最新のITトレンドと
これからのビジネス
2018年11月版
本プレゼンテーションは、ロイヤリティ・フリーです。ご自身の資料として、
加工編集して頂いても構いません。
知識の確かな定着と仕事の生産性向上のために、ご活用下さい。
ネットコマース株式会社
斎藤昌義
http://libra.netcommerce.co.jp/
最新のアップデートは、「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」にて随時更新しております。
トレンドの構造
関係
歴史的必然から
理由を知る
相互の関係から
役割を知る
トレンドとは
「関係」が変化する「歴史」
1. ITトレンドとサイバーフィジカルシステム
2. ビジネスの大変革を迫るデジタル・トランスフォーメーション
3. IT利用の常識を変えるクラウド・コンピューティング
4. ソフトウエア化するITインフラストラクチャー
5. 新たなビジネス基盤となるIoT(モノのインターネット)
6. 人に寄り添うITを実現する人工知能/AI
7. 取引や信頼の基盤として期待されるブロックチェーン
8. ビジネススピードの加速に対応する開発と運用
9. デジタル・トランスフォーメーション時代のビジネス戦略
10.いま求められる人材
ITトレンドとサイバーフィジカルシステム
IT Trend & Cyber-Physical System
本章の狙い
ITトレンドとサイバーフィジカルシステム
ITの歴史を紐解きながら、最新のITトレンドを理解する。
amazon go:無人のスーパー・マーケット
7
No lines, no checkout!
amazon echo:機械との自然な関係を実現する音声対
話
8
音声だけでWebサービスや機械の操作が可能。
MaaS(Mobility as a Service)
9
AIタクシー:30分後の需要エリア予測
10
Smart Construction:土木工事の自動化
11
土木工事の常識を覆す、新しい取り組み
ITトレンドとサイバーフィジカルシステム
IT Trend & Cyber-Physical System
コンピューターとは何か
抽象的な”数”を物理的な動きを使って演算する道具
Calculator
Computer
演算するための道具
Calculate
演算する
Compute
複数の演算を組み合わせ
何らかの結果を導く
複数演算の組み合わせを
実行する道具
複数演算の組み合わせを
実行するヒト(計算者)
蒸気機関や電気の動力 電子の動きモノの動き
量子コンピュータとは何か
抽象的な”数”を物理的な動きを使って演算する道具
蒸気機関や電気の動力 電子の動きモノの動き
量子力学によって明らかにされた
量子の動き/現象を利用して演算
コンピュータ誕生の歴史
バベッジの解析機関(未完成)
 蒸気機関で駆動
 プログラム可能な最初のコンピュータ
 パンチカードでプログラムとデータを入力
 出力装置(プロッタ・プリンタ)も設計
論文「計算可能数について」
 コンピュータの原理を数学的に定式化
 コンピュータの動作原理モデルを設計
(チューリング・マシン)
ENIAC
 エッカートともモークリーにより開発
 真空管による電子式コンピュータ
 プログラムは大変面倒なパッチパネルで設定
 弾道計算を高速で行うため
EDVAC
 エッカートともモークリーにより開発
 プログラム内蔵式の最初の機械
 現在のコンピュータの基本原理を実装した最初
の機械(ノイマン型コンピュータ)
 磁気テープ読取/書込装置を装備/1953年・パン
チカード装置、1954年・磁気ドラムメモリ、
1958年・浮動小数点演算装置を追加
ENIACの課題と改善方法を報告
 電子回路でチューリング・マシンが実現できる
ことを数学的に証明
 どのように作ればいいかの原理を設計
(ノイマン型コンピュータ)
1836年に最初の論文
1946年
1936年 1945年
1949年(〜1961年まで稼働)1822年
バベッジの階差機械
 蒸気機関で駆動
 歴史上最初の機械式用途固定計算機
(カリキュレータ)
 汎用性(多項式の数表を作成するよう設計、
対数も三角関数も多項式にて近似)
 プリンターにて数表を印字
ノイマン型コンピュータ 5大機能
制御装置
プログラムの読み込みや
データの読み書きを制御
演算装置
数値演算、論理演算
を実行
記憶装置
プログラムやデータ
を格納
入力装置
プログラムやデータ
人間からの指示を入力
出力装置
演算結果を外部へ出力
ノイマン型 (プログラム内蔵方式/ストアードプログラム方式) のデジタル・コンピュータでは
プログラムやデータを記憶装置に格納して順次読み込みながら演算処理を行う
CPU
中央演算処理装置
入力命令 出力命令
演算命令
データの流れ
制御の流れ
プログラムを入れ替えることで
任意の計算を実行できる機械
プログラム内蔵方式
補助記憶装置
(ストレージ)
歴史から見たITトレンド
紀元前150〜100年頃
アンティキティラ島の機械
1670年代
ライプニッツの計算機
1645年代
パスカルの計算機
1946年
ENIAC
1951年
UNIVAC1
1981年
1995年
1964年
IBM System/360
MS Internet Explorer 1.0
2007年
iPhone
2004年 2006年
2011年
量子コンピュータ
202X年
ニューロ・モーフィング
コンピュータ
古代の計算機械
Calculator
現代の計算機械
Computer
近未来の計算機械
AI
19世紀半(未完成)
バベッジの解析機関
IBM PC 5150
1990年〜
Internet
コンピュータ利用の歴史
1960年代
メインフレームの登場
1970年代
事務処理・工場生産の自動化
1980年代
小型コンピュータ・PCの登場
1990年代
クライアント・サーバの普及
2000年代
ソーシャル、モバイルの登場
201X年〜
IoT・アナリティクスの進化
カリキュレーション
大規模計算
ルーチンワーク
大量・繰り返しの自動化
ワークフロー
業務の流れを電子化
コラボレーション
協働作業
アクティビティ
日常生活や社会活動
エンゲージメント
ヒトとヒトのつながり
インターネットに接続されるデバイス数の推移
億人
億台
台/人
2003年 2010年 2015年 2020年
世界人口
インターネット
接続デバイス数
一人当りの
デバイス数
63 68 72 76
5 125 250 500
0.08 1.84 3.47 6.50
コレ1枚でわかる最新のITトレンド
データ収集
モニタリング
データ解析
原因解明・発見/洞察
計画の最適化
データ活用
業務処理・情報提供
機器制御
ヒト・モノ
クラウド・コンピューティング
日常生活・社会活動 環境変化・産業活動
現実世界/Physical World
サイバー世界/Cyber World
Cyber Physical System/現実世界とサイバー世界が緊密に結合されたシステム
ビジネスの大変革を迫る
デジタル・トランスフォーメーション
Digital Transformation / DX
本章の狙い
ビジネスの大変革を迫るデジタル・トランスフォーメーション
デジタル・トランスフォーメーションの本質を理解し、社会やビジネ
スに及ぼす変化や影響について理解する。
デジタル・トランスフォーメーションとCPS
データ収集
IoT/Mobile/Web
データ解析 データ活用
Webサービス
ヒト・モノ
日常生活・社会活動 環境変化・産業活動
現実世界/Physical World
サイバー世界/Cyber World
Cyber Physical System/現実世界とサイバー世界が緊密に結合されたシステム
デジタル
トランスフォーメーション
デジタル・トランスフォーメーションとは何か
人間を前提に最適化したビジネスの仕組み
機械を前提に最適化したビジネスの仕組み
観察と経験値に基づく判断と意志決定
データとAIに基づく判断と意志決定
ビッグデータ×AI
経験×思考
トランスフォーメーション
Transformation/置き換える
ビジネス環境への対応 競争優位の確立
不確実性の増大・スピードの加速 常識や価値基準の転換
ヒトが主体
機械が支援
機械が主体
ヒトが支援
徹底した効率化と無駄の排除により
サスティナブルな社会の実現に貢献
デジタル・トランスフォーメーションとは
 ビジネス・プロセスに関わる
人間の制約を排除し
 品質・コスト・期間などの
限界をブレークスルーして
 ビジネスに新しい価値基準
をもたらす取り組み
人間を前提に最適化された
ビジネスの仕組み
から
機械を前提に最適化された
ビジネスの仕組み
への転換
ビジネス環境への対応 競争優位の確立
不確実性の増大・スピードの加速
製品やサービスをジャストインタイム
で提供できる即応力
常識や価値基準の転換
生産性・価格・期間における
これまでの常識を覆す破壊力
デジタル
トランス
フォーメーション
UBERとTaxi
Taxi
 タクシー資産
 コールセンター運営経費
 施設維持管理
 事務・管理経費 など
ドライバー収入
運賃
UBER
 アプリ開発・保守費
 クラウド利用量など
ドライバー収入
機械を前提とした
ビジネスプロセス
の最適化
人間を前提とした
ビジネスプロセス
の最適化
デジタル・トランスフォーメーションの実際
UBER
airbnb
NETFLIX
Spotify
PayPal
タクシー・レンタカー業界
レンタル・ビデオ業界
ホテル・旅館業界
レコード・CD業界
銀行業界(決済・為替)
デジタル・トランスフォーメーションの実際
World’s largest taxi
company,
Owns no vehicles.
World’s most popular
media owner,
Creates no content.
World’s most valuable
retailer,
Has no inventory.
World’s largest
accommodation provider,
Own no real estate.
世界最大のタクシー会社ですが、
車両は一台も所有していません。
世界一有名なメディアですが、
コンテンツは作りません。
世界で最も種類が豊富な商店ですが、
在庫は一切ありません。
世界最大の旅行代理店ですが、
不動産は一切所有していません。
自前の資産を
持たない/小さい
対象とする市場は
最初からグローバル
サービスが
プラットフォーム
デジタル・ディスラプター(デジタル・テクノロジーを駆使した破壊者)
デジタル・ディスラプターの創出する新しい価値
コスト・バリュー
 無料/超低価格
 購入者集約
 価格透明性
 リバース・オークション
 従量課金制(サブスクリプション)
エクスペリエンス・バリュー
 カストマー・エンパワーメント
 カストマイズ
 即時的な満足感
 摩擦軽減
 自動化
プラットフォーム・バリュー
 エコシステム
 クラウド・ソーシング
 コミュニティ
 デジタル・マーケットプレイス
 データ・オーケストレーター
自前の資産を
持たない/小さい
対象とする市場は
最初からグローバル
サービスが
プラットフォーム
デジタル・ディスラプター(デジタル・テクノロジーを駆使した破壊者)
もし、変わることができなければ
1996
$ 28 billion
145,000
2012
$ 0
17,000
2012
$ 1 billion
13
企業評価額:
従業員数 :
vs
Facebook
が買収
倒産
デジタル・トランスフォーメーションの定義
ITによる業務の置き換え
業務がITへITが業務へとシームレスに変換される状態
第1
フェーズ
第2
フェーズ
第3
フェーズ
われわれ人間の生活に何らかの影響を与え、
進化し続けるテクノロジーであり
その結果、人々の生活をより良い方向に変化させる
生産性向上
コスト削減
納期の短縮
スピードの加速
価値基準の転換
新ビジネス創出
2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱
IT利用による業務プロセスの強化
紙の伝票の受け渡しや伝言で成り立っていた仕
事の流れを情報システムに置き換える。業務の
標準化と効率化を徹底する。
第1フェーズの業務プロセスを踏襲しつつも、
ITに仕事を代替させ自動化。人間が働くことに
伴う労働時間や安全管理、人的ミスなどの制約
を減らし、効率や品質をさらに高める。
全てのプロセスをデジタル化。IoTによる現場
のデータ把握とAIによる最適解の提供により、
アナログとデジタルの両プロセスの劇的な効率
化や最適化を実現する。
アマゾンのデジタル・トランスフォーメーション
広範な顧客接点
ビッグデータ
最高の顧客体験
機械学習による最適解
経営戦略・製品/サービス戦略 & 0.1 to One マーケティング
テクノロジーを駆使して徹底した利便性を追求
顧客理解のための情報を徹底して収集する
業務(デジタル) 業務(アナログ)
IT
40機の航空機 数千台のトラック
業務がITへITが業務へとシームレスに変換される状態
IT
(デジタル技術)
業務
(人間との関係)
配送・リアル店舗・接客
カスタマー・サービスなど
受発注・配送手配・商品管理
レコメンデーションなと
業務にITは埋没し、渾然一体となってビジネスの成果を達成する
デジタル・トランスフォーメーションを加速するサイクル
顧客がサービス
を利用する
顧客データ
を収拾する
機械学習
で分析する
戦術的施策
 魅力的で便利な顧客体験
を提供
 買いたくなる品揃えや
サービスを充実
 個々人の趣味嗜好や子購
買動向に基づき推奨
戦略的施策
 顧客の期待に応える事業
施策
 サービスの質や効率を高
める仕組み作り
 新たな市場や顧客を開拓
するための施策
「スピード」と「俊敏性」に応えられるIT
ビジネス環境の不確実性の増大、加速する変化のスピードに
即応できないと生き残れないという危機感
 Infrastructure as Codeで運用管理から属人性を排除
 マイロサービスや自動化などによるCI/CDの実現
 コンテナ化による安定稼働と俊敏性の両立
DevOps
 予測不能なリソースや機能への対応
 インフラやネットワークの構築や運用管理を無くす
 最新のテクノロジーをビジネスに活かす
クラウド
コンピューティング
アジャイル開発
 ビジネス価値に貢献するプログラム・コードだけ
 計画通りには行かない・変更が前提
 バグフリーでリリース
現場のニーズにジャスト・イン・タイムで
サービス(システムではない)を提供できること
デジタル・トランスフォーメーションへの2つの対応
36
デジタル・トランスフォーメーション
ビジネス・プロセスのデジタル化
あらゆる業務をITで行う
開発すべき
プログラムが増大する
あらゆる業務が
データとして把握できる
ITでやること、できることが
大きく変わってしまう
デジタル・トランスフォーメーションへの対応(IT)
37
デジタル・トランスフォーメーション
ビジネス・プロセスのデジタル化
あらゆる業務をITで行う
開発すべきプログラムが爆発的に増大する
超高速開発
開発の自動化
クラウド
コンピューティング
アジャイル開発
DevOps
増大する開発や変更
のニーズに即応
運用やセキュリティなどの
付加価値を産まない業務
に関わる負担を軽減する
ビジネスの成果に直結し
現場が必要とするサービスを
ジャストインタイムで提供
ビジネス・スピードの加速や変化への即応力が向上
デジタル・トランスフォーメーションへの対応(ビジネス)
デジタル・トランスフォーメーション
ビジネス・プロセスのデジタル化
あらゆる業務をITで行う
あらゆる業務がデータとして把握できる
「過去」対応 「現在」対応 「未来」対応
原因究明
フォレンジック
説明責任
見える化
ガバナンス
戦術的意志決定
予測
最適化
戦略的意志決定
改革・改善活動やセキュリティ対応の適正化
デジタル・トランスフォーメーションへの2つの対応
39
デジタル・トランスフォーメーション
ビジネス・プロセスのデジタル化
あらゆる業務をITで行う
開発すべき
プログラムが増大する
あらゆる業務が
データとして把握できる
ビジネス・テーマが生まれる
業務がITへITが業務へとシームレスに変換される状態
DXを支えるテクノロジー
ビジネス環境への対応 競争優位の確立
不確実性の増大・スピードの加速
製品やサービスをジャストインタイム
で提供できる即応力
常識や価値基準の転換
生産性・価格・期間における
これまでの常識を覆す破壊力
デジタル
トランス
フォーメーション
IoT(Internet of Things)/ CPS( Cyber-physical System )
コンテナ × マイクロサービス
サイバー・セキュリティ
デジタル・ビジネス・プラットフォーム
Digital Business Platform
ビッグデータ × AI
SaaS/API PaaS/FaaSクラウド・コンピューティング
DXを支えるテクノロジー
アプリケーション
プラットフォーム
インフラストラクチャー
デバイス
AR(拡張現実) / VR(仮想現実) / MR(複合現実)
Augmented Reality / Virtual Reality / Mixed Reality
ディープラーニング(深層学習)と関連技術(深層強化学習/DQN、敵対的ネットワーク/GANなど)
Deep Learning
ブロックチェーン
Block Chain
HTAP(OLTP/業務系・基幹系とOLAP/分析系の実行基盤を統合)
Hybrid Transaction and Analytics Processing
LPWAネットワーク
Low Power,Wide Area Network
5G通信
5th Generation
エッジ・コンピューティング(デバイス側での学習や推論/高機能演算)
Edge Computing
量子コンピュータ
Quantum Computer
〜2017 2018 2019 2020 2021〜
DXを実現する4つの手法と考え方
現場に足を運ぶ 現物を手に取る 現実を自分で確認する
デザイン思考 リーン・スタートアップ アジャイル開発 DevOps
デザイナー的なクリエイティ
ブな視点で、ビジネス上の課
題を解決する
最小限の機能に絞って短期間
で開発しフィードバックをう
けて完成度を高める
ビジネスの成果に貢献するシ
ステムを、バグフリーで変更
にも柔軟に開発する
安定稼働を維持しながら、開
発されたシステムを直ちに・
頻繁に本番環境に移行する
 共感(Emphasize)
 問題定義(Define)
 創造(Ideate)
 プロトタイプ(Prototype)
 検証(Test)
 構築(Build)
 計測(Measure)
 学習(Learn)
