1. 2008年5月28日
財団法人日本産業デザイン振興会
第２回デザインに関する意識調査
企業のデザイン力 ランキング調査
ソニー・アップルが1・2位、トヨタが3位
日本唯一の総合的デザインプロモーション機関である財団法人日本産業デザイン振興会（東京都港区、会長
岡村正）は、インターネット・アンケート・サービス「gooリサーチ」を運営するNTTレゾナント株式会社
の協力を得て、現代社会における生活者のデザインに関する意識を様々な角度から把握するために共同調査
を行っています。第2回はどのような企業がデザインの力・パワーが備わっているかに関し生活者がどう考
えているのかを「企業のデザイン力」という視点でランキング調査を実施し、以下のような結果を得ました。
（2008年4月実査、回答者数は1,060名）
■調査結果のポイント
［純粋想起］
1位がソニー、2位がアップル、この2社が圧倒。3位トヨタ、4位シャープ、5位松下
想起の最大因子はプロダクト。パッケージ・コミュニケーション・サービスのデザインも重要因子
携帯電話はSoftBank、au、NTTドコモの順
［助成想起］
ソニー、アップルが1・2位で圧倒。次いでトヨタ、無印良品、ディズニーが上位に
女性は身近な企業を、男性は憧憬の対象となる企業のデザインを選択する傾向がある
ソニー、アップル、トヨタ、シャープ、資生堂、コカ・コーラが日本人が感じる「デザイン」を体現する企業
「純粋想起」とは、何の与件もない状態で知っている企業名やブランドなどを調査対象者に思い出して回
答してもらう方法。「助成想起」とは、選択肢など回答の手助けを先に与え回答してもらう方法。「純粋想
起」の方が、調査対象者にとって困難な想起であり、純粋想起による回答は純度が高いと言える。
●調査概要について
調査対象：gooリサーチ・消費者モニター
調査方法：非公開型インターネットアンケート
調査期間：2008年4月10日∼4月15日
有効回答者数：1,060名
回答者の属性：10代男性9.81％、20代男性9.91％、30代男性9.91％、40代男性10.38％、50代以上の男性9.91％
10代女性9.91％、20代女性10.19％、30代女性10.09％、40代女性9.91％、50代以上の女性10.00％

2. ■純粋想起では、1位がソニー、2位がアップル、この2社が圧倒。3位トヨタ、4位シャープ、5位松下
設問1：『デザインの力』がとてもあると思う「企業名」を３つまであげてください。また、その企業
を選ばれた理由を、具体的な「商品名」などをあげて教えてください（１つ目は必須回答、２つ目、３つ
目は任意回答）。
この設問のように、何の与件もない状態で企業名やブランドなどを思い出して回答してもらう方法を「純粋
想起」と言うが、この結果、1,060名から総数1,956件、名称数389件が挙った。その結果、総合で上位30
社を表にしたものが［表1］、性別集計で男性が［表1-2］、女性が［表1-3］であり、男性・女性の相違を
図解したのが［表1-4］である。また［表1］のうち上位20社のみをグラフ化したのが［グラフ1］である。
［表1］［表1-2］［表1-3］純粋想起での「デザインの力」ベスト30
［表1］総合 ［表1-2］男性 ［表1-3］女性
順位 企業名 人数 順位 企業名 人数 順位 企業名 人数
1 ソニー 275 1 ソニー 168 1 ソニー 107
2 アップル（アップルコンピュータ） 219 2 アップル（アップルコンピュータ） 142 2 アップル（アップルコンピュータ） 77
3 トヨタ自動車 114 3 トヨタ自動車 79 3 シャープ 47
4 シャープ 85 4 シャープ 38 4 資生堂 41
松下電器産業（ナショナル・パ 松下電器産業（ナショナル・パ
5 62 5 33 5 トヨタ自動車 35
ナソニック） ナソニック）
6 資生堂 49 6 本田技研工業（ホンダ） 30 6 SoftBank（ソフトバンクモバイル） 29
松下電器産業（ナショナル・パ
6 日産自動車 49 7 任天堂 28 6 29
ナソニック）
8 本田技研工業（ホンダ） 45 8 マツダ 26 8 コカ・コーラ 28
9 SoftBank（ソフトバンクモバイル） 44 9 日産自動車 25 9 日産自動車 24
10 コカ・コーラ 43 10 サントリ­ 17 10 au（KDDI） 22
11 任天堂 40 11 キヤノン 15 11 無印良品（良品計画） 20
12 サントリ­ 36 11 コカ・コーラ 15 12 サントリ­ 19
