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1
Mtg のススメ
プログラム
1. 目標の限定-具体的な数字を設けろ-
2. 参加型の目標決定-考えるためには-
3. 明確な期限の設定-話し合いの時間と〆切-
4. Mtg の形式に問われることは?「トップダウン型とボトムアップ型」
エクストラ:フィードバック-報告とリコグニッション-
Prg1 目標の限定
目標を設定する際に必要になることは「具体性」である。目標とは,その行動に対しての道標,ゴールで
ある。これがぼんやりしていると,Mtg 自体に悪影響を与えかねない。ここでは,①Mtg の進行において,
②目標の決定の2点に絞って説明する。
① Mtg の進行
Mtg の進行において,よくある失敗は“説明”に対して「○分ほど話し合ってみましょう」といこうとで
ある。確かにこれ自体は,Mtg 参加者を少人数に分けることにより,話し合いの進行を効率的にすることが
できる。しかし,ここで問題になることが「具体性」である。ここでの”話し合い”も規模の違いで Mtg に
は変わりはない。だからこそ,具体的な目標または指針が必要になるのである。Mtg の進行上で”小規模
Mtg”を設ける場合は,「”説明のこの部分”または”問題点を数点”取り上げること」が大切なのであり,参加
者はその Mtg の目標を具体的に意識することができるのである。
② 目標の決定
目標の決定の仕方については,Prg2で扱うので,ここでは「目標設定の流れ」を示す。
「組織の目標」: 全体的な目標 Ex.「楽しく PC スキルを身につける」
↓ →受講生キャンセル率 10%未満かつ総復習の達成度合が 80%以上
「講座ごとの目標」: 各セクションの目標 Ex.「GW を必ず 1 つは設ける」<スキル達成>
↓ ↓
「スタッフの目標」: 行動に関する目標 Ex.「受講生を一人一回は誉める」<楽しさを実感>
↓ ↓
「個人の目標」: 個人的な目標 Ex.「趣味を 1 つ G+に定期的に流す」<興味を向ける>
⇒目標は,このように全体的な目標から個人単位の目標まで一連の流れとして存在できることが望まし
いが,少なくとも「全体の目標」と「各セクションの目標」の流れは,セットで設定しておくべきである。
2
Prg2 参加型の目標決定
参加型において念頭においておくべきことは,自分がどんな立場でありたいかである。この立場には,
様々あると思うが,今回は D.マクレガーの「XY 理論」を取り出すことにする。
① X 理論とは,否定的な観点で,ざっくり説明すると「できれば何もしたくない人」である。
② Y 理論とは,肯定的な観点で,誰もが「意思,責任を持ち,積極的にする人」である。
この極端な両者に自分を当てはめたときに,自分はどちら側の立場であるかを認識しておくべきである。
自分の立場を認めることによって,反対の立場に立つ人に対して合わせるというある種平和主義的な立場
から脱却できるはずである。目標に具体性が求められるように,決める人の立場も明確であるべきである。
複数人で目標を立てる際には,その Mtg の傾向に左右されるべきではない。偏ったものや具体性を欠い
た目標を決めることは,その目標を達成するための過程にも悪影響である。目標決定において,X 型であれ
ば,ある程度「達成しやすい目標」を立てる傾向が考えられ,Y 型は,「新しい目標」を立てるかもしれない。
ここでポイントになるのは,これらの両者の目標においては,それぞれ「どの段階の目標(Prg1 の流れ図を
参照)」を考えているのかを判断することが必要である。また,参加型 Mtg を行う際の条件は, 下の表に
あるような項目を考える必要もある。
●参加型の前提条件
<参加者の能力> <開催時期> <参加型のメリット/デメリット>
・内容全体を理解していること
・コミュニケーション能力
・技術的な知識
・時間に余裕がある
・組織自体に問題がある
(メ)全体的な意思統一ができる
(デ)緊急時には不向き
これらの中でも必ず満たしておくべき条件は,「参加者の全体理解」と「時間的余裕」である。参加者
が内容について理解度が低い場合は,その前後に存在する内容を把握して現状に十分には対応できない。
また少ない時間では,十分に話し合いを行うことができないことがある。Prg3では,これらの参加型に対
しての改善策を説明していく。
Prg3 明確な期限
Mtg には,多かれ少なかれ「時間」が設定されている。また,次への「課題」も見つかるだろう。この時
間と課題に対しての”明確さ”を Mtg において設定しておくことが重要である。”明確さ”の設定とは, 一
体何をすべきなのか。よく何かに対して話し合いを行う際には、必ず雑談をする。この雑談は,和やかな
Mtg を行うために非常に有効である。しかし,むやみに雑談をされては,本来話し合うべき内容から飛躍し