 開発と運用の協調
 自動化ツールの整備
 継続的デリバリー
(Continuous Delivery)
 反復/周期的(Iterative)
 漸進的(Incremental)
 適応主義(Adaptive)
 自律的(Self-Organized)
 多能工(Cell Production)
イノベーションとビジネス・スピードの融合
イノベーションの創発 ジャスト・イン・タイムで提供
+ エスノグラフィー
デジタル・トランスフォーメーションのBefore/After
ITは道具
 本業は人間
 ITは本業を支援する手段
 ITは企業のコアコンピタンスではない
ITはコストセンター
 コスト削減がミッション
 コスト削減のために外注化
 管理と統制のための自前主義
Before
ITは本業
 本業はITが前提
 人間はITで本業を革新する方法を決定
 ITは企業のコアコンピタンスを実現
ITはプロフィットセンター
 利益拡大がミッション
 戦略的価値を創出するための内製化
 スピードと俊敏性のためのクラウド化
After
情報システムについての役割分担
44
事業戦略
事業計画
システム計画
アプリ開発
インフラ構築
運用管理
事
業
部
門
情
報
シ
ス
テ
ム
部
門
既存システム/主に「守りのIT」
事業戦略
事業計画 システム計画
アプリ開発 インフラ構築
新規システム/主に「攻めのIT」
既存システム
との連係
運用管理
クラウド
異なるビジネス
45
オンプレ+ハイブリッド オール・イン・クラウド
技術的選択
機能・性能・コストで選ぶ
経営的選択
ビジネス価値で選ぶ
情報システム部門 事業部門
売上や利益の増大
新しい市場で優位なポジョンを構築
顧客や従業員の満足度向上
コスト・パフォーマンスの向上
運用管理負担の軽減
トラブルの減少・安定性の向上
既存システムの維持・強化 デジタル・トランスフォーメーション
クラウド・ネイティブオンプレ+クラウドとの差異
マイクロサービス・コンテナ
アジャイル・DevOps
サーバーレス・FaaS
仮想化・ストレージ・ネットワーク
ウォーターフォール開発
サーバー・IaaS
専門性の高い技術力やスピード調達力と低価格
既存システム/主に「守りのIT」 新規システム/主に「攻めのIT」
<主管部門>
<システム形態>
<選択基準>
<テクノロジー>
<評価軸>
<競争優位性>
IT利用の常識を変える
クラウド・コンピューティング
Cloud Computing
本章の狙い
IT利用の常識を変えるクラウド・コンピューティング
システム資源の調達手段に留まらないクラウド・コンピューティング
の役割や価値を理解する。
クラウド・コンピューティング
で変わるITの常識
コンピュータの構成と種類
サーバー・コンピュータ
データセンターなどの専用設備に設置
複数のユーザーが共用
クライアント・コンピュータ
個人が所有する、あるいは交代で利用する
個人ユーザーが一時点で占有して使用する
組み込みコンピュータ
モノの中に組み込まれている
それぞれのモノの機能や性能を実現している
ソフトウェア
ゲーム
ブラウザー
ワープロ
データベース
通信制御
認証管理
OS(Operating System)
ハードウェア
CPU(中央演算処理装置)
メモリー(主記憶装置)
ストレージ(補助記憶装置)
ネットワーク機器
電源装置
コンピュータ
情報システムの構造
業務や経営の目的を達成するための
仕事の手順
ビジネス・プロセス
情報システム
ビジネス・プロセスを効率的・効果
的に機能させるためのソフトウエア
アプリケーションの開発や実行に共
通して使われるソフトウエア
ソフトウエアを稼働させるための
ハードウェアや設備
アプリケーション
プラットフォーム
インフラストラクチャー
販売
管理
給与
計算
生産
計画
文書
管理
経費
精算
販売
管理
給与
計算
生産
計画
文書
管理
経費
精算
データベース
プログラム開発や実行を支援
稼働状況やセキュリティを管理
ハードウェアの動作を制御
ネットワーク
機器
電源設備サーバー ストレージ
ネットワーク
コレ1枚でわかるクラウドコンピューティング
インフラストラクチャー
プラットフォーム
アプリケーション
計算装置 記憶装置 ネットワーク
データ
ベース
運用管理
プログラム
実行環境
プログラム
開発環境
認証管理
電子
メール
ソーシャル
メディア
新聞
ニュース
ショッピング
金融取
引
財務
会計
施設や設備
「クラウド・コンピューティング」という名称の由来
アプリケーション
プラットフォーム
インフラ
クラウド(Cloud)
=ネットワークあるいはインターネット
ネットワークの向こう側にあるコンピュータ(サーバー)を
ネットワークを介して使う仕組み
クラウド・コンピューティング
Cloud Computing
「自家発電モデル」から「発電所モデル」へ
工場内・発電設備
 設備の運用・管理・保守は自前
 需要変動に柔軟性なし
電力供給が不安定
自前で発電設備を所有
工場内・設備
電
力
電力会社・発電所
大規模な発電設備
低料金で安定供給を実現
 設備の運用・管理・保守から解放
 需要変動に柔軟に対応
工場内・設備
送電網
データセンター
大規模なシステム資源
低料金で安定供給を実現
 設備の運用・管理・保守から解放
 需要変動に柔軟に対応
システム・ユーザー
デ
ー
タ
ネットワーク
歴史的背景から考えるクラウドへの期待
業務別専用機
業務別専用機
業務別専用機
業務別専用機
UNIXサーバー
PC
PCサーバー
Intel
アーキテクチャ
汎用機
メインフレーム
IBM System/360
IBM System/360
アーキテクチャ
〜1964
汎用機
メインフレーム
PC
1980〜
ミニコン
オフコン
エンジニアリング
ワークステーション
汎用機
メインフレーム
ダウンサイジング
マルチベンダー
2010〜
PC+モバイル+IoT
汎用機
メインフレーム
PCサーバー
PCサーバー
PCサーバー
クラウド
コンピューティング
データセンター
情報システム部門の現状から考えるクラウドへの期待
新規システムに投資する予算
既存システムを維持する予算
(TCO)
40%
60%
新規システムに投資する予算
既存システムを維持する予算
IT予算の増加は期待できない!
既存システムを
維持するための
コスト削減
 TCOの上昇
 IT予算の頭打ち
クラウドへの期待
「所有」の限界、使えればいいという割り切り
クラウド・コンピューティング
の価値
セルフ・サービス・ポータル
 調達・構成変更
 サービスレベル設定
 運用設定
 ・・・
数分から数十分
直近のみ・必要に応じて増減
経費・従量課金/定額課金
クラウド
システム資源のECサイト
見積書
契約書
メーカー
ベンダー
サイジング
調 達
費 用
数週間から数ヶ月
数ヶ月から数年を想定
現物資産またはリース資産
従来の方法
調達手配
導入作業
クラウドならではの費用対効果の考え方
システム関連機器の
コストパフォーマンス
リース
コストパフォーマンスが
長期的に固定化
クラウド
新機種追加、新旧の入替えを繰り返し
継続的にコストパフォーマンスを改善
移行・環境変更に
かかる一時経費
2006/3/14〜
50回以上値下げ
 徹底した標準化
 大量購入
 負荷の平準化
 APIの充実・整備
 セルフサービス化
 機能のメニュー化
クラウド・コンピューティングのビジネス・モデル
クラウド・コンピューティング
オンデマンド
従量課金
自動化・自律化
システム資源
の共同購買
サービス化
低コスト 俊敏性 スケーラビリティ
SDI (Software Defined Infrastructure)
IT活用適用領域の拡大 難しさの隠蔽
システム資源
エコシステム
クラウドがもたらしたITの新しい価値
クラウド・コンピューティング
IT利用のイノベーションを促進
ビジネスにおけるIT価値の変化・向上
新たな需要・潜在需要の喚起
モバイル・ウェアラブル
ソーシャル 人工知能
ビッグデータ
IT利用者の拡大
IoT ロボット
価格破壊 サービス化
クラウド・コンピューティング
とは
クラウドの定義/NISTの定義
クラウド・コンピューティングは
コンピューティング資源を
必要なとき必要なだけ簡単に使える仕組み
配置モデル
サービス・モデル
5つの重要な特徴
米国国立標準技術研究所
「クラウドコンピューティングとは、ネットワーク、サーバー、ストレージ、アプリケーション、サービスなど
の構成可能なコンピューティングリソースの共用プールに対して、便利かつオンデマンドにアクセスでき、最小
の管理労力またはサービスプロバイダ間の相互動作によって迅速に提供され利用できるという、モデルのひとつ
である (NISTの定義)」。
クラウドの定義/サービス・モデル (Service Model)
アプリケーション
ミドルウェア
オペレーティング
システム
インフラストラクチャ
PaaS
Platform
as a Service
Infrastructure
as a Service
Software
as a Service
SaaS
Salesfoce.com
Google Apps
Microsoft Office 365
Microsoft Azure
Force.com
Google App Engine
Amazon EC2
IIJ GIO Cloud
Google Cloud Platform
アプリケーション
ミドルウェア & OS
設備 &
ハードウェア
プ
ラ
ッ
ト
フ
ォ
ー
ム
IaaS
ハイブリッド・クラウド
複数企業共用
パブリック・クラウド
クラウドの定義/配置モデル (Deployment Model)
プライベート・クラウド
個別企業専用
個別・少数企業 不特定・複数企業/個人
LAN LAN
インターネット
特定企業占有
ホステッド・プライベート・クラウド
固定割当て
LAN
専用回線・VPN
LAN
ハ
イ
ブ
リ
ッ
ド
ク
ラ
ウ
ド
ベンダーにて運用、ネット
ワークを介してサービス提供
パブリック
クラウド
自社マシン室・自社データセ
ンターで運用・サービス提供
プライベート
クラウド
5つの必須の特徴
人的介在を排除
無人
システム
TCOの削減
人的ミスの回避
変更への即応
ソ
フ
ト
ウ
ェ
ア
化
さ
れ
た
イ
ン
フ
ラ
ス
ト
ラ
ク
チ
ャ
調
達
の
自
動
化
運
用
の
自
動
化
オンデマンド・セルフサービス
幅広いネットワークアクセス
迅速な拡張性
サービスの計測可能・従量課金
リソースの共有
注:SaaSやPaaSの場合、絶対条件ではない。
ハイブリッド・クラウドとマルチ・クラウド
クラウド管理プラットフォーム
オンプレミス(自社構内)
データセンタ(自社設備)
データセンタ(他社設備)
コロケーション/ホスティング
パブリック・クラウド パブリック・クラウド
ホステッド
プライベート
クラウドハイブリッド・クラウド
マルチ・クラウド
インターネット/VPN/専用線
個別専用システム ハイブリッド・クラウド マルチクラウド
クラウドの分類と関係
個別システム
ホステッド
プライベート
クラウド
SaaS(Software as a Service)
PaaS(Platform as a Service)
IaaS(Infrastructure as a Service)
SaaS
PaaS
IaaS
プライベート・クラウド
パブリック・クラウド/クラウド事業者資産を使用
オンプレミス・システム/自社資産として所有
ハイブリッド・クラウド
プライベートとパブリックの連係・組合せ
マ
ル
チ
・
ク
ラ
ウ
ド
複
数
の
パ
ブ
リ
ッ
ク
を
連
係
・
組
合
せ
クラウドのメリットを活かせる4つのパターン
負
荷
時間
OnとOff:キャンペーンサイトやバッチ処理などで一
時的負荷が増大する場合、固定的な設備では過剰投資と
なってしまう可能性が高く、従量課金で使えることで、
費用負担を最適化できる。
負
荷
時間
急激な成長:新しいサービスやゲームなどでは、予め
ユーザー数の増減を予測することが難しい。クラウドは
初期投資不要であり、必要に応じて継続的にリソースを
拡張できるスケーラビリティが行かせる。
負
荷
時間
予測不可能な使用量の増大:人気商品の発売や
期間限定セールなどで、トラフィックが急上昇し、ス
ループットの低下や過負荷によるトラブルなどが予測さ
れるとき、ダイナミックなリソースの増減で対応できる。
負
荷
時間
周期的な使用量の増減:旅行シーズンやお歳暮
シーズンなどでトラフィックが増加するサービスでは、
固定的な設備を持つことは割高となるため、柔軟にリ
ソースを増減できることでコスト最適が図れる。
システム・リソースを確定・固定できない
クラウドによるコスト改善例
評価対象としたアプリケーション
アンケート登録/集計システム
店舗入力
ダウンロード
イベント
ログイン画面
店頭用入力画面
集計ファイル作成画面
ダッシュボード画面
イベント用入力画面
Write
Write
Read
Read
認証されたユーザのみ
アクセス可能なページ
評価対象としたアプリケーション/処理フロー
よ く あ り が ち な
webシステム
構築事例:従来型のWebアプリケーション・アーキテクチャ
EC2
Internet
クライアント
Elastic Load
Balancing
EC2
冗長化
EC2
EC2
EC2
EC2
EC2
冗長化 冗長化EC2
EC2
Web AP DB死活監視
DNS
DNSのセットアップが必要
APはそのまま移行。ただし、セッション管理等、一部改修が
必要な場合がある。
ミドルウェアが必要
(Oracle、 SQLServer、死活監視ソフト等の購入)
DBMSのセットアップが必要
EC2:1台
365日24時間稼働:$175.2
EC2:9台
365日24時間稼働:$1576.8
ELB:1台
365日24時間稼働:$236.52+α
ELB:2台
365日24時間稼働:$473.04+α
リージョン:東京
<EC2>
インスタンスタイプ:t2.micro
(最少)
料金:$0.020/1時間
<ELB>
料金:$0.027/1時間
+$0.008/1GB
年間:約$2049.84
約254,980円
※2015/3/20時点
構築事例:AWSサービスを活かしたアーキテクチャ
EC2
Internet
クライアント
Elastic Load
Balancing
EC2
冗長化
EC2
EC2
冗長化
Web AP DB
DNS
Route 53に
設定するのみ
死活監視のソフトウェア不要
基本的に無料/アラーム設定でメール通知
DBMSはインストール不要
 Oracle、SQL Server等のライセンス料込
 EC2の接続先を変更するだけ
冗長構成はMulti-AZを選択するのみ
EC2:4台
365日24時間稼働:$700.8
ELB:2台
365日24時間稼働:$473.04+α
RDS:
365日24時間稼働:$455.52
Route53:
1年間:$26.4(最少)
リージョン:東京
<EC2>
インスタンスタイプ:t2.micro
(最少)
料金:$0.020/1時間
<ELB>
料金:$0.027/1時間
+$0.008/1GB
<RDS>
インスタンスタイプ: t2.micro
(最少)
年間:約$1655.76
約198,691円
Cloud
Watch
Route 53
RDS(Master)
RDS(Slave)
DynamoDB
セッション
管理
※2015/3/20時点
構築事例:AWSサービスを最大限活かしたアーキテクチャ
Internet
クライアント
Cloud
Front
画面表示は、
クライアント側
アプリ
メールサーバー不要
冗長構成、拡張・データ再配置
はAWS任せ
リージョン:東京
<S3>
料金:$0.0330/GB
+リクエスト数+データ転
送量
<CloudFront>
料金:$7.2/年 (試算した結果)
<Lambda>
料金:$0
<DynamoDB>
料金:$0 (試算した結果)
年間:約$7.56
約907円
Cloud
Watch
JavaScript
入力ページ(HTML)
コンテンツ
非公開コンテンツ
Log等
S3
DynamoDB
Lambda Node.js
テーブル
Cognito
Webサーバー機能
3箇所以上で自動複製、容量無制限
キャッシュ
SSL証明書
任意のタイミングで処理実行
負荷分散、障害対策はAWS任せ
AWS認証
アプリ認証
SignedURL発行
サーバ側アプリ
※2015/3/20時点
※条件によって料金は異なります
クラウドは手段の負担を減らす仕組み
アプリケーション
データ
ランタイム
ミドルウェア
オペレーティング
システム
仮想化
サーバー
ストレージ
ネットワーク
アプリケーション
データ
ランタイム
ミドルウェア
オペレーティング
システム
仮想化
(必ずしも使わない)
サーバー
ストレージ
ネットワーク
アプリケーション
データ
ランタイム
ミドルウェア
オペレーティング
システム
仮想化
(必ずしも使わない)
サーバー
ストレージ
ネットワーク
アプリケーション(アドオン)
IaaS PaaS SaaS
ア
プ
リ
ケ
ー
シ
ョ
ン
利
用
す
る
企
業
の
責
任
ク
ラ
ウ
ド
事
業
者
の
責
任
プ
ラ
ッ
ト
フ
ォ
ー
ム
イ
ン
フ
ラ
ス
ト
ラ
ク
チ
ャ
ー
クラウドへ移行することに伴うビジネスの変化
自社所有から
パブリック・クラウド
への移管
5年毎のリース更改
がなくなる
運用自動化の
範囲が拡大する
情報システム部門
の役割が変わる
SaaS/PaaS
サーバーレス
の適用範囲
が拡大する
5年毎の
更新ビジネス
消滅
アジャイル開発
DevOpsの
適用拡大
テクノロジー
を駆使した
改革提案が
求められる
企画・目利き
デザインなどの
上流スキルが
求められる
クラウドがもたらすビジネス価値
構築や運用からの解放
最新テクノロジーの早期利用
資産から経費へのシフト
 アプリケーションの質的向上にリソースをシフトできる
 ビジネス・スピードの加速に迅速柔軟に対応できる
 試行錯誤が容易になってイノベーションを加速する
 テクノロジーの進化をいち早くビジネスに取り込める
 初期投資リスクが削減でき、IT活用範囲を拡大できる
 ビジネス環境の変化に柔軟に対応できる
クラウド・コンピューティング
3つの誤解
クラウドにまつわる3つの誤解
ガバナンスが効かない、セキュリティが心配だから使
えない。自分で所有した方が安心だ。
調達の手段が変わるだけ。自分たちのやることは実質
変わらない。運用がある程度は任せられる程度。
コスト・メリットは期待できない。クラウドだって、
使用料を支払い続けるのだから結局は同じ。
誤解1
誤解2
誤解3
誤解1:調達の手段が変わるだけ?
