MaruLaboの浅海ゼミでの口座のスライドです。 https://www.marulabo.net/docs/asami04/ オブジェクト指向分析設計の静的モデルについて、分類子、関係を中心に取り上げます。

1. 静的モデル(1)
2021年10⽉30⽇
浅海智晴
基本モデル
クラウドアプリケーションのための
オブジェクト指向分析設計講座
第4回

2. 第1部 基本編の構成
• 概論 [第1回]
• 開発プロセス [第2回]
• 基本モデル [第3回]
• 静的モデル(1) [第4回]
• 静的モデル(2) [第5回]
• 動的モデル [第6回]
• 協調モデル [第7回]
• 関数モデル [第8回]
• 物理モデル [第9回]
• 作業分野 [第10回]
• ビジネス・モデリング [第11回]
• 要求 [第12回]
• 分析 [第13回]
• 設計 [第14回]
• 作業分野
• 実装 [第15回]
• テスト [第16回]
• アプリケーション・アーキテクチャ [第17回]
• ドメイン・モデル [第18回]
• アプリケーション・モデル [第19回]
• プレゼンテーション・モデル [第20回]
• ケーススタディ[第21回]
• 要求モデル [第22回]
• 分析モデル [第23回]
• 設計モデル [第24回]
• 実装 [第25回]
• テスト [第26回]

3. 内容
• 静的モデルの概要
• モデル要素
• 分類⼦
• 関係
• データ型
• コンポーネント
• 制約
• ダイアグラム

4. 基本モデル
• 本講座で使⽤する基本モデル
• UMLの論理モデル(構造、動的)+αを以下の4種類に分類
• 静的モデル (Static Model)
• 動的モデル (Dynamic Model)
• 協調モデル (Collaboration Model)
• 関数モデル (Function Model)
• 物理モデル
• 実装ビュー
• 配備ビュー
• プロセス・ビュー
SM2021

5. 静的モデル (Static Model)
• アプリケーションの静的構造をモデル化
• ドメイン・モデル
• クラス図
• アプリケーション・モデル
• コンポーネント図
• 補助的に使⽤
• オブジェクト図

6. UML基本定義

8. クラス図
コンポーネント図

9. 分類⼦ (Classifier)

10. 分類⼦ (Classifier)
• 挙動的、構造的特性を記述したメカニズム。
• 「クラス」概念を抽象化したもの。
• 静的モデルの分類⼦
• クラス、インタフェース、サブシステム、システムなど

12. 第5回 静的モデル(2)
第9回 物理モデル

13. クラス
• 同じ属性、操作、メソッド、
関係、振舞いを共有するオブ
ジェクトの集合の記述⼦。
• モデル内の概念(concept)を
表現する。

14. テンプレート (Template)
• パラメータ化されたモデル要
素。使⽤時には実際の値を束
縛する。
• クラスだけでなく多くのモデ
ル要素がテンプレート化でき
る。
• テンプレートの実装
• ジェネリクス
• テンプレート(C++)
• マクロ(Scala)

15. オブジェクト (Object)
• 抽象の具体的な明⽰；明確に
定義された境界と識別⼦に
よって区別された状態と振舞
いをカプセル化したエンティ
ティ；クラスのインスタンス。
• 分類⼦のオブジェクトは「ク
ラスのインスタンス」

16. インタフェース (Interface)
• クラスやコンポーネントの
サービスを指定するのに使⽤
されるオペレーションの集ま
り。
• オペレーションを定義
• コンポーネントの外部インタ
フェースを定義
• 多重継承問題を回避

17. トレイト(trait)
• トレイトはクラス間でインタ
フェースとフィールドを共有
するために⽤いる。
(https://docs.scala-
lang.org/tour/traits.html)
• オペレーションと属性を持つ。
• コンススタラクタを持たない。
• UML外のモデル要素(Scala由
来)
• 多重継承問題を回避
SM2021

18. パワータイプ
(Powertype)
• インスタンスが所与のサブク
ラスとなるメタクラス
• 共通の構造を持つオブジェク
トの分類に使⽤できる
• 区分コードとして実装
• ポリモーフィズムは使えない
• 多重継承問題を回避
SM2021

