Dokai Shinbun
- 3. 「臭い・汚い・暗い」の3Kと揶揄される
学校のトイレについて文部科学省が先進的
なトイレ改善を実施した学校の事例につい
て、初めて調査を行ったことが5日、分
かった。和式が主流の学校トイレの洋式化
を求める声は多く、今回の調査を機に全国
の学校トイレの改善が加速する可能性が出
てきた。
全国の公立学校では約70%が建築後25
年以上経過しており、トイレも和式が主流
を占めている。家庭や公共施設で洋式が普
及し、和式に不慣れな子供が学校でトイレ
をがまんすることが多いとの指摘があっ
た。
- 4. 文科省では、先進的なトイレ改善事業を行って
いる東京都世田谷区と葛飾区、川崎市の学校の
取り組みを調査。トイレを改修する基本計画の
策定やデザインの検討、児童が参加したワーク
ショップの例など整備事例を集めた。
震災後、文科省に設置された有識者による学校
施設整備に関する検討会も7月に、「災害時に
は高齢者や障害者など要援護者が使用すること
を想定したトイレについては、洋式が望まし
い」とし、更衣室やおむつ替えもできる多機能
トイレの設置を求めている。
- 5. 文科省は、調査した事例集を全国の小中学校に
配布。「きれいになったトイレに対する驚きや
喜びを生かし、学校施設を大切に使うという相
乗効果を期待したい」としている。
改修後回し、課題は財政難
文部科学省が初めて行ったトイレ先進化の調
査。だが、財政難などを理由に長年「後回し」
にされてきたことで、学校トイレだけが社会か
ら取り残されている現状が浮かぶ。
- 6. 「学校のトイレ研究会」(東京都世田谷区)が
平成21年に全国の小中学校などを対象に実施
したアンケートによると、トイレの和洋比率 に
ついて「全部和式」と「和式が多い」と回答し
たのは84%に上った。
大手衛生陶器メーカー「TOTO」によると、
便器の出荷ベースでは昭和52年に洋式が和式
を逆転。
現在は九十数%が洋式となっており、学校だけ
が洋式化が進んでいないことがうかがえる。