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フルダミニストリヌ 平成幎 月 月報
www.huldahministry.com 1
第号 平成幎月日
∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜
ひずりの神の人が、䞻の呜什によっお、ナダからベテルにやっお来た。ちょうどそのずき、ダロブアムは銙をた
くために祭壇のそばに立っおいた。
するず、
この人は、
䞻の呜什によっお祭壇に向かい、
これに呌ばわっお蚀った。
「祭
壇よ。祭壇よ。䞻はこう仰せられる。
『芋よ。ひずりの男の子がダビデの家に生たれる。その名はペシダ。圌は、おた
えの䞊で銙をたく高き所の祭叞たちをいけにえずしおおたえの䞊にささげ、
人の骚がおたえの䞊で焌かれる。
』
」
その日、
圌は次のように蚀っお䞀぀のしるしを䞎えた。
「これが、䞻の告げられたしるしである。芋よ。祭壇は裂け、その䞊の
灰はこがれ出る。
」ダロブアム王は、ベテルの祭壇に向かっお叫んでいる神の人のこずばを聞いたずき、祭壇から手を
䌞ばしお、
「圌を捕らえよ」ず蚀った。するず、圌に向けお䌞ばした手はしなび、戻すこずができなくなった。神の人
が䞻のこずばによっお䞎えたしるしのずおり、祭壇は裂け、灰は祭壇からこがれ出た。 列王蚘第䞀 1315
なお圌は、ベテルにある祭壇ず、むスラ゚ルに眪を犯させたネバテの子ダロブアムの造った高き所、すなわち、そ
の祭壇も高き所もこわした。高き所を焌き、粉々に砕いお灰にし、アシェラ像を焌いた。ペシダが向き盎るず、山の䞭
に墓があるのが芋えた。そこで圌は人をやっおその墓から骚を取り出し、それを祭壇の䞊で焌き、祭壇を汚れたものず
した。か぀お、神の人がこのこずを預蚀しお呌ばわった䞻のこずばのずおりであった。 列王蚘第二 231516
゜ロモンの死埌、ダビデ王囜はダロブアムを王ずする北朝むスラ゚ルず゜ロモンの子レハブアムを王ずする
南朝ナダに分裂したした。モヌセの掟に埓っお、䞻の䟋祭のため幎䞉回、゚ルサレムに巡瀌に出かけるこずによ
っお、北むスラ゚ルの民が統䞀ダビデ王囜に舞い戻るこずを恐れたダロブアム䞀䞖は、むスラ゚ルの地の「ベテ
ル」ず「ダン」に新たに祭壇を築き、金の子牛を眮き、北むスラ゚ルの党郚族に巡瀌を矩務づけ、これらの地を
゚ルサレムでの瀌拝に䌌せたカルト厇拝地ずしたした。神はナダから無名の「神の人」をこのカルト厇拝地の䞀
぀ベテルに送り、背信の王ずむスラ゚ルの民に厳しい非難ず裁きの宣告を告げるようにず呜じられたした。
祭叞の職暩を䟵害し、銙をたくために祭壇のそばに立っおいたダロブアム䞀䞖に「神の人」は、䌌非宗教の
本山ずしお民を背信に導くベテルの高き所が、祭壇や停祭叞たちもろずも滅びる日が来るこずを預蚀したした。
「神の人」の預蚀は遠未来預蚀で、埌䞖、南朝ナダのダビデ王家に生たれる「ペシダ」ずいう名の王が、偶像厇
拝、異端信仰、異端的慣習に汚染された党むスラ゚ルの地から背信を䞀掃する宗教改革を起こすこずをも告げた
ものでした。䞉癟幎埌にこの無名の「神の人」の預蚀はすべお成就したした。
「䞻の宮゚ルサレム第䞀神殿
」の砎損箇所の修理䞭に倧祭叞が芋぀けた「埋法の曞」が王の前で読み䞊
げられたずき、ペシダ王は先祖たちの犯しおきた恐ろしい背信に気づかされ、即座に衣を裂くや、
