Insight Factory Inc.
第1回 ME読書会
2014年6月14日
Kenichiro Yamada
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Marketing Engineering
Lilien, G.L. & Rangaswamy, A.
1章 イントロダクション
2
1章 イントロダクション
コンテンツ
・ マーケティングエンジニアリング(ME)とは?
MEの定義
メンタルモデルと決定モデル
・ MEの全体像
・ MEを学ぶ理由
・ 決定モデルの特性
・ 決定モデルの分類
表現方法による分類
課題タイプによる分類
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マーケティングエンジニアリングとは?
意思決定の方法
■メンタルモデル を使う = コンセプショナルマーケティング
メンタルモデルとは、人が外界の物事に対し見通しをつけるため、直感、推理、
経験等を基に「これはこういうものだろう」と思考するプロセスを表現したもの。
例)経験的に広告/セールス比を〇〇%と決定。
■決定モデル+コンピュータ = マーケティングエンジニアリング(ME)
マーケティング決定モデルとは、特定のアクションについて意思決定を行うため、
複雑なマーケティング現象の一部を単純化し表示するモデル。
例)広告量の違いによって市場がどう反応するか、Excel等のソフトでシ
ミュレーションを行い、セールスや利益が最大になるポイントを探る。
マーケティングマネジメント:
顧客と市場を理解し、その知見を意思決定とアクションに組み込み
望ましい交換(マーケティング)を行うこと。
[参考: http://kotobank.jp/]
4
マーケティングエンジニアリングの全体像
コンピュータを駆使し、目的に合わせデータを意味のあるものに変換し
意思決定・アクションへと繋げていく。
データ ファクト、観察、客観的または主観的なデータ
情報 選択、集計されたデータ、サマリー
インサイト 理解、説明、意味づけされたデータ
決定・実行 インサイトをジャッジしアクションへ
← 決定モデル(ME)・メンタルモデル
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マーケティングエンジニアリングを学ぶ理由
マーケティングを取り巻く環境の変化
① PCの高性能化、ソフトウェアの普及
一人PC一台があたりまえ。
Excel や R 等の分析ツール。
② データのボリューム
POSデータ、オンラインショッピングの購買履歴、ツイート等。
人間の脳は多量のデータを処理・理解できない。
③ 経営改革のトレンド
『組織のフラット化、スピード化。』
一人ひとりがデータを直接分析する事が求められる時代。
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決定モデルの特性
目的:モデル構築理由と適応可能領域の説明がある。
例)コンジョイント分析は重要な商品要素と最適な組合せを知ることが可能
仮定:コンテクストあるいは条件が明示されている。
例)広告分析の仮定:広告量と売上は正の関係。しかしその関係性は有限。
変数:マーケティング現象のデータ(変化するもの)
・ 独立変数(インプット)
→ コントロール変数:操作可能な変数 例)広告量、製品仕様
→ 非コントロール変数:
→ 他者(競争相手・サプライヤー)に統制される変数
→ 環境変数:プレーヤーは操作不可能 例)人口、法律、トレンド
・ 従属変数(アウトプット):独立変数から影響を受ける変数
関係性:変数がどのように他の変数に影響をするか表示されている。
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言語モデル:言葉で説明 → 理解しやすい
図解モデル:図形・チャート等 → 関係性がわかりやすい
数理モデル:数式で表現 → 度合がわかる
決定モデルの分類① - 表現方法 -
通常新製品が投入された直後の売上は穏やかである。はじめにイノベータと呼ばれる少数に
受け入れられるため。しかし彼らはイミテータと呼ばれる後追いの人々の購入に影響をあたえ、
セールスは加速する。大部分の人々が購入した段階になると、売上の伸び率は下がる。
人口
イノベータ
イミテータ
購入影響
売上累計
時間
マーケット
ポテンシャル
  𝑥 𝑡 = 時点𝑡における購入者数
  𝑁 = 総人口
𝑎, 𝑏 = パラメータ
𝑑𝑥𝑡
𝑑 𝑡
= (𝑎 + 𝑏𝑥 𝑡)(𝑁 − 𝑥 𝑡)
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決定モデルの分類② - 課題のタイプ -
記述的(予想)モデル:もしアクションAを実行したらどうなるか?