+5年+5年5年
アプリケーション+業務対応
運用管理
移行作業 移行作業 移行作業
アプリケーション+業務対応
運用管理
クラウド
アプリケーションや業務対応に人的資源を集中できる
誤解2:ガバナンスが効かない?
LAN
ファイヤー
ウォール
特定&少数の通信相手
自社の所有するシステム資産を守ることにより
経営、業務、データ、個人を守ることができた
LAN
ファイヤー
ウォール
インターネット
特定・不特定&多数の通信相手
ユーザー認証や暗号化、セキュアなプログラムなどで
経営、業務、データ、個人を守らなくてはならない
複
雑
さ
と
範
囲
の
拡
大
誤解2:ガバナンスが効かない?
インフラ
プラットフォーム
運用管理
アプリケーション
業務対応
自社対応
クラウド
自社所有 IaaS PaaS SaaS
責任分界点が変わる:運用管理 × セキュリティ対応
ソフトウェア
ハードウェア
附帯設備
誤解3:コストは下がらない?
ハードウェア
附帯設備
ソフトウェア
業務対応 業務対応
クラウドを使用する場合
固定資産の割合が高い
ビジネス環境の変化に柔軟対応
リスクヘッジ効果が高い
自社所有の場合
経費の割合が高い
誤解3:コストは下がらない?
必要だと思う
4コア
リスク係数×1.5
+2コア
4+2=6コアはないので
仕方なく+2コア
8コア/1ソケットのCPU
オンプレで調達する場合の構成
CPUコア数の削減で1/4
本当に必要だった
2コア
クラウド・サービス
クラウドで調達する場合の構成
実需に応じ必要な能力を
調達すればいい
オンプレと同じ
構成・見積は意味が無い
削減
誤解3:コストは下がらない?
夜間は使用しないので24時間→18時間でさらに2/3
「所有」では24時間が前提。これ稼働時間単位に変更(分単位で課金)
データセンター使用料は無料
インフラの運用管理は自動化+お任せ
オンプレ前提の見積ではなく、クラウドの特性を活かした見積でコストを下げられる可能性
クラウドならではのボトルネックや制約事項
CPUコア数の削減で1/4
銀行システムにおけるクラウド活用の動き
日本ユニシスとマイクロソフト、「BankVision
on Azure」実現に向け共同プロジェクトを開始
2018年3月23日
日本ユニシス株式会社と日本マイクロソフト株式会社
は23日、日本ユニシスのオープン勘定系システム
「BankVision」の稼働基盤として、Microsoft Azureを
採用するための取り組みを推進するため、共同プロ
ジェクトを4月から開始すると発表した。
いかに費用を抑え、最新技術も取り入れた上で短期間
でのシステム開発を行うかという課題に対応するため、
クラウドを選択。現在はクラウド最大手の米アマゾン
ウェブサービスと組み、業務システムの一部から移行
を進めている。
5年間で100億円のコスト削減
1000超のシステムの約半分をクラウド化
週刊ダイヤモンド 2017.5.17
https://diamond.jp/articles/-/128045
クラウド・バイ・デフォルト原則
政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針(案)
クラウド・バイ・デフォルト原則(クラウドサービスの利用を第一候補)
 政府情報システムは、クラウドサービスの利用を第一候補として、その検討を行う
 情報システム化の対象となるサービス・業務、取扱う情報等を明確化した上で、メリット、開発の規模及び経費等を基に検討を行う
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/cio/dai77/siryou.html
Step0:検討準備
クラウドサービスの利用検討に先立ち、対象となるサービス・業務及び情報といった事項を可能な限り明確化する。
Step1:SaaS(パブリック・クラウド)の利用検討と利用方針
サービス・業務における情報システム化に係るものについて、その一部又は全部が SaaS(パブリック・クラウド)により提供されてい
る場合(SaaS(パブリック・クラウド)の仕様に合わせ、サービス・業務内容を見直す場合も含まれる。)には、クラウドサービス提
供者が提供する SaaS(パブリック・クラウド)が利用検討の対象となる。
Step2:SaaS(プライベート・クラウド)の利用検討
サービス・業務における情報システム化に係るものについて、その一部又は全部が、府省共通システムの諸機能、政府共通プラット
フォーム、各府省の共通基盤等で提供されるコミュニケーション系のサービスや業務系のサービスを SaaS として、当該サービスが利用
検討の対象となる。
Step3:IaaS/PaaS(パブリック・クラウド)の利用検討と利用方針
SaaS の利用が著しく困難である場合、又は経費面の優位性その他利用メリットがない場合については、民間事業者が提供する
IaaS/PaaS(パブリック・クラウド)が利用検討の対象となる。
Step4:IaaS/PaaS(プライベート・クラウド)の利用検討
IaaS/PaaS(パブリック・クラウド)の利用が著しく困難である場合、又は経費面の優位性その他利用メリットがない場合については、
サーバ構築ができる政府共通プラットフォーム、各府省独自の共通基盤等を IaaS/PaaS として、当該サービスが利用検討の対象となる
オンプレミス・システムの利用検討
変わる情報システムのかたち
戸建・定住
新築
建売り
建設業
一括売り切り
住み替え
リフォーム
賃貸
サービス業
継続支払い
ソフトウェア化する
ITインフラストラクチャー
IT Infrastructure
本章の狙い
ソフトウエア化するITインフラ・ストラクチャー
物理的なシステム構成に依存せず、ソフトウエアの設定だけで調達や
変更ができるITインフラストラクチャーについて理解する。
仮想化とは
仮想
virtual
表面または名目上はそうでないが
実質的には本物と同じ
本来の意味
「仮想化」の本当の意味
本来の意味
仮想化
Virtualization
物理的実態とは異なるが、
実質的には本物と同じ機能を実現する仕組み
日本語での語感
虚像の〜
実態のない〜
It was a virtual promise.
(約束ではないが)実際には約束も同然だった。
He was the virtual leader of the movement.
彼はその運動の事実上の指導者だった。
仮想化とは何か
コンピュータのハードやソフト
物理的実態 実質的機能
自分専用の
コンピュータ・システム
周りの風景や建造物と
重ね合わされた情報
3Dで描かれた地図や
障害物や建物の情報
仮想マシン/仮想システム
仮想現実
仮想3Dマップ
仮
想
化
を
実
現
す
る
ソ
フ
ト
ウ
エ
ア
物理資源・物理機械
サーバーの仮想化 ストレージの仮想化
Java仮想マシン
データベースの仮想化
パーティショニング
分 割
アグリゲーション
集 約
エミュレーション
模 倣
仮想化 (Virtualization)
ひとつの物理資源を
複数の仮想資源に分割
複数の物理資源を
ひとつの仮想資源に分割
ある物理資源を
異なる資源に見せかける
仮想化の3つのタイプ
「インフラのソフトウエア化」の意味・仮想化の役割
物理的実態(バードウェアや設備)と実質的機能(仮想化されたシステム)を分離
物理的な設置・据え付け作業を必要とせず、ソフトウエアの
設定だけで、必要とするシステム構成を調達・変更できる。
ユーザーは柔軟性とスピードを手に入れる
標準化されたハードウェアやソフトウエアを大量に調達
してシステムを構成し、運用を自動化・一元化する。
運用管理者はコスト・パフォーマンスを手に入れる
*「抽象化」とは対象から本
質的に重要な要素だけを抜き
出して、他は無視すること。
仮想化の役割 1/2
必要とされるシステム(機能)構成A 必要とされるシステム(機能)構成B 必要とされるシステム(機能)構成C
分割 集約 模倣
仮想化
実質的機能
使用目的に応じて必
要とされるシステム
を調達・構成する。
物理的な設置・据え付
け作業を必要とせず、
ソフトウエアの設定だ
けで、必要とするシス
テム構成を調達・変更で
きる。
柔軟性とスピード
演算 データ管理 ネットワーキング
サーバー ストレージ
システム資源
ネットワーク機器
物理的実態
 ハードウェア
 プラットフォーム
 設備
標準化されたハード
ウェアやソフトウエア
を大量に調達してシス
テムを構成し、運用を
自動化・一元化する。
コスト・パフォーマンス
物理時実態から
実質的な機能や
性能を取り出す
物理インフラを
ソフトウェア化
仮想化の役割 2/2
必要とされるシステム(機能)構成A 必要とされるシステム(機能)構成B 必要とされるシステム(機能)構成C
仮想化物理時実態から
実質的な機能や
性能を取り出す
実質的機能
使用目的に応じて必
要とされるシステム
を調達・構成する。
物理的な設置・据え付
け作業を必要とせず、
ソフトウエアの設定だ
けで、必要とするシス
テム構成を調達・変更で
きる。
柔軟性とスピード
サーバー ストレージ
システム資源
ネットワーク機器
物理的実態
 ハードウェア
 プラットフォーム
 設備
標準化されたハード
ウェアやソフトウエア
を大量に調達してシス
テムを構成し、運用を
自動化・一元化する。
コスト・パフォーマンス
物理的実態の持つ機能や性能を抽象化*し
その組合せや変更などの操作を物理的実態から分離することで
構築や運用の自由度を高め柔軟性とスピードを向上させる技術
*「抽象化」とは、対象から本質的に重要な要素だけを抜き出して、他は無視すること。
物理インフラを
ソフトウェア化
Infrastructure as Code
仮想サーバー
物理サーバー
仮想ストレージ
物理ストレージ
仮想ネットワーク
物理ネットワーク
使用するシステム構成 リソース・プール(物理リソース)プログラムによる定義
Infrastructure as Code
全てのシステム構成をソフトウェアで定義できる
インフラの構築や運用管理での属人化による「暗黙知」をなくし
ノウハウの蓄積や自動化を容易にする
Infrastructure as Codeとこれまでの手順
業務処理ロジックの
プログラミング
日本語などの自然言語で
運用手順書の作成
人手による
運用管理
日本語などの自然言語で
システム構成図作成
人手による
システム構築
従来の手順
 属人化による「暗黙知」化
 人手の介在によるミスやスピードの制約
業務処理ロジックの
プログラミング
運用手順の
プログラミング
システム構成の
プログラミング
運用管理の
自動化
システム構成
の自動化
これからの手順
 全手順のコード化によるノウハウの継承
 開発〜本番の高速化と変更の俊敏性
仮想化の種類
仮想化の種類(システム資源の構成要素から考える)
仮想化
サーバーの仮想化
クライアントの仮想化
ストレージの仮想化
ネットワークの仮想化
デスクトップの仮想化
アプリケーションの仮想化
仮想LAN(VLAN)
SDN(Software-Defined Networking)
ブロック・レベルの仮想化
ファイル・レベルの仮想化
画面転送方式
ストリーミング方式
アプリケーション方式
ストリーミング方式
ハイパーバイザー方式
コンテナ方式/OSの仮想化
仮想PC方式
ブレードPC方式
サーバー仮想化
OS
サーバー
(ハードウェア)
ミドルウェア
アプリ
OS
ミドルウェア
アプリ
OS
ミドルウェア
アプリ
OS
ハードウェア
ハイパーバイザー
仮想サーバー
ミドルウェア
アプリ
OS
仮想サーバー
ミドルウェア
アプリ
OS
仮想サーバー
ミドルウェア
アプリ
CPU
メモリ
CPU
メモリ
CPU
メモリ
CPU
メモリ
サーバー
(ハードウェア)
サーバー
(ハードウェア)
CPU
メモリ
CPU
メモリ
CPU
メモリ
物理システム 仮想システム
サーバー仮想化とコンテナ
OS
ハードウェア
ハイパーバイザー
仮想サーバー
ミドルウェア
アプリ
OS
仮想サーバー
ミドルウェア
アプリ
OS
仮想サーバー
ミドルウェア
アプリ
サーバー仮想化
ハードウェア
コンテナ管理ソフトウエア
OS
ミドルウェア
アプリ
ミドルウェア
アプリ
ミドルウェア
アプリ
コンテナ コンテナ コンテナ
コンテナ
ライブラリ
環境変数
ライブラリ
環境変数
カーネル カーネル カーネル
カーネル
ライブラリ
環境変数
ライブラリ
環境変数
ライブラリ
環境変数
ライブラリ
環境変数
隔離されたアプリケーション実行環境を提供する
実行イメージのスナップショットをパッケージとしてファイルにして保存できる
アプリケーションに加えて仮想マシン・OS
の実行イメージを持つ必要がある
アプリケーションとOSの一部
の実行イメージを持つ必要がある
デプロイするサイズ
大きい
起動・停止時間
遅い
デプロイするサイズ
小さい
起動・停止時間
早い
異なるOS
可
異なるOS
不可
メモリーやディスクの消費量が大きい = リソース効率が悪い メモリーやディスクの消費量が大きい = リソース効率が良い
構成の自由度が高い
異なるOS・マシン構成を必要とする場合など
軽量で可搬性が高い
実行環境への依存が少なく異なる実行環境で稼働させる場合など
仮想マシンとコンテナの稼働効率
ハードウェア
仮想マシン
ミドルウェア
アプリケーション
OS
仮想マシン
OS
仮想マシン
OS
ミドルウェア
アプリケーション
ミドルウェア
アプリケーション
ハードウェア
OS
コンテナ管理機能
カーネル
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
カーネル カーネル カーネル
ライブラリ
環境変数
ライブラリ
環境変数
ライブラリ
環境変数
コンテナ仮想マシン
デスクトップ仮想化とアプリケーション仮想化
ネットワーク
入出力操作
通信
クライアントPC
文書作成 表計算
プレゼン ・・・
デスクトップ画面
メモリーストレージ
ハイパーバイザー
PC用OS
(Windows7など)
プロセッサー
文書
作成
表
計算
プレ
ゼン
・・・
入出力操作
通信
クライアントPC
文書作成
画面表示
仮想PC
サーバー
PC用OS
(Windows7など)
文書
作成
表
計算
プレ
ゼン
・・・
仮想PC
メモリーストレージ
OS
プロセッサー
サーバー
ターミナル・モニター
文書
作成
表
計算
プレゼン ・・・
入出力操作
通信
クライアントPC
文書作成 表計算
プレゼン ・・・
デスクトップ画面
入出力操作
通信
クライアントPC
文書作成
画面表示
デスクトップ仮想化 アプリケーション仮想化
シンクライアント
ネットワーク
入出力操作
通信
シンクライアント
文書作成 表計算
プレゼン ・・・
画面表示
メモリーストレージ
ハイパーバイザー
PC用OS
(Windows7など)
プロセッサー
PC用OS
(Windows7など)
PC用OS
(Windows7など)
文書
作成
表
計算
プレ
ゼン
・・・
文書
作成
表
計算
プレ
ゼン
・・・
文書
作成
表
計算
プレ
ゼン
・・・
入出力操作
通信
シンクライアント
文書作成 表計算
プレゼン ・・・
画面表示
仮想PC 仮想PC 仮想PC
サーバー
ストレージ
文書作成 表計算
プレゼン ・・・
入出力操作
通信
アプリケーション
PC / Windows・Mac OS など
画面表示
データとプログラムの保管
プログラムの実行
は、PC内にて処理
データとプログラムの保管
プログラムの実行
は、サーバー内にて処理
シンクライアントは
画面表示と入出力操作
Chromebook
インターネット
データ
文書作成 表計算
プレゼン ・・・ ブラウザ
画面表示・入出力操作
通信
画面表示・入出力操作
通信
オフィス・アプリ
データ
文書作成 表計算
プレゼン ・・・
オフィス・アプリ
クラウドサービス Google Apps for workなど
ブラウザ
文書作成 表計算
プレゼン ・・・
PC / Windows・Mac OS など Chromebook / Chrome OS
クライアント仮想化
クライアントの仮想化
(アプリケーション方式)
仮想化
ソフトウェア
ハードウェア
クライアントPC
オペレーティング・システム
(ホストOS)
アプリケーション
OS
(ゲストOS)
アプリケーション
クライアントの仮想化
(ハイパーバイザー方式)
仮想化ソフトウェア
(ハイパーバイザー)
ハードウェア
クライアントPC
アプリケーション
OS
アプリケーション
OS
仮想マシン仮想マシン仮想マシン
CPU
メモリ
CPU
メモリ
ストレージ仮想化
2TB
実データ
3TB
実データ
5TB
実データ