「行っお、こ
の芋぀かった曞物のこずばに぀いお、私のため、民のため、ナダ党䜓のために、䞻のみこころを求めなさい。私
たちの先祖が、この曞物のこずばに聞き埓わず、すべお私たちに぀いおしるされおいるずおりに行わなかったた
め、私たちに向かっお燃え䞊がった䞻の憀りは激しいから」
列王蚘第二 2213ず、党むスラ゚ルが神に立ち
返るこずを呜じたした。
埡蚀葉によっお内なる霊が芚醒させられた王の呜什は、
党゚ルサレムに䌝えられ、
圓時、
神の蚀葉を取り告ぐこずで信任の厚かった女預蚀者フルダの認蚌を経お、たずナダの地で、民の契玄曎新が実斜
されたした。
「王は柱のわきに立ち、䞻の前に契玄を結び、䞻に埓っお歩み、心を尜くし、粟神を尜くしお、䞻
の呜什ず、あかしず、おきおを守り、この曞物にしるされおいるこの契玄のこずばを実行するこずを誓った。民
もみな、
この契玄に加わった」
列王蚘第二23

3
のでした。
ペシダ王の改革はナダからむスラ゚ルの地に及び、
冒頭に匕甚したように、ベテルの祭壇も偶像アシェラも砎壊されたのです。
ベテルで改革を陣頭指揮しおいたペシダ王は近くの山の䞭に墓があるのを知るず、背信のカルト厇拝地を汚
すため、墓から骚を取り出させ、背信行為が積たれおきた祭壇の䞊で焌いた埌、すべおを跡圢もなく粉砕したの
でした。おそらくこのずき祭壇の䞊で焌かれた骚は、ダロブアム䞀䞖が祭叞ずしお採甚したレビ族ではない他郚
族出身の者たちの骚で、祭壇ぞの敬意からその近くに埋葬されおいたものでしたが、図らずも「神の人」の預蚀
「おたえの䞊で銙をたく高き所の祭叞たちをいけにえずしおおたえの䞊にささげ、人の骚がおたえの䞊で焌かれ
る」はペシダ王によっお成就したのです。このずき王は近くの石碑にも目を留めたのですが、町の人々が、カル
ト厇拝地に察する神の裁きを告げたその「神の人の墓」であるこずを告げたこずにより、䞉癟幎も前に自分のこ
ずを正確に預蚀したその人に敬意を衚した王は、その預蚀者の骚には觊れなかったのでした。さらにペシダ王は
サマリダでも「高き所の祭叞たちをみな、祭壇の䞊でほふり、その祭壇の䞊で人間の骚を焌く
」
列王蚘第二
2320ずいう荒療治をしお党地を聖めたのです。
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ダロブアム䞀䞖に神が無名の「神の人」を通しお語った預蚀はこのように遠未来預蚀で、その信憑性を刀断
するこずは圓時はできなかったわけですが、しかし、神はその預蚀が神からのものである蚌拠ずしお、
「しるし」
を䞎えられたした。王の目の前で起こった「祭壇は裂け、灰は祭壇からこがれ出る
」ずいう出来事がそれで
した。その埌、この預蚀者の話は、同じ神の預蚀者でありながら、この若い「神の人」に嫉劬した幎寄りの預蚀
者がその「神の人」に眠をかけ、神の埡旚から匕き離させるずいう起こっおはならない非劇で閉じられるこずに
なりたす。しかし皮肉なこずに、神の埡旚を離れた「神の人」に起こった恐ろしい裁きを目の圓たりにした、眠
をし掛けた圓の本人、幎寄りの預蚀者は、その「神の人」の語ったこずがすべお神からの預蚀であるずいう確信
に導かれ、無名の神の人のこの預蚀は確実に成就するこずずしお、埌䞖たで䌝えられるこずになったのでした。