13 au（KDDI） 33 11 SoftBank（ソフトバンクモバイル） 15 13 ユニクロ 16
14 無印良品（良品計画） 32 14 無印良品（良品計画） 12 14 本田技研工業（ホンダ） 15
15 マツダ 30 15 au（KDDI） 11 15 NTTドコモ 12
16 ユニクロ 26 16 アディダス（adidas） 10 15 任天堂 12
オリエンタルランド（東京ディズ
17 キヤノン 23 16 ユニクロ 10 17 11
ニーランド・ディズニーシー）
18 NTTドコモ 21 18 NTTドコモ 9 18 キリンビール 10
19 ナイキ（NIKE） 17 18 資生堂 9 18 ナイキ（NIKE） 10
20 アディダス（adidas） 14 20 BMW 8 20 キヤノン 8
20 オリエンタルランド（東京ディズ 14 20 三菱自動車 8 20 日立製作所 8
ニーランド・ディズニーシー）
22 日立製作所 13 22 東芝 7 20 ルイ・ヴィトン 8
23 NEC（日本電気） 12 22 ナイキ（NIKE） 7 23 NEC（日本電気） 6
23 キリンビール 12 24 アサヒビール 6 23 グリコ 6
25 三菱自動車 11 24 NEC（日本電気） 6 23 シャネル 6
26 東芝 10 26 amadana（リアルフリート） 5 23 ミサワホーム 6
26 ルイ・ヴィトン 10 26 Google 5 27 花王 5
28 TOTO（東陶機器） 9 26 TOTO（東陶機器） 5 27 コクヨ 5
28 BMW 9 26 日立製作所 5 27 サンリオ 5
30 花王 8 26 三菱電機 5 27 ソニーエリクソン 5
30 コクヨ 8 27 明治製菓 5

3. ［グラフ1］純粋想起での「デザインの力」ベスト20
275
219
114
85
62
49 49 45 44 43 40 36 33 32 30 26 23 21 17 14 14
ソ ア ト シ 松 資 日 本 Ｓ コ 任 サ ａ 無 マ ユ キ Ｎ ナ ア オ
ニ ッ ヨ ャ 下 生 産 田 ｏ カ 天 ン ｕ 印 ツ ニ ヤ Ｔ イ デ リ
ー プ タ ー 電 堂 自 技 ｆ ・ 堂 ト ︵ 良 ダ ク ノ Ｔ キ ィ エ
ル 自 プ 器 動 研 ｔ コ リ Ｋ 品 ロ ン ド ダ ン
動 産 車 工 Ｂ ー Ｄ ︵ コ ス タ
車 業 業 ａ ラ Ｄ 良 モ ル
ｎ Ｉ 品 ラ
ｋ ︶ 計 ン
画 ド
︶
［表1-4］純粋想起での「デザインの力」男性・女性の相違
男性 女性
順位 企業名 人数 順位 企業名 人数
1 ソニー 168 1 ソニー 107
2 アップル（アップルコンピュータ） 142 2 アップル（アップルコンピュータ） 77
3 トヨタ自動車 79 3 シャープ 47
4 シャープ 38 4 資生堂 41
松下電器産業（ナショナル・パナソ トヨタ自動車
5 ニック） 33 5 35
6 本田技研工業（ホンダ） 30 SoftBank（ソフトバンクモバイル）
6 松下電器産業（ナショナル・パナソ
29
7 任天堂 28 ニック）
8 マツダ 26 8 コカ・コーラ 28
9 日産自動車 25 9 日産自動車 24
10 サントリ­ 17 10 au（KDDI） 22
キヤノン 11 無印良品（良品計画） 20
11 コカ・コーラ 15 12 サントリ­ 19
SoftBank（ソフトバンクモバイル） 13 ユニクロ 16
14 無印良品（良品計画） 12 14 本田技研工業（ホンダ） 15
15 au（KDDI） 11 NTTドコモ
15 12
アディダス（adidas） 任天堂
16 10 オリエンタルランド（東京ディズ
ユニクロ 17 ニーランド・ディズニーシー） 11
NTTドコモ キリンビール
18 9 18 10
資生堂 ナイキ（NIKE）
BMW キヤノン
20 8
三菱自動車 20 日立製作所 8
東芝 ルイ・ヴィトン
22 7
ナイキ（NIKE） NEC（日本電気）
アサヒビール グリコ
24 6 23 6
NEC（日本電気） シャネル
amadana（リアルフリート） ミサワホーム
Google 花王
26 TOTO（東陶機器） 5 コクヨ
日立製作所 27 サンリオ 5
三菱電機 ソニーエリクソン
明治製菓

4. ●想起の最大因子はプロダクト。パッケージ・コミュニケーション・サービスのデザインも重要因子
上記の結果から、性別に関係なくソニーとアップルが３位以下を大きく引き離し圧倒していることがわか
