天文学概論(第4回)



   太陽系 1
∼多様な惑星たち∼


東京工業大学 佐々木貴教
自己紹介
❖   佐々木 貴教(ささき たかのり)

❖   東京工業大学 大学院理工学研究科 地球惑星科学専攻
    学術振興会特別研究員(PD)

❖   2008年3月に東京大学で学位を取得

❖   専門は 惑星の形成と進化 の理論研究
     惑星系はどのようにして作られるのか
     惑星系はどのように進化していくのか
     
       我々は何処から来て何処へ行くのか?
       生命を宿す 第二の地球 を探そう!
連絡先
❖   Sasaki Takanori Online:http://sasakitakanori.com
      佐々木貴教 で検索してもすぐ見つかります
     講義資料や参考図書の情報などを掲載します

❖   メール:takanori@geo.titech.ac.jp
     本講義全体の代表メールアドレス



      講義の感想, 質問, 要望, 相談
      惑星科学全般についての質問
      研究や研究者についての質問
太陽系1 ∼多様な天体たち∼
・太陽系の構成メンバーの紹介
・各天体(惑星, 衛星など)の特徴のまとめ
 (※最後まで終わらなかったら次回に持ち越し)

   次回:太陽系2 ∼最近のトピック∼
  ・冥王星が惑星から外れた経緯
  ・月を作った巨大天体衝突
  ・太陽系の化石:隕石と小天体
  ・生命を宿す惑星や衛星を探そう
太陽系の構成メンバーの紹介
太陽系の構成メンバー




地球型惑星
  水星
  金星     巨大ガス惑星   巨大氷惑星
  地球        木星      天王星
  火星        土星      海王星
各天体の軌道




              短周期彗星の巣
隕石の母天体
さらに遠くまで広がる太陽系
       天文単位(AU)
       太陽から地球までの距離
       (約1億5000万km)




        「オールトの雲」




            =
        長周期彗星の巣
太陽系の代表的な衛星たち
各天体の特徴のまとめ
太陽
太陽
・典型的なG2V型の主系列星
・太陽系質量の99.9%を占める
・半径:69万6000km(地球の109倍)
・質量:2.0 10 30kg(地球の33万倍)

・表面温度:6000℃(中心では1500万℃)
・主成分:水素73.5%, ヘリウム25%
・中心核では, 水素の熱核融合反応が進行
・コロナからは太陽風が吹き出している
主に水素からなる
中心核を持つ
太陽系の構成メンバー




地球型惑星
  水星
  金星     巨大ガス惑星   巨大氷惑星
  地球        木星      天王星
  火星        土星      海王星
地球型惑星の性質

              水星 金星 地球 火星
軌道長半径 [AU]    0.39   0.72   1.00   1.52
公転周期 [年]      0.241 0.615 1.000 1.881
質量 [地球 = 1]   0.055 0.82    1.00   0.11
  半径 [km]     2440 6052 6378 3396
 密度 [kg/m3]   5430 5240 5520 3930
  衛星の数         0      0      1      2
地球型惑星の内部構造

                 固体の内核
                 液体の外核




                      コア?



水星     金星   地球    月         火星

     地殻
     マントル
     コア
水星
水星
・太陽系で最も小さな惑星
・太陽からの距離:0.38AU
・半径:2440km(地球の0.38倍)
・質量:3.3 1023kg(地球の0.055倍)
・温度:-183℃(夜)∼427℃(昼)
・月に似たクレーターに覆われた地形
・巨大な金属核を持っている
・磁場を持っている(成因は未だ不明)
水星のクレーター      月のクレーター

クレーター:隕石の衝突によって作られる凹状の地形
金星
金星
・太陽からの距離:0.723AU
・半径:6052km(地球の0.95倍)
・質量:4.9 1024kg(地球の0.815倍)
・温度と気圧:460℃, 90気圧
・大気成分:二酸化炭素96.5%, 窒素3.5%
  → 強烈な温室効果が働いている
・スーパーローテーションという強い風
・自転の向きが他の惑星とは逆回転
金星表面の地形図
金星表面の地形図