10TB 10TB 10TB
仮想ストレージ
ブロック仮想化
10TB
実データ
30TB
ストレージ(ハードウェア)
8TB 7TB 5TB
未使用領域
20TB
ボリュームの仮想化
10TB 10TB 10TB
仮想ストレージ
シンプロビジョニング
10TB
実データ
30TB
ストレージ(ハードウェア)
容量の仮想化
未使用領域
0TB
必要な時に
追加
2TB
実データ
3TB
実データ
5TB
実データ
8TB 7TB 5TB
仮想ストレージ
重複排除
ストレージ(ハードウェア)
データ容量の削減
D
A B
C E F
A B
ファイル
2
ファイル1
D
A B C
E F重複データ
を排除
SDNとNFV
QoS・セキュリティ
機 能
制 御
パケットの種類に応じて設定
物理構成に依存
機器ごとに個別・手動制御
物理
ネットワーク
A
物理
ネットワーク
B
物理
ネットワーク
C
従来のネットワーク
アプリケーションに応じて設定
物理構成に関係なく、ソフトウエア設定で機能を構成
機器全体を集中制御・アプリケーション経由で制御可能
仮想化
仮想
ネットワーク
A
仮想
ネットワーク
B
仮想
ネットワーク
C
物理
ネットワーク
集中制御
SDN(Software Defined Networking)
新たなビジネス基盤となるIoT
モノのインターネット/Internet of Things
本章の狙い
新たなビジネス基盤となるIoT
社会やビジネスの在り方を大きく変えようとしている(IoT)モノのイ
ンターネットの本質を理解する。
IoTとは何か
IoTの2つの意味
データ収集
モニタリング
データ解析
原因解明・発見/洞察
計画の最適化
データ活用
業務処理・情報提供
機器制御
ヒト・モノ
クラウド・コンピューティング
日常生活・社会活動 環境変化・産業活動
現実世界/Physical World
サイバー世界/Cyber World
Cyber Physical System/現実世界とサイバー世界が緊密に結合されたシステム
現実世界をデジタル・データに変換
モノそのものやそれを取り囲む環境の状態とその変化
広義のIoT=CPS
デジタル・データで現実世界を
捉え、アナログな現実世界を動
かす仕組み
狭義のIoT
現実世界の出来事をデジタル・
データに変換しネットに送り出
す仕組み
伝統的なやり方とIoTとの違い
経験値
勘や習慣
による判断
経験や実験
によって学習し
最適解を見つけ出す
人間による
観察や実験
個人の経験値、伝統的な習慣や思い込み
の範囲を超えることが困難
現実の世界で起きる”ものごと”や”できごと”
伝統的な社会やビジネスの仕組み
センサーによって
収集されるデータ
データを収集し
機械学習によって
最適解を見つけ出す
ルール
や統計値
による判断
徹底して無駄を無くし
効率、コスト、期間を劇的に改善
IoTで実現する社会やビジネスの仕組み
社会基盤のシフト 「モノ」の価値のシフト
IoTがもたらす2つのパラダイムシフト
1. 現実世界のデジタル・データ化
2. ビッグデータを使ったシミュレーション
3. 現実世界へのフィードバック
1. 「ハード+ソフト」がネットワーク接続
2. モノとクラウド・サービスが一体化
3. システム全体で価値を生成
ハードウェア
ソフトウェア
ハードウェア
モノの価値は、
ハードウェアからソフトウェアへ
そしてサービスへとシフト
アナリティクス
人工知能+シミュレーション
アプリケーション
クラウド・サービス
ビッグデータ
現実世界のデジタルコピー
現実世界のデジタルデータ化
IoT
CPS社会の実現 「モノ」のサービス化
インターネット
クラウド・サービス
CPS:Cyber-Physical System
電脳世界
(Cyber World)
現実世界
(Physical World)
デジタル・コピー/デジタルツイン
ビッグデータ
機械学習
センサ
データ
最適解
制御
Cyber-Physical System
圧 力
ひずみ
振 動
重 量
電 流
・・・
シミュレーション
現実世界をデジタルで再現し
条件を変えて実験を繰り返し
最適解を見つけ出す
変更や変化に即応して
最適状態・動きを実現
「モノ」のサービス化
モノの価値は、
ハードウェアからソフトウェアへ、
そしてサービスへとシフト
ハードウェア
ソフトウェア
サービス
機能・性能を随時更新可能
機能・性能の固定化
機能・性能を継続的更新可能
モノの価値を評価する基準がシフト
「モノ」のサービス化
自動車メーカー 航空機メーカー 工作機械メーカー
アナリティクス
ソフトウェア改修
データ
収集
ソフトウェア
配信
新
規
開
発
制御ソフトウェア
アナリティクス
ソフトウェア改修
データ
収集
ソフトウェア
配信
新
規
開
発
制御ソフトウェア
アナリティクス
ソフトウェア改修
データ
収集
ソフトウェア
配信
新
規
開
発
制御ソフトウェア
運行データ走行データ 作業データ
制御 制御 制御
遠隔からの保守点検・修理、自律化機能による自己点検や修復、ソフトウェア更新による機能・性能・操作性の改善
インターネット
使 用
の現場 センサー コンピュータ ソフトウエア
モノ・製品
モノのサービス化の本質
ものづくり
の現場
開 発
製 造
保守
サポート
ソフトウェア
改修・更新
インターネット
直
結
・
連
係
ビジネス価値の進化
コア・ビジネス
 既存ビジネス
 蓄積されたノウハウ
 確実な顧客ベース
付加価値ビジネス
 収益構造の多様化
 既存ノウハウの活用
 顧客ベースの囲い込み
新規ビジネス
 顧客価値の拡大
 ノウハウの創出
 顧客ベースの拡大
製造・販売製造・販売 製造・販売
走行距離に応じた
従量課金サービス
Pay by Mile
出力×時間に応じた
従量課金サービス
Pay by Power
工事施工
自動化サービス
Smart Constriction
建設機械
遠隔確認サービス
KOMTRAX
安全・省エネ運転
コンサルティング
予防保守・交換
燃料費節約
コンサルティング
予防保守・交換
モノのサービス化
TOYOTA MaaS / e-Palette Concept KOMATSU SMART construction
土木工事における作業の自動化と高度化を実現す
ることに加え、前後工程も効率化して、工期の短
縮に貢献できるパッケージ化したサービス
移動、物流、物販など多目的に活用できるモビリ
ティサービス(MaaS)と、これを実現する専用
次世代電気自動車(EV)
モノを売り収益を得るビジネス。サービスはモノ売りビジネスを支援する手段
サービスを提供し収益を得るビジネス。モノはサービスを実現なする手段
これからのビジネスの方向
価値
モノ モノ
価値価値
モノ
プロダクト価値を買う
モノを手段として使う
モノを買う
価値が提供される
 デジタルテクノロジーを駆使
 継続的な顧客との関係を維持
 顧客の体験を進化させ続ける
 モノ自体の機能と性能を極め
 使いこなすための支援を継続
 顧客体験をモノに合せ最適化
価値=サービス体験に対価を払う モノ=機能や性能に対価を払う
テクノロジーの進化が求めるモノのサービス化
124
データ収集
モニタリング
データ解析
原因解明・発見/洞察
計画の最適化
データ活用
業務処理・情報提供
機器制御
ヒト・モノ
クラウド・コンピューティング
日常生活・社会活動 環境変化・産業活動
現実世界/Physical World
サイバー世界/Cyber World
Cyber Physical System/現実世界とサイバー世界が緊密に結合されたシステム
センサー+デジタル化された
顧客接点・プロセス
ビッグデータと機械学習 クラウド・サービス
IoTビジネスはモノをつなげるのではなく物語をつなげること
胸が痛い!
心臓発作の模様!
緊急措置が必要!
心臓発作の患者が
搬送されます!
病歴や処方薬など
電子カルテで確認
症状は・・・
救急車出動要請!
直ちに急行せよ!
工事中で
通行止!
最短迂回ルート
はこちら
これより患者
を搬送します!
IoTのビジネス戦略
魅力的な
サービスやコンテンツ
優れたUI/UX
利用者の増大
利用範囲の拡大や利用頻度の増大
分析・解釈
ビッグデータの収集
戦術的最適化
パーソナライズ・レコメンドなど
戦略的最適化
ビジネス開発・システム開発など
IoTと通信
コレ1枚でわかる第5世代通信
1G
2G
3G
4G
高速・大容量データ通信
 10G〜20Gbpsのピークレート
 どこでも100Mbps程度
大量端末の接続
 現在の100倍の端末数
 省電力性能
超低遅延・超高信頼性
 1m秒以下
 確実な通信の信頼性担保
5G
音声 テキスト データ 動画 IoT
多様なサービスへの適用を可能にする
 異なる要件のすべてを1つのネットワークで実現する。
 各要件をに応じてネットワークを仮想的に分離して提供する(ネットワーク・スライシング)。
1984年〜
1994年〜
2001年〜
2010年〜
2020年代〜
5Gの3つの特徴
先送り
高速・大容量
大量端末接続 超低遅延・高信頼性
100万台/k㎡ 1ミリ秒
20Gビット/秒
1Gビット/秒
10万台/k㎡ 10ミリ秒
20
倍
当面はLPWA
5G
4G
5Gの適用範囲
高速・大容量データ通信
 10G〜20Gbpsのピークレート
 どこでも100Mbps程度
大量端末の接続
 現在の100倍の端末数
 省電力性能
超低遅延・超高信頼性
 1m秒以下
 確実な通信の信頼性担保
5G
多様なサービスへの適用を可能にする
 異なる要件のすべてを1つのネットワークで実現する。
 各要件をに応じてネットワークを仮想的に分離して提供する(ネットワーク・スライシング)。
2020年代〜
2時間の映画を
3秒でダウンロード
ロボット等の
精緻な遠隔操作を
リアルタイムで実現
自宅内の約100個のモノ
がネットに接続
(現行技術では数個)
現在の移動通信システムより
100倍速いブロードバンドサー
ビスを提供
利用者がタイムラグを意識
することなく、リアルタイ
ムに遠隔地のロボット等を
操作・制御
スマホ、PCをはじめ、身の
回りのあらゆる機器がネッ
トに接続
第5世代通信におけるネットワーク・スライス
高速・大容量データ通信 大量端末の接続 超低遅延・超高信頼性
5G
ネットワーク・スライシング
高効率
ネットワーク・スライス
低遅延
ネットワーク・スライス
高信頼
ネットワーク・スライス
セキュア
ネットワーク・スライス
企業別
ネットワーク・スライス
エネルギー
関連機器の
監視や制御
農業設備や
機器の監視
や制御
物流トレー
サビリティ
遠隔医療
各種設備機
器の監視と
制御
ゲーム
災害対応
自動車
TISや自動運転
公共交通
機関
医療
遠隔医療や
地域医療
自治体
行政サービス
金融
サービス
企業内
業務システム
各種クラウド
サービス
・・・
第5世代通信におけるネットワーク・スライス
高速・大容量データ通信 大量端末の接続 超低遅延・超高信頼性
5G
ネットワーク・スライシング
SIM
SIM
SIM
閉域網
閉域網
閉域網
SIM
SIM
SIM(subscriber identity moduleもしくはsubscriber identification module/SIMカード)とは、電話番号を特定するための固有のID番号が記録された、
携帯やスマートフォンが通信するために必要なICカードのこと。
LPWA(Low Power Wide Area)ネットワークとは
低 速
最大数十キロbps
低消費電力
規定の電池容量で数ヶ月から数年使用可
広域通信
基地局から数キロから数十キロをカバー
低コスト
@10円/月程度からの使用料
利点 制約
LPWA(Low Power Wide Area)ネットワークの位置付
け
134
0.01 1 10 100 Mbps
km以上
100m
1m
10m
LPWA
SIGFOX
LoRaWAN
NB-IoT
無線LAN(Wi-Fi)
Bluetooth
Wi-SUN
ZigBee
Z-Wave
NFC
4G/LTE
高消費電力低消費電力
データ転送速度
通信距離
http://businessnetwork.jp/Detail/tabid/65/artid/5106/Default.aspx
LPWAネットワークの位置付け
SIGFOX
 上り:100bps
 下り:600bps
 料金:100円〜/年
LoRaWAN
 上り:3kbps
 下り:3kbps
 料金:360円〜/年
NB-IoT
 上り:27kbps
 下り:63kbps
 料金:10〜300円/月
通
信
料
金
回線速度
http://businessnetwork.jp/Detail/tabid/65/artid/5106/Default.aspx
*利用する月間データ量による
LPWA主要3方式の比較
920MHz帯
125kHz
キャリア事業者
の通信網
LTEと同帯域
200kHz
920MHz帯
100Hz
オープン仕様
免許不要
携帯電話
国際標準
免許要
仏SIGFOX社
独自仕様
免許不要
0.3〜50kbps
0.3〜50kbps
27kbps
63kbps
100bps
600bps
数km
〜数十km
最大40km
最大数十km
周波数帯
周波数幅
仕 様
免 許
通信速度(上)
通信速度(下)
通信距離
(半径)
LoRaWAN
NB-IoT
(LTE Cat-NB1)
SIGFOX
ゲートウェイ
基地局
基地局
ネットワークサーバー
クラウド・サービス
アプリ・サーバー
アプリ・サーバー
アプリ・サーバー
モノ/デバイス
モノ/デバイス
モノ/デバイス
3G :下り最大14.4Mbps /上り最大5.76Mbps
LTE :下り最大 150Mbps /上り最大 50Mbps
ソフトバンクのIoT通信サービス
137
規格名 特徴 技術仕様 周波数
最大通信速度
用途
(下り/上り)
NB-IoT 低価格化・省電力化に特化し、LTEと共存可能
3GPP
LTEバンド
27kbps/63kbps
スマートメーター
やパーキングメー
ターなどRelease 13
Cat. M1
LTEの一部の周波数帯域のみを利用して通信モジュール
の低価格化・省電力化を実現。音声通話にも対応
0.8Mbps/1Mbps
エレベーターや運
送管理など
1. ソフトバンクのIoTプラットフォームと併用する場合(1回線当たり)
プランA プランB プランC プランD
月額通信料 10円 20円 50円 200円
月間データ量 10KBまで 100KBまで 600KBまで 2MBまで
超過データ通信料 0.6円/KB 0.4円/KB 0.3円/KB 0.2円/KB
2. ソフトバンクの通信ネットワークのみを利用する場合(1回線当たり)
単体プランA 単体プランB 単体プランC 単体プランD
月額通信料 100円 150円 200円 300円
月間データ量 10KBまで 100KBまで 600KBまで 2MBまで
超過データ通信料 1円/KB 0.5円/KB 0.4円/KB 0.3円/KB
Wi-SUN
138
 Wireless Smart Utility Networkの略で、「Smart Utility Network」とは、ガスや電気、水
道のメーターに端末機を搭載し無線通信を使って、効率的に検針データを収集する無線通信シ
ステム
 サブギガヘルツ帯と呼ばれる900MHz前後の周波数帯の電波で通信。日本では2012年、
920MHz帯が免許不要で利用できる帯域として割り当てられている。
 無線LANなどで利用される2.4GHz帯と比べ、障害物などがあっても電波が届きやすく、他の
機器などからの干渉も少ない周波数帯。
LPWA(Low Power Wide Area)ネットワーク 通信規
格一覧
139
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/071500148/072000003/
人に寄り添うITを実現する人工知能/AI
Artificial Intelligence
本章の狙い
人に寄り添うITを実現する人工知能/AI
人間に寄り添い、人間の知的能力を拡張する人工知能の可能性と限界
について理解する。
AIとは何か
人間は何を作ってきたのか
143
鳥のように空を飛びたい
馬のように速く走りたい
魚のように海に潜りたい
人工知能の2つの方向性
視覚(See)
聴覚(Listen)
対話(Talk)
汎用型人工知能
異なる領域で多様で複雑な問題を解決する
特化型人工知能
個別の領域において知的に振る舞う
自己理解・自己制御
意識・意欲を持つ
自ら課題を発見し
自律的に能力を高めてゆく
人間が課題を発見し
人間が能力を高めてゆく
人工知能とは?