る。業種は家電、クルマ、化粧品、携帯電話、飲料、生活雑貨、スポーツ、アミューズメントなど多岐に
渡っており、現代の生活者が想起するデザインの領域が幅広いこともわかる。また企業名からみて、機器な
どのプロダクトが想起の最大の因子であろうが、それだけでなくパッケージデザイン、広告などのコミュニ
ケーションデザイン、さらに生活者が直接体験する空間やサービスにおけるデザインなども、デザインとし
て認識し、その表現内容もこの結果に反映していることが推測できる。
●男性はクルマメーカーが多く特にマツダが、女性は化粧品・ブランド系・菓子メーカーが多く特に資生堂・
ディズニーがランクイン
男女別で見た場合性別差が大きいのは、男性ではクルマメーカーが多いことである。トヨタ、ホンダ、日産
の他、マツダ、BMW、三菱自動車など計6社が30位までに入っているが、女性はトヨタ、日産、ホンダの3
社のみとなった。特に男性の15位になったマツダのデザインに関しては、後述するが男性からの支持がか
なり高い。また男性だけにランクインした企業は、マツダ、BMW、三菱自動車をはじめ、アディダス、東
芝、アサヒビール、TOTO、amadana（リアルフリート）、Google、三菱電機である。
女性で特徴的なことは、資生堂の高順位がまず挙げられる。また女性だけが挙げた企業は、ディズニー（オ
リエンタルランド）と、いわゆるメガブランド系と呼ばれるルイ・ヴィトンとシャネル、グリコと明治製菓
といった菓子メーカー、またキリンビール、ミサワホーム、コクヨ、サンリオなどである。ただし、ルイ・
ヴィトンは20位、シャネルは23位と下位に位置しており、メガブランド系は「デザイン」としてはあまり
強くは認識されていないようだ。逆に、ユニクロは13位でありデザインとしての認識度は勝っている。
逆に男女差がほとんどないのは、ソニー、アップルの他、日産、シャープ、松下電器、トヨタ、NECである
のがわかる。
●携帯電話はSoftBank、au、NTTドコモの順
熾烈な競争を繰り広げている携帯電話（キャリア）の大手３社はともにランクインをしたが、男女と
も、SoftBank（男11位・女性6位）、au（男15位・女性10位）、NTTドコモ（男18位・女性15位）の順
であり現在の市場占有率とは逆の順位となった。あくまで推測だが最近の「勢い」は上記の結果に近いもの
であり、その要因の一つに「デザイン」が大きく関与しているのかもしれない。特にSoftBankは女性では6
位に位置しており、プロダクトデザインを中心に、広告や店舗のコミュニケーションデザインといったトー
タルなデザイン主導のマネージメント手法が成果をあげていることが推測される。

5. ■助成想起でも、ソニー、アップルが1・2位で圧倒。次いでトヨタ、無印良品、ディズニーが上位に
設問2：以下にあげた企業の中で、『デザインの力』が強い・高いと思うものを上から順に５つ選んで、
番号を入力ください。また、1位の企業については選んだ理由も書いてください（5位まで必須回答）。
この設問のように、選択肢など回答の手助けを先に与え回答してもらう方法を「助成想起」と言い、今回
は、国内外の企業127社の社名を業種別でなく五十音順で例示し、その中で「デザインの力」が強い・高い
と思うものを1位から5位までを選んでもらった。回答者数1,060名、総回答件数5,300件である。集計にあ
たっては、1位を5点、2位を4点、3位を3点、4位を2点、5位を1点として、ポイントの高い順にまとめた
のが［表2］である。また性別集計で男性が［表2-2］、女性が［表2-3］であり、男性・女性の相違を図解
したのが［表2-4］である。また、［表2］のうち上位20社のみをグラフ化したのが［グラフ2］である。
［表2］助成想起での「デザインの力」総合ランキング
順位 企業名 ポイント 順位 企業名 ポイント 順位 企業名 ポイント
1 アップル（アップルコンピュータ） 1,397 44 東芝 80 86 セガ（セガサミー） 27
2 ソニー 1,385 45 IBM 78 88 松下電工 26
3 トヨタ自動車 758 45 アウディ 78 89 タリーズコーヒージャパン 25
4 無印良品（良品計画） 569 45 ヤマハ 78 90 セイコーエプソン（エプソン） 24
オリエンタルランド(東京ディズ
5 ニーランド・ディズニーシー) 568 48 ハーゲンダッツ 76 90 ハーレー・ダビットソン 24
6 コカ・コーラ 565 49 プーマ（PUMA） 69 92 モトローラ 23