てしまう。しかし、これに関しての解決策は,一度でも Mtg を行ったことがあるひとであれば,すぐにで
も改善できる。では何を”明確さ”に対して設定すべきなのかというと「〆切」である。ここでの〆切とは,
“時間的意味”だけではなく,“締め切る内容”を含ませることである。時間を区切ることは,当たり前である
が,内容を区切ることもまた必要になる。これは,Prg2でも述べた参加型を効率よく行うためにも必要に
なる。参加型でネックになったものが「全体理解」である。
3
●「締め切る内容」とは
Mtg には, 題材として,プレゼンされたものへの意見を述べる場合.それぞれそのときに決めることが
望ましいものが扱われる場合など,扱う項目が決まっている。しかし,それだけで判断することは難しく,
なにかしらの資料・経験などから評価する。その資料や経験が,あることが望ましいが,初めての人にとっ
ては,判断材料がそこまで整っていないことが考えられる。そのための「締め切る内容」である。締め切
る内容を設定することによって,そのための判断材料を整理できる。判断材料は多いほど良いとも思える
が,逆に多すぎて,悩んでしまう可能性もある。
⇒Mtg には,時間だけではなく,その内容に対しても具体的でシンプルな期限を設定することが,効率的な
面において必要である。また,前後の背景も踏まえて明確であればより望ましい Mtg ができるだろう。
Prg4 「Mtg 形式を考えてみよう」
ここまでを一言でまとめると「具体的にかつシンプルに」である。そこでこのテーマに基づいて 2 つ
の型に当てはめて Mtg 形式について考えてみる。
① トップダウン型-定型的な指示の意味-
多くの Mtg が進行役によるトップダウンになっているのではないだろうか。確かに,トップダウン型は,
進行が明確で捗る。しかし,一歩間違えるとその進行役なくして Mtg が進まなくなる。そのためには,ト
ップダウン的な直接的指示を定型的にできれば,進行役がいない場合でも,普段通りではないにしろ,ある
程度考える指針をハッキリさせることができる。指示を定型的にすることによって,考える基準を身に着
けることができる。いつも違う命令形式では,された側は戸惑ってしまうことは想像しやすい。
トップダウンにも,指示の方法ひとつで,先に挙げた問題を改善することができる。もちろん,これ以外
にもよくあるモチベーションを踏まえる必要もあるだろうが,これに関しては,Prg2であげた XY 理論を
活かすアイデアをかんがえることもできるだろう。が、ここではあえて触れないことにする。
② ボトムアップ型-「ダラダラ Mtg」の良い効果-
ボトムアップとは,上からの命令ではなく,下から提案し,彼らの行動を促進するものである。これが本
来のイメージであると思うが,今回紹介するのは「提案」に焦点を据えた Mtg「ダラダラ Mtg」である。
まず,前提として時間をある程度必要とすること(目安としては1セクション 1 時間程度)。そして,ひた
すらに話し合うことだけである。結論は出るわけが無いので,これは「観察」に使われるべきである。参
加しているものがどのような考えを持ち,どう行動しているのかを観察し,適材適所を見極めるために使
うことをオススメする。ダラダラやるので,普段発言が少ない人でも普段よりは活動できる。また,普段か
ら発言している人でもその役回りを観察することもできる。そして,発言やまとめ,進行など普段意識する
ことの少ない部分に慣れることによって,ボトムアップできるようになる。
いわばボトムアップ型へ変更するときの練習に使うことで,良い効果を生むと考えられる。
4
Prg-Extra フィードバック ~報告とリコグニッション「認知力」~
Mtg には,フィードバックつまり循環作用が求められる。これまでに述べてきたことは,あくまで理論で
しかない。そこに実践というサンプルを採取することによって改善されるべきである。そして,その改善
には「報告」が必須である。修正点や変更点など共有することが「次のため」引いてはスタッフの「モチ
ベーション」にもつながる。また,フィードバックするためには,関わることである。そのための行動例と
して”リコグニッション”を挙げておく。
リコグニッションとは、「認知力」である。この認知には,主に顧客に対して行うことである。そして,
その認知のために必要な要素が「みる」ということである。「見る」「視る」「観る」の 3 段階を認知には
必要になる。最初の「見る」とは,ぼんやりと周りを見回すことである。次の「視る」とは、そのぼんや
りと見渡した中で焦点を当てて視ることである。最後の「観る」とは、文字通り観察することである。
この 3 段階の「みる」をしっかり意識することができれば,次の行動につながる。逆に「認知」される
かもしれませんよ。Mtg においても,主観でも良いまずは周りを見ることから始めて,さらには関心を持ち
ましょう。
以上