145
人間を超越した知性や知能を実現するテク
ノロジー。人工知能は、やがて神のような
存在となり、人間を奴隷のように支配する
ようになる。
人間の知性や知能についての解釈は多様。脳の仕
組みも未だ十分には解明されていない。従って、
人間を超越する知能や知性をとせのように創れば
いいのか分からないので、実現不可能。
自然な会話や学習による知識の獲得、状況
に応じた判断などの知能を必要とする作業
を、コンピューター上に構築した人工的な
知能を用いて再現する仕組みや研究のこと
人工知能についての国際的な定義は存在しない。
但し、言語理解や論理的思考など、人間がこれま
で脳内で行ってきた知的作業を再現することがで
きるテクノロジーと研究分野を意味している。
人間の内に取り込む知能 人間と対立する知能
拡張知能
Extended Intelligence
Augmented Intelligence
「東ロボくん」の実力と代替可能な職業
146
国公立大学 172校 内 23校 30学部 53学科 合否判定80%以上
私立大学 584校 内512校 1343学部 2993学科 合否判定80%以上
MARCH /関関同立の学科を含む
コンビニのレジは
”No Checkout”へ
手順が決まった仕事は機械に置き換わる
147
銀行の窓口業務は
ATMへ
駅の有人改札は
自動改札へ
単純
複雑
手順の決まった仕事は
機械に置き換わる
第3次AIブームの背景とこれから
1960 1970 1980 1990 2000 2010 2020 2030
第1次AIブーム
推論・探査など
ゲームや迷路などに
用途は限られ実用性は
無かった
第2次AIブーム
ルールベースなど
エキスバーとシステムと
して実用化されたが汎用
性が無かった
第3次AIブーム
機械学習(統計確率論や深層学習など)
汎用性、実用性が高まり、様々な分野の適用
が期待されている
大型コンピューター
メインフレーム
パーソナル・コンピューター
スマート
フォン
IoT
ビッグデータ時代の到来
ARPAnet 米国・インターネット
商用利用開始
日本・インターネット
商用利用開始(IIJ)
World Wide Web
が開発され公開
画像が扱えるWWWブラウザー
Mozaicが開発され公開
Windows95発売
IEが付属し、ブラウザーでの
インターネット利用者が拡大
ISLVRCにて
ディープラーニング圧勝
1969 1990 1993
1995
2012
Googleによる
猫認識
2011
Jeopardyにて
IBM Watson勝利
電脳将棋
竜王戦 開始
1997
チェス・チャンピオンに勝利
IBM Deep Blue
2007
iPhone
発売
1981
IBM PC 5150
発売
汎用人工知能
Artificial General Intelligence
登場の可能性
ムーアの法則/コンピュータ性能の加速度的向上1965〜
ムーアの法則の限界/新たな選択肢の登場
GPGPU、ニューロモーフィング・チップ
量子コンピュータ等
IBM S/360
メインフレーム
1964
ニューラル
ネットワーク
考案
Intel 404
マイクロプロセッサ
1971
データ流通量
1957
1956
ダートマス
会議
1982
第5世代
コンピュータ
プロジェクト
人類の進化と知識
情
報
量
言語
文字
紙
活版印刷
WWW
Internet
コンピュータ
基本的な知識伝達
非同期コミュニケーション
知識の移動
知識の拡散
機械で知識処理
機械間コミュニケーション
サイバー空間の出現
対話・発話
文字による伝達
紙による伝達
本・文献
データ流通
データ
人類の進化は
知識処理+知識共有
方法の進化
1万年前 紀元前3千500年 105年 1454年 1946年 1989年
自然科学発展の歴史
経験科学
理論科学
実験科学
計算科学
データ中心
科学
数千年前
数百年前
数百年前
数十年前
十数年前
自然現象
の観察
実験装置
数学
IT
最初からデータを分析することで問題を解決
データサイエンス
モデルを構築し、計算機を駆使して問題を解決
計算機シミュレーションなと
多数の実験結果から問題を解決
自然科学、心理学など
理論、モデル、数式をもとに問題を解決
シュレディンガー方程式、ニュートン方程式、
マックスウェル方程式など
経験的事実、現象を対象として実証的に問題を解決
自然現象解明など
「人工知能」と言われるものの4つのレベル
151
単純制御:指示されたことをそまま行う
予め定められたルールに従い制御する(人工知能搭載○○)。
 気温が上がるとスイッチを切るエアコン
 洗濯物の重さで洗濯時間を自動的に変更する洗濯機
 ひげの伸び具合で剃り方を変える電気シェーバーなど
ルールベース:指示されたことを自ら考えて実行する
外の世界を観測することによって振る舞いを変える。
振る舞いの種類・パターンを増やすため、予め多数のルールを用意しておく。
 「駒がこの場所にあるときは、こう動かすのがいい」といった予め決められたルールに従って、
これからの打ち手を探索して打つことができる囲碁や将棋のシステム
 与えられた知識ベースに従って、検査の結果から診断内容や処方する薬を決めて出力する医療診断システム
機械学習:着眼点は人間が教え、対応パターンを自動的に学習する
人間があらかじめルールを細かく決めて組み込んでおかなくても、
大量のデータから対応パターンを自ら見つけ出す。
ただし学習のための着眼点(特徴量)は人間が設計。
 「駒がこの場所にあるときは、こう動かすのがいい」ということを設定しておかなくても、
対戦を繰り返すことでコンピュータ自身が自分で学習する将棋や囲碁のシステム
 診断データや生体データを多数読み込み、ある病気とある病気に相関があるということを自分で学ぶ医療診断システム
深層学習:着眼点を人間が教えずに、対応パターンを自動的に学習する
学習に使う変数(着眼点/特徴量)を自分で学習して見つけ、
対応のパターンを見つけ出す。
 一連の症状が患者の血糖異常を表していて、複数の病気の原因になっているようだ、
ということを自分で見つけ出すことができる医療診断システム
 状況に応じて、最適な判断をおこなう自動運転の自動車
レ
ベ
ル
1
レ
ベ
ル
2
レ
ベ
ル
3
レ
ベ
ル
4
各時代のAI(人工知能)と呼ばれるもの
ルールとゴールが決められているゲームの中
で、コンピュータがなるべくゴールにたどり
つけるように選択肢を選んでいくもの。
できること:
 パズルや迷路を解く
 数学の定理を証明する
 チェスを指す など
トイプロブレムから脱却し、現実の問題を解
くために専門家(エキスパート)の知識をコ
ンピュータに移植することで現実の複雑な問
題を解かせようとするもの。
できること:
 患者の症状から病名を特定する
 起こっている現象から、機械の故障を診断する
 患者の症状から、細菌感染の診断をする
人間がルールを与えるのではなく、データを
分析することで、そこに含まれるパターンを
見つけ出し、機械にルールを獲得させるもの。
できること:
 画像を認識して分類する
 自然な表現の文章に翻訳する
 CTやレントゲン写真から癌の病巣を発見する
推論と探索
ルールベースと
エキスパートシステム
ディープ・ラーニング
を含む統計的機械学習
第一次AIブーム
第二次AIブーム
第三次AIブーム
1960年代
1980年代
2010年代
帰納法:事実や事例(データ)から導き出される傾向から結論を導く方法
演繹法:人間の経験や観察による一般的かつ普遍的な事実から結論を導く方法
ルールとゴールが厳密に決まっ
ていることが前提。ルールが記
述しきれず、ルールやゴールが
曖昧である現実世界では役にた
たない(トイプロブレム/おも
ちゃの問題)。
ルールとして教え込まなければ
ならないし、互いに矛盾する
ルールも出てくると処理できな
い。また、教えていない例外的
な事例が出てくると対処できな
い。
画像処理、音声認識、証券取引
といった用途ごとに特化した技
術が現状。人間の知能のように
汎用的で、意識や心も宿すよう
な技術ではない。
人間が特徴量を教えることで
データの中からパターンを見つ
け出し、分類・整理する
人間が教えなくても森羅万象の
中からパターンを見つけ出し
世界を分類・整理する
ディープラーニングが、なぜこれほど注目されるのか
機械学習
データを分析することで、そこに内在する規則性や関係性(パターン)を見つけ出す
従来型の機械学習
パターンを見つける時の着目点(特徴量)
を人間が指定する
深層学習(Deep Learning)
パターンを見つける時の着目点(特徴量)
をデータの中から見つけ出す
データ
データ
ルールベース
人間の経験や知見に基づいて、解釈のためのルールを作る
機械学習がやっていること
モデル
入力をどのように処理して
出力するかのルール
入力 出力
人間の思考で
ルールを作る
実験・観察・思考
データ分析で
ルールを作る
機械学習
機械学習がやっていること
モデル
レントゲン写真から
「癌」の病巣を
識別するルール
入力 出力
癌
データ分析で
ルールを作る
機械学習 癌の病巣が写っている
大量のレントゲン写真
ある患者のレントゲン写真 「癌」の病巣を表示
レントゲン写真から
「癌」の病巣を見つける「モデル」
機械学習でできる3つのこと
156
可視化
分 類
予 測
人間が感覚的に理解できるように
データを加工・編集する
同じ性質を持つものと、
そうでないものを区別する
過去の出来事から、将来どうなる
可能性があるのか推計する
例:地域や性別、年齢
などにより疾病がどの
ように分布するのかを
地図上に表示する。
例:店舗の監視カメラ
の映像から、顧客の購
買動向や趣味嗜好を分
類する。
例:日照量、気温、湿
度などの気象データか
ら、水、肥料などの量
やタイミングを教える。
識別や
判断など
AIと人間の役割分担
データを準備
意志決定
学習方式の選択
パラメーターの調整
可視化・分類・予測
問いを生みだす
解決したいこと・知りたいことを決める
膨大なデータの中から、人間
の経験に基づく先入観なしに
規則、相関、区分を見つける
新たな問いを生みだす
判断・制御
モデル
公式・ルール・関数など
AI導入/データの戦略的活用における3つの課題
158
事業価値向上
AI導入
データの戦略的活用
良質・大規模な
学習データの収集と整備
データ分析・AI活用に
精通した人材の確保
経営者や業務部門における
データ活用のリテラシーの向上
テクノロジーやツールの問題ではなく、人間の問題が大きい
自動化から自律化への進化
単一作業の自動化
給与計算・部品表展開など
のバッチ処理
連続する作業の自動化
生産管理・販売管理・工程管理など
伝票や作業の流れなどのオンライン処理
最適対応が求められる作業の自動化
状況の変化をセンサーやログによって収集し
パターン化されたルールに基づき機器を制御
状況に応じて自ら判断する作業の自動化=自律化
未知の状況にも対応し、自ら判断して実行する
知的望遠鏡
ディープラーニング/深層学習
人間が教えなくても森羅万象の中からパターンを見つけ出し世界を分類・整理する
これまで人間には見えなかったことが見えるようになり
人間の知見を広げ、知性を高めることに役立つ
自動車を
ガレージから出す
ピザを注文する
空調の温度を
調整する
配車サービスで
車を呼ぶ
預金残高を
確認する
人に寄り添うIT
クラウド・サービス
利用者の抵抗を無くす
自然な音声対話
日常生活に関わる
様々なデータを収拾
人工知能と機械学習と
ディープラーニング
人工知能と機械学習
163
人工知能(Artificial Intelligence)
人間の”知能”を機械で
人工的に再現したもの
基礎的
応用的
知識表現
推論 探索
機械学習
自然言語理解感性処理
画像認識
エキスパートシステム
データマイニング
情報検索
音声認識ヒューマンインターフェース
遺伝アルゴリズム
マルチエージェント
ニューラルネット
ゲーム
プランニング
ロボット
人工知能の一研究分野
機械学習と推論(1)
164
機械学習
猫や犬のそれぞれの特徴を
最もよく示す特徴データの
組合せパターン(推論モデ
ル)を作成する
対象データ
推論
どちらの推論モデルと
最も一致しているか
の推論モデルに最も
一致しているので
これは「猫である」と
推論する
学習
Learning
推論
Inference
大量の学習データ
推論モデル
の推論
モデル
の推論
モデル
機械学習と推論(2)
165
耳
目
口
特徴量
猫と犬を識別・分類する
ために着目すべき特徴
人間が
観察と経験で
決める
機械学習
統計確率的
アプローチ
機械が
データ解析して
決める
機械学習
ディープラーニング
(深層学習)
「特徴量」ごとに
猫/犬の特徴を
最もよく表す値を
見つけ出す
学習
猫の特徴を最もよく表す
特徴量の組合せパターン
犬の特徴を最もよく表す
特徴量の組合せパターン
猫の推論モデル 犬の推論モデル
大量の学習データ 大量の学習データ
犬
dog
猫
cat
機械学習と推論(3)
166
特徴の抽出
推論モデルとのマッチング
猫 犬
推論モデル推論モデル
「猫」の推論モデルに
98%の割合で一致している
推論結果
だから「この画像は猫である」
「特徴量」に着目して
それぞれの値を計算する
推論
特徴量未知のデータ
耳
目
口
ニューラル・ネットワークによって生成されるモデル
167
線から輪郭 輪郭から部分点から線画素入力 部分から全体
「顔」であることを
最も反映している
特徴の組合せ
学習結果
推論モデル
ルールを作るとはどういうことか
・・・・・
入力層 出力層中間層(隠れ層)
入力と出力が一致するように
中間層の繋がりの重み付けを
調整してゆく。
・・・・・
入力層 出力層中間層(隠れ層)
イヌ 32% ×
ネコ 96% ○
ウシ 18% ×
学 習
学習によって作られた
推論モデル
ネコであることを
識別し分類する
ルール 「ネコ」
である
教師データ
未知のデータ
教師データ
ニューラル・ネットワークの仕組み
長い尻尾 縞模様
しなやかな
四肢
尖った耳 ・・・
猫を認識
特徴量
猫の特徴を示す要素
特定の特徴量に
反応するニューロン
上位階層の特定・複数の
組合せが反応すると
反応するニューロン
上位階層の特定・複数の
組合せが反応すると
反応するニューロン
「猫」が入力されると
強く反応するニューロン
深層学習(ディープラーニング)以前の機械学習は、
人間が設定しなければならなかったが、
深層学習はこれを自分で見つけ出す。
ニューロンとは「神経細胞」。
その繋がりをニューラル・ネットワークという。
どんな計算をしているか
170
 大量のサンプル・データ(例えば、癌の病巣が写っているレントゲン写真)を特徴を独自に数字化する。これを
特徴量という。
 これを座標軸*として、空間(特徴空間)上にサンプル・データを配置した時、最もうまく分離する特徴量(座
標軸)の組合せを作る。これが最適化された「推論モデル」となる。
 深層学習(ディープラーニング)以前の機械学習は、この座標軸=特徴量の組合せを人間が設定しなければなら
なかったが、深層学習はこれをデータを分析することで、自分で見つけ出すことができる。
最適化された推論モデル
*イラストは表現上の制約から3つの座標軸で表しているが、実際の座標軸は数百を越える。
機械学習の仕組み/学習が不十分な状態
四角い 丸い 尖ってる 光沢
40% 60% 40% 60%
リンゴである確率
(40%+60%+40%+60%)/4
50%
四角い 丸い 尖ってる 光沢
40% 50% 50% 60%
イチゴである確率
(40%+50%+50%+60%)/4
50%
リンゴ or イチゴ?
<特徴量>
機械学習の仕組み/学習が十分な状態
四角い 丸い 尖ってる 光沢
10% 90% 20% 80%
リンゴである確率
(90%+80%)/4
85%
四角い 丸い 尖ってる 光沢
10% 70% 90% 30%
イチゴである確率
(70%+90%)/2
80%
リンゴ or イチゴ?