19. 型クラス (Type class)
• 計算機科学においてアドホッ
ク多相をサポートする型シス
テムの構成機能(Wikipedia)
• 関数型⾔語でクラス＆継承的
なものを実現する(Haskell由
来)
SM2021

20. ポリモーフィズム (Polymorphism)
• アドホック多相(ad hoc polymorphism)
• 型クラス
• パラメトリック多相(parametric polymorphism)
• UML：テンプレート
• プログラミング⾔語：ジェネリックス、テンプレート(C++)、マクロ
• デザイン・パターン (パラメータ化コレボレーション)
• サブタイピング(subtyping)
• 汎化/特化(クラス継承)
第14回 設計モデル

21. 型クラス
• アドホック多相(ad hoc polymorphism)
• クラスとの違い
• コンパイル時に静的に解決される
• 対象のクラスに後付で型クラスを設定することができる
• 使い所
• 外部ライブラリのクラスをポリモーフィズム対象にできる
• クラス間の依存性の低減(疎結合)
• 多重継承問題の回避

22. ユーティリティ(Utility)
• 属性とオペレーションがすべ
てstaticスコープのクラス。
• 関数やサブルーチンの定義な
どに⽤いる。

23. 関係 (Relationship)

24. 関係の構造

25. 第13回 分析モデル
第12回 要求モデル
第11回 ビジネス・モデリング

26. 関連 (association)

27. オブジェクトとリンク

28. 汎化 (Generalization)
• より汎⽤的な要素とより特化的な要素
の間の分類関係。
• “継承”を実現。
• OCP: Open-Closed Principle
SM2021
SM2021
第13回 分析モデル
第14回 設計モデル

29. 多重継承問題
• DAG問題：共通の親クラスの扱いが難しい
• 以下のモデル要素を使い分ける
• インタフェース
• トレイト
• パワータイプ
• 型クラス
• ドメイン・モデル
• 概念レベルの段階からこの問題に対応しておくのがよい
第13回 分析モデル
第14回 設計モデル
第11回 ビジネス・モデリング
第12回 要求モデル
第18回 ドメイン・モデル

30. 依存性 (dependency)
関連と汎化以外の関係を記述

31. データ型 (data type)

32. データ型 (data type)
• 識別⼦(独⽴した存在と副作⽤の可能性)を持た
ない値の集合の記述⼦。

33. プリミティブ型 データ型 説明 XML
Boolean ブール型 boolean
Integer 整数 integer
UnlimitedNatural 0以上の⾃然数 string
Real 実数 double
String ⽂字列 string
• 基本のデータ型
• UMLの定義済み型だけでは⾜りない
• 候補(XML Schemaより)
• 数値：short, int, long, float, decimal
• ⽂字列：normalizedString, token
• ⽇時：duration, dateTime, time, date, gYearMonth, gYear,
gMonthDay, gMonth
• 国際化：language
• その他の候補
• URI/URN/URL
• 有理数、パーセント、単位、性別、年齢
nonNegativeInteger (?)
組込みプリミティブ型(UML 2.5)
第14回 設計モデル

34. 構造型
• 構造を持ったデータ型
• 設計/実装
• DDDのValue Objectに相当
• Java(JDK14)のrecordに相当
• Scalaのcase classに相当
• 共通データ型の候補
• 住所、郵便番号、電話番号、⽒名、⾦額
第14回 設計モデル

35. まとめ
• 論理モデル/静的モデルの位置付け
• 分類⼦
• 関係
• データ型

36. 参考⽂献
• The Unified Modeling Language Reference Manual, 2nd
(Rumbaugh他, 2004)
• The Unified Modeling Language User Guide, 2nd (Booch他,
2004)
• The Unified Software Development Process (Jacobson他,
1999) 【UMLによる統⼀ソフトウェア開発プロセスーオブジェ
クト指向開発⽅法論】
• UML 2 and the Unified Process: Practical Object-Oriented
Analysis and Design (Arlow他, 2005)