約5億年前に金星全体を覆う溶岩の噴出?
金星大気のスーパーローテーション




 4日で金星を一周する高速の風が吹いている
 (風速 360km/h:自転の約60倍の速度)

原因は未だ解明されておらず, 金星の謎の一つ
地球
地球


・太陽からの距離:1億4960万km(1AU)
・半径と質量:6378km, 6.0 1024kg
・大気成分:窒素78%, 酸素21%
・太陽系で唯一プレートテクトニクスが存在
・磁場を持っている(→オーロラが存在)
・太陽系で(おそらく)唯一生命が存在
地球の内部構造
             地表
             地殻 }
                玄武岩, 花崗岩
             上部マントル
             下部マントル   }
                     かんらん岩, 輝石

             外核(液体)
                      } Fe + Ni の合金
             内核(固体)




地表:
複数のプレートが存在
月
・人類が降り立った唯一の地球外天体
・地球からの距離:38万4400km
・半径:1737km(地球の0.27倍)
・質量:7.3 10 22kg(地球の0.012倍)

・地球に常に同じ面を向けている
・表面は無数のクレーターに覆われている



   表      裏
火星
火星
・太陽からの距離:1.52AU
・半径:3394km(地球の0.53倍)
・質量:6.4 1023kg(地球の0.11倍)
・温度と気圧:-63℃, 0.006気圧
・大気成分:二酸化炭素95%, 窒素3%
・水と二酸化炭素の氷から成る極冠
・南北半球で大きく異なる地形の特徴
・過去に水が流れたと思われる地形がある
火星の風景
火星の南北非対称地形・極冠




    南極    北極
火星の南北非対称地形・極冠




    南極    北極
過去に水が流れた跡?
過去に水が流れた跡?
現在も地下に水が存在する可能性




1999年   2005年
新しい崩れ「ガリー」の発見
成因はまだ不明(地下水?)

   火星の表面を削ったところ
   水の氷が一部に現れた
太陽系の構成メンバー




地球型惑星
  水星
  金星     巨大ガス惑星   巨大氷惑星
  地球        木星      天王星
  火星        土星      海王星
巨大ガス惑星・氷惑星の性質

              木星 土星        天王星 海王星

軌道長半径 [AU]     5.2   9.6   19.2   30.1
公転周期 [年]      11.86 29.46 84.02 164.7
質量 [地球 = 1]   317.8 95.2   14.5   17.2
  半径 [km]     71490 60270 25560 24760
 密度 [kg/m3]   1330   690   1270 1640
  衛星の数         49    53    27     13
巨大ガス惑星・氷惑星の内部構造
                   地球




 木星    土星     天王星       海王星
水素分子    水素・ヘリウム・メタンガス

金属水素    マントル(水・アンモニア・メタン氷)

        コア(岩石・氷)
木星
木星
・太陽系で最も大きな惑星
・太陽からの距離:5.2AU
・半径:71492km(地球の11.2倍)
・質量:1.9 1027kg(地球の318倍)
・主に水素とヘリウムから成るガス惑星
・表面に大きな渦(大赤斑)が見られる
・4つの大きな衛星(ガリレオ衛星)を持つ
・強力な磁場を持つ
刻々と変化する大赤斑

         地球2 3個分
         高気圧性の渦

         350年以上
         存在している
ガリレオ衛星



  イオ


 エウロパ



       ガニメデ

カリスト
イオには活発な火山活動が存在




木星や他のガリレオ衛星からの
潮汐力がエネルギー源か?
エウロパには地球外生命の可能性?
          表面の氷には
          無数のひび割れが存在




