1. pdf2swf の日本語 PDF 対応について
pdf2swf について
pdf2swf は Matthias Kramm 氏らによって開発されたアプリケーションス
イートである swftools1
に含まれるユーティリティの一つで、PDF を
Macromedia Flash Player2
で閲覧できる形式 (SWF =スウィッフ形式) に変
換することができる。
pdf2swf 単体は変換機能しか持ち合わせていないが、同 swftools に含ま
れる swfmerge 等と組み合わせて、変換した SWF ファイルをオリジナル
ビューワに埋め込むことができる。
日本語対応
pdf2swf は日本語も扱うことができる。しかし、PDF 解析エンジンに XPDF
を利用しているため、XPDF と同様の注意が必要だ。特に PDF のフォン
トの扱いに注意を払わなくてはならない。
PDF にフォントが埋め込まれている場合、あるいはすべての文字がアウ
トライン化されている場合にはほとんど問題が起こらない。実際フォン
ト埋め込みを利用している PDF は少ない。(Adobe Acrobat のデフォルト
の設定ではフォント埋め込みを行わないため?)
外部フォントを参照するような PDF を処理する場合、もし参照している
フォントが見つからなければ、適宜表示に必要なグリフを含む代替フォ
ントを当てはめていく必要があるが、これには XPDF のエンジンを利用
することもできるし、fontconfig を利用することもできる。筆者は設定の
柔軟性の高い fontconfig を利用することを強く薦める。
1
http://www.quiss.org/swftools/
2
http://www.macromedia.com/software/flash/

2. 外部フォントを参照する PDF において、文字は多くの場合 CID でエン
コードされているので、これをグリフのコードに変換するために CMAP
や ToUnicode マップが別途必要となるが、これは XPDF の言語パックの
ものがそのまま利用できる。
フォントの代替に際して、文字のメトリクスは当然フォントによって異
なるため、あるフォントの使用を前提に文字間を調整しているような
PDF をレンダリングすると表示が崩れてしまうが、これは現時点で解消
しようがない問題の一つである。
pdf2swf ビルド時の注意点
 fontconfig を有効にするため、環境変数の CPPFLAGS や LIBS に適
宜 fontconfig のインストールパスを含めておく。これは jpeglib など
に関しても共通する注意点だ。