「サラーがリバプールにくれたもの」
Sports Analyst Meetup #3
2019/06/30(Sun)
さえない / Yamamuro Saeru (@saeeeeru)
2019/6/30 (Sun) 2
アンフィールドの奇跡
18/19 UEFA Champions League semi-final
4-3
1. ちょっとした自己紹介
2. スポーツの価値って?
3. 論文 『サラー効果』 の紹介
4. きょうのLTで伝えたかったこと
2019/6/30 (Sun) 3
Outline
1. ちょっとした自己紹介
2. スポーツの価値って?
3. 論文 『サラー効果』 の紹介
4. きょうのLTで伝えたかったこと
2019/6/30 (Sun) 4
Outline
• Twitter (@saeeeeru )
• 某通信キャリアで新卒データサイエンティスト
• 3年間、選手権に行けなかった東福岡サッカー部
• 深層学習を用いた時系列データの解析技術を研究
• データサイエンスでサッカーのやさしい解釈を
2019/6/30 (Sun) 5
さえない / Yamamuro Saeru
Sakurai Lab.
@ Kumamoto University
1. ちょっとした自己紹介
2. スポーツの価値って?
3. 論文 『サラー効果』 の紹介
4. きょうのLTで伝えたかったこと
2019/6/30 (Sun) 6
Outline
2019/6/30 (Sun) 7
スポーツの価値って?
ビジネス
競技力の向上・経済発展
健康・福祉
健康体力の保持・増進
教育
人格形成・目標達成
地域・社会
地域の活性化・相互理解
1. ちょっとした自己紹介
2. スポーツの価値って?
3. 論文 『サラー効果』 の紹介
4. きょうのLTで伝えたかったこと
2019/6/30 (Sun) 8
Outline
2019/6/30 (Sun) 9
論文 『サラー効果』 の紹介
https://immigrationlab.org/working-paper-series/can-exposure-celebrities-reduce-prejudice-effect-mohamed-salah-islamophobic-behaviors-attitudes-2/論文URL :
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論文 『サラー効果』 の紹介
John B. Holbein氏
(@JohnHolbein1)
“ サラーのリバプール加入が与えた影響?
近郊でのヘイトクライムが19%減少
リバプールファンによる反ムスリム的な
ツイートにおいては半減 “
→ 因果推論のフレームワークを適用
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論文 『サラー効果』 の紹介
 イギリスの港町 リバプールにある
アンフィールドをホームタウンに構えるクラブ
 UEFA CL優勝6回 (プレミアでは無冠)
 レッズの愛称で親しまれている
 15/16シーズンにクロップを指揮官に招聘
 マネ、フィルミーノ、サラーの3トップ
 18/19シーズンのUEFA CL王者
2019/6/30 (Sun) 12
論文 『サラー効果』 の紹介
http://theconversation.com/liverpool-fcs-mohamed-salahs-
goal-celebrations-a-guide-to-british-muslimness-93084
モハメド・サラーの
ゴール後のパフォーマンス
“Sujood”
イスラム教徒が礼拝時に
行う土下座の意味
ゴールに対しての感謝を表現
参考URL :
半数以上のイギリス人が
イスラム教に対して
肯定的ではない
2019/6/30 (Sun) 13
論文 『サラー効果』 の紹介
※ 図の縦軸は「イスラムとイギリス社会の価値観
との間には根本的な壁がある」と答えた人の割合
Hate Crimes
 期間 : 2015.1 〜 2018.4
 日付, 場所, 動機, 犠牲の情報
 各地域の居住者1,000人に対する
Hate Crimesの数を変数とする
(反イスラム教のみではない)
Anti-Muslim Tweets
 プレミア ビッグ5 + エバートン
公式クラブアカウントのイギリス在住
フォロワー 10,000アカウントを対象
 各アカウントの直近3,200ツイートを
収集し、word2vecによりイスラム教に
関する単語をもつものを抽出
 少数を人手でラベリング + クラス分類
2019/6/30 (Sun) 14
論文 『サラー効果』 の紹介
解析対象とするデータ
2019/6/30 (Sun) 15
論文 『サラー効果』 の紹介
サラー加入前後の全期間のデータを学習 = 行列補完
e.g. ) Hate Crimes
(a)データ構造 (b)実データ
サラーのリバプール加入
「行列補完によるパネルデータ因果効果推定」
 パネルデータ = 時系列データ + クロスセクショナルデータ
 時点での変動についても分析可能
 行・列方向に回帰モデルを推定することで行列補完
 行列ノルムを最小化する特異値分解により、因果効果を推定
 Rにパッケージがある(MCPanel)
2019/6/30 (Sun) 16
論文 『サラー効果』 の紹介
サラー加入前後の全期間のデータを学習 = 行列補完
https://www.slideshare.net/YusukeKaneko6/tokyo-r-421参考URL :
2019/6/30 (Sun) 17
論文 『サラー効果』 の紹介
実データと推定結果の差分 = サラー効果
Hate Crimes → 発生件数が18.9%減少
(a) 実データ, 推定結果 (b) 実データ – 推定結果
2019/6/30 (Sun) 18
論文 『サラー効果』 の紹介
実データと推定結果の差分 = サラー効果
Anti-Muslim Tweets → ツイート件数が52.3%減少
(a) 実データ, 推定結果 (b) 実データ – 推定結果
1. ちょっとした自己紹介
2. スポーツの価値って?
3. 論文 『サラー効果』 の紹介
4. きょうのLTで伝えたかったこと
2019/6/30 (Sun) 19
Outline
2019/6/30 (Sun) 20
きょうのLTで伝えたかったこと
 因果推論っていうフレームワーク、超大事
 もっと勉強して自分で使えるようになりたい
 例えば、ペップ・グアルディオラ効果!
 スポーツの価値をデータから導くことの価値
Please Follow me !! → @saeeeeru
2019/6/30 (Sun) 21
EOF

