災害時の救援情報共有に使える!
ウェブツール“SAHANA”(サハナ)


           ひょうごんテック
           村尾 佳美 ・ 野方 純
本日の流れ
ひょうごんテックについて
Sahanaについて
Sahana日本版について
質疑応答など
ひょうごんテック     について

 オープンソースなどのICTを活用し
 て、NPOや市民活動団体を支援するボラン
 ティア団体
 人と人をつなぐ、ゆるいネットワーク組織
 事務所は神戸市長田区の
 たかとりコミュニティセンター内
 2004年6月設立
ひょうごんテック              について

 OSC神戸2010にて、インドネシアのNGO
 コンバインのケトゥ氏による発表 「オー
 プンソースツールSAHANAを使った被災
 地支援ーインドネシアでの実践から」を
 コーディネート
 Sahana Japan Team   を全面的に支援
Sahana について
1.   Sahanaとは
2.   開発の経緯
3.   これまでの導入事例
4.   日本版の経緯
5.   基本構成
6.   Sahanaの機能
1.Sahanaとは
災害時の救援情報共有に使うために作ら
れたツールです。

刻々と変わる被災地の情報を、インター
ネット上で、地図とデータを連動させ、
随 時更新 しながら情報共有できるように
開発されたシステムです。
1.Sahanaとは
 Web上で利用可能
 MITライセンスのオープンソースソフト
 地図とデータベースが連動
 地図は、OpenStreetMapを使用 (ほかGoogle Mapな
 ども使用可)

 多言語対応(現在19言語)
 多様なデータファイル形式に対応
1.Sahanaとは
 Web上で利用可能
 MITライセンスのオープンソースソフト
 地図とデータベースが連動
 地図は、OpenStreetMapを使用 (ほかGoogle Mapな
 ども使用可)

 多言語対応(現在19言語)
 多様なデータファイル形式に対応
            世界標準の災害支援ツール
            となりつつある
2.開発の経緯
   2004年スマトラ島沖地震によるスリランカでの津波災害が
    きっかけ
   スリランカのフリーソフトウェア・オープンソースソフト
    ウェアコミュニティのボランティア開発者らによって開発
    される。
   スリランカ政府の正式なシステムとして採用。
   汎用的なシステムとして書き直され、大規模災害の支援プ
    ロジェクトのために、世界各地で政府や NGOによって有効
    活用されている。
   Sahanaソフトウェア財団が設立され、財団支援による
    Sahanaプロジェクトにて開発が行われている。
   スリランカの公用語の1つであるシンハラ語で「救援」の意
    味
3.これまでの導入事例
2005 スリランカ津波、パキスタン地震

2006 フィリピンレイテ島地すべり、スリランカ洪
     水、ジョグジャカルタ地震

2007 ペルー地震、バングラデシュサイクロン
2008 ミャンマーサイクロン、中国四川大地震
2009 インドネシア西スマトラ地震
2010 ハイチ地震、チリ地震、パキスタン洪水
3.これまでの導入事例
2010年1月のハイチ大地震では、
  • 避難所の位置
  • 倒壊建物や道路の不通地点
  • 避難所での必要物資
  • 行方不明者情報

これらをSahanaに 随 時反映させることによって、
 医療スタッフやボランティア等の 人員配置、
 救援物資の効率の良い配分など、
 災害時の救援活動に大いに役立ちました。
4.日本版の経緯
   2010年3月、OSC神戸にて紹介
   2010年夏頃、ひょうごんテック有志を中心に、 Sahana日本
    語化プロジェクトが始動
   2010年12月頃、Sahanaソフトウェア財団に連絡
   2011年2月末、テックカフェにてSahanaを取り上げ、日本語
    化と日本での展開について課題を確認
   3月11日、東北地方太平洋沖地震発生
   3月11日深夜、公開に向けて着手開始
   3月15日、日本IBM株式会社より協力の申し入れ
   各方面からボランティア有志が集まり、
    Sahana Japan Team として活動中
5.基本構成
現在、2種類のバージョンがある
          :
 Sahana Eden
  PythonのWebフレームワークweb2py
    ⇒ 日本版
 Sahana Agasti:
  PHPのフレームワークsymphony
6.Sahanaの機能
(1) インシデント、アセスメント登録
(2) 行方不明者/救出者登録
(3) 組織登録
(4) 要求管理システム
(5) 病院管理システム
(6) 被災者収容施設/避難所登録
(7) ボランティア/スタッフ管理
(8) 在庫管理
6.Sahanaの機能


災害支援の現場で使われる度に
     機能が追加!
6.Sahanaの機能


災害支援の現場で使われる度に
     機能が追加!