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  • 1. 1 Mtg のススメ プログラム 1. 目標の限定-具体的な数字を設けろ- 2. 参加型の目標決定-考えるためには- 3. 明確な期限の設定-話し合いの時間と〆切- 4. Mtg の形式に問われることは?「トップダウン型とボトムアップ型」 エクストラ:フィードバック-報告とリコグニッション- Prg1 目標の限定 目標を設定する際に必要になることは「具体性」である。目標とは,その行動に対しての道標,ゴールで ある。これがぼんやりしていると,Mtg 自体に悪影響を与えかねない。ここでは,①Mtg の進行において, ②目標の決定の2点に絞って説明する。 ① Mtg の進行 Mtg の進行において,よくある失敗は“説明”に対して「○分ほど話し合ってみましょう」といこうとで ある。確かにこれ自体は,Mtg 参加者を少人数に分けることにより,話し合いの進行を効率的にすることが できる。しかし,ここで問題になることが「具体性」である。ここでの”話し合い”も規模の違いで Mtg に は変わりはない。だからこそ,具体的な目標または指針が必要になるのである。Mtg の進行上で”小規模 Mtg”を設ける場合は,「”説明のこの部分”または”問題点を数点”取り上げること」が大切なのであり,参加 者はその Mtg の目標を具体的に意識することができるのである。 ② 目標の決定 目標の決定の仕方については,Prg2で扱うので,ここでは「目標設定の流れ」を示す。 「組織の目標」: 全体的な目標 Ex.「楽しく PC スキルを身につける」 ↓ →受講生キャンセル率 10%未満かつ総復習の達成度合が 80%以上 「講座ごとの目標」: 各セクションの目標 Ex.「GW を必ず 1 つは設ける」<スキル達成> ↓ ↓ 「スタッフの目標」: 行動に関する目標 Ex.「受講生を一人一回は誉める」<楽しさを実感> ↓ ↓ 「個人の目標」: 個人的な目標 Ex.「趣味を 1 つ G+に定期的に流す」<興味を向ける> ⇒目標は,このように全体的な目標から個人単位の目標まで一連の流れとして存在できることが望まし いが,少なくとも「全体の目標」と「各セクションの目標」の流れは,セットで設定しておくべきである。
  • 2. 2 Prg2 参加型の目標決定 参加型において念頭においておくべきことは,自分がどんな立場でありたいかである。この立場には, 様々あると思うが,今回は D.マクレガーの「XY 理論」を取り出すことにする。 ① X 理論とは,否定的な観点で,ざっくり説明すると「できれば何もしたくない人」である。 ② Y 理論とは,肯定的な観点で,誰もが「意思,責任を持ち,積極的にする人」である。 この極端な両者に自分を当てはめたときに,自分はどちら側の立場であるかを認識しておくべきである。 自分の立場を認めることによって,反対の立場に立つ人に対して合わせるというある種平和主義的な立場 から脱却できるはずである。目標に具体性が求められるように,決める人の立場も明確であるべきである。 複数人で目標を立てる際には,その Mtg の傾向に左右されるべきではない。偏ったものや具体性を欠い た目標を決めることは,その目標を達成するための過程にも悪影響である。目標決定において,X 型であれ ば,ある程度「達成しやすい目標」を立てる傾向が考えられ,Y 型は,「新しい目標」を立てるかもしれない。 ここでポイントになるのは,これらの両者の目標においては,それぞれ「どの段階の目標(Prg1 の流れ図を 参照)」を考えているのかを判断することが必要である。また,参加型 Mtg を行う際の条件は, 下の表に あるような項目を考える必要もある。 ●参加型の前提条件 <参加者の能力> <開催時期> <参加型のメリット/デメリット> ・内容全体を理解していること ・コミュニケーション能力 ・技術的な知識 ・時間に余裕がある ・組織自体に問題がある (メ)全体的な意思統一ができる (デ)緊急時には不向き これらの中でも必ず満たしておくべき条件は,「参加者の全体理解」と「時間的余裕」である。参加者 が内容について理解度が低い場合は,その前後に存在する内容を把握して現状に十分には対応できない。 また少ない時間では,十分に話し合いを行うことができないことがある。Prg3では,これらの参加型に対 しての改善策を説明していく。 Prg3 明確な期限 Mtg には,多かれ少なかれ「時間」が設定されている。また,次への「課題」も見つかるだろう。この時 間と課題に対しての”明確さ”を Mtg において設定しておくことが重要である。”明確さ”の設定とは, 一 体何をすべきなのか。よく何かに対して話し合いを行う際には、必ず雑談をする。この雑談は,和やかな Mtg を行うために非常に有効である。しかし,むやみに雑談をされては,本来話し合うべき内容から飛躍し てしまう。しかし、これに関しての解決策は,一度でも Mtg を行ったことがあるひとであれば,すぐにで も改善できる。では何を”明確さ”に対して設定すべきなのかというと「〆切」である。ここでの〆切とは, “時間的意味”だけではなく,“締め切る内容”を含ませることである。時間を区切ることは,当たり前である が,内容を区切ることもまた必要になる。これは,Prg2でも述べた参加型を効率よく行うためにも必要に なる。参加型でネックになったものが「全体理解」である。