リンゴ イチゴ
<特徴量>
人工知能・機械学習・ディープラーニングの関係
1950年代 1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代
人工知能
Artificial Intelligence
機械学習
Machine Learning
深層学習
Deep Learning
人間の”知能”を機械で
人工的に再現したもの
人工知能の研究分野のひとつで
データを解析し、その結果から
判断や予測を行うための規則性
やルールを見つけ出す手法
脳科学の研究成果を基盤にデー
タの分類や認識の基準を人間が
教えなくても、データを解析す
ることで、自ら見つけ出すこと
ができる機械学習の手法
データ
アルゴリズム
規則性やルール
遺伝アルゴリズム、エキスパートシステム、音声認識、画像認識、感性処理、機械学習、
ゲーム、自然言語処理、情報検索、推論、探索知識表現、データマイニング、ニューラル
ネット、ヒューマンインターフェース、プランニング、マルチエージェント、ロボット
なぜいま人工知能なのか
インターネット
アルゴリズム GPU(Graphics Processing Unit)
脳科学の研究成果を反映 高速・並列・大規模計算能力
人工知能(Artificial Intelligence)
ビッグデータ
IoT モバイル・ウェアラブル ソーシャル・メディア ウェブサイト
WWW
「機械学習」の課題
175
大量の学習データ
・・・
機械学習
少ない学習データ
・・・
機械学習
「機械学習」の大きな課題の1つは、
その性能を上げるために大量の学習データを必要とすること
・・・
機械学習
ルール
目標値
OR
解決策
移転学習 強化学習・GANs
転移学習 Transfer Learning
176
大量の学習データ
タンパク質の特徴を
整理したデータ
・・・
タンパク質の分類方法を学習した
ニューラル・ネットワーク
機械学習
少ない学習データ
敗血症患者の血液から
取得した
タンパク質の特徴データ
・・・
敗血症を判別する
ニューラル・ネットワーク
機械学習
「転移学習」とは、すでに学習したモデル(学習済ニューラル・ネットワーク)を
少ない学習データで別の領域に適応させる技術
深層強化学習 deep reinforcement learning
177
勝
勝
負
プラス評価
マイナス評価
プラス評価
ゲームを繰り返し、結果の勝(プラス評価)/負(マイナス評価)
から、結果に至るプロセスひとつひとつを評価し、勝(プラス評
価)になる一番効果的/効率的なプロセスの組合せを見つけてゆく
強化学習 reinforcement learning
ブロック崩しなどのゲーム 囲 碁
 ゲームに勝つために有効な特徴(量)を画像から直
接見つけ出すために深層学習(deep learning)のア
ルゴリズムであるCNN(convolutional neural
network)を使用する。
 複雑なゲームでも人間が何を基準に勝ち負けを評価
するかを教えなくても、自分で勝ちパターンを見つ
け出す。
 対戦ゲームの場合は、機械の中でお互いに対戦させ
て、学習の回数を増やし、勝ちターンを見つけ出し
て行く。
深層強化学習 deep reinforcement learning
Deep Mind社のDQN(Deep Q-Learning)など
 囲碁の世界チャンピオンに勝ったAlphaGo/Alpha Go Zeroが有名
敵対的生成ネットワーク GANs: Generative Adversarial
Networks
178
生成者
Generator
識別者
Discriminator
画像
画像
元データ
レプリカ
元データの特徴から
できるだけ本物に近い
レプリカを生成する
元データの特徴から
元データと同じかどう
かを識別しようとする
 「生成者」はレプリカをできるだけ元データに近づけようとし、「識別者」は確実に見分けられるように互いに競い合う。
 「識別者」の能力が次第に上がり元データとレプリカをうまく見分けられるようになり、「生成者」は更に本物に近いレプ
リカを造れるようになる。
 これを繰り返してゆくことで、「生成者」は元データと区別が付かないレプリカを造れるようになる。
認識や識別などの受動的機能
深層学習(ディープラーニング)
生成や復元などの能動的機能
敵対的生成ネットワーク(GANs)
深層学習が前提となったシステム構造
深層学習フレームワーク
学習処理実行基盤
画像解析
動画認識
音声認識
話者認識
言語理解
文章解析
機械翻訳 知識表現 検索
コールセンター
顧客応対
営業支援
提案活動支援
医療
診断支援
創薬支援 その他
その他
文献データ
社内業務
データ
概念体系
辞書
音響データ
言語データ
画像データ
動画データ
その他
アプリケーション
ソリューション
認識系
サービス
学習基盤
知識ベース
学習データ
A
I
プ
ラ
ッ
ト
フ
ォ
ー
ム
人工知能の可能性と限界
学習データと結果の関係
宜しくお願い致します
汚い字の学習データ
きれいな字の学習データ
機械学習 生成される出力結果
機械学習は学習データの範囲でのみ結果を出すことができる。
言語生成
人間は「テーマ」を決め「問い」を発し、AIは「答え」を見つける
美味しいカレーを
食べたい!
この近くにある
カレー屋さんを教えて?
この新しい事業プランを
成功させたい!
成功事例や成功させるため
の要件を教えて?
AI
ある ない
ある ない
ある ない
ある
(少ない学習データ)
ある
(膨大な学習データ)
高い 低い
(ひとつの知的処理に特化)
高い 低い
低い 高い
人間は身体に備わる様々な感覚器からの情報も含め総合して知覚・認識
しているが、機械には身体がないのでそれができない。
自分が現在何をやっているか、今はどんな状況なのかなどが自分でわか
る心の働きである意識により、人間は様々な知的処理を同時に実行し、
それを統合・制御しているが、機械にはできない。
人間は、自分の考えや選択を決心し、実行する能力、あるいは、物事を
成し遂げようとする意志を持っているが、機械にはない。
人間は少ない学習データからでも効率よく学習できる能力をそなえてい
るが、機械は膨大な学習データとそれを処理できる膨大な計算能力(消
費エネルギー)を必要とする。
人間はひとつの脳で様々な種類の知的処理が可能だが、機械は特定の知
的処理に特化している。
人間は、神経の機能単位が消失しても、それを自律的に補填・回復させ
ることができるが、機械にはそれができない。
人間の場合、1千億個のニューロンによる超並列処理がおこなわれてい
るが、その数を増やすことはできない。しかし、機械のプロセッサーは
増やすことはできる。
人間の知性と機械の知性
意識
身体性
意志
学習能力
汎用性
可塑性
スケーラ
ビリティ
高い 低い
人間の脳の消費エネルギーは思考時で21ワット/時程度のエネルギーを
消費するが、機械の場合はその数千倍から数万倍を必要とする。例えば、
GoogleのAlphaGoの消費電力は25万ワット/時とされている。
エネルギー
効率
ある ある 共に記憶能力はあるが、人間の場合は、身体的な感覚を含む記憶が可能
であり、記憶内容やメカニズムは必ずしも同じではない。
記憶能力
機
能
的
特
徴
器
質
的
特
徴
人間の知性 機械の知性 補足説明
AIやロボットに置き換えられるものと残るもの
184
繰り返し
繰り返し
ではない
タスク
分析的 マニュアル的 分析的 マニュアル的
記録や計算
定型的顧客対応
選別と整理
定型的な組み立て
仮説設定
医療診断
説得/売り込み
ビルの管理
トラックの運転
将来置き換えられ
るか、既に置き換
えられている
雇用が維持される
リンダ・グラットン 講演資料を参考に作成
人工知能に置き換えられる職業と置き換えられない職業
185
人工知能やロボット等による代替可能性が高い100種の職業 人工知能やロボット等による代替可能性が低い100種の職業
感性、協調性、創造性、好奇心、問題発見力など
非定型的で、機械を何にどう使うかを決められる能力
技能や経験の蓄積に依存し、パターン化しやすく
定型的で、特定の領域を越えない能力
2015年12月02日・株式会社野村総合研究所
https://www.nri.com/jp/news/2015/151202_1.aspx
超高齢化社会を人工知能やロボットで対応
186
人工知能やロボットを積極的に駆使し、労働生産性やQOL(Quality of Life)の向上が急務
超高齢化社会を人工知能やロボットで対応
187
人工知能やロボットを積極的に駆使し、労働生産性やQOL(Quality of Life)の向上が急務
ベーシックインカム(Basic Income/BI)
188
一定金額の現金を国民全員に無条件で給付する制度
無理して働かなくてもよくなり
倒産や雇用への不安も解消する
柔軟な労働市場が生まれる
労働力の質が高まる
産業構造の転換が容易になる
年金や子ども手当、失業保険など
がBIに統合される
恣意的な給付の選別がなくなり
制度運営のコストが削減される
不公平感が解消される
社会や経済の発展と安定に貢献する
生存に対する給与 手厚いセイフティネット
権威に頼らない取引や信頼の基盤として期待される
ブロックチェーン
Blockchain
本章の狙い
権威に頼らない取引や信頼の基盤として期待されるブロックチェーン
インターネットを基盤とするデジタル時代の取引や信頼の保証を権威
に頼らず実現するブロックチェーンについて理解する。
取引やデータの正当性を保証する手段
第三者の信頼できる機関や組織が台帳に取引の記録を残す
ことで取引やデータの正当性を保証する
不正をしない 正確である 公正である
中央銀行 民間銀行 証券取引所 登記所 物流会社
通貨 預金・送金 株式 土地 商品
病院・医療機関役所 法律・裁判所
カルテ・医療記録戸籍 契約
いつでも参照できる
秘密が守られる
改竄されない
従来の方法とブロックチェーン
信頼されている
第三者機関
銀行や政府
機関など
信頼・権限を持つ機関や組織に台帳を預け
取引の正当性を保証する
従来の方法(集中台帳)
取引に関わ
る関係者
(ノード/node)
取引に関わる全員が同じ台帳を保有し
取引の正当性を全員・相互に保証する
ブロックチェーン(分散台帳)
取引 a
取引 b
取引 c
・・・
ブロック
ブロックを追加する手順
ブロックA
ブロックB
ブロックC
①「ブロックC」を追加する権利を持つ
ノードが、全ノードに「ブロックC」を
ブロードキャスト*
*同時通報、不特定多数に同じ情報を同時に送ること
②「ブロックC」が正しいことを検証して追加
③全体が「ブロックCが最新である状態に遷移
 全ノードはP2Pネットワークで対等な関係で接続される
 全ノードが同じ内容を同時に共有= 共有台帳>分散台帳
 検証可能なデータ構造を有し全員で正しさを保証し合う
P2P/Peer to Peerネットワークとは、複数の端末間で通信を行う際のアーキテクチャのひとつで、対等の者(Peer)同士が通信をすることを特徴とする通信方式。
権限や信頼性を保証された
特定の管理者を不要にする
取引のオープン化とはどういうことか
口座 A
口座 B
口座 C
Aから出金
Bに入金
Cに入金
Aに入金
・・・
12:01
12:02
12:04
12:18
マスターファイル トランザクション・データ
・・・
Aから出金
Bに入金
Cに入金
Aに入金
12:01
12:02
12:04
12:18
取引に関わる人が対等な関係
管理・制御の権限をだれも持たない
トランザクションの合計を都度結果を計算
取引に
関わる人
・・・
取引マスターを管理・入力を制御する
権威や権限を与えられている企業や機関
銀行や保険会社などの金融機関、証券取引所や役所などの公的機関
企業間の共有トランザクション
受注
工場発注
工場受注
配送指示
配送完了
販売会社
製品メーカー
部品メーカー運送会社
卸売会社
共有の取引(トランザクション)台帳として利用される
 契約合意の仕組みも組み込まれている=伝票の受け渡しとは異なる取引の概念
 デジタル・ネイティブな取引・契約のメカニズム
 シェアリング・エコノミーの基盤
取引 a
取引 b
取引 c
・・・
ブロックB
前ブロックの
ハッシュ値
取引 a
取引 b
取引 c
・・・
前ブロックの
ハッシュ値
取引 a
取引 b
取引 c
・・・
前ブロックの
ハッシュ値
取引 a
取引 b
取引 c
・・・
ブロックC ブロックD ブロックE
ブロック・チェーンはなぜ改竄できないのか
前ブロックの
ハッシュ値
取引 a
取引 b
取引 c
・・・
ブロックA
前ブロックの
ハッシュ値
 ある取引を改竄しようとすると膨大な計算が必要となり実際上は不可能=改竄できない。
 特定の取引を改竄する。
 その取引を含むブロック以降の全てのブロックのハッシュ値を計算し直す必要がある。
 一連のブロックの繋がりを全ノードで同時に改竄しなければならない。
前ブロックの
ハッシュ値
取引 a
取引 b
取引 c
・・・
前ブロックの
ハッシュ値
取引 a
取引 b
取引 c
・・・
前ブロックの
ハッシュ値
取引 a
取引 b
取引 c
・・・
前ブロックの
ハッシュ値
取引 a
取引 b
取引 c
・・・
ブロックB ブロックC ブロックD ブロックE
改竄
改竄された取引以降の全ブロックのハッシュ値を計算し直し、改めて以降の全ブロックを全てのノードに追加し直す必要がある。
 前ブロックをハッシュ値に変換し次ブロックの中に組み入れ。これを繋げてゆく。
 ハッシュ値とはハッシュ関数によって生成される固定長の数字
 同じデータからは必ず同じ文字列が生成される。
 ハッシュ値から元のデータを復元できない。
ブロックチェーンの位置付け
インターネット
情報を交換するための手順とこれを実現する仕組み
ブロックチェーン
価値の所在やその交換を参加者が全員で相互に共有・確認するための手順と
それを実現する仕組み
Ethereum、Hyperledger、Bitcoin Coreなど
アプリケーション
暗号化や認証の技術を駆使して
ブロックチェーンの機能をビジネス・プロセスに適用した仕組み
仮想通貨、電子投票、送金決済など
通貨や不動産、株式やライセンスなどの価値/資産をインターネット上で
特定の管理者を介することなく安全かつ確実に取引できるようにする
送金決済 :Ripple
著作権管理 :Binded
第三者証明 :Factom
電力売買 :TransActive Grid
貿易金融 :National Trade Platform
鑑定書管理 :Everledger
選挙投票 :Flux
仮想通貨 :BitCoine
*事例(リンクしています)
ブロックチェーン
送金決済
仮想通貨
電力売買
選挙投票
第三者証明
貿易金融著作権管理
鑑定書管理
様々な取引や価値交換における
信頼性を確保するための汎用的な技術
〜現 在
ブロックチェーンの適用範囲の拡大
ブロックチェーン
ビットコイン
Bit Coin
ビットコインにおける取引の
信頼性を実現するための技術
2008年〜
ビジネススピードの加速に対応する
開発と運用
Development & Operation
本章の狙い
ビジネススピードの加速に対応する開発と運用
加速するビジネス環境の変化に即応するためのシステム開発や運用の
あるべき姿は何かを理解する。
これからの開発と運用
その背景
クラウド×内製化
自動化やクラウド化
適用範囲の拡大
ITを前提とした
差別化・競争力強化
取り組み範囲の拡大
ビジネスのデジタル化
「本業=IT前提」という認識へシフト
「クラウド×内製化」が加速
本業=社員
売上や利益の拡大
支援≈外注
 生産性の向上
 コストの削減
 期間の短縮
「ITは本業ではない」という認識
ウォーターフォール開発×オンプレミス×開発・運用業務委託の限界
これからの開発や運用に求められるもの
アジャイル開発
Agile Development
 ビジネスの成果に貢献するコードだけを
 変更に柔軟・迅速に対応して
 バグフリーで提供する
DevOps
Development & Operation
 運用の安定を維持しながら
 本番環境への迅速な移行と
 継続的デリバリー
クラウド
Cloud Computing
 高速で俊敏な開発実行環境の調達
 経費化の拡大による不確実性への担保
 運用やセキュリティから解放と人材の再配置
ビジネス環境の不確実性が増大
現場のニーズに
ジャストインタイム
で対応できる
即応力
デジタル・テクノロジーの劇的な発展
生産性・価格・期間など
これまでの常識を
根底から覆す
破壊力
VeriSM
アジャイル開発
Agile Development
 ビジネスの成果に貢献するコードだけを
 変更に柔軟・迅速に対応して
 バグフリーで提供する
DevOps
Development & Operation
 運用の安定を維持しながら
 本番環境への迅速な移行と
 継続的デリバリー
クラウド
Cloud Computing
 高速で俊敏な開発実行環境の調達
 経費化の拡大による不確実性への担保
 運用やセキュリティから解放と人材の再配置
ITのスピードが高速化
 ITのスピードにビジネス・プロセスが追いつかない
 全ての組織がサービス・プロバイダー化する
 どの様にITサービスを提供し維持するのか
 Value-driven (価値主導)
 Evolving(発展、展開する)
 Responsive(敏感に反応する)
 Integrated(統合、結合された)
 Service(サービス)
 Management(マネジメント)
イノベーションとスピードの融合
デザイン思考
リーン・スタートアップ
デザイナー的なクリエイティブな視点で、ビジネス上の課題を解決する
最小限の機能に絞って短期間で開発しフィードバックをうけて完成度を高める
イノベーションの創発
アジャイル開発
DevOps
ビジネスの成果に貢献するシステムを、バ
グフリーで変更にも柔軟に開発する
安定稼働を維持しながら、開発されたシス
テムを直ちに・頻繁に本番環境に移行する
VeriSMクラウド
ITとビジネスを同期
化させ、ビジネス・
スピードを向上させ
る取り組み。
オンデマンドで必要
なシステムの機能や
性能を手に入れるた
めの仕組み
ビジネスへの実装
これからの「ITビジネスの方程式」
情報システムの
品質
成 果
生産量
スピード 最大
ビジネス
早期の仕様確定がムダを減らすという迷信
0 3 6 9 12
25%
50%
75%
100%
時間経過(月)
要
求
の
信
憑
性
要求の時間的変質
24ヶ月後に
25%程度
平均的な値
変化が
大きくなっている
不確実性のコーン
システム企画 要件定義 基本設計 詳細設計 プログラミング
4.0x
2.0x
1.0x
0.5x
0.25x
初期の
プロダクト定義
承認された
プロダクト定義
設計仕様 詳細設計 検収された
ソフトウエア
要求仕様
見
積
金
額
の
変
動
幅
プロジェクトフェーズ
スティーブ・マコネル著「ソフトウェア見積り 人月の暗黙知を解き明かす」
倍
の
振
れ
幅
16
根拠なき「工数見積」と顧客との信頼関係の崩壊
手続き型プログラミング
COBOLやPL/Iなど
オブジェクト指向プログラミング
JavaやC++など
シーケンシャル・コーディング
 上から順に書いてゆく
 1ヶ月に書けるステップ数は誰がやっても同じ
 工数算定の根拠/基準が明確でぶれが少ない
ファンクション・ポイント法
 シーケンシャル・コーディングを前提
 機能数や複雑さに応じて点数化
 点数→ステップ数→工数の一致
妥当な工数が算定可能
開発生産性の飛躍的向上
設計次第/エンジニアのスキル次第で
工数が大幅に変動
KKD(Keiken + Kan + Dokyo)法
 過去の経験と勘にもとづく規模感
 過去に経験が無い場合は類似例を元に推計
 赤字案件が増えコンティンジェンシを上乗せ
見積工数の積算根拠が曖昧
顧客との信頼関係を醸成 顧客との信頼関係が崩壊
利益確保と予測が可能 利益確保と予測が困難瑕疵担保
責任
システム開発の理想と現実
品質
Quality
納期
Delivery
費用
Cost
品質
Quality
納期
Delivery
費用
Cost
品
質
の
低
下
納期とコストの厳守
理想の結果 実際の結果
早期の仕様確定がムダを減らすというのは迷信
Standish Group Study Reported at XP2002 by Jim Johnson, Chairman
ほとんど/決して使われていない: 64%
常に/しばしば使われている: 20%
テクノロジーを戦略的に活用する
イノベーションとスピードの融合
「計画通り」は実現不可能
不確実性の増大とスピードの加速
ビジネスを取り巻く環境の変化
アジャイル開発
DevOps
ビジネスの成果に貢献するシステムを、バ
グフリーで変更にも柔軟に開発する
安定稼働を維持しながら、開発されたシス
テムを直ちに・頻繁に本番環境に移行する
VeriSMクラウド
ITとビジネスを同期
化させ、ビジネス・
スピードを向上させ
る取り組み。
オンデマンドで必要
なシステムの機能や
性能を手に入れるた
めの仕組み
変化への即応力を競争の武器にする
アジャイル開発の基本構造
100%
0%
時間
仕様書に記載した
全ての機能
100%
0%
時間
予定していた
全体仕様
30%
60%
80%
現場からの
フィードバック
現場からの
フィードバック
現場からの
フィードバック
?