サラーがリバプールにくれたもの

Editor's Notes

  • #3 それがリバプールというクラブです。 そして、この1戦はアンフィールドの奇跡と言われています。 そんな奇跡を起こしたクラブに本当にあった いいおはなしを今日のLTではしたいと思います。
  • #6 あれから約2ヶ月。晴れてデータサイエンティストとしてお仕事できています!
  • #7 * つぎに、スポーツの価値ってそもそもなんだろう?と自分なりに解釈したところ
  • #8 この4つが浮かび上がってきました。 競技力の向上によるお金の部分、 健康体力の保持・増進などの健康や福祉、 スポーツを通した人格形成や目標達成などの教しm育、 そして地域の活性化や相互理解の地域・社会の4つが スポーツの価値ではないかと考えました。 いままでのデータ分析は、競技力向上を目指したものが多数あったと思いますが 今回焦点を当てていくのは
  • #9 ここから本題です。
  • #10 スタンフォードの政治学の方々がだされた「」という論文で、 その出会いは、このspoanaというイベントと同じく
  • #11 ここで、因果推論のフレームワークを適用しています。
  • #12 冒頭にもお話ししたリバプールの紹介です。 …マネ・リバプール・サラーの3トップを構えて、 今シーズンのCL王者に輝きました。 このリバプールというクラブでは ばりばりの研究者がデータサイエンティストとして働いており、 おもに選手の獲得においてデータを積極活用しているという 記事がThe NewYork Timesにありましたので、興味がある方はぜひ。
  • #13 このクラブに影響を与えたサラーは エジプト人ストライカーで、ゴール後には Sujoodというパフォーマンスでゴールを祝します。 これは… また、彼のエジプト国内での人気はすごく、 大統領選に立候補していないにも関わらず、 全投票の5%にあたる100万票が彼に投じられたらしいです。 ここまでリバプールというクラブとサラーという選手について すこしお話ししましたので、次はイギリス社会の現状について紹介します。
  • #14 横軸が時間、縦軸は「イスラムとイギリス社会の価値観との間には根本的な壁があると答えた人の割合」で 減少傾向にはあるものの、半数以上のイギリス人がイスラム教に対して肯定的ではないという現状です。 この現状に対して、 サラーという選手が加入したことによる因果効果を 論文では検証しています。 2014年全国統計局の労働力調査によると、白人の非イスラム教徒と比較して、イスラム教徒の男性の雇用率は最大76% 2013年の調査によると、イギリスのパキスタン人の4分の1以上が住宅市場で差別されていると感じている 2012年、イギリスやウェールズでは人種や民族による犯罪が82%を占めている ある調査によると、イスラム教徒に対する犯罪の割合は2015年から2017年に92%増加
  • #15 解析対象としたデータはこの2つです。 ・イギリス国内のフォロワー数上位20アカウントのうち、3つがプレミアリーグのクラブの公式アカウント ・ユナイテッド、アーセナル、チェルシー、リバプール、シティ
  • #16 次に手法の説明です。 左にデータの概要、右に実データを示しており 例えばヘイトクライムの発生件数を各地域でデータを収集しています。 リバプールがあるマージサイドという地域を示した赤の線は サラーの加入前に比べて若干減少していそうです。 これが本当に彼の加入効果であるのか考えていきます。 この論文では行列補完を使って、 処置後(サラー加入後)のデータの因果推論を行います。
  • #17 手法としてはパネルデータの因果効果を推定する行列補完という手法を使っています。 いろいろ書いていますが、完全に理解しているとは言い難いので、詳しい人がいたら突っ込んでください! 行方向 = 時間関係、列方向 =
  • #18 ここから実験の結果に移っていきます。 左図は実データを黒で、推定結果を青で示した図になっており、 右が実データと推定結果の差分で、 加入前のデータで推定した値に対して、実際はどれほど減っていたのかを示しています。 加入前の平均と比較して、18.9%の減少。 また、実データと推定データの差分は他の地域と比べて、最もネガティブな値を示しています。 したがって、 サラーの加入はリバプールのHate Crimeの発生件数の減少に効果をもたらしたと言えます。 今回紹介した実験結果からは、このサラーの加入効果を断定するのは難しいですが 他の犯罪の発生件数の分析や、ロバスト性の検証のための各種検定もappendixで行なっていたので 興味のある方はぜひ。
  • #19 次はTwitterの半ムスリム的なツイート数の実験結果です。 加入前の平均と比較して、52.3%の減少を示しており また、加入後の実データと推定データの差分は他クラブと比べて、最もネガティブな値になっています。 (1ヶ月を除いて) (差分の差分析もやっていたらしい) したがって、 サラーの加入はリバプールファンの半ムスリム的なツイートの減少に効果をもたらしたいえます。