~アプリケーションを企画する為の秘訣~
2013年3月某日、ヤフー株式会社の村上執行役員CMOをご訪問させていただきました。
日本のモバイルビジネスの最前線で活躍される村上CMOに、金融関係のアプリケーションの事や、
アプリケーション企画の秘訣などについてお伺いしました。


◆ 金融に関するアプリケーションは玄人向けに偏っているイメージですね。

(東証)村上さんは、ヤフー株式会社のチーフモバイルオフィサー(CMO)ということですが、具体的に
はどのようなお仕事なのでしょうか?

(村上CMO)一言で言うと、ヤフーのモバイルビジネスに関するCTOでありCIOであるという仕事です。
モバイルビジネスの戦略・採用技術の責任者でもあり、ヤフー社内の仕事のモバイル化といったよう
な事も私の仕事の範疇です。

                 (東証)今回は、東証主催の「ソーシャルかぶコン2013」の審査
                 員をお願いしてい ますが、村上さんから見た、今の金融に関す
                 るアプリケーションは、例えば、モバイルアプリという観点からみて
                 どのように見えていますか?かなり充実している?もっと何かで
                 きるはず?

                 (村上CMO)プロユースといった観点では、非常によくできている
                 ものが多いと思います。 おそらく、実際にハードに投資を行って
                 いるユーザのニーズにはしっかりと対応しているのではないでしょ
                 うか。一方で、株式投資はなんだか怖いけど興味はあるといった
                 層が利用するものは少ないように感じますね。そこにプロユース
                 向けとのギャップがあるように感じます。さらに、金融にはそもそ
                 も興味がない人と、ハードな投資経験者との間、あるいは無関
                 心層と投資初心者といった間のギャップを埋めていくようなアプ
                 リは少ないのではないですかね。


(東証)今回のコンテストでは、株式投資や上場会社に関するアプリケーションをと求めています。村上
さんがこのテーマで直感的に思いつくアプリケーションとはどんなものでしょう?

(村上CMO) やはり株価等を分析し、儲けを生み出すような売買のタイミングを計算するアプリケーショ
ンを想像します。しかし、今回のコンテス トは、投資の社会的意義を投資に無関心な層に訴えることも
テーマなので、投資の社会的意義を踏まえて、先ほど言ったギャップを意識して作品を企画するのも
良いのではないでしょうか。
◆ 企画で大事なのは、それが『本質的なものかどうか』という事です。

(東証):村上さんは、仕事上たくさんのモバイルアプリの企画をご覧になると思いますが、これはとい
う企画と、一瞬でわかるダメな企画との決定的な差のポイントはなんでしょうか?

(村上CMO)それが本質的なものかどうかという事を注意してみます。それが本当の問題を解決して
いるかということですね。私の好きな例え話に、T型フォードを作ったヘンリー・フォードの話があります。
フォードが言うには、「よくお客の声を聴けというが、当時、 私がお客の声を聴けば、より早い馬が欲
しい、より早い馬車が欲しいといわれただろう。それではT型フォードにはたどり着かない。本当の問題
は、早い馬でも、早い馬車でもなく、2地点をより速く移動したいという事だからだ。」というものです。
早い馬探してきました!!とかいう企画だと、この場合駄目だという事ですね。

(東証)村上さんご自身が起業家でもあり、被災地でのボランティア活動に力を入れておられると
いうのを伺っておりますが、市場から日本を元気にするという東証の取り組みについて、ご意見をお
願いします。

(村上CMO)素晴らしいことだと思います。ともすれば、株式取引というのは賭け事のように思われが
ちです。しかし、お金の流れ全般のを見ることが出来ればそういうものではなく社会的に必要なものだ
という事が判ります。また、私も、この社長はすごい。応援したいと思って所有する株式や、この技術
はすごいと思って所有したことのある株式がありました。そういう風に見る事、見られることは大事だと
思います。

(東証)村上さんも、自分の戦略が市場でどう見られているかが気になりますか?

(村上CMO)なりますね。株価見ますよ。反応がなかったりすると、あれっ?ちゃんと見てもらっている
のかなあと思う事もありますね。
◆ 考えを形にすることは意外と難しい。こういうコンテストはその『筋トレ』だと思って、
どんどんやるべきです。

(東証)本コンテストや、その他多く開催されているアプリコンテスト、各地で開催されているハッカソン
(あるテーマに沿って、アプリケーションを短時間で作り上げるイベント)などのムーブメントについてど
のように思われていますか?

(村上CMO)どんどんやるべきですね。誰でも、アイデアはあるものです。でも、頭の中の考え を形に
することは意外と難しいものです。そしてそれを人に判ってもらうことも大事です。エンジニアはともす
れば口下手だし、逆に、最近多いビジネスアイデアコンテスト等をみていると、プレゼンばかりが上手
でエンジニアリング的にはどうするの?というものもあったりしますね。こういうコンテストを通じて、ちゃ
んとした『形』にするという『筋トレ』をすることは重要ではないですかね。ちなみに、ヤフー社内でも、
毎月、いろんなテーマでハッカソンをやっています。

(東証)それは社内コミュニケーションにも役立ちそうですね。

(村上CMO)ええ。こういう事をやると、誰が何を得意か判ってきたり、人間関係のネットワークが広が
るものです。例えばこうして、私と東証さんが繋がったように。是非、このコンテストにも多くの人が参
加してくれるといいですね。

                                              以上

アプリケーションを企画するための秘訣