この「神の人」の時代から癟五十幎を経たダロブアム二䞖の時代、ただペシダ王が生たれる前、神は再びナ
ダから別の神の人を北むスラ゚ルに送られ、重倧なメッセヌゞを告げられたした。その名は「アモス」
、ナダの
地テコアで、
いちじく桑の朚を栜培するかたわら家畜を攟牧させおいた牧者でしたが、
䞻の召名に䞎り、
宗教的、
政治的、経枈的、道埳的、瀟䌚的に退廃しおいた北むスラ゚ルに遣わされたのでした。ある日、祭壇のかたわら
に䞻が立っおおられるのを芋たアモスに、䞻は「柱頭を打っお、敷居が震えるようにせよ。そのすべおを頭䞊で
打ち砕け。わたしは圌らの残った者を、剣で殺す。圌らのうち、ひずりも逃げる者はなく、のがれる者もない。
圌らが、よみに入り蟌んでも、わたしの手はそこから圌らを匕き出し、圌らが倩に䞊っおも、わたしはそこから
圌らを匕き降ろす  わたしは蛇に呜じお、そこで圌らをかたせる  」
アモス曞 914ず語られたした。
背信で始たり、背信から神に立ち返るこずのなかった北むスラ゚ルに究極的な滅びが蚪れるこずの宣蚀でした。
ずきは、倏の果物の熟した刈り入れ時「第八の月の十五日」
。ナダの「䞻の䟋祭」に䌌せお、ダロブアム䞀
䞖が勝手に定めたこの「仮庵の祭り」では、北むスラ゚ルの王自ら祭壇に立っおいけにえをささげるのが習慣に
なっおいたしたが、この日、アモスは、王ではなく、真の䞻暩者なる神ご自身が祭壇に立っおおられるのを芋た
す。神は、ベテルはじめ、ダンから、ギルガル、べ゚ル・シェバに至るたで領土の至る所に背信のカルト厇拝地
の築かれた北むスラ゚ルを絶滅させるこずをアモスに告げられたのでした。停物があばかれ、真の神によっお打
ち砕かれ、取り陀かれる日、逃れるこずのできる者はだれもいないのです。自然の避難所も、超自然的な避難所
も、死人が行くずころの䞋界「シェオル」も、倩も、停りの神々に䌺いを立おるカルメルの「高き所」も、ティ
アマトやレビダタンなど海獣の䜏み家「海の底」もどこも逃れ堎にはならず、助ける者も䞀人ずしおいないので
す。裁きの日、すべおを支配しおおられる神の埡手からだれも逃れるこずはできないのです。
停造、暡造の人生は、人生の動機が自分自身に向けられおいるこずを物語っおいたす。そこから解攟される
には、悔い改めお、真の神の祭壇に来る以倖に道はありたせん。モヌセが「たこずに、私が、今日、あなたに呜
じるこの呜什は、あなたにずっおむずかしすぎるものではなく、遠くかけ離れたものでもない。これは倩にある
のではないから  たた、これは海のかなたにあるのではないから  たこずに、みこずばは、あなたのごく身
近にあり、あなたの口にあり、あなたの心にあっお、あなたはこれをおこなうこずができる」
申呜蚘 3011
14ず教えたように、人は、心を真の神に向けるずき初めお、救いがすでに手の届くずころ、そこにあるこずを
知るこずになりたす。北むスラ゚ルに遣わされたアモスは、民の立ち返りを求め、倩灜、人灜を通しお忍耐匷く
譊告を発しお来られた神が、悔い改めようずしない背信の民を぀いに異邊人の手に枡すずきが切迫したのを知り
たす。しかし、゜ロモン王以降王囜が分裂し、ダロブアム䞀䞖がモヌセの掟を無芖し、神に反逆する宗教組織を
制定した盎埌、芋切りを぀けた北むスラ゚ルの人々はナダ王囜に逃れ、このずき、ダロブアムの䜓制䞋で祭叞職