仕様書に対して100点満点狙い
ビジネスの成果に対して合格点狙い
途中の成果からフィードバックを得て、
仕様や優先順位の変更を許容する。
ウォーターフォール開発の考え方
アジャイル開発の考え方
現場からのフィードバック
最後になって訂正・追加などが集中
目標としていたビジネスの成果が
達成できていれば完了
仕様凍結(確定)させて仕様書通りに開発が100%完了したら、
現場からのフィードバックを求める。
仕事の仕組みは確定できる
仕事の仕組みは変化する
DevOps
Development & Operation
DevOpsとは
開発 運用
DevOpsツール
開発と運用の一体運営
機能
機能
リリースのサイクルが長い
=バグ修正や機能追加に時間がかかる
=ユーザの満足度が下がる
リリースのサイクルが短い
=不具合はすぐ修正され機能もすぐ追加される
=ユーザーの満足度が上がる
最初は少ない機能だが、
すぐにメリットを享受できる
全ての機能が完成するまで
利用できない
開発 運用迅速
対応
安定
稼働
時間
時間
開発部門と運用部門が協力してビジネス・リスクを低減し、
加速するビジネス・スピードに即応できるようにするための取り組み
前提となるInfrastructure as Code
業務処理ロジックの
プログラミング
業務処理ロジックの
プログラミング
運用手順の
プログラミング
システム構成の
プログラミング
日本語などの自然言語で
運用手順書の作成
運用管理の
自動化
人手による
運用管理
システム構成
の自動化
日本語などの自然言語で
システム構成図作成
人手による
システム構築
従来の手順 これからの手順
 属人化による「暗黙知」化
 人手の介在によるミスやスピードの制約
 全手順のコード化によるノウハウの継承
 開発〜本番の高速化と変更の俊敏性
サーバー仮想化とコンテナ
OS
ハードウェア
ハイパーバイザー
仮想サーバー
ミドルウェア
アプリ
OS
仮想サーバー
ミドルウェア
アプリ
OS
仮想サーバー
ミドルウェア
アプリ
サーバー仮想化
ハードウェア
コンテナ管理ソフトウエア
OS
ミドルウェア
アプリ
ミドルウェア
アプリ
ミドルウェア
アプリ
コンテナ コンテナ コンテナ
コンテナ
ライブラリ
環境変数
ライブラリ
環境変数
カーネル カーネル カーネル
カーネル
ライブラリ
環境変数
ライブラリ
環境変数
ライブラリ
環境変数
ライブラリ
環境変数
隔離されたアプリケーション実行環境を提供する
実行イメージのスナップショットをパッケージとしてファイルにして保存できる
アプリケーションに加えて仮想マシン・OS
の実行イメージを持つ必要がある
アプリケーションとOSの一部
の実行イメージを持つ必要がある
デプロイするサイズ
大きい
起動・停止時間
遅い
デプロイするサイズ
小さい
起動・停止時間
早い
異なるOS
可
異なるOS
不可
メモリーやディスクの消費量が大きい = リソース効率が悪い メモリーやディスクの消費量が大きい = リソース効率が良い
構成の自由度が高い
異なるOS・マシン構成を必要とする場合など
軽量で可搬性が高い
実行環境への依存が少なく異なる実行環境で稼働させる場合など
仮想マシンとコンテナの稼働効率
ハードウェア
仮想マシン
ミドルウェア
アプリケーション
OS
仮想マシン
OS
仮想マシン
OS
ミドルウェア
アプリケーション
ミドルウェア
アプリケーション
ハードウェア
OS
コンテナ管理機能
カーネル
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
ミドルウェア
アプリ
ライブラリ
環境変数
コンテナ
カーネル カーネル カーネル
ライブラリ
環境変数
ライブラリ
環境変数
ライブラリ
環境変数
コンテナ仮想マシン
DevOpsとコンテナ管理ソフトウエア
アプリケーション
開発・実行環境
ミドルウェア
オペレーティング
システム
サーバー
(ハードウェア)
ハイパーバイザー
アプリケーション
開発・実行環境
ミドルウェア
オペレーティング
システム
サーバー
(ハードウェア)
コンテナ管理
そのまま本番で動かしたい(動作保証)
開発から本番以降への時間を短くしたい
実行に必要な最小のサイズで移行したい
仮想マシン
コンテナ仮想化環境
動
作
保
証
動
作
保
証 インフラやOSの違いを吸収
DevOpsとコンテナ管理ソフトウエア
オペレーティング
システム
サーバー
(ハードウェア)
コンテナ管理
動
作
保
証
オペレーティング
システム
サーバー
(ハードウェア)
コンテナ管理
動
作
保
証
オペレーティング
システム
サーバー
(ハードウェア)
コンテナ管理
アプリケーション
開発・実行環境
ミドルウェア
コンテナ
動
作
保
証
Build,Ship and Run
Any App,Anywhere
アプリケーション開発者は、OSやインフラを意識することなくアプリ
ケーションを開発し、どこでも実行できるようになる
開発しテストが完了したアプリは、すぐに本番環境で実行させることができる
本番環境テスト環境開発環境
コンテナ連係
その運用管理
コンテナとハイブリッド&マルチ・クラウド
コンテナ管理コンテナ管理コンテナ管理
Microsoft Azure自社所有システムAWS
コンテナ連係
その運用管理
コンテナ連係
その運用管理
アプリケーション
開発・実行環境
ミドルウェア
コンテナ
アプリケーション
開発・実行環境
ミドルウェア
コンテナ
アプリケーション
開発・実行環境
ミドルウェア
コンテナ
マイクロサービス・アーキテクチャ(Micro Service)
ユーザー・インターフェイス
顧客管理
注文管理
在庫管理
出荷管理
Webブラウザ WebブラウザWebブラウザ
共有データ
顧客管理
注文管理 在庫管理
出荷管理
Webブラウザ WebブラウザWebブラウザ
個別データ
ユーザー・インターフェイス
個別データ
個別データ個別データ
モノリス型アーキテクチャ マイクロサービス型アーキテクチャ
マイクロ
サービス
巨大な1枚岩のような
複数の独立した機能(マイクロサービス)を
組み合わせることでひとつの処理を実現する
大きな単一の機能によって
ひとつの処理を実現する
単一の機能
独立した機能
内
部
は
複
数
の
機
能
で
構
成
マイクロサービス・アーキテクチャ(Micro Service)
ユーザー・インターフェイス
顧客管理
注文管理
在庫管理
出荷管理
Webブラウザ WebブラウザWebブラウザ
共有データ
顧客管理
注文管理 在庫管理
出荷管理
Webブラウザ WebブラウザWebブラウザ
個別データ
ユーザー・インターフェイス
個別データ
個別データ個別データ
モノリス型アーキテクチャ マイクロサービス型アーキテクチャ
マイクロ
サービス
巨大な1枚岩のような
単一の機能
独立した機能
内
部
は
複
数
の
機
能
で
構
成
マイクロサービス単位でマシンが必要各機能の単位でマシンが必要
*「マシン」とは物理マシンだけではなく仮想マシンやコンテナも含む。
マイクロサービス・アーキテクチャの6つのメリット
修正
修正
リリースの同期は必須 個別にリリース可能
Java Java Java
Java Java Java
Java Ruby php
C++
Java
Script
C#
言語は統一 機能にふさわしい言語を選択
影響? 影響? 影響?
影響? 変更 影響?
一部機能変更・全体テスト 一部機能変更・対象機能のみテスト
変更
全体で拡張 個別に拡張
正常 正常 正常
正常 障害 正常
正常 正常 正常
正常 障害 正常
一部障害で全体停止 一部障害でも正常箇所は稼働
流用 流用
特定の機能流用は困難 特定機能の流用は容易
1.機能の独立性
2.言語の独立性
3.保守の容易性
4.拡張の柔軟性
5.障害時の可用性
6.再利用の容易性
「これなら分かる! マイクロサービス(入門編)〜モノリスと比較した特徴、利点と課題(CodeZin)」を参考に作成
マイクロサービス・アーキテクチャの3つの課題
機能間で通信は発生しない 機能間で通信が行われる
全体をひとつのチームで行うので
人の入替えやノウハウ共有が容易
各機能個別に組織が分かれるの
人の入替えやノウハウ共有が困難
過剰分割の影響は内部に留まる
一貫したユーザー体験を提供
過剰分割はパフォーマンスを劣化
機能別に異なるユーザー体験のリスク
1.機能間の通信によりパフォーマンスが出にくい
2.人の入れ替えやノウハウの共有が難しく”人”や”知見” の活用効率が低くなる
3.プログラム構造次第でパフォーマンスやユーサー体験に悪影響
 通信により組み合わせるという仕組みから、パフォーマンス
を出しにくい。
 性能向上のため各機能間は非同期通信とし、機能をまたがっ
たトランザクション保証はしないため、正常終了した後に後
続処理がエラーとなることも想定した設計が必要。
 個人ユーザー向けの決済処理のような再試行が難しい業務の
場合は、実装が難しい。
 マイクロサービスを適用したアプリケーションを作るには、
個々の機能と同じように独立し完結した組織でなければなら
ないが、それができる保証はない。
 チームごとに独自文化が形成されチーム間でスキルの共用が
難しい。
 文化の違いから人的ローテーションも難しくなる。
 マイクロサービスの利点を生かすには、機能の境界を適切に
設定することが必須となるが、分ける範囲を誤れば機能間の
通信が大量に発生する。
 分けるべきであった機能を一つにしてしまえば保守性や再利
用性などのメリットが満たせない。
 独自性がすぎるとユーザー体験がちぐはぐになってしまう。
「これなら分かる! マイクロサービス(入門編)〜モノリスと比較した特徴、利点と課題(CodeZin)」を参考に作成
なぜ、サーバーレスなのか
Functions
開発者は他社と差別化できるビジネスロジックに集中したいのに
付加価値を生み出さない作業で負担を強いられる。
 ミドルウェアの設定
 インフラの構築
 セキュリティ・パッチの適用
 キャパシティ・プランニング
 モニタリング
 システムの冗長化
 アプリケーションの認証・認可
 APIスロットリング
上記の負担から開発者を解放
コスト削減 + マイクロ・サービス化
アジャイル開発やDevOps
ハードウェアハードウェア
FaaS(Function as a Service)の位置付け
ハードウェアハードウェア
仮想マシン 仮想マシン 仮想マシン 仮想マシン
ミドルウェア
アプリケーション
コンテナ管理機能
ミドルウェア
アプリケーション
ミドルウェア
アプリケーション
コンテナ管理機能
ミドルウェア
アプリケーション
OS OS OS OS
自社所有 IaaS CaaS PaaS FaaS
ユ
ー
ザ
ー
企
業
が
管
理
ク
ラ
ウ
ド
サ
ー
ビ
ス
事
業
者
が
管
理
ランタイム ランタイム ランタイム ランタイム
データ データ データ データ
仮想マシン
コンテナ管理機能
ミドルウェア
アプリケーション
OS
ランタイム
データ
ハードウェア ハードウェア
仮想マシン
コンテナ管理機能
ミドルウェア
アプリケーション
OS
SaaS
ランタイム
データ
連携機能
Container as a Service Function as a ServiceInfrastructure as a Service Platform as a Service Software as a Service
RPA
Robotics Process Automation
こんなことになってはいないでしょうか?
❌ 営業なのに、事務仕事が忙しいからと客先にいけな
いとは何事だ!
❌ 経理や財務が、集計や定型レポート作成に忙しく、
分析や企画に時間が割けないとは本末転倒だ!
❌ マーケティングが、他社情報や比較資料を作るだけ
で手一杯になり戦略や企画ができないでどうする!
❌ データの確認や比較などの単純な作業に時間がとられ、
本来の仕事に十分な時間が割けないよ!
❌ いろいろなシステムにデータがあって、それをまとめ
てExcelに転記するなんて、誰かに任せたい!
❌ 紙の伝票からの転記作業が大量で、人手が足りない!
こんなことになってはいないでしょうか?
こんなことになってはいないでしょうか?
❌ 営業なのに、事務仕事が忙しいからと客先にいけな
いとは何事だ!
❌ 経理や財務が、集計や定型レポート作成に忙しく、
分析や企画に時間が割けないとは本末転倒だ!
❌ マーケティングが、他社情報や比較資料を作るだけ
で手一杯になり戦略や企画ができないでどうする!
❌ データの確認や比較などの単純な作業に時間がとられ、
本来の仕事に十分な時間が割けないよ!
❌ いろいろなシステムにデータがあって、それをまとめ
てExcelに転記するなんて、誰かに任せたい!
❌ 紙の伝票からの転記作業が大量で、人手が足りない!
こんなことになってはいないでしょうか?定型×単純×反復×大量
そんな作業を減らしたい、なくしたい!