7 ナイキ（NIKE） 537 50 富士通 66 92 ヤマギワ 23
8 シャープ 497 51 カネボウ 65 94 コニカミノルタ 22
9 au（KDDI） 424 52 バング&オルフセン（B&O） 63 94 住友不動産 22
10 資生堂 422 53 ニコン 62 94 ペンタックス 22
11 SoftBank（ソフトバンクモバイル） 397 53 ライオン 62 97 ナムコ 20
12 本田技研工業（ホンダ） 380 55 デル（DELL） 60 98 ウィルコム 19
松下電器産業（ナショナル・パナソ
12 ニック） 380 56 京セラ 56 98 サムスン 19
14 任天堂 337 57 バンダイ 55 98 シマノ 19
15 キヤノン 334 58 ロッテ 54 98 ナナオ 19
16 日産自動車 311 59 フォルクスワーゲン 53 102 ヤマハ発動機 18
16 ユニクロ 311 60 ノキア 52 103 岡村製作所 17
18 スターバックスコーヒー 263 61 ケンウッド 51 103 リコー 17
19 NTTドコモ 226 61 日立製作所 51 105 ヴァージン（Virgin） 16
20 フェラーリ 201 63 アマゾン（Amazon） 48 105 オーディオテクニカ 16
21 アディダス（adidas） 197 63 富士重工業（スバル） 48 107 オムロン 15
21 サントリー 197 65 三菱自動車 47 107 パルコ 15
23 吉田カバン（吉田） 194 66 アイリスオーヤマ 46 109 パイオニア 14
24 ポルシェ 181 67 スズキ 43 109 ルノー 14
25 マツダ 166 67 虎屋 43 111 いすゞ自動車 13
26 東急ハンズ 158 69 コナミ 42 111 川崎重工業（Kawasaki） 13
27 ワコール 157 70 YKK 40 111 三井不動産 13
28 BMW 156 71 三洋電機 38 114 ヒューレット・パッカード 12
TSUTAYA（カルチュア・コンビニ
29 花王 137 71 エンス・クラブ） 38 114 富士ゼロックス 12
30 ダイソン 121 71 ボルボ 38 116 野村不動産 11
31 TOTO（東陶機器） 119 74 フェリシモ 37 117 日本ビクター 10
32 コクヨ 107 74 ミサワホーム 37 117 ブラザー工業 10
33 積水ハウス 105 76 大和ハウス工業 36 119 アスクル 8
34 マイクロソフト 102 76 富士フイルム 36 119 森ビル 8
35 メルセデス・ベンツ 99 78 INAX 35 121 フォード 7
36 ユナイテッドアローズ 97 79 ダイハツ工業 33 122 三菱地所 6
37 GAP 96 79 ミズノ 33 123 東芝ライテック 5
38 プジョー 79 三菱電機 124 デンソー
95 33 4
39 サザビー 82 ブリヂストン 125 イトーキ
93 31 2
39 ビームス 83 タカラトミー 125 キングジム
93 30 2
41 カシオ計算機 84 オリンパス 127 テルモ
87 29 0
42 NEC（日本電気） 83 85 コマツ 28
43 楽天 81 86 シチズン時計 27

6. ［表2-2］助成想起での「デザインの力」男性ランキング
順位 企業名 ポイント 順位 企業名 ポイント 順位 企業名 ポイント
1 ソニー 830 44 ニコン 41 85 モトローラ 15
2 アップル（アップルコンピュータ） 824 45 三菱自動車 38 88 ヴァージン（Virgin） 14
3 トヨタ自動車 491 46 コクヨ 37 88 サムスン 14
4 ナイキ（NIKE） 302 46 スターバックスコーヒー 37 88 リコー 14
5 本田技研工業（ホンダ） 281 48 京セラ 35 91 いすゞ自動車 13
6 シャープ 225 48 ビームス 35 91 虎屋 13
7 コカ・コーラ 208 48 YKK 35 93 大和ハウス工業 12
TSUTAYA（カルチュア・コンビニ
8 キヤノン 207 51 バング&オルフセン（B&O） 34 93 エンス・クラブ） 12
松下電器産業（ナショナル・パナソ
9 ニック） 204 52 フォルクスワーゲン 33 93 ナムコ 12
10 任天堂 193 53 東急ハンズ 32 93 ヒューレット・パッカード 12
11 au（KDDI） 172 54 楽天 31 93 松下電工 12