を剥奪されたレビ人党員も「自分たちの攟牧地ず所有地を捚おお、ナダず゚ルサレム」
歎代誌第二111314
に移り、
このようにしお、
分裂王囜の黎明
れいめい
期にすでにむスラ゚ルの党郚族の䞭から神に献身した者たちはすべお、
ナダ王囜の傘䞋に入っおいたした

『䞀人で孊べるむザダ曞』
補泚
「むスラ゚ルの倱われた十郚族の神話」
参照
。
したがっお、ここで神が宣蚀されたのは、神の民の䞭の背信分子の取り陀きでした。アモス曞の先行する䞃
章でアモスの執り成しを聞き入れ、民を滅がさないず蚀われた䞻が、八九章で、もう芋逃すこずのできない眪
のゆえに絶滅を宣蚀されたこずに察し、
アモスは、
出゚ゞプトの出来事を通しおむスラ゚ルを莖われた同じ神が、
どうしお契玄の民むスラ゚ルを滅がすこずができるだろうかず、理解に苊しんだに違いありたせん。アモスの時
代より癟五十幎前、あの無名の「神の人」が預蚀したカルト厇拝地の滅亡は、アモスがこの神の宣告を受けたほ
が四十幎埌に、アッシリダ軍による北むスラ゚ル王囜の滅亡ずいう悲劇で珟実のこずずなったのでした。しかし
明らかなように、北むスラ゚ル郚族の䞭の神に埓順な「その心をささげおむスラ゚ルの神、䞻を尋ね求める者た
ち」
歎代誌第二 1116はすでに南ナダに移っおいたので、この裁きを免れるこずができたのです。神は最埌
に、
「ふるい」のビゞョンを通しおアモスに「芋よ。わたしは呜じお、ふるいにかけるように、すべおの囜々の
間でむスラ゚ルの家をふるい、䞀぀の石ころも地に萜ずさない。わたしの民の䞭の眪人はみな、剣で死ぬ」
ア
モス曞 9810、䞋線付加ず、民の䞭の背信の者だけが取り陀かれるこずを明確にされたのでした。

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  • 1. フルダミニストリヌ 平成幎 月 月報 www.huldahministry.com 1 第号 平成幎月日 ∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜∜ ひずりの神の人が、䞻の呜什によっお、ナダからベテルにやっお来た。ちょうどそのずき、ダロブアムは銙をた くために祭壇のそばに立っおいた。 するず、 この人は、 䞻の呜什によっお祭壇に向かい、 これに呌ばわっお蚀った。 「祭 壇よ。祭壇よ。䞻はこう仰せられる。 『芋よ。ひずりの男の子がダビデの家に生たれる。その名はペシダ。圌は、おた えの䞊で銙をたく高き所の祭叞たちをいけにえずしおおたえの䞊にささげ、 人の骚がおたえの䞊で焌かれる。 』 」 その日、 圌は次のように蚀っお䞀぀のしるしを䞎えた。 「これが、䞻の告げられたしるしである。芋よ。祭壇は裂け、その䞊の 灰はこがれ出る。 」ダロブアム王は、ベテルの祭壇に向かっお叫んでいる神の人のこずばを聞いたずき、祭壇から手を 䌞ばしお、 「圌を捕らえよ」ず蚀った。するず、圌に向けお䌞ばした手はしなび、戻すこずができなくなった。神の人 が䞻のこずばによっお䞎えたしるしのずおり、祭壇は裂け、灰は祭壇からこがれ出た。 列王蚘第䞀 1315 なお圌は、ベテルにある祭壇ず、むスラ゚ルに眪を犯させたネバテの子ダロブアムの造った高き所、すなわち、そ の祭壇も高き所もこわした。高き所を焌き、粉々に砕いお灰にし、アシェラ像を焌いた。ペシダが向き盎るず、山の䞭 に墓があるのが芋えた。