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個人開発でも使ってみよう
Addressable Asset System
Gotanda.unity #18
プロフィール
tetsu(鉄、Twitter:@tetsujp84)
● Unityエンジニア
● 株式会社ミラティブ所属
● サークルでリズムゲームを制作中
制作中のゲーム Liminality
● スマートフォン向けリズムゲーム
● Addressable Asset System に移行した
● CRI ADX2 を使っている
Addressable Asset Systemを使うメリット
● Resources からの脱却
● 追加ダウンロードの仕組みを簡単に整えられる
● グループによりバンドル管理がしやすい
● ビルドインと追加ダウンロードのリソースを区別せずに使える
○ ビルドイン:アプリ本体に最初から含める内部リソース
○ 追加ダウンロード:アプリ起動中にダウンロードを行う外部リソース
● ビルドインから追加リソースに切り替えられる
リズムゲームでアセットとして使うもの
● ジャケット:.png
● 音源:.acb
● 譜面:.json
ひとまとめにして1曲単位でグループ化
ロード方法
LoadResourceLocationAsync でファイルの存在チェック
Addressable.LoadAssetAsync でロードして Instantiate でインスタンス化
※UniTaskを使用
ビルドインと追加ダウンロードの切り替え
● ビルドインのリソース
○ Asset Group を Local にする
○ アプリをビルドする際に一緒にビルドする
● 追加ダウンロードのリソース
○ Asset Group を Remote にする
○ アプリのビルドとは別でビルドする
● LoadAssetAsync はダウンロードも同時に行ってくれる
具体例
ビルドインの設定
Build and Load Paths を Local に設定する
追加ダウンロードの設定
Build and Load Paths を Remote に設定する
CRI ADX2 との連携
● CRI ADX2
○ サウンドミドルウェア
○ Androidの低遅延再生に強い
○ 商業リズムゲームでよく使われる
● 通常の CRI ADX2 のロード
○ StreamingAssets か persistentDataPath に置いてロード
○ ダウンロード機構を自分で作る必要がある
● Addressable Asset System に載せるメリット
○ 他のリソースと同様に扱える
○ 独自ダウンロード機能を作らずに済む
CRI ADX2 との連携の注意点
● 音源ファイルの拡張子は .bytes にして TextAsset として読み込む
○ 独自拡張子(.acb)はUnityのファイルとして扱われない
● ロード時は byte[] を引数に持つメソッドを利用する
● StreamingAssetsフォルダには入れない
 
音源ファイルの読み込み
AddCueSheet(string name, byte[] acbData, string awbFile, CriFsBinder awbBinder = null)
音源ファイル(M0001)を TextAsset として読み込む
CriAtom.AddCueSheetには .bytes を渡す
AssetImporterで拡張子変更
アセット追加時に音源ファイルの拡張子を .bytes に変える
CIとの連携
● Unity Cloud Build の活用
○ アプリ/リソースの更新は全てUnity Cloud Buildで運用
● ビルドインのリソースも都度ビルドが必要
○ アプリビルドだけでは自動では更新されない
○ 同時にリソースのビルドを行うようにした
○ OnPreprocessBuild ではなく PreBuildMethod のタイミングでビルド
● 開発版だけに含めたいリソースは IncludeInBuild で制御
Unity Cloud Build でのリソースビルド
● 追加ダウンロードのリソースはUnity Cloud Build の設定からビルドが行える
● リソースだけのビルドも可能
● ※ビルドインのリソースは更新されない
ビルドインリソース更新用のメソッド
AddressableAssetSettings.BuildPlayerContent
スクリプト経由でビルドする
※ActivePlayerDataBuilderIndexの設定が必要かは検証中
Unity Cloud Buildでの設定
PreBuildMethod(エクスポート前メソッド)で更新用メソッドを指定する
開発版のみに含めるリソースの管理
開発版用のグループ(Development)を用意しておく
ビルド実行時に IncludeInBuild を切り替えてビルドに含めるかを管理する
Addressable Asset Systemを導入してみて
● Addressable Asset System は個人開発レベルでも導入できる
● リソース追加があるプロジェクトなら特に有効
● CRI ADX2と一緒に使える
● CIと連携するとより使いやすい
● ※運用に関する実例はまだまだ不足している

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