11 無印良品（良品計画） 172 55 アマゾン（Amazon） 30 98 シマノ 11
13 日産自動車 167 56 プーマ（PUMA） 29 99 ダイハツ工業 10
14 SoftBank（ソフトバンクモバイル） 149 57 アイリスオーヤマ 28 99 ヤマギワ 10
オリエンタルランド(東京ディズ
15 ニーランド・ディズニーシー) 141 58 ケンウッド 27 101 パイオニア 9
16 フェラーリ 136 59 ミズノ 26 102 川崎重工業（Kawasaki） 9
17 マツダ 135 60 三洋電機 25 102 住友不動産 9
18 ポルシェ 129 60 スズキ 25 102 日本ビクター 9
19 ユニクロ 124 60 ノキア 25 102 富士ゼロックス 9
20 BMW 117 63 富士フイルム 24 102 ペンタックス 9
21 吉田カバン（吉田） 109 64 サザビー 23 107 オムロン 8
22 サントリー 100 64 日立製作所 23 107 シチズン時計 8
23 アディダス（adidas） 99 66 バンダイ 22 107 ミサワホーム 8
24 NTTドコモ 85 66 三菱電機 22 110 フォード 7
25 資生堂 84 68 コナミ 21 110 ルノー 7
26 ダイソン 73 68 セガ（セガサミー） 21 112 セイコーエプソン（エプソン） 6
27 マイクロソフト 69 70 INAX 20 112 森ビル 6
28 アウディ 61 71 コニカミノルタ 19 114 岡村製作所 5
29 メルセデス・ベンツ 60 71 ブリヂストン 19 115 アスクル 3
30 花王 56 73 ハーゲンダッツ 18 115 野村不動産 3
31 TOTO（東陶機器） 54 73 ライオン 18 115 三井不動産 3
32 積水ハウス 53 73 ロッテ 18 115 三菱地所 3
32 ワコール 53 76 ウィルコム 17 119 キングジム 2
34 プジョー 50 76 オリンパス 17 119 東芝ライテック 2
35 カシオ計算機 48 76 コマツ 17 121 タリーズコーヒージャパン 1
36 IBM 47 79 オーディオテクニカ 16 122 イトーキ 0
37 デル（DELL） 46 79 GAP 16 122 テルモ 0
37 富士重工業（スバル） 46 79 タカラトミー 16 122 デンソー 0
37 富士通 46 79 ハーレー・ダビットソン 16 122 パルコ 0
40 NEC（日本電気） 44 79 ボルボ 16 122 フェリシモ 0
40 ユナイテッドアローズ 44 79 ヤマハ発動機 16 122 ブラザー工業 0
42 ヤマハ 43 85 カネボウ 15
43 東芝 42 85 ナナオ 15

7. ［表2-3］助成想起での「デザインの力」女性ランキング
順位 企業名 ポイント 順位 企業名 ポイント 順位 企業名 ポイント
1 アップル（アップルコンピュータ） 573 42 BMW 39 85 富士フイルム 12
2 ソニー 555 42 メルセデス・ベンツ 39 85 ブリヂストン 12
オリエンタルランド(東京ディズ
3 ニーランド・ディズニーシー) 427 46 東芝 38 89 コマツ 11
4 無印良品（良品計画） 397 47 フェリシモ 37 89 三菱電機 11
5 コカ・コーラ 357 48 ロッテ 36 91 ブラザー工業 10
6 資生堂 338 49 ヤマハ 35 91 三井不動産 10
7 シャープ 272 50 バンダイ 33 93 三菱自動車 9
8 トヨタ自動車 267 50 マイクロソフト 33 94 シマノ 8
9 au（KDDI） 252 52 IBM 31 94 ナムコ 8
10 SoftBank（ソフトバンクモバイル） 248 52 マツダ 31 94 野村不動産 8
11 ナイキ（NIKE） 235 54 虎屋 30 94 ハーレー・ダビットソン 8
12 スターバックスコーヒー 226 55 バング&オルフセン（B&O） 29 94 モトローラ 8
13 ユニクロ 187 55 ミサワホーム 29 99 オムロン 7
松下電器産業（ナショナル・パナソ
14 ニック） 176 57 日立製作所 28 99 ミズノ 7
15 日産自動車 144 58 ノキア 27 99 ルノー 7
TSUTAYA（カルチュア・コンビニ
15 任天堂 144 59 エンス・クラブ） 26 102 セガ（セガサミー） 6