そこで圌は人をやっおその墓から骚を取り出し、それを祭壇の䞊で焌き、祭壇を汚れたものず した。か぀お、神の人がこのこずを預蚀しお呌ばわった䞻のこずばのずおりであった。 列王蚘第二 231516 ゜ロモンの死埌、ダビデ王囜はダロブアムを王ずする北朝むスラ゚ルず゜ロモンの子レハブアムを王ずする 南朝ナダに分裂したした。モヌセの掟に埓っお、䞻の䟋祭のため幎䞉回、゚ルサレムに巡瀌に出かけるこずによ っお、北むスラ゚ルの民が統䞀ダビデ王囜に舞い戻るこずを恐れたダロブアム䞀䞖は、むスラ゚ルの地の「ベテ ル」ず「ダン」に新たに祭壇を築き、金の子牛を眮き、北むスラ゚ルの党郚族に巡瀌を矩務づけ、これらの地を ゚ルサレムでの瀌拝に䌌せたカルト厇拝地ずしたした。神はナダから無名の「神の人」をこのカルト厇拝地の䞀 ぀ベテルに送り、背信の王ずむスラ゚ルの民に厳しい非難ず裁きの宣告を告げるようにず呜じられたした。 祭叞の職暩を䟵害し、銙をたくために祭壇のそばに立っおいたダロブアム䞀䞖に「神の人」は、䌌非宗教の 本山ずしお民を背信に導くベテルの高き所が、祭壇や停祭叞たちもろずも滅びる日が来るこずを預蚀したした。 「神の人」の預蚀は遠未来預蚀で、埌䞖、南朝ナダのダビデ王家に生たれる「ペシダ」ずいう名の王が、偶像厇 拝、異端信仰、異端的慣習に汚染された党むスラ゚ルの地から背信を䞀掃する宗教改革を起こすこずをも告げた ものでした。䞉癟幎埌にこの無名の「神の人」の預蚀はすべお成就したした。 「䞻の宮゚ルサレム第䞀神殿 」の砎損箇所の修理䞭に倧祭叞が芋぀けた「埋法の曞」が王の前で読み䞊 げられたずき、ペシダ王は先祖たちの犯しおきた恐ろしい背信に気づかされ、即座に衣を裂くや、 「行っお、こ の芋぀かった曞物のこずばに぀いお、私のため、民のため、ナダ党䜓のために、䞻のみこころを求めなさい。私 たちの先祖が、この曞物のこずばに聞き埓わず、すべお私たちに぀いおしるされおいるずおりに行わなかったた め、私たちに向かっお燃え䞊がった䞻の憀りは激しいから」 列王蚘第二 2213ず、党むスラ゚ルが神に立ち 返るこずを呜じたした。 埡蚀葉によっお内なる霊が芚醒させられた王の呜什は、 党゚ルサレムに䌝えられ、 圓時、 神の蚀葉を取り告ぐこずで信任の厚かった女預蚀者フルダの認蚌を経お、たずナダの地で、民の契玄曎新が実斜 されたした。 「王は柱のわきに立ち、䞻の前に契玄を結び、䞻に埓っお歩み、心を尜くし、粟神を尜くしお、䞻 の呜什ず、あかしず、おきおを守り、この曞物にしるされおいるこの契玄のこずばを実行するこずを誓った。民 もみな、 この契玄に加わった」 列王蚘第二23  3 のでした。 ペシダ王の改革はナダからむスラ゚ルの地に及び、 冒頭に匕甚したように、ベテルの祭壇も偶像アシェラも砎壊されたのです。 ベテルで改革を陣頭指揮しおいたペシダ王は近くの山の䞭に墓があるのを知るず、背信のカルト厇拝地を汚 すため、墓から骚を取り出させ、背信行為が積たれおきた祭壇の䞊で焌いた埌、すべおを跡圢もなく粉砕したの でした。おそらくこのずき祭壇の䞊で焌かれた骚は、ダロブアム䞀䞖が祭叞ずしお採甚したレビ族ではない他郚 族出身の者たちの骚で、祭壇ぞの敬意からその近くに埋葬されおいたものでしたが、図らずも「神の人」の預蚀 「おたえの䞊で銙をたく高き所の祭叞たちをいけにえずしおおたえの䞊にささげ、人の骚がおたえの䞊で焌かれ る」はペシダ王によっお成就したのです。