 では、日本ではどう使う?
Sahana 日本版について
7.   東日本大震災の特徴
8.   支援団体からのニーズ
9.   Sahana日本版の方針
10. 課題
11. 目標
12. 最後に
7.東日本大震災の特徴
 青森から千葉までの沿岸約500km。広域。
 被災自治体数が多数。役所や職員も被害に。
 情報集約が非常に困難。
 地震、津波、浸水、原発、風評被害の複合。
  どの被害によるかで支援内容が全く異なる。
 一部の行政や支援団体だけではカバーできない。⇒早く
  から垣根を越えた連携体制。
 twitterなどで情報が錯綜
8.支援団体からのニーズ
 「支援の空白地域をつくらない」
 行方不明者、生存者のリストを共有したい
 ライフライン等の復旧情報を集約・共有したい
 どの団体がどこで支援活動しているか、
避難所がどんな状況になっているか、
確認し、次の団体との引継ぎに使いたい
8.支援団体からのニーズ
 「支援の空白地域をつくらない」
 行方不明者、生存者のリストを共有したい
 ライフライン等の復旧情報を集約・共有したい
 どの団体がどこで支援活動しているか、
避難所がどんな状況になっているか、
確認し、次の団体との引継ぎに使いたい


       地図上に集約できれば、
       空白を見つけることが可能
9.日本版の方針
【立ち上げ時の課題】
 翻訳が未完了。専門用語の意訳が必要。
 機能が複雑すぎて、バグが多い。
 ユーザーガイドが未整備(機能が理解できない)


【対応策】
 優先順位の高い機能を限定して先にリリース
 Web上で広く情報を共有する利用を想定
 Sahanaの機能(フルver.)
(1) インシデント、アセスメント登録
(2) 行方不明者/救出者登録
(3) 組織登録
(4) 要求管理システム
(5) 病院管理システム
(6) 被災者収容施設/避難所登録
(7) ボランティア/スタッフ管理
(8) 在庫管理
 Sahanaの機能(日本ver.)
(1) インシデント、アセスメント登録 ⇒ 現況
(2) 行方不明者/救出者登録 ⇒避難者登録
(3) 組織登録
(4) 要求管理システム ⇒ 支援要請
(5) 病院管理システム
(6) 被災者収容施設/避難所登録
(7) ボランティア/スタッフ管理
(8) 在庫管理
 Sahanaの機能(日本ver.)
【入力】
   被災地の現況
   避難所の現況(支援状況、避難者の状
    況)
   支援団体の活動状況
   支援要請
【表示】
   地図や一覧表で目視や検索が可能
10.課題
   現地からの情報の入手方法
   データの信頼性(入力、更新、チェック)
   公開情報と非公開情報の閲覧管理
   ほかのシステムとの連携
   Sahana自体の信頼性(バグ、エラー、負荷)
   運用体制(サポートのマンパワー)
   支援のマッチングのニーズへの対応
11.目標
   「泥を見ないで人を見ろ」
    ⇒ データの、その先に人の生活を想像する
   人を巻き込む<主役は人>
    ⇒ 運用は当事者たちに引き継いでいく
   世界へいかに経験を返すか
    ⇒ 日本版ブランチの機能を、本流に還元
    ⇒ 日本のきめ細やかな支援の仕組みを世界へ
12.最後に
   一緒にSahanaを支えてください!
    ⇒詳しくは、お手元のチラシをご覧ください

   URLは、http://sahana.jp/ です!


   ご清聴ありがとうございました。
    (ご質問がございましたら、お願いします)

OSC 2011 Kobe Sahana