! 飲み屋で!! 常在戦場の採用!!!
新しい採用手法
ダイレクトリクルーティング
企業、社員自らが、直接連絡を取って採用する手法
40
採用プロモーションツール
完全無料の
41
今回の講演内容を実践するのに最適なツール
① Facebook登録
② インターネット検索
③ PCで文字を打つ、クリックする
42
以下ができれば誰でもできます
特別な知識がなくても簡単に採用ページが作成出来ます
43
スマートフォンにも自動的に最適化されます
LINEにも対応
44
SNSでシェア
求職者がページで
Facebookページを
閲覧できるようにする
社員みんなで魅力を発信する!
45
基本的に無料
求人
作成料

求人作成 求人公開 応募管理 採用成約
求人
掲載料

システム
利用料

採用成約
手数料

46
従業員数:13名
魅力的な求人の作成
SNSを活用した求人の積極的な発信
5週間で8名の応募獲得、1名採用
事例:石川県小松市の製造業
47
ITツール&複数ツール の活用による採用
合計で8名の応募がありました。
ハローワーク経由5名、電話経由が2名
友人紹介が1名という結果でした
ハローワーク経由の5名中3名
電話経由の2名中2名が
スタンバイで発信した求人を見て
弊社に入りたいと思い応募しました
48
時代の変化、求職者の変化に対応するために
「求人の仕方」「求人の質」を見直し
「積極的に発信すること」
求人票の出し方のコツ
49
片思いの相手の心に
届くような内容、発信方法だろうか?
50
求人票は
片思いの相手はどんな人で、
なぜ転職活動をするのか?
片思いの相手に伝えたい
私の魅力とは?
その伝え方とは?
恋のライバルと比べた
ときの私の優位性は?
基本となる3つの問い
51
「好きです」って書くと
告白したことで
書いた方は満足するんだよね
これをもらったら、相手が
どう感じるかっていうこと
あんまりズバリと気持ちを
伝えると、相手を追い詰め
ちゃうこともあるよ
小学生のための文章レッスン ラブレターを書こう
52
灰島かり 作 (玉川大学出版部、2012年)
最後に・・・
53
Uターン希望者は
皆様の家族・親戚・
お知り合いの方です
皆様からの声掛けを
待っています!
伝説の木の下で・・・
54

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いしかわ就職・定住総合サポートセンターの人材確保支援について

