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龍の話


  史料
こ
っ
ち
の
紙
が
一
枚
な
く
な
っ
た
。
「うろこ」
かな。
「ひれ」か
な。
自分のシッポをくわえてる。そこに剣がささってる。
これが「ひたち」(茨城
    県)
鹿島神社の「かなめ石」




              これが鹿島神社
              の神様。
              この魚は何だ?
              ナマズ。地震を
              起こす。だから、
              神様が、ナマズ
              の頭を剣でおさ
              えている。
「地
            震」!


図   之   震   地   国   本   日




                    それじゃー、龍
                    も同じ。龍も地
                    震を起こす。
                    むかしの人はな
                    んでそんなこと
                    を考えたんだろ
                    う。
自己紹介。えらいお坊さんが書い
    てくれた色紙「龍」をみせてあげ

              る。
    歴史学ーー長い時間のことを考える学問
   歴史は勝手に考えてはいけません。小説ではありませ
    ん。史料=歴史を考えるための証拠=で考える社会科
    学。
   仕事。800年ーー1500年の700年間の研究
     800年ーー今から1212年前。
     1200÷60=20人
   毎日の生活からみると別の長すぎる時間。だけど、そ
    んなに無限(∞ )の時間ではない。
   私たちが責任をもたなければならない時間。
   世界と地球と動物・植物のために。
   長い時間と広い世界について考えられるのは人間だけ。
2011年12月、三浦市海岸




   『一遍聖絵』(13世紀
 雨がふると、「蛇」が動き出す。たくさ
  んあつまって「交尾」することもある。
 洪水がでると山からへ川へ流れ出す。

 「蛇」をつかまえてシッポをつかんでふ
  りまわす。
 「蛇」は水の神。蛇の大きなの=「龍」
  も水の神の親分。
『華厳宗祖師絵伝』(13世紀初め)
これは人間が作った
雷。
雲の上のほうに+の
電気があつまり、下
のほうに-の電気が
あつまる。
すると地面に+の電
気がたまってくる。

上から-の電気が、
細い木のえだのよう
におりてくる。
それをめがけて、地
面から太い放電(ほ
うでん)がおきる。
蛇はこわい。雷はこわい。この形から龍が空で力をもっている
動物と考えたらしい。


             稲妻ピカッと光る。
              (光の神)


             (大地の神・地震の
                神)

             (水と海の神)
   霧島新燃岳の噴火。大地からマグマが吹
    き出す。          噴火
                  ①火山性地震
                    地鳴り、
                    ドドーン
                  ②噴火
                    ドドーン
                  ③黒雲
                    →火山雷
                    ドドーン
カミナリ(雷)     人々が本心から龍がい
                   ると思っていたかはわ
                   からない。だけどこわ
                   いもの強いものを考え
                   た。

   火              震動
          龍
火山噴火               地震

        地底の穴=龍穴
龍が動いた時代。
   大地動乱の時代。
   664年、韓半島地震。
   679年、筑紫地震
   684年、南海トラフ地震
   734年、河内大和地震
   800年、富士大噴火
   818年、関東地震
   838年、伊豆神津島大噴火
   864年、富士大噴火(富士五湖ができる)
   869年、東北沖大津波(去年の大津波は、この繰り返しだった)
   879年、関東大地震
   887年、南海大地震
   915年、十和田大噴火(記録のあるうちでは日本最大)
   945年、朝鮮白頭山大噴火(記録のあるうちでは世界最大)


    今は、この時代に、にてるらしい。
   わあ、たいへんだ。
   みんなはよく知らなかった。大人は忘れてた。
   むかしの人はよく知っていた。日本列島は地震と火山の国。むかし
    の人はえらい。「大噴火・大地震の時代」を乗り越えた。この時代
    の頃から水田がふえ、関東にも人が多くなった。分かることは自分
    で考えて、この日本列島にすみついてきた。




    日本列島は、世界で、いちばん、地震と火山の
    多いところだったんだ。だから山や川がきれい
    なんだよ。そして(噴火のない時は)生き物が
    すみやすいところなんだよ。
 むかしの人がまもり、そして長い時間を
  かけて作ってきた、この列島の社会と自
  然を守ろう。
 そしてアジアの人に、世界の人に地震と
  火山のことを教えてあげて、安全で平和
  な世界になるようにがんばれる大人にな
  ろう。
 だから、自分で考えられる「じょうぶな
  頭」をめざして、ゆっくりと勉強しよう。
 君たちはまだ無理してがんばらなくてい
  いんだよ。まず「かしこい身体」をつ
  くって、毎日、早寝早起き。たのしく規
  則ただしい生活の習慣をもつのが第一。
「大きな蛇」=「龍」を退治する絵(石にほってある)
自分のシッポをくわえてる、のも多いよ。
           日本も同じのがある。これはずっとつな
           がっているから、「かぎりがない。「無
           限」のマーク。


           ∞
           なぜ同じことを考えたのか。

ロンドン(イギリ
ス)

   イラン

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