17 NTTドコモ 141 60 ケンウッド 24 103 アスクル 5
18 キヤノン 127 60 大和ハウス工業 24 103 サムスン 5
19 東急ハンズ 126 60 タリーズコーヒージャパン 24 103 パイオニア 5
20 ワコール 104 63 ダイハツ工業 23 103 YKK 5
21 本田技研工業（ホンダ） 99 64 ボルボ 22 107 川崎重工業（Kawasaki） 4
22 アディダス（adidas） 98 65 京セラ 21 107 デンソー 4
23 サントリー 97 65 コナミ 21 107 ナナオ 4
24 吉田カバン（吉田） 85 65 ニコン 21 110 コニカミノルタ 3
25 花王 81 68 フォルクスワーゲン 20 110 東芝ライテック 3
26 GAP 80 68 富士通 20 110 富士ゼロックス 3
27 コクヨ 70 70 シチズン時計 19 110 三菱地所 3
27 サザビー 70 71 アイリスオーヤマ 18 110 リコー 3
29 TOTO（東陶機器） 65 71 アマゾン（Amazon） 18 115 イトーキ 2
29 フェラーリ 65 71 スズキ 18 115 ヴァージン（Virgin） 2
31 ハーゲンダッツ 58 71 セイコーエプソン（エプソン） 18 115 ウィルコム 2
31 ビームス 58 75 アウディ 17 115 富士重工業（スバル） 2
33 ユナイテッドアローズ 53 76 INAX 15 115 森ビル 2
34 積水ハウス 52 76 パルコ 15 115 ヤマハ発動機 2
34 ポルシェ 52 78 タカラトミー 14 121 日本ビクター 1
36 カネボウ 50 78 デル（DELL） 14 122 いすゞ自動車 0
36 楽天 50 78 松下電工 14 122 オーディオテクニカ 0
38 ダイソン 48 81 三洋電機 13 122 キングジム 0
39 プジョー 45 81 住友不動産 13 122 テルモ 0
40 ライオン 44 81 ペンタックス 13 122 ヒューレット・パッカード 0
41 プーマ（PUMA） 40 81 ヤマギワ 13 122 フォード 0
42 NEC（日本電気） 39 85 岡村製作所 12
42 カシオ計算機 39 85 オリンパス 12

8. ［グラフ2］助成想起での「デザインの力」ベスト20
1397 1385
758
569 568 565 537
497
424 422 397 380 380
337 334 311 311
263
226 201
ア ソ ト 無 オ コ ナ シ ａ 資 Ｓ 本 松 任 キ 日 ユ ス Ｎ フ
ッ ニ ヨ 印 リ カ イ ャ ｕ 生 ｏ 田 下 天 ヤ 産 ニ タ Ｔ ェ
プ ー タ 良 エ ・ キ ー ︵ 堂 ｆ 技 電 堂 ノ 自 ク ー Ｔ ラ
ル 自 品 ン コ プ Ｋ ｔ 研 器 ン 動 ロ バ ド ー
動 良 タ ー Ｄ Ｂ 工 産 車 ッ コ リ
車 ル ラ Ｄ ａ 業 業 ク モ
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［表2-4］助成想起での「デザインの力」男性・女性の相違
男性 女性
順位 企業名 ポイント 順位 企業名 ポイント
1 ソニー 830 1 アップル（アップルコンピュータ） 573
2 アップル（アップルコンピュータ） 824 2 ソニー 555
オリエンタルランド(東京ディズ
3 トヨタ自動車 491 3 ニーランド・ディズニーシー) 427
4 ナイキ（NIKE） 302 4 無印良品（良品計画） 397
5 本田技研工業（ホンダ） 281 5 コカ・コーラ 357
6 シャープ 225 6 資生堂 338
7 コカ・コーラ 208 7 シャープ 272
8 キヤノン 207 8 トヨタ自動車 267
松下電器産業（ナショナル・パナソ
9 ニック） 204 9 au（KDDI） 252
10 任天堂 193 10 SoftBank（ソフトバンクモバイル） 248
au（KDDI） 11 ナイキ（NIKE） 235
11 172
無印良品（良品計画） 12 スターバックスコーヒー 226
13 日産自動車 167 13 ユニクロ 187
松下電器産業（ナショナル・パナソ
14 SoftBank（ソフトバンクモバイル） 149 14 ニック） 176
オリエンタルランド(東京ディズ
15 ニーランド・ディズニーシー) 141 日産自動車