このずき王は近くの石碑にも目を留めたのですが、町の人々が、カル ト厇拝地に察する神の裁きを告げたその「神の人の墓」であるこずを告げたこずにより、䞉癟幎も前に自分のこ ずを正確に預蚀したその人に敬意を衚した王は、その預蚀者の骚には觊れなかったのでした。さらにペシダ王は サマリダでも「高き所の祭叞たちをみな、祭壇の䞊でほふり、その祭壇の䞊で人間の骚を焌く 」 列王蚘第二 2320ずいう荒療治をしお党地を聖めたのです。
  • 2. フルダミニストリヌ 平成幎 月 月報 www.huldahministry.com 2 ダロブアム䞀䞖に神が無名の「神の人」を通しお語った預蚀はこのように遠未来預蚀で、その信憑性を刀断 するこずは圓時はできなかったわけですが、しかし、神はその預蚀が神からのものである蚌拠ずしお、 「しるし」 を䞎えられたした。王の目の前で起こった「祭壇は裂け、灰は祭壇からこがれ出る 」ずいう出来事がそれで した。その埌、この預蚀者の話は、同じ神の預蚀者でありながら、この若い「神の人」に嫉劬した幎寄りの預蚀 者がその「神の人」に眠をかけ、神の埡旚から匕き離させるずいう起こっおはならない非劇で閉じられるこずに なりたす。しかし皮肉なこずに、神の埡旚を離れた「神の人」に起こった恐ろしい裁きを目の圓たりにした、眠 をし掛けた圓の本人、幎寄りの預蚀者は、その「神の人」の語ったこずがすべお神からの預蚀であるずいう確信 に導かれ、無名の神の人のこの預蚀は確実に成就するこずずしお、埌䞖たで䌝えられるこずになったのでした。 この「神の人」の時代から癟五十幎を経たダロブアム二䞖の時代、ただペシダ王が生たれる前、神は再びナ ダから別の神の人を北むスラ゚ルに送られ、重倧なメッセヌゞを告げられたした。その名は「アモス」 、ナダの 地テコアで、 いちじく桑の朚を栜培するかたわら家畜を攟牧させおいた牧者でしたが、 䞻の召名に䞎り、 宗教的、 政治的、経枈的、道埳的、瀟䌚的に退廃しおいた北むスラ゚ルに遣わされたのでした。ある日、祭壇のかたわら に䞻が立っおおられるのを芋たアモスに、䞻は「柱頭を打っお、敷居が震えるようにせよ。そのすべおを頭䞊で 打ち砕け。わたしは圌らの残った者を、剣で殺す。圌らのうち、ひずりも逃げる者はなく、のがれる者もない。 圌らが、よみに入り蟌んでも、わたしの手はそこから圌らを匕き出し、圌らが倩に䞊っおも、わたしはそこから 圌らを匕き降ろす  わたしは蛇に呜じお、そこで圌らをかたせる  」 アモス曞 914ず語られたした。 背信で始たり、背信から神に立ち返るこずのなかった北むスラ゚ルに究極的な滅びが蚪れるこずの宣蚀でした。 ずきは、倏の果物の熟した刈り入れ時「第八の月の十五日」 。ナダの「䞻の䟋祭」に䌌せお、ダロブアム䞀 䞖が勝手に定めたこの「仮庵の祭り」では、北むスラ゚ルの王自ら祭壇に立っおいけにえをささげるのが習慣に なっおいたしたが、この日、アモスは、王ではなく、真の䞻暩者なる神ご自身が祭壇に立っおおられるのを芋た す。神は、ベテルはじめ、ダンから、ギルガル、べ゚ル・シェバに至るたで領土の至る所に背信のカルト厇拝地 の築かれた北むスラ゚ルを絶滅させるこずをアモスに告げられたのでした。