Editor's Notes

  1. ○こんにちは。  わたくしは、ILACで社会人のUIターンを担当している、  石川県庁労働企画課 の 高橋と申します。   ○いしかわ就職・定住総合サポートセンター(ILAC)の人材確保支援について 人材不足の時代に、必要な人材を戦略的に獲得できる思考・ノウハウとは? ○なお、お配りした資料は3時間コースのものとなっております。  今回は再編集して、内容を凝縮してお届けしますので、画面の方を御覧ください。
  2. 本日の講演のアウトラインです 最初に、ILACの紹介を簡単にさせていただきます。 つぎに、人口減少時代における人材マネジメント思考についてお話します。 こちらが本日のメインになります。 最後に時間が許す限り、具体的な人材確保、定着に関するノウハウをご紹介します。
  3. まずILACのご紹介です
  4. ご承知の通り、日本は2011年度より人口減少社会に突入しており、 石川県も例外ではありません。 そこで、平成28年4月、県の人口減少対策の実行部隊として、 これまでの「若者女性仕事情報館」にUIターンサポート石川の窓口を加え、 総称もいしかわ就職定住総合サポートセンターと改め、スタートいたしました。 私のメインの担当はこの「UIターンサポート石川」ということになります。
  5. 石川県の移住相談窓口は特徴が2つあります。 一つは、仕事と暮らしをワンストップで相談できる窓口です。 やはり移住を決めるにあたり重要なのは「仕事」ということで、職業紹介機能を有しています。 もう一つは、石川と東京の2地域3箇所に窓口を設けていることです。 主に相談者のフォローを行う東京と、求人開拓や現地アテンドを行う石川が密に連携し、 きめ細やかなサポートを行っています。 とくにILAC東京は東京駅日本橋口から徒歩2分というこれ以上ない立地のパソナのビルにセンターがあります。
  6. こちららがILAC東京の写真です。 石川県専用の相談ブースがございます。 また全19市町のパンフレットがそろっています。 また、パソナのビル自体にいくつもこのような個別の相談ブースが有り、 石川県の企業であれば、予約していただければ無料で、採用面接でご利用いただけます。
  7. 具体的に、どのようにUIターン希望者と県内企業とのマッチングをおこなているのか、ご紹介します。 求職者については、UIターン希望者の来所、イベント参加が多いです。 また国の施策で都市部の大企業で地域で活躍したいと思われている方もございます。 求人情報については、ILACは国とも連携しており、ハローワークの求人を活用しています。 加えて、企業OBを中心とした人材コーディネーターが、企業を訪問し、独自に求人をあつめています。 マッチングは、本事業を人材紹介会社大手のパソナに委託しており、UIターン人材であれば、無料でマッチングしております。 また、双方希望におうじて、連携する民間の人材紹介会社によるマッチングを行い、より多くの相談者と企業がマッチングできるように勧めています。 のちほど人材紹介会社については詳しくご説明します。 連携しているのは次の6社です。
  8. ここからが重要です。 当方、無料で、県内企業に人材を紹介しておりますが、 UIターン人材を企業に紹介していく中で 人材を紹介したくない  NG 企業、経営者、人事、社員がいる、 と人材コーディネーターが申しておりました。 それは、紹介してもマッチングが難しい、もしくは、マッチングしても人材にとって幸せではないと 思われるという場合です。とくにUIターン者は覚悟を決めて移住するわけですから 合わなければ次というわけにはなかなか行きません。 ちなみにこれが職場の風景です。早々たるメンツのなかで仕事をしています。
  9. 本日のメインテーマ、 人口減少時代における人材マネジメント思考 にうつります。 写真は私の趣味ということではなく、伏線ですので、是非注目してください。
  10. 人材を紹介したくない企業の特徴を4つにまとめています。 我執社長、補填社長、固執人事、閉鎖社員、この4つです。 なにが、NGなのか、ひとつひとつ見ていきたいと思います。
  11. まず、我執社長の傾向 なんといっても、「人の話をなかなか聞かない」という特徴です。 私の話ではなく、人材コーディネーター含め、まあ話を聞かないということです。 本日はそんな方はいらっしゃらないのでほっとしています。 その他、・・・・・ という特徴があります。 心当たりあるかと思います。
  12. 次に、補填社長です。 人材ニーズをいただくのですが、「大量に離職者がでたから早くしてくれ」のように とにかく人材を、材料かなにかのように「補填」しようと考えているタイプです。 それで、・・・  という考え方になっています。 これもかなり多いケースかと思われます。
  13. 3つめは、固執人事、人事責任者が固執しているタイプです。 ・ます、こんなことをいいます  「30歳・・・」 いるわけがないですよね。 ・そのほか、あまりにもリアルなんですが、実際に、・・・・・ 規則だといわれます。 ・そのわりには、・_・・・といって、自分で何か一生懸命やっている風にも見えません。 そういうタイプです。
  14. 最後は、社員というか会社全体が閉鎖している会社です。 まず「仲間はずれ」「村八分」です。 とくに優秀な方がくると「お手並み拝見」モードになります。 正直、気持ちわからなくもないですが、でも例として・・・・・というのが実際にあったと聞いています。 逆に、入社早々トイレの場所や鍵の場所が分かる人がいたら、プロフェッショナル人材というより プロの空き巣と思ったほうがいいかもしれません。  それで、能力で負けそうになると、「でも私たちは地元組」という謎の優越感で、Iターン者を排除します。