        内部に液体(状)の水を持つ

        生命が存在するかも!?
外側の巨大な2衛星

        ガニメデ        カリスト




半径:2631km      半径:2400km
太陽系最大の衛星       内部が未分化な衛星
土星
土星
・太陽からの距離:9.6AU
・半径:60268km(地球の9.4倍)
・質量:5.7 1026kg(地球の95倍)
・主に水素とヘリウムから成るガス惑星
・太陽系で最も密度が小さい惑星
・明確に見える環(リング)を持つ
(※他の巨大惑星も薄い環を持っている)
・巨大な衛星タイタンを持つ
土星の環(リング)



発見されている環(内側から順に)
 D環, C環, B環, A環, F環,
  ヤヌス / エピメテウス環, G環, E環, パレネ環

             環は氷と塵の粒子から成る


             土星の潮汐力 > 自己重力
             のために破壊が卓越する
衛星タイタン




表面には石や氷塊    液体メタンの湖が存在
太陽系の構成メンバー




地球型惑星
  水星
  金星     巨大ガス惑星   巨大氷惑星
  地球        木星      天王星
  火星        土星      海王星
天王星・海王星
天王星・海王星

    ・太陽からの距離:19.2AU
天
    ・半径:25559km(地球の4倍)
王
    ・質量:8.7 1025kg(地球の14.5倍)
星
    ・自転軸が黄道面に対して横倒し

    ・太陽からの距離:30AU
海
    ・半径:24764km(地球の3.9倍)
王
    ・質量:1.0 10 26kg(地球の17倍)
星
    ・表面に大きな渦(大暗斑)が見られた
天王星の自転軸が横倒し




以前は自転軸は直立していたかもしれない
     他の天体の衝突によって横倒しになった?
消えた海王星の大暗斑




 1989年ボイジャー2号によって発見

                      成因や消滅の
                      原因は未解明

1994年ハッブル宇宙望遠鏡の観測では消滅
太陽系の構成メンバー




地球型惑星
  水星
  金星     巨大ガス惑星     巨大氷惑星
  地球        木星        天王星
  火星        土星        海王星
  小天体(小惑星, 太陽系外縁天体, オールトの雲)
小惑星



             メインベルト小惑星
              火星と木星の間に存在
             トロヤ群小惑星
              木星の軌道上に存在
               発見された数は
               40万個を超える

地球に降ってくる隕石の母天体だと考えられている
太陽系外縁天体
(エッジワース・カイパーベルト天体)




 海王星の外側に散在    冥王星もその一部

短周期彗星(P<200年)の巣だと考えられている
オールトの雲

            太陽系を球殻状に取り巻く
            仮想的な天体群
            太陽から1万∼10万AUに
            1 1012個ほどの天体?


             現在は状況証拠のみで
             仮説の域を出ない存在

長周期彗星(P 200年)の巣だと考えられている
彗星
へール・ボップ彗星    ウェスト彗星
彗星


イオンテイル
(イオンの尾)

                    核:氷と塵が混ざった塊
                    コマ:核を覆う薄いガス
                    尾:太陽からの放射圧と
          ダストテイル      太陽風により形成
          (塵の尾)
                    太陽系初期の情報を保持
宿題

❖   太陽系の天体の中から好きな天体を一つ選び、その特徴を
    自分なりにまとめる(惑星・衛星・小天体どれでも可)

❖   A4用紙(枚数や形式は問わない)

❖   次回の講義の最初に回収

❖   所属学科・学年・学籍番号・氏名を明記

❖   返却できない可能性が高いので、必要な場合はコピーを
    手元に残しておいてください
連絡先

❖   Sasaki Takanori Online:http://sasakitakanori.com
     トップページに講義資料へのリンクを載せておきます
     今日の講義の資料も明日中には載せる予定 参考図
                                                   書
❖   メール:takanori@geo.titech.ac.jp



      講義の感想, 質問, 要望, 相談
      惑星科学全般についての質問
      研究や研究者についての質問

天文学概論4