停物があばかれ、真の神によっお打 ち砕かれ、取り陀かれる日、逃れるこずのできる者はだれもいないのです。自然の避難所も、超自然的な避難所 も、死人が行くずころの䞋界「シェオル」も、倩も、停りの神々に䌺いを立おるカルメルの「高き所」も、ティ アマトやレビダタンなど海獣の䜏み家「海の底」もどこも逃れ堎にはならず、助ける者も䞀人ずしおいないので す。裁きの日、すべおを支配しおおられる神の埡手からだれも逃れるこずはできないのです。 停造、暡造の人生は、人生の動機が自分自身に向けられおいるこずを物語っおいたす。そこから解攟される には、悔い改めお、真の神の祭壇に来る以倖に道はありたせん。モヌセが「たこずに、私が、今日、あなたに呜 じるこの呜什は、あなたにずっおむずかしすぎるものではなく、遠くかけ離れたものでもない。これは倩にある のではないから  たた、これは海のかなたにあるのではないから  たこずに、みこずばは、あなたのごく身 近にあり、あなたの口にあり、あなたの心にあっお、あなたはこれをおこなうこずができる」 申呜蚘 3011 14ず教えたように、人は、心を真の神に向けるずき初めお、救いがすでに手の届くずころ、そこにあるこずを 知るこずになりたす。北むスラ゚ルに遣わされたアモスは、民の立ち返りを求め、倩灜、人灜を通しお忍耐匷く 譊告を発しお来られた神が、悔い改めようずしない背信の民を぀いに異邊人の手に枡すずきが切迫したのを知り たす。しかし、゜ロモン王以降王囜が分裂し、ダロブアム䞀䞖がモヌセの掟を無芖し、神に反逆する宗教組織を 制定した盎埌、芋切りを぀けた北むスラ゚ルの人々はナダ王囜に逃れ、このずき、ダロブアムの䜓制䞋で祭叞職 を剥奪されたレビ人党員も「自分たちの攟牧地ず所有地を捚おお、ナダず゚ルサレム」 歎代誌第二111314 に移り、 このようにしお、 分裂王囜の黎明 れいめい 期にすでにむスラ゚ルの党郚族の䞭から神に献身した者たちはすべお、 ナダ王囜の傘䞋に入っおいたした  『䞀人で孊べるむザダ曞』 補泚 「むスラ゚ルの倱われた十郚族の神話」 参照 。 したがっお、ここで神が宣蚀されたのは、神の民の䞭の背信分子の取り陀きでした。アモス曞の先行する䞃 章でアモスの執り成しを聞き入れ、民を滅がさないず蚀われた䞻が、八九章で、もう芋逃すこずのできない眪 のゆえに絶滅を宣蚀されたこずに察し、 アモスは、 出゚ゞプトの出来事を通しおむスラ゚ルを莖われた同じ神が、 どうしお契玄の民むスラ゚ルを滅がすこずができるだろうかず、理解に苊しんだに違いありたせん。アモスの時 代より癟五十幎前、あの無名の「神の人」が預蚀したカルト厇拝地の滅亡は、アモスがこの神の宣告を受けたほ が四十幎埌に、アッシリダ軍による北むスラ゚ル王囜の滅亡ずいう悲劇で珟実のこずずなったのでした。しかし 明らかなように、北むスラ゚ル郚族の䞭の神に埓順な「その心をささげおむスラ゚ルの神、䞻を尋ね求める者た ち」 歎代誌第二 1116はすでに南ナダに移っおいたので、この裁きを免れるこずができたのです。神は最埌 に、 「ふるい」のビゞョンを通しおアモスに「芋よ。わたしは呜じお、ふるいにかけるように、すべおの囜々の 間でむスラ゚ルの家をふるい、䞀぀の石ころも地に萜ずさない。わたしの民の䞭の眪人はみな、剣で死ぬ」 ア モス曞 9810、䞋線付加ず、民の䞭の背信の者だけが取り陀かれるこずを明確にされたのでした。