  • 3. 3 ●「締め切る内容」とは Mtg には, 題材として,プレゼンされたものへの意見を述べる場合.それぞれそのときに決めることが 望ましいものが扱われる場合など,扱う項目が決まっている。しかし,それだけで判断することは難しく, なにかしらの資料・経験などから評価する。その資料や経験が,あることが望ましいが,初めての人にとっ ては,判断材料がそこまで整っていないことが考えられる。そのための「締め切る内容」である。締め切 る内容を設定することによって,そのための判断材料を整理できる。判断材料は多いほど良いとも思える が,逆に多すぎて,悩んでしまう可能性もある。 ⇒Mtg には,時間だけではなく,その内容に対しても具体的でシンプルな期限を設定することが,効率的な 面において必要である。また,前後の背景も踏まえて明確であればより望ましい Mtg ができるだろう。 Prg4 「Mtg 形式を考えてみよう」 ここまでを一言でまとめると「具体的にかつシンプルに」である。そこでこのテーマに基づいて 2 つ の型に当てはめて Mtg 形式について考えてみる。 ① トップダウン型-定型的な指示の意味- 多くの Mtg が進行役によるトップダウンになっているのではないだろうか。確かに,トップダウン型は, 進行が明確で捗る。しかし,一歩間違えるとその進行役なくして Mtg が進まなくなる。そのためには,ト ップダウン的な直接的指示を定型的にできれば,進行役がいない場合でも,普段通りではないにしろ,ある 程度考える指針をハッキリさせることができる。指示を定型的にすることによって,考える基準を身に着 けることができる。いつも違う命令形式では,された側は戸惑ってしまうことは想像しやすい。 トップダウンにも,指示の方法ひとつで,先に挙げた問題を改善することができる。もちろん,これ以外 にもよくあるモチベーションを踏まえる必要もあるだろうが,これに関しては,Prg2であげた XY 理論を 活かすアイデアをかんがえることもできるだろう。が、ここではあえて触れないことにする。 ② ボトムアップ型-「ダラダラ Mtg」の良い効果- ボトムアップとは,上からの命令ではなく,下から提案し,彼らの行動を促進するものである。これが本 来のイメージであると思うが,今回紹介するのは「提案」に焦点を据えた Mtg「ダラダラ Mtg」である。 まず,前提として時間をある程度必要とすること(目安としては1セクション 1 時間程度)。そして,ひた すらに話し合うことだけである。結論は出るわけが無いので,これは「観察」に使われるべきである。参 加しているものがどのような考えを持ち,どう行動しているのかを観察し,適材適所を見極めるために使 うことをオススメする。ダラダラやるので,普段発言が少ない人でも普段よりは活動できる。また,普段か ら発言している人でもその役回りを観察することもできる。そして,発言やまとめ,進行など普段意識する ことの少ない部分に慣れることによって,ボトムアップできるようになる。 いわばボトムアップ型へ変更するときの練習に使うことで,良い効果を生むと考えられる。
  • 4. 4 Prg-Extra フィードバック ~報告とリコグニッション「認知力」~ Mtg には,フィードバックつまり循環作用が求められる。これまでに述べてきたことは,あくまで理論で しかない。そこに実践というサンプルを採取することによって改善されるべきである。そして,その改善 には「報告」が必須である。修正点や変更点など共有することが「次のため」引いてはスタッフの「モチ ベーション」にもつながる。また,フィードバックするためには,関わることである。そのための行動例と して”リコグニッション”を挙げておく。 リコグニッションとは、「認知力」である。この認知には,主に顧客に対して行うことである。そして, その認知のために必要な要素が「みる」ということである。「見る」「視る」「観る」の 3 段階を認知には 必要になる。最初の「見る」とは,ぼんやりと周りを見回すことである。次の「視る」とは、そのぼんや りと見渡した中で焦点を当てて視ることである。最後の「観る」とは、文字通り観察することである。 この 3 段階の「みる」をしっかり意識することができれば,次の行動につながる。逆に「認知」される かもしれませんよ。Mtg においても,主観でも良いまずは周りを見ることから始めて,さらには関心を持ち ましょう。 以上