→ 様々なシナリオをシミュレーションし起こりうる現象を診断
例)新フレーバーを投入したらブランドとしてのセールスはアップするか?
規範的モデル:(与えられた状況下で)最適なアクションはどれか?
→ 何かしらの制限が存在。
・選択肢が少ない場合はケーススタディ等
・選択肢が多い場合は数学的な方法
例)デジタルサイネージ自販機を設置する最適なロケーションは?
ハイブリッドモデル:記述的+規範的
例)新パッケージ導入におけるコンジョイント分析
・ 新パッケージ製品の効用は既存品より高いか?
・ サイズ/価格/同じ棚に置く他製品のベストな組み合わせは?
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Marketing Engineering
Gary L. Lilien, Arvind Rangaswamy
2章 市場反応モデル
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2章 市場反応モデル
コンテンツ
・ 市場反応モデルとは?
分類方法とシンプルな例
・ 起こり得る現象の形
・ 市場反応モデルの形式
・ パラメータの推定
・ マーケティングアクションの評価方法
利益の場合、オブジェクティブが複数ある場合
・ その他の現象
インタラクション効果、キャリーオーバー効果
競合の影響、個人レベルへの適応
・ 市場反応モデルの心得
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(競合やサプライヤーなど)
市場反応モデルとは?
MEの基礎的ツールで、複雑な市場の反応(インプットからアウトプッ
トへの連鎖・関係性)を単純化し表現するモデル。
インプット
(マーケティングアクション)
例)価格、デザイン、広告
などのマーケティングミックス
市場反応モデル
他社の行動
市場環境
オブジェクティブ
アウトプット
決定モデルにおける反応モデルの役目:
(市場データ)
例)ブランド認知、購入意
向、セールス、利益など
(施策を評価する尺度)
例)プロモの売上効果、
ターゲット層の広告想記など
調整・コントロール 評価
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市場反応モデルの分類方法
① コントロール変数(インプット)の数:広告だけ? 価格は?
② 競争相手・市場環境:影響を考慮する? しない?
③ インプットとアウトプットの関係性(リターン):一定? 可変?
④ 表現する期間:ある時点? 継続的な期間?
⑤ 表現対象のベース:特定の個人? 集合?
⑥ 従属変数の視点:セールス? 市場シェア? 需要?
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市場反応モデルの分類方法
① コントロール変数(インプット)の数:広告だけ? 価格は?
② 競争相手・市場環境:影響を考慮する? しない?
③ インプットとアウトプットの関係性(リターン):一定? 可変?
④ 表現する期間:ある時点? 継続的な期間?
⑤ 表現対象のベース:特定の個人? 集合?
⑥ 従属変数の視点:セールス? 市場シェア? 需要?
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市場反応モデル - シンプルな例 -
広告・売上モデル:広告量を増やすと売上が増加する
𝒀 = 𝒂 + 𝒃𝒃
パラメータの値を入れたモデル:
𝒀 = 𝟐𝟐𝟐𝟐𝟐 + 𝟒𝑿
・XとYは正の関係性:広告量を1上げるとセールスは4増加。
・広告を行わなくても(X=0)、ベースのセールスが23000存在。
従属変数(セールス) パラメータ 独立変数(広告量)
y = 23000 + 4x
22990
23000
23010
23020
23030
23040
23050
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
Y(売上)
X(広告量)
α=23000
1
Δy/Δx = b = 4
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起こり得る現象の形
X
Y
P1:ゼロ交差 P2:Linear(線形)
X
Y
If X=0, Y=0.