15 144
16 フェラーリ 136 任天堂
17 マツダ 135 17 NTTドコモ 141
18 ポルシェ 129 18 キヤノン 127
19 ユニクロ 124 19 東急ハンズ 126
20 BMW 117 20 ワコール 104
21 吉田カバン（吉田） 109 21 本田技研工業（ホンダ） 99
22 サントリー 100 22 アディダス（adidas） 98
23 アディダス（adidas） 99 23 サントリー 97
24 NTTドコモ 85 24 吉田カバン（吉田） 85
25 資生堂 84 25 花王 81
26 ダイソン 73 26 GAP 80
27 マイクロソフト 69 コクヨ
27 70
28 アウディ 61 サザビー
29 メルセデス・ベンツ 60 TOTO（東陶機器）
29 65
30 花王 56 フェラーリ

9. ●「デザインパワー・トップ3」は、ソニー、アップル、トヨタ
予め例示した企業名から上位5位を選択する助成想起においても、前問の純粋想起と同様、ソニーとアップ
ルが3位以下を大きく引き離し1位2位を独占する結果となった。次いで同じくトヨタが3位となり、この3
社が現在の生活者にとっての「デザインパワー・トップ3」と言える。
4位は女性票が多かった良品計画が、5位∼7位は、ディズニー（オリエンタルランド）、コカ・コーラ、ナ
イキの3社となり、機械・機器のデザイン以外を提供するアメリカの企業が並ぶ結果となった。20位以内に
は、純粋想起にはランクインしていなかったスターバックスやフェラーリが入っており、ファッション性、
サービス性、エンターテイメント性、ワールドワイド性なども「デザイン力」を認識させる因子になってい
ることがうかがえる。
ま た 自 動 車 メ ー カ ー で は 、 ト ヨ タ、 ホ ン ダ、 日 産 、 フ ェ ラ ー リ の 4 社 が 、 携 帯 電 話 の キ ャ リ ア で
は、au、SoftBank、NTTドコモの大手3社が、エレクトロニクス関連では、ソニー、シャープ、松下電器、
キヤノンの4社が20位以内にランクインした。
●女性は身近な企業を、男性は憧憬の対象となる企業のデザインを選択する傾向がある
性別で見た場合、まず男性は女性以上にソニー、アップルの2社と3位以下とに大きな差があるのが目に付
く。また男性は純粋想起と同じくクルマメーカーが多く、30位までにトヨタ、ホンダ、日産、フェラーリ、
マツダ、ポルシェ、BMW、アウディ、メルセデス・ベンツと計9社が入っているが、女性はトヨタ、日産、
ホンダ、フェラーリの4社となっている。また男性は外車メーカーが複数挙がっているが、順位は国内3社よ
り下に位置している。また女性は挙げず男性だけが30位以内にランクインした企業は、自動車の5社（マツ
ダ、ポルシェ、BMW、アウディ、メルセデス・ベンツ）と、ダイソン、マイクロソフトの2社となった。ま
た、ホンダ、ナイキ、キヤノン、任天堂などは男性の方が女性より順位は上である。
女性は純粋想起と同じく資生堂が男性と比べ高順位であるのと、ディズニー（オリエンタルランド）が３位
となったことが特色である。また12位のスターバックス、19位の東急ハンズ、20位のワコール、26位の
GAP、27位のサザビーとコクヨ、29位のTOTOが女性だけ30位以内にランクインした企業である。携帯電
話キャリアは、男女とも、au、SoftBank、NTTドコモの順番であるが、女性の方が各々男性より順位が高い。
こうしたことから、女性は日常生活の中で接触する頻度が高く、身近な企業のデザインを選択する傾向が男
性よりも高いことがわかる。逆に男性は特に外車に象徴されるように、所有はすぐに出来ない憧憬の対象と
なる企業のデザインを選択する傾向があることもわかる。
逆に性別にあまり相違がないのは、
アップル、ソニーの他、シャープ、 ［表3］助成想起での性別比率ベスト20
コカ・コーラ、au、アディダス、
サントリー、吉田カバンなどであ
［表3-1］男性比率が高いベスト20 ［表3-2］女性比率が高いベスト20
る。
順位 企業名 比率 順位 企業名 比率
さらに、30位以内の企業に関して 1 マツダ 81.3% 1 スターバックスコーヒー 85.9%
男女比率の高い順に20位まで集計
2 アウディ 78.2% 2 GAP 83.3%
したのが［表3］である。男性で
3 BMW 75.0% 3 資生堂 80.1%
は、上述のようにクルマ関係が上
位だが、他にはマイクロソフト、 4 本田技研工業（ホンダ） 73.9% 4 東急ハンズ 79.7%