RPA
Robotic Process Automation
RPAとは
データ収集
Webページに表示さ
れた申請書の項目別
に文字や数字を読み
とる。
データ入力
読み取ったデータを
他アプリケーション
画面に転記・入力す
る。
データ登録
入力修了後、他のア
ブケーションで関連
データを検索、該当
すればそれを追記し
て登録する。
次を処理
他アプリ
を確認
データ
収集
確認
ルール
変更
データ
入力
データ
登録
データ
照合
 複数のアプリケーションや画面を連係させておこ
なう操作手順を登録
 その手順に従い、人間に代わって作業をおこなう
 定型×単純×反復×大量の作業にて効果絶大
RPA
Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、
パソコン上でのコピペや転記、照合や入力などの画面、キーボード、マウスを操作
して行う作業を自動化させる仕組み。「ロボット」と呼ばれるソフトウェアが人力
で行っていた作業を代行する。
ロボットによる自動化
工場:ものづくりの自動化
人件費の削減
労働時間の短縮
人的ミスの排除
人手不足への対応
ロボットによる自動化
オフィス:事務作業の自動化
働き方改革への対応
RPA Robotics Process Automation
RPAとは
 人間がキーボード・マウスを操作し実施しているパソコンでの作業手順
をソフトウェア が記録し業務の自動化を実現
 EXCELマクロと違い、複数のアプリをまたがる操作の自動化が可能
 人間の判断を必要とする場合は、それを告知
人 RPAシステム
準
備
コ
ス
ト
ス
キ
ル
業務のトレーニング
マニュアルでの説明
トレーニングの
コストが発生
プログラミング
スキル不要
操作の記録
低コスト
短期間
プログラミング
スキル不要
専用プログラムの
開発
開発コストが高い
期間が長い
プログラミング
スキルが必要
ITスタッフのみ
対応可能
不備
チェック
申込書
読み取り
データ
入力
審査
手続き
不備
チェック
申込書
読み取り
データ
入力
審査
手続き
確認
(人)
■人からRPAへ(例16名→2名) ■従来手段とRPAとの比較
対象となる業務
定型×単純×反復×大量
一定のルールが確立されている定型業務
大量データを扱うため長時間かかる業務
定期的な作業で期限が決まっている業務
 作業単位が小さくシステム化されてない
 システム化されていても使い勝手が悪い
 異なるシステム/アプリをまたがる作業
対応コストが
かかりすぎる
EXCELで手作業
人間でなければ
できない作業
人間でなければ
できない作業
 労働時間短縮とワークライフバランス改善
 人間でなければできない仕事へのシフト
 イノベーション創発と働きがい意識の拡大
RPAの機能
作業プロセス生成画面操作の認識・記憶
Web検索・抽出 集計加工 他サービス活用 入力・登録 帳票出力・作成
従業員と同等の
ID&パスワード
作業手順の
記録と再生
アプリケーションやサービスの画面
入力や操作の画面を認識し位置判別
 データ AとデータBを比較して、Aが大きければ処理Cを行い、Bが大きければ処理Dを行う
 項目AにデータがあればExcelにその項目を書き写す。なければ、なかったことを記録する
 指定したWebを巡回し、指定したデータを抽出、その集計をExcelの表とグラフにまとめる
RPAにおける作業プロセス生成の方法
3.再生2.編集1.記録
PC操作をシナリオとして
記録
繰り返し、分岐条件の設定
など、シナリオを編集
シナリオを再生(ロボット
実行)
実行指示
実
行
実
行
実
行
実
行
クリック
入力
クリック
・ ・ ・ ・ ・
完成
「ノンプログラミング」で業務を開発可能
 人が実施しているPC操作を記録し忠実に再現(Webアプリ、ブラウザ、Excel)
 既存の業務プロセスや業務アプリを改修することなく、自動化を実現
システム開発とRPAの違い
既存の業務プロセス/作業手順
○ 業務の効率化
○ 業務プロセス・作業手順の改善
効率化や改善をはかるための
要件や方法を検討
新しい業務プロセス/作業手順
を設計
システム仕様を策定
システム開発
システム開発:長期継続的な改善
コ
ス
ト
・
期
間
・
専
門
ス
キ
ル
大
○ 業務の効率化
X 業務プロセス・作業手順の改善
作業プロセス生成
RPA:短期即効的な効果
コ
ス
ト
・
期
間
・
専
門
ス
キ
ル
少
RPAの導入効果
概要 詳細
1.人件費の削減
・コスト削減(人件費1/3〜1/10)
・長時間労働の是正(残業抑制)
・人員の管理工数・コストを削減
2.生産性の向上
・処理スピードが高速(人の数百倍)
・24時間365日の業務が可能
3.業務品質の向上
・ヒューマンエラーを撲滅
・不正やセキュリティ事故の発生リスクを撲滅
4.高付加価値業務へのシフト
・定型業務をRPAへ置き換えることにより、戦略
検討など高付加価値業務へシフト可能
5.リソース増減への柔軟な対応
・繁忙期のリソース増加・閑散期のリソース削減
を容易に実現
6.ノウハウの属人化の解消
・業務の属人化を解消
・異動・退職による業務の引継ぎが不要
・ノウハウの見える化
RPA活用が進むと思われる業務
既に、間接業務や金融業務を中心に様々な分野
で活用され始めている経理・購買 人事 営業事務
• 請求処理
• 売掛金/買掛金の仕訳
• 財務レポート作成
• 経費精算、入金消込
• 財務マスタデータ管理
• 購買発注の検証 など
• 採用・退職管理
• 勤怠管理
• 従業員情報入力/更新
• 休暇申請の処理/管理
• 人事考課入力管理 など
• 申込書入力
• 不備チェック
• 顧客情報入力
• 名寄せ処理
• 手配書の作成と送付
• 受注情報の集計 など
金融業、不動産業 小売業 通信業
• ローン審査
• クレーム照合処理
• 新規口座開設の認証
• レポート作成
• 新規アカウント作成
• 保険請求処理 など
• 在庫状況や商品情報の
アップデート
• ウェブ注文情報の入力
• 注文情報の入力
• ECの商品登録
• 在庫連携
• 事業者間の情報連携
• 価格調査 など
• 顧客データの収集
• アプリ間の情報転送
• 競合価格情報抽出 など
公共など
• 各種手続きの照合情報
• 新旧システム情報統合
• 特許情報の収集 など
RPA導入の期間と効果
導入期間:47%が4週間以内 導入効果:97%が 5割以上
出典:日本RPA協会、RPAテクノロジーズ、アビームコンサルティング 2017年1〜16月に実施した「RPA導入企業の実態把握」
進化の可能性
 データ入力や複数アプリの連携が必要な定型業務
 教えられた手順に従い、特定の単純作業をこなす
 意思決定が必要な場合は人間が対処する
 情報の入力、取得
 モニタリング
 チェック、転記
Class 1 : Basic(現状)
定型業務の自動化
単純作業の労働者
例えば、人事・経理・総務などの間接部門の事務・管理業務、販売管理や経費処理など
 ルール処理エンジン
 スクリーン収集
 ワークフロー
Class 3 : Cognitive
業務の自律的なAI化
真のデジタル労働者
 大量データを学習して最適判断が必要な業務
 目的に沿って自らプロセスを分析・改善
 与えられた指示を適切に解釈し時には人や他の
RPAと連携しながら、自律的に仕事をこなす
 高度な分析、判断
 自律的な改善、連携
 自然言語処理
 ビッグデータ分析
 機械学習
 個別最適化処理
例えば、ヘルプデスクや天候に左右される仕入れ管理、経済情勢を加味した経営判断など
AI
Class 2 : Enhanced
非定型業務の自動化
特定業務の労働者
 構造化されていない
データや知識の処理
 非構造データの読取
 蓄積データからのルール作成
 知識ベースからの問合わせ回答
 非構造化データの収集や分析
 自然言語処理やディープラーニング
を利用し、非構造データを扱う業務
や分析に基づくルールベースの業務
例えば、ログの分析、様々な要因を加味した売上予測、Web のレコメンド広告などの分
析処理など
AI
RPAと雇用についての考え方
RPAを導入すると雇用を奪われる?
RPAを導入すると余力が生まれる!
新しい仕事に
人材を配置できる
業務処理の
正確さが向上する
業務処理の
スピードが向上する
人手不足の解消と業務品質の向上
VS
RPAの限界
即効性はあるが、抜本的なビジネス・プロセスの改革・改善ではない
作業時間を短縮することはできても
作業内容や手順が変ったわけではない
総労働
時間総労働
時間
作業内容や
手順の見直し
創出した
時間
作業内容や
手順の改革
真の「働き方改革」の実現
業務改革・働き方改革の停滞
RPA
システム間操作連携は自動化できても
システム・プロセスやデータベースの
連係・統合が実現できたわけではない
時代に即したシステムの実現
古いシステムのまま塩漬け
システムの刷新や攻めのIT実現を阻害
RPA
RPAの活用シナリオ
RPA
適用範囲の拡大
テクノロジーの進化
効果の積み上げと
現場の理解拡大
総労働時間の削減
新たな時間の創出
真の働き方改革
時代に即した
システムの実現
デジタル・トランスフォーメーション時代
のビジネス戦略
本章の狙い
デジタル・トランスフォーメーション時代のビジネス戦略
これまでの常識が通用しないデジタル・トランスフォーメーションの
時代にどの四ようなビジネス戦略を描くかを考える。
ビジネスとITの関係
ITとの正しい付き合い方
思想としてのIT
ビジネスの変革と創造
仕組みとしてのIT
業務プロセスの効率化と実践
道具としてのIT
利便性の向上と多様性の許容
商品としてのIT
収益拡大とビジネスの成長
ビジネス
経営と業務プロセスビジネス
プロフェッショナル
ITプロフェッショナル
商品としてのITの作り方
思想としてのIT
ビジネスの変革と創造
仕組みとしてのIT
業務プロセスの効率化と実践
道具としてのIT
利便性の向上と多様性の許容
商品としてのIT
収益拡大とビジネスの成長
ビジネス・モデル
使い勝手や見栄えの良さ
ビ
ジ
ネ
ス
・
プ
ロ
セ
ス
「道具としてのIT」から「思想としてのIT」への進化
ビジネスビジネス
IT
IT
1960年代〜1980年代 1990年代〜2000年代 2010年代〜
道具としてのIT
仕組みとしてのIT
思想としてのIT
ビジネス+IT
(ITと一体化したビジネス)
商品としてのIT
ビジネスのデジタル化
ビジネスビジネス
IT
IT
1960年代〜1980年代 1990年代〜2000年代 2010年代〜
ビジネス+IT
(ITと一体化したビジネス)
商品としてのIT
SoR System of Record
結果を処理するシステム
SoE System of Engagement
結果を創出するシステム文化
対立
ビジネス価値と文化の違い
ユーザー部門のITへの期待の変化
顧客に製品やサービスを“いかに買ってもらうか”を狙う
顧客が製品やサービスを“買ってから”を処理、格納する
 ユーザー部門の要求は明確
 IT部門はその要求に応える
求められる価値:スピード
求められる価値:安定性
SoE
SoR
System of Engagement
System of Record
『キャズム』の著者Geoffrey A. Mooreの言葉を参考に作成
 ユーザー部門は要求が不明
 IT部門はその要求を一緒に探す
 ERP
 SCM
 販売管理など
 CRM
 MA
 ECなど
結果を処理するシステム
結果を創出するシステム
≈ モード2
モード1 ≈
モード1とモード2の特性
モード1 モード2
安定性重視 速度重視
ウォーターフォール アジャイル
IT部門が集中管理 ユーザー部門が分散管理
予測可能業務 探索型業務
武士:領地や報酬を死守 忍者:何が有効なのかを探る
運用者(オペレーター) 革新者(イノベーター)
効率性やROI 新規性や大きなリターン
統率力や実行力 機動力や柔軟性
月次〜年次 日次(or 時次)〜週次
性向
手法
管理
業務
例え
対象
期待
実践
期間
トップダウン ボトムアップ経営
方針が確定した後に軍隊的統率力で実行する力 方向性が見えない状況での探索能力や機動力
モード1とモード2を取り持つガーディアン
モード1 モード2
落ち着きなくチャラチャラした
無責任で軽い存在だと煙たがる
古臭く動きが遅い足手まといの
恐竜の化石のように感じる
それぞれの強みがありながらも
文化的対立が起きやすい両者を共存させるために
双方に敬意を払いつつ間を取り持ち調整を行う
方針が確定した後に軍隊的統率力で実行する力 方向性が見えない状況での探索能力や機動力
ガーディアン
3つのIT:従来のIT/シャドーIT/バイモーダルIT
SIer/ITベンダー SIer/ITベンダー SIer/ITベンダー
モード1
SoR
モード1
SoR
モード2
SoE
情報システム部門 情報システム部門
事業部門 事業部門 事業部門
モード1
SoR
モード2
SoE
 堅牢性
 安定性
 正確性
 安全性
 完全性
 迅速性
 柔軟性
 スケーラビリティ
 低コスト
 そこそこ/使える
 堅牢性
 安定性
 正確性
 安全性
 完全性
情報システム部門
 迅速性
 柔軟性
 スケーラビリティ
 低コスト
 そこそこ/使える
 堅牢性
 安定性
 正確性
 安全性
 完全性
従来のIT シャドーIT バイモーダルIT
売上・利益の拡大
SIビジネスに取り憑く3匹の“お化け”
稼働率の向上
人材不足人材育成の停滞 新規事業開発の休止
新事業・新顧客
からの売上拡大
景気に関わらず成長できる
自分で自分の未来を
創り出せる
商品=労働力と調達能力 商品=技術力とチャレンジ力
景気の拡大
景気の変動に左右される
自分で自分の未来を
描くことができない
自動化
クラウド化
内製化
新規事業開発を考える
デジタル・トランスフォーメーション
デジタル・トランスフォーメーションを実践するステップ
3つの原則
課題の実感 トレンドの風を読む 試行錯誤
ステップ
1 戦略:ビジネス・モデル
あるべき姿と
シナリオを示す
ステップ
2 作戦:ビジネス・プロセス ITの可能性を
最大限に活かす
ステップ
3 戦術:使い方や見栄え
新しい常識で
選択肢を模索する
自分たちには、
何ができるか?
自分たちには、
何ができないか?
お客様は誰?
「お客様」は誰か?
自分たちのできることに都合が良い
市場・顧客・計画
お客様の
あるべき姿?
自分たちのできることに都合が良い
お客様の「あるべき姿」
お客様のあるべき姿を実現するために
何をすべきか?
具体的にイメージできる
お客様の「あるべき姿」
〇山 △男 39歳
▢▢株式会社
西日本営業部
営業業務課
ニーズ起点
シーズ起点
ITをビジネスの成果に結びつける考え方
ビジネスの成果に結びつかないアプローチ
IoT/AIで”何か”できないだろうか?
(使えるビジネスはないのか?)
IoT/AIで”何が”できるのだろうか?
(どんな機能や性能が期待できるのか?)
自分たちの業務でどこか使えるところは
ないだろうか?
なんとか使えるところを見つけて使ってみたが
十分なビジネスの成果はあげられなかった。
使ってみたという成果だけが残り、
次に続かない。
ビジネスの成果に結びつくアプローチ
この課題をブレークスルーできれば
劇的な改善や圧倒的競争力が手に入るはずだ!
課題を解決するためのビジネス・モデルや
ビジネス・プロセスは何がいいだろう?
使える方法論やテクノロジーには
何があるのだろう(新旧にかかわらず)?
ビジネスの成果があげられたかどうかで
当初の仮説や方法論、テクノロジーを評価する。
結果から改善点を見つけ、再びやってみる。
ダメなら、やり方を変えることも辞さない。
いま求められる人材
本章の狙い
いま求められる人材
テクノロジーの進化により新しい常識が求められるいま、どのような
人材がもとめられるのか、自らのスキルをどのように磨けばいいのか
を考える。
注意すべきITベンダー・SI事業者の行動特性
自分たちの「できること」でしか
解決策を示そうとしない。
これからのテクノロジーやその可能性について
分かりやすく説明できない。
機能や性能については説明できるが
経営や事業の成果にどのような貢献が
できるのか説明できない。
新しい方法論や見積を求めても
旧来のやり方で提案しようとする。
新しい方法論やテクノロジーの適用を求めると
保証できない、実績がない、時期尚早などの
ネガティブ・ワードで翻意を迫る。
注意すべきITベンダー・SI事業者の行動特性
 自分たちの収益を優先して考えている。
 新しいコトへのリスクを嫌っている。
 経営やリソースに余裕がない。
 勉強していない。あるいはその習慣がない。
 分かってもらおうという意欲が欠如している。
 自分たちのできないことに関心がない。
 お客様の立場で考える習慣がない。
 経営や業務に関心や知識がない。
 お客様の成果より自分たちの成果を優先している。
 仕事のやり方を変えたくない。
 読めないリスクはできるだけ避けたい。
 自分たちの業績評価基準に反する。
 相手の想いを理解しようという意欲がない。
 そもそも知識がなく、学ぶ意欲も乏しい。
 新しいコトへチャレンジする意欲がない。
このような行動特性を示す理由
一緒に仕事をしたいITベンダー・SI事業者
自分たちの事業や経営の価値を意識しているか
 ITが自分たちの事業や経営にどのような価値を提供してくれるのかを具体的に説明してくれる
 売上増やコスト削減とIT活用をロジカルに分かりやすく結びつけて説明してくれる
 自分たちにできることだけではなく、他社も含めた「世の中常識」を客観的に説明してくれる
自分たちの個別の事情に配慮してくれているか
 自社の業種や規模などの個別事情を考慮した説明をしてくれる
 自社の個別の事情や課題、要件について理解し、営業やエンジニアの誰もが共有できている
 自社の業種や業態に関連した専門的知識やスキルを持った人が担当してくれる
一緒になって成功しようという意欲を持っているか
 専門用語を乱発することなく、難しいことでも理解できるようにわかりやすく説明してくれる
 ヒアリングシートなどが体系化されており、人に依存しない品質維持が確保されている
 標準の提案書を手直しするのではなく、自社向けに作る提案書を提示してくれる
 初期段階から技術や業務のわかるエンジニアが同席し、生産性の高い議論ができる
 自らのリスク・テイクする覚悟でコミットしてくれる
 「教師」あるいは「良き相談相手」となれるひとが、参加してくれている
ITビジネス・プロフェッショナルの条件
ITについての専門性
言葉を知っているかどうかではない。日々進
化するテクノロジーを顧客価値に結びつけて、
それを説明でき、解決策の相談に応え、実現
できること。
経営や業務についての専門性
経営や業務についてお客様以上に考察し、ど
こに課題があるかを見つけ、その課題を解決
するためにテクノロジーをどのように使えば
いいかを考え、デザインできること。
世のため人のために役立とう
というパッション
自分の会社のためではない。世のため人のた
めに役立つために、自分は何をすべきかを考
え、ぶれずに行動する情熱。
同僚や遊び仲間だけではない
人のつながりとイニシアティブ
発信者になれ、起点になれ。そうすればそこ
に同じようなヒトたちが集まってくる。そう
いう人たちが知識をもたらし成長を支える。
お客様の成功に貢献すること
売上や利益の拡大
事業の変革や改革
新規事業・顧客の創出
人を幸せにし成長させることで
自分を幸せにし成長させる
学び続ける習慣
独学力 つながり力
アウトプット力
SNS
勉強会
コミュニティ
ボランティア
イベント
呑み会
読書
社外研修
Web
100年人生を生き抜くための
変身資産
多様な価値観やロールモデルの発見
ビジネス・チャネルの開拓
共感と深い学び
陳腐化するスキルの新陳代謝
直感力の育成
客観性と論理性の醸成
インプットの増大
人脈の拡大
パターン化・ストーリー化能力の強化
変革のステージに立てるかどうかの3つの問いかけ
「違和感」を持っていますか?
「地図」を持っていますか?
「向かい風」を感じていますか?
ネットコマース株式会社
180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-4-17
エスト・グランデール・カーロ 1201
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LiBRA 11.2018 / 総集編