XとYの関係性が線形
X
Y
P3:Concave(リターンの減少) P4:飽和(または上限)
X
X
Y
𝑄�
Yが𝑄�を超えることは不可能b’
b’’
b’ > b’’
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起こり得る現象の形
X
Y
P5:Convex(リターンの増加) P6:「S」シェイプ
X
Y
Yが増加するに
は、Xをθのレベ
ルまで上げなけ
ればならない。
現象P5とP3の両方
X
Y
P7:しきい値 P8:過飽和
X
X
y
𝑄�
Yが𝑄�に達すると減少
b’
b’’
b’ < b’’
θ
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市場反応モデルの形式
① Linear model (線形モデル)
𝒀 = 𝒂 + 𝒃𝒃
☻ シンプル。よく使用される。
☻ Xのレンジを絞れば、現象P4、P7、P8も再現可能。
☹ リターンが一定(ΔY/ΔX=b)。上限がない。
P1 ○ P2 ○
P3 × P4 △
P5 × P6 ×
P7 △ P8 △
② Power series model (多項式モデル)
𝒀 = 𝒂 + 𝒃𝒃 + 𝒄𝒄 𝟐 + 𝒅𝑿 𝟑 + ⋯
☻ 多くの現象(リターンが一定でない場合も)を表現可能。
☹ シリーズが多くなるにつれ、フィット具合が悪くなる。
(i.e. パラメータの推測が困難になる)
P1 ○ P2 ○
P3 ○ P4 ×
P5 ○ P6 ○
P7 × P8 ○
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市場反応モデルの形式
③ Fractional root model (フラクショナル・ルートモデル)
𝒀 = 𝒂 + 𝒃𝑿 𝒄
☻ シンプルで、パラメータ「c」の指定する事により柔軟性が出る。
c=1: 𝑎 + 𝑏𝑋1 = 𝑎 + 𝑏𝑏. Linear modelとなる。
c=0.5: 𝑎 + 𝑏𝑋0.5 = 𝑎 + 𝑏 𝑋
Square root modelとなり、P3、P5が再現可能
c=-1: 𝑎 + 𝑏𝑋−1 = 𝑎 + 𝑏1
𝑋
Reciprocal modelとなり、P4が再現可能
P1 ○ P2 ○
P3 ○ P4 ○
P5 ○ P6 ×
P7 × P8 ×
④ Semilog model (セミログモデル)
𝒀 = 𝒂 + 𝒃 𝐥𝐥(𝑿)
P1 × P2 ×
P3 ○ P4 ×
P5 × P6 ×
P7 ○ P8 ×
☻ 現象P7(しきい値)が再現できる。
☻ Xの変化率が一定の場合、Yの変化量が一定。
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市場反応モデルの形式
⑤ Exponential model (指数モデル)
𝒀 = 𝒂 + 𝒆 𝒃𝒃 where X > 0,
☻ パラメータ「𝑏」が正か負で色々な現象が表現可能 P1 × P2 ×
P3 × P4 ○
P5 ○ P6 ×
P7 × P8 ×
+𝑏
現象P5:リターンの増加
−𝑏
価格反応モデルとしてポピュラー
X
Y
X
Y
下限値をゼロとしたP4現象
⑥ Modified exponential model (修正指数モデル)
𝒀 = 𝒂 𝟏 − 𝒆−𝒃𝒃 + 𝒄
☻ 現象P3:リターンの減少と、上限(P4現象)も表現可能に
現象P3:リターンの減少
販売努力への反応モデルとして使われる事が多
い
上限 = 𝑐 + 𝑎
下限 = 𝑐
X
Y
P1 ○ P2 ×
P3 ○ P4 ○
P5 × P6 ×
P7 × P8 ×
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市場反応モデルの形式
⑦ Logistic model (ロジスティックモデル)
𝒀 =
𝒂
𝟏 + 𝒆−(𝒃+𝒄𝒄)
+ 𝒅
☻ 「Sシェイプ」を再現するモデルで最もポピュラー P1 × P2 ×
P3 × P4 ○
P5 × P6 ○
P7 × P8 ×
現象P6:Sシェイプ
上限 = 𝑎 + 𝑑
𝑑 + 𝑎/2あたりでシンメトリー
X
Y
⑧ Gompertz model (ゴンペルツモデル)
𝒀 = 𝒂𝒃 𝒄𝒄 + 𝒅,  𝒂 > 𝟎, 𝟏 > 𝒃, 𝒄 < 𝟏
☹ パラメータの推定が困難。