  15. いずれも、なんとなくイヤーな感じの会社だと思われたと思いますが、 実際に、残っているのも事実です。 ただし、これからの時代、このようなNG企業が人材確保・定着させることは 絶望的です。 いままでしぶとく生き残っていたのに、なぜなのか? 時代背景も踏まえて考えてみたいと思います。
  16. これも何度もみた、という方があると思いますが、日本の人口の長期推計のグラフです。 江戸時代前半にのびて後半しばらくは4000万弱で推移していたものが、 明治以降、爆発的に増えます。このMAXが2008年だったと言われています。 そして2011年より本格的な人口減少社会が到来しました。 爆発的に増えたときと同じ勢いで減ることも問題ですが、それ以上にその構成要素が全く違う、 ようは若者はへり、超高齢社会になるという点が問題です。 人口問題については、配布した資料の最初にたくさん資料を載せていますのでご関心のあるかたはご覧ください。 いずれにしろ、有史以来の人口減少社会の到来、 誰もが初めての経験で、正解がない時代に突入したといえます。 挿絵は「未知との遭遇」をイメージしていますが、まさに未知の時代に突入するのです。
  17. この人口減少社会の特徴ともいえる「社会の変化」がすでに起き始めています。 たとえば、個人の志向・嗜好・思考がどんどん多様化しています。 縮小均衡への移行とともに、正解のようなものがなくなってきました。 拡大成長のときには正解のようなものがありました。 筆頭にあげられるのは、マイホームと車ではないでしょうか。 それが悪いわけではなく、そのときには、がんばれば、ものをつくれば、そうなるという時代だったのです。 いまは、正解らしきものがわからなくなってきましあt. 家を持つこと自体を負債と考え、賃貸マンションで一生を終える人、 シェアハウスといって他人と一緒に住む人なんかもあらわれています。いずれも正解・不正解で語れるものではなく、 多様化、個別化しているといえます。
  18. 人口減少時代において、とくに「若者」の価値観や意識がこれまでと異なってきました。 みなさんも感じていらっしゃると思います。私も若いつもりなんですが、合わなくなってきました。 アンケート結果では3つの特徴がありました。 これだけでも、コミュニケーション論、モチベーション論で1時間ずつ話できてしまう内容なので、 今回は「自分ファースト思考」のところに注目します。
  19. こんな傾向がありますよね。 総じて、大人の世代の人は「最近の若者は弱くなった」と言ってしまいますよね。 私も言います。 でも実は、「若い世代は、社長より立場が強くなっているんです」  え!みたいな。
  20. ここで質問です。 Q.若い世代が今スイスイやってのけることで    経営者「だけ」ができないことって何でしょう? 経験、お金の知識、技術、人間関係など、百戦錬磨の経営者にとって そんなものがあるはずがない!と思われた方もあるでしょう。 どなたかわかりますでしょうか。
  21. 正解は「転職活動」でした。 なぜなら、経営者は基本的には「転職」しないでしょう? 現在は人口減少というよりは好景気ということで各企業人材不足になっています。 くわえて、ますますスマホなどの端末、そしてアプリが進化し、充実した転職サポートがたくさんあります。 「あいつ、真面目に仕事をしているな」と思ったら、パソコンで転職活動しているかもしれません。 さらに、FBなどのSNSで社外のいろんな人とコミュニケーションがとれるようになっています。 「あいつ、大学時代はおれよりダメな奴だったのに、なんだかめちゃめちゃ給料もらっているな、  おれも転職したらそうなれるのでは」なんて思ってしまう情報にさらされて行きているんです。 ILACにも勘違い相談者がたくさんきます。地方なら俺様はどこでも入れるだろうぐらいに思って。
  22. また、若者の離職理由のアンケート結果を配布資料にもつけておりますが、 今の若者が、何が嫌で離職しているかをみると、逆に何を大切に仕事をしているかが見えてきます。 昔は、給料がやすい、福利厚生の制度がよくない、仕事が向かないというものでしたが、 いまは男女ともに、残業時間が長いが筆頭にきています。 これは評価がむずかしいところではあるのですが、 ある程度残業があっても、居心地がよければそれを離職理由にすることはないと思います。 ようは一刻もはやく会社からでたい ということで「いごこちがよい職場」を重要視していると捉えることができます。 実際に、「」な人は家庭の事情などをのぞけばまずいないです。
  23. このように、現在は、若者を始めとしてあらゆるものが加速度的に変化しています。 そこで、「人材減少の人材マネジメントで重要なこと」 本日最も重要あことですが、 ということです。「なんで俺が」と思われるかもしれませんが、「今は」というところです。
  24. もっと大事なことをいいます。 現実に合わせるにはどうしたら良いか。 そのためにリアルな現場に聞きに行って情報を仕入れる、 これがとても重要です。 話す・・・  参考にならない あと東京の情報もまずは役に立たないです。
  25. こう思われた方もいらっしゃるかもしれません。 「聞きに行く? わしは、しっかりと報連相を徹底しているから、部下から情報が届いている。  何をいまさら」 実はですね、報連相の意味を殆どの人が間違って使っているんです。 この言葉は、日本青年会議所会頭も務めた山崎とみじさんの本にでているのですが、 環境を作ることが大事だということで、経営者の心得をかいているのであって、 部下のしつけや義務ではないんです。 同じようなことを今月の日経新聞でクボタのきまた社長がいっていました。 配布資料に誤植があるので修正します。 ようは環境づくりです。
