逮捕後の手続の流れについて説明しています。

1. 逮捕後の手続の流れ（起訴まで）
弁護士法人鳳法律事務所（浦和・横浜）
対応地域：全国
Copyright © 2013 弁護士法人 鳳法律事務所 All rights Reserved.

2. １．逮捕とは
逮捕は被疑者に対して最初に行われる強制的な身柄拘束処分。
逮捕には下記の3種類がある。
（１）通常逮捕
裁判官から発付された令状（逮捕状）に基づく逮捕。逮捕の原則的な形態。
（２）現行犯逮捕
現に罪を行い、又は現に罪を行い終わった者（現行犯人）に対してする無令状
での逮捕。
なお、「現に罪を行い、又は罪を行い終わった」と言えない場合でも、一定の要
件（刑訴法212条2項）を満たす場合は現行犯人とみなされる（準現行犯）。
（３）緊急逮捕
一定の重大犯罪で、高度の疑いがあり、緊急性が認められる場合にされる無
令状での逮捕。
Copyright © 2013 弁護士法人 鳳法律事務所 All rights Reserved. 2

3. ２．逮捕されたらどうなるか
Copyright © 2013 弁護士法人 鳳法律事務所 All rights Reserved. 3
①犯罪事実の要旨の告知。
②弁護人の有無を尋ねる。いない
場合は弁護人を選任できること
を告知。
③弁解の機会を与える。
④留置の必要が無いときはすぐに
釈放。留置の必要があるときは
逮捕から48時間以内に検察官
に送致。
①弁解の機会を与える。
②留置の必要が無いときはすぐ
に釈放する。
留置の必要があると判断す
るときは、法の定める制限時間
内に、裁判官に勾留を請求す
るか、公訴を提起する。
法の定める制限時間とは、
被疑者を受け取った時から24
時間以内かつ当初の拘束から
72時間以内。
以下は警察官に逮捕されてから、検察官に勾留請求されるまでの手続についての説明。
警察官がすること
検察官がすること
留
置
の
必
要
釈放
有り
無
し
48時間以内
留
置
の
必
要
無
し
有り
公
訴
提
起
又
は
勾
留
請
求
72時間以内
24時間以内

4. ３．勾留とは
勾留とは、被疑者・被告人を拘束する裁判及びその執行をいう。逮捕後の勾留は、
被疑者勾留又は起訴前勾留などと呼ぶ。
次の要件を満たす必要がある。
（１）勾留の理由
①被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当の理由があること。
②次のいずれかに該当すること
ⅰ 住居不定
ⅱ 罪証隠滅のおそれがある
ⅲ 逃亡のおそれがある
（２）勾留の必要性
例えば、罰金が予想される軽微な事案は、身柄拘束まですると処分が重すぎると
いえる。そのような場合には、勾留の理由があっても、必要性がないとして、勾留
請求が却下される。
なお、被疑事実を否認すると、ほぼ確実にⅱ罪証隠滅の恐れがあるⅲ逃亡のお
それがある、として勾留決定される傾向がある。
Copyright © 2013 弁護士法人 鳳法律事務所 All rights Reserved. 4

5. ３．勾留とは
（３）勾留の手続
被疑者勾留をするためには必ず検察官の請求が必要。請求が無
いのに裁判官の職権で勾留することはできない。また、勾留には必
ず逮捕が先行しなければならない。
裁判官が勾留の決定をするに当たっては、勾留質問をする。これ
は、裁判官が被疑者に対して被疑事実を告げて、これに対する陳述
を聞く手続。
この勾留質問で言ったことも後の裁判で証拠になるので、注意が
必要。
Copyright © 2013 弁護士法人 鳳法律事務所 All rights Reserved. 5

6. ４．勾留の流れ
Copyright © 2013 弁護士法人 鳳法律事務所 All rights Reserved. 6
勾
留
決
定
や
む
を
え
な
い
事
由
勾
留
満
期
日
勾
留
請
求
釈放
無
し
有り
勾
留
延
長
決
定
起
訴
し
な
い
する
勾
留
延
長
満
期
日
※
被
告
人
勾
留
に
切
り
換
わ
る
10日間10日間
20日間
※内乱罪等の事件は5日間の勾留再延長が可能
勾
留
延
長
請
求
延
長
の
必
要
有り
無
し
勾
留
要
件
満
た
す
満
た
さ
な
い

7. ５．保釈とは
保釈とは、保釈金を納付させて、被告人を暫定的に釈放する制度。保釈金は最
低でも150万円程度必要。被告人が逃げた等の事由が生じた場合、保釈金は没
取される。保釈は起訴後のみ認められる。起訴前の保釈は無い。
保釈には次の3種類がある。
（１）必要的保釈（権利保釈）
下記の事由に該当しない限り、認められる保釈。
①被告人が死刑・無期・短期１年以上の懲役または禁固にあたる罪を犯したとき。
②被告人が前に死刑・無期・長期10年超の懲役又は禁固に当たる罪の有罪宣
告を受けたことがあるとき。
③被告人が常習として長期３年以上の懲役又は禁固にあたる罪を犯したもので
あるとき。
④被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
⑤被告人が、被害者その他の者に害を加えまたは畏怖させる行為（お礼参り）を
すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
⑥被告人の氏名又は住居が分からないとき。
否認していると、上記④を理由として保釈が認められないことが多い。
Copyright © 2013 弁護士法人 鳳法律事務所 All rights Reserved. 7

8. ５．保釈とは
（２）職権保釈（裁量保釈）
前記（１）の必要的保釈（権利保釈）の要件を満たさない場合でも、
裁判所の裁量によって許可される保釈。
（３）義務的保釈
不当に勾留が長引いたときに、請求又は職権でされる保釈。
Copyright © 2013 弁護士法人 鳳法律事務所 All rights Reserved. 8

9. ６．起訴前に弁護士がやること
（１）身柄解放活動（身柄拘束を受けている場合）
逮捕直後など、検察官がまだ勾留請求する前であれば、
勾留請求しないよう、検察官を説得する。勾留請求後で
あれば、勾留決定しないよう、裁判官を説得する。
勾留決定されてしまった場合は、裁判所に準抗告を申
立て、勾留決定を取り消すよう求める等の活動をする。
Copyright © 2013 弁護士法人 鳳法律事務所 All rights Reserved. 9

10. ６．起訴前に弁護士がやること
（２）不起訴に向けた弁護活動
不起訴処分を受けるための弁護活動をする。例えば、被害者のい
る犯罪の場合には、被害者と示談し、示談書を検察官に提出する。
身柄拘束事件の場合、上記の示談書は勾留満期日までに提出し
なければならない。なぜなら、検察官は満期日に起訴不起訴の終
局処分を決めるから。
なお、満期日が土日の場合は、その直前の金曜日までに示談書
の提出をしなければならない。なぜなら、土日は検察庁が休みなの
で、終局処分は金曜日に決定されるから。
上記のように制限時間があるので「刑事弁護はスピードが命」など
と言われる。なお、身柄の拘束を受けていない事件（在宅事件）の
場合には、検察官も処分を急がないので時間に余裕がある。
Copyright © 2013 弁護士法人 鳳法律事務所 All rights Reserved. 10

11. 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
20136 月
日曜日月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日
逮捕 勾留請求 勾留決定
勾留
満期日
勾留延長
満期日
７．逮捕から起訴までのスケジュール（身柄拘束事件）

12. ご覧いただきありがとうございました。
Copyright © 2013 弁護士法人 鳳法律事務所 All rights Reserved. 12