☹ ロジスティックモデルの方がよく使用されている。
P1 ○ P2 ×
P3 × P4 ○
P5 × P6 ○
P7 × P8 ×21
市場反応モデルの形式
⑨ ADBUDG model (アドバッジモデル)
𝒀 = 𝒃 + (𝒂 − 𝒃)
𝑿 𝒄
𝒅 + 𝑿 𝒄
☻ 広告反応モデルでよく使われる
c>1: 「Sシェイプ」を再現
0<c<1: Concave(リターンの減少)を再現
上限値 = 𝑎
下限値 = 𝑏
P1 ○ P2 ×
P3 ○ P4 ○
P5 × P6 ○
P7 × P8 ×
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パラメータの推定
最小二乗法:∑ (𝑌𝑖−𝑌�𝑖)2𝑛
𝑖=1
従属変数の実際の値(𝑌)とモデルの予測値(𝑌�)との差(残差)の二乗
の合計が最小になるようなパラメータを選ぶ。
■Excelを使った例
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パラメータの推定
0
5
10
15
20
25
30
35
40
0 2 4 6 8 10 12 14
Y実測値
Y予測値
y = 2.1488x + 5.3333
R² = 0.9578
モデルのあてはまり度合を示す指標:決定係数(または寄与率)
𝑅2 = 1 −
∑ (𝑌𝑖−𝑌�𝑖)2𝑛
𝑖=1
∑ (𝑌𝑖 − 𝑌�)2𝑛
𝑖=1
𝑅2
= 1 : 完璧なモデル
𝑅2 = 0 : 𝑌を推測するのに平均値を使ったのと同じレベル (∑ (𝑌𝑖−𝑌�𝑖)2𝑛
𝑖=1 = ∑ (𝑌𝑖 − 𝑌�)2𝑛
𝑖=1 )
𝑅2 ≤ 0 : モデルを構築する意味がない程出来の悪いモデル
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マーケティングアクションの評価方法
■オブジェクティブが利益の場合
関連原価 = 固定費用 + 意思決定により変動するコスト (例: 販売インセンティブ)
→ 利益の評価は関連原価を考慮するべきである。
→ 将来うけとるキャッシュフローは、現在価値に換算するべきである。
→ 通常ディスカウント率は、国債の利子率を使う。
→ リスクプレミアム(リスクを取る対価)やWACC(債権者や株主に払う利子)
も考慮すべきである。
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短期利益 = 商品価格 − 変動コスト ・販売数 − 関連原価
長期利益 = 𝑍0 + 𝑍1 + 𝑍2 + 𝑍3 + ⋯  𝑍𝑡は期間𝑡の利益
現在価値(長期利益) = 𝑍0 + 𝑍1 𝑟 + 𝑍2 𝑟2 + 𝑍3 𝑟3 + ⋯
𝑟は1/(1 + 𝑑), 𝑑はディスカウント率
マーケティングアクションの評価方法
■オブジェクティブが複数ある場合
例)利益最大と市場シェア最大にしたい、
例)世界最薄最軽量の商品をいち早く販売したい
・ 最もシンプルで良い方法:
一番の優先するオブジェクティブを決め、他の変数を制約とする。
例)市場シェアが最低14%でかつ利益が最大になるXの値は?
・ 他にも:
ゴールプログラミング、トレードオフ分析などの手法がある。
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市場反応モデル:インタラクション効果
■マーケティングミックス(X)が複数ある場合
変数同士が影響しあう。 例)製品の味とサンプル投下数
𝑋1について偏微分してみると:
①
𝜕𝑌
𝜕𝑋1
= 𝑏, ②
𝜕𝜕
𝜕𝑋1
= 𝑏 + 𝑋2, ③
𝜕𝜕
𝜕𝑋1
= 𝑎𝑏𝑋1
𝑏−1
𝑋2
𝑐
②と③は、𝑋1による𝑌の変化に𝑋2が含まれる事が確認できる。
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① 相互作用がない場合:
𝑌 = 𝑎 + 𝑏𝑋1 + 𝑐𝑋2
② 線形インタラクティブ型:
𝑌 = 𝑎 + 𝑏𝑋1 + 𝑐𝑋2 + 𝑑𝑋1 𝑋2
③ 乗算型:
𝑌 = 𝑎𝑎1
𝑏
𝑋2
𝑐
市場反応モデル:キャリーオーバー効果
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マーケティング施策期間が終了しても、その効果が続く現象
例)販促プロモーションとセールス