  26. まとめますと、聞きに行く組織は トップアップなんです。 現場が主役です。正解のない社会+情報化社会においてはやはり現場にとても重要な情報が眠っています。 現場が自ら考えて行動できる環境が重要です。しかもいいことに、自分でやるといったことは今の若者でもまあやります。 トップはそれを聞きに行ったうえで、「判断」します。全部現場に任せるという話ではありません。 正解のない時代だからこそトップの決断は重要です。ただ、その決断にいたるときには現場に聞いてくだいという ことです。 ボトムアップということばは聞かれているかと思いますが、これは間に沢山人がはさまりますので、 私も前職で・・問題ありですと報告したことが問題ありません担っていることもありました。 また、どうしても時間がかかるので聞きに行ったほうが早いのです。
  27. で、さきのどのNGの皆さんへのアドバイスですが、これも 「聞きに行こう」なんですね!
  28. これは、当方の人材コーディネーターの声掛けの一例です。 これだけでも2時間コースですのでだいぶはしおります。 基本は、「社長、だめですよ」といっても聞いてもらえないので、 なんとかして「気づいてもらおう」という方向で「声掛け」をしています。 2番めはわかりにくいかと思いますが、 今後、現場人材といわれるような人材の取り合いはますます厳しくなります。 自社の魅力を抽出し、別のステージでの人材獲得、もしくは既存社員の定着に力を入れたほうがいいですよ といううメッセージです。
  29. 本日のまとめです ということです。 聞きに行こう、そのためには社員に好かれようとうことです。 今度のバレンタインデーにどれだけチョコを貰えるか競うのも面白いかもしれません。 配布資料には、ライフネット生命の元社長の出口さんの記事を2つ紹介しています。 「機嫌のわるそうな顔の上司はクビ」とまで言っています。 この写真も伏線です。
  30. ここからは、具体的なノウハウについて駆け足でご紹介します。
  31. 3つの大きな手法があります。 人材紹介会社ということばも最近新聞でもでますが、3%ほどです。派遣とはちがいます。
  32. ILACも連携している「人材紹介会社」の特徴です。 3割とかきましたが、いまは5割位になっています。東京だと、10割近くになる職種もあるようです。 それだけ人材確保は厳しくまた、時間お金労力もかかる、「経営問題」というご認識を持っていただいているかと思います。
  33. いやー、うちはそんなお金はない、という企業も当然たくさんございます。 でも安心してください。 読む それはなにか?
  34. だれに?
  35. 1年でどれくらいの人にあいますか?  それが社員全員なら数百人単位になるでしょう。 そのなかに、当社に会う人材2,3人って本当にいないでしょうか? そう思うと社員全員が採用担当になったほうが断然得です。 ただしそのときには、社長がしっかりと旗を掲げることが重要です。 会社の魅力・・・ そうしないと、だれでもかれでも入ってきてしますと余計企業が弱くなります。
  36. 社員の出身大学のみならず、息子さんの大学、知っていますか?そこから突破できる可能性があります。 実際に、こんな状況も生まれているので、真面目に正攻法で攻めるだけでは厳しいです。 昨日の北日本新聞にも「生産性向上はぼったくりと手抜き」とありましたが、まさに、効率的に攻めるんです。
  37. あるとき、能美市の企業と話しました。 人材確保たいへんでしょう?というと「全然」といわれました。 なぜ? ハローワークから定期的に紹介される。うちは、コミュニケーション力不要で職人気質でモクモク仕事できればいいがそういった人材がくる。 なぜ? そういえば先代の口癖が「ひまなら職安に遊びに行け」ということでとくに用事がなくてもHWにいっていた。 私もそうしている。 担当者も人間ですから、名前覚えますし、どんな人材がはまりやすいか意識しますよね。
  38. また、会社説明会も説明よりも、学生から聞くまたとないチャンスです。 感謝され、名前を覚えてもらえば勝ちです。
  39. インターンシップも同様、会社の広報マンです。
  40. 話にかわりまして、最新の採用手法、ダイレクトリクルーティングについてご紹介します。 ・ある建設会社社長、近所の大学生が無事機械メーカーに入ったことは知っていた。  ところが6月ぐらい、日中ふらふらしている。  「どうした?」ときくと「仕事がイメージと違っていたので辞めたんです」  「なら家のところでしばらく働いてみるか」  「実はこんな仕事をしたかったんです。体を動かしたかったんです」と大卒ゲット。 ・企業の人事担当の方と教育プログラムの検討を兼ねた飲み会中、  かわいい学生さんのバイトが入ってきました。  すると、すかさず名刺をわたして「どこの大学?学部?うちにこない?」の猛アタックです。  アタックの仕方はともかく、「常在戦場」日常生活すべてが採用活動になっている担当者の例です。
  41. もうそろそろ終盤ですが、完全無料でWebで求人を公開できるツールをご紹介します。 石川県が連携しているビズリーチ社が提供しています。
  42. それでは、伏線を回収していきたいと思います。 人材紹介であれ、スタンバイであれ、ハローワークであれ、縁故であれ、 求人をだすということは、   ということになります。 これは何かに似ていませんか?
  43. そう、求人表はラブレターなんです。 というところに思いを巡らす必要があります。
  44. これは、もはや入手不可能な本に書いてあったことです。 こんな顔でこんなことを言われたら、爆死するか、興奮しますね。
  45. ILACの相談者も、どうして窓口を知ったのかと聞くと、 親から、知人から、兄弟から、取引先企業から、など人づてが非常におおくなっています。 東京では、各県が必死でUIターン施策のPRをしていますが、正直飽和状態というか節操がなくなっています。 下手な発信をするとマイナス効果かもしれません。 しかし、信頼できる皆様からの声かけなら、きっとUIターンしてみようかな、と思われると思います。 そのときにはどうぞ、直接雇用していただいてもいいですし、知り合いの企業を紹介してもいいですし、 ILACを思い出していただけると幸いです。