※太線は販促期間遅延反応:産業財等
残留者:Post期間も顧客の人の影響
ヒステリシス:
セールスアップの始まり、または収束が、
もう一方に比べ早いか遅い状態
Newトライヤー&ウェアアウト:
過剰広告状態。頻繁に買替える財で
競合ブランドが多い商品など
在庫・買いだめ:
家庭内在庫、プロモ後期に起きやすい。
売上
時間
売上
時間
売上
時間
売上
時間
市場反応モデル:キャリーオーバー効果
■モデルへの組み込み
・ 𝑌𝑡は前回、前々回・・・の売上げの影響を受ける。
・ パラメータ「λ」は、経験からの推測、または回帰分析で行われる。
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𝑌𝑡 = 𝑎0 + 𝑎1 𝑋𝑡 + λ𝑌𝑡−1
𝑡=時間、 𝑡 − 1=前期、𝑎0=ベース売上、 λ=キャリーオーバー率
市場反応モデル:競合の影響
・製品クラス全体のセールスモデル(V) ( e.g. 人口、総広告量等で構築)
・マーケットシェアモデル(M) (= 競合からの影響)
を別々に構築し、最終的にブランドセールス(Y)をモデル化する。
・ 𝐴𝑖もまた魅力度モデルを構築し推測される。
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𝑌 = 𝑀 × 𝑉
𝑀𝑖 =
𝐴𝑖
𝐴1 + 𝐴2 + ⋯ + 𝐴 𝑛
𝑀𝑖=企業𝑖のマーケットシェア、𝐴𝑖=ブランド𝑖の魅力度
集合レベル:セールスやマーケットシェアに焦点
個人レベル:個人やセグメント分けされたグループの購入確率に焦点
ID-POS、ポイントカード、WEBの購買履歴データ等のデータ
・ 小文字𝑘 は評価するアトリビュート。 例)整髪料のキープ力、香り、トリートメント効果 etc.
・ 𝑤 𝑘は調査や実購買履歴から推定する。
市場反応モデル:個人レベルへの適応
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多項ロジットモデル:
𝑃𝑖𝑖 =
𝑒 𝐴 𝑖1
𝑒 𝐴 𝑖𝑖 + 𝑒 𝐴 𝑖2 + ⋯ + 𝑒 𝐴 𝑖𝑗
𝑃𝑖1=ある人𝑖がブランド1を購入する確率、 𝐴𝑖𝑖=その人が感じるブランド1の魅力度
𝐴𝑖𝑗 = � 𝑏𝑖𝑖𝑖 𝑤 𝑘
𝑘
𝑏𝑖𝑖𝑖=その人のブランド𝑗に対する項目別評価、 𝑤 𝑘=項目重視度
ロジットモデルの例:スーパーの選択確率(𝑃𝑖𝑗)を求める。
ロジットモデルのメリット・デメリット:
☻ 『マーケティング施策は、消費者がはっきりしない態度の時に行うのが最も有効的』
という点を考慮する。
☹ 『消費者は全ての選択肢を検討する』と仮定する。
対策:『選択プロセスは段階的』と仮定し
ブランドをグループ分けする。 例)ワックス、スプレー、フォーム etc.
グループの選択確率を求め、そのグループの中からブランド選択確率を求める。
市場反応モデル:個人レベルへの適応
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スーパー( 𝑗)
評価( 𝑏𝑖𝑖𝑖) 魅力度
( 𝐴𝑖𝑗)
𝑒 𝐴 𝑖𝑖 𝑃𝑖𝑗
品揃え 製品の品質 自宅からの距離 お買い得度
イオン 0.7 0.5 0.7 0.7 4.7 109.95 51.2%
イトーヨーカドー 0.3 0.4 0.2 0.8 3.3 27.113 12.6%
成城石井 0.6 0.8 0.7 0.4 4.35 77.478 36.1%
重視度( 𝑤 𝑘) 2 1.7 1.3 2.2 214.54
市場反応モデル:心得
・確かな設計
・ 変数と変数間の関係性は正しいか? 消費者や市場の行動を表現している?
・ 抱えている問題に関係している? インプットは実際に行動可能か?
・測定の可能性
・ パラメータは推測可能か?
・ 過去データは入手可能か? または実験、調査は可能か?
・妥当性と価値
・ データのディテールに見合っているか?
・ 現実的な答えを返すか?
・使いやすさ
・ 簡単に使えるか? 理解しやすい?
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作ったモデルは道理にかなっている?

Lilien, G.L. & Rangaswamy, A. (2004) Marketing Engineering: Chapter 1-2