キヤノン、ダイソンが60％を超え 5 ポルシェ 71.3% 5 サザビー 75.3%
ている。 6 フェラーリ 67.7% 6 オリエンタルランド（東京ディズ 75.2%
ニーランド・ディズニーシー）
逆にスターバックス、GAP、資生 7 マイクロソフト 67.6% 7 無印良品（良品計画） 69.8%
堂は80%以上が、東急ハンズ、サ 8 トヨタ自動車 64.8% 8 ワコール 66.2%
ザビー、ディズニーは70%以上が 9 キヤノン 62.0% 9 コクヨ 65.4%
女性による選択の結果であること
10 メルセデス・ベンツ 60.6% 10 コカ・コーラ 63.2%
がわかる。
11 ダイソン 60.3% 11 SoftBank（ソフトバンクモバ ル）
イ 62.5%
12 ソニー 59.9% 12 NTTドコモ 62.4%
13 アップル（アップルコンピュータ） 59.0% 13 ユニクロ 60.1%
14 任天堂 57.3% 14 au（KDDI） 59.4%
15 ナイキ（NIKE） 56.2% 15 花王 59.1%
15 吉田カバン（吉田） 56.2% 15 シャープ 54.7%
17 日産自動車 53.7% 17 TOTO（東陶機器） 54.6%
松下電器産業（ナショナル・
17 パナソニック） 53.7% 17 アディダス（adidas） 49.7%
19 サントリー 50.8% 19 サントリー 49.2%
松下電器産業（ナショナル・
20 アディダス（adidas） 50.3% 20 パナソニック） 46.3%
20 日産自動車 46.3%

10. ●マツダ、ダイソン、マイクロソフト、花王、TOTO、コクヨ、吉田カバン、東急ハンズが業種別で健闘
業種別に分けてベスト10を集計したのが［表4］である。この業種分類は証券コードを参考とし関連する業
種を便宜的にあわせたものである。「輸送用機器」では、国内大手3社が上位を占め、6位のマツダ以外は
全て外国企業となった。「電気機器・精密機器」の分野で特徴的なのは、近年国内でもシェアを高めている
掃除機のダイソンが6位、マイクロソフトが7位になった点であろう。「化学・窯業・その他製品」では、資
生堂、任天堂のあとに、花王、TOTO、コクヨと言った、生活に密着した企業が挙っている。「食料品・小
売・サービス」の分野では、いずれもナショナルブランドとなった企業がほとんどであるが、吉田カバンと
東急ハンズがランクインしているのが特色であろう。「建設・不動産」は例示した企業数が少なかったため
7位までとした。ハウスメーカーのあとマンションやオフィス・商業施設を手掛ける大手不動産企業が並ん
だ。また「情報通信」の分野も例示数が少なかったため5位までとなったが、携帯電話キャリア大手３社の
並びは表の通りとなった。
［表4］助成想起での業種別ベスト10
輸送用機器 電気機器・精密機器 化学・窯業・その他製品
順位 企業名 ポイント 順位 企業名 ポイント 順位 企業名 ポイント
1 トヨタ自動車 758 1 アップル(アップルコンピュータ) 1397 1 資生堂 422
2 本田技研工業(ホンダ) 380 2 ソニー 1385 2 任天堂 337
3 日産自動車 311 3 シャープ 497 3 花王 137
松下電器産業(ナショナル・パ
4 フェラーリ 201 4 ナソニック) 380 4 TOTO(東陶機器) 119
5 ポルシェ 181 5 キヤノン 334 5 コクヨ 107
6 マツダ 166 6 ダイソン 121 6 ヤマハ 78
7 BMW 156 7 マイクロソフト 102 7 カネボウ 65
8 メルセデス・ベンツ 99 8 カシオ計算機 87 8 ライオン 62
9 プジョー 95 9 NEC(日本電気) 83 9 バンダイ 55
10 アウディ 78 10 東芝 80 10 アイリスオーヤマ 46
食料品・小売・サービス 建設・不動産 情報通信
順位 企業名 ポイント 順位 企業名 ポイント 順位 企業名 ポイント
1 無印良品(良品計画) 569 1 積水ハウス 105 1 au(KDDI) 424
オリエンタルランド(東京ディズ SoftBank(ソフトバンクモバ
2 568 2 ミサワホーム 37 2 397
ニーランド・ディズニーシー) イル)
3 コカ・コーラ 565 3 大和ハウス工業 36 3 NTTドコモ 226
4 ナイキ(NIKE) 537 4 住友不動産 22 4 コナミ 42
5 ユニクロ 311 5 三井不動産 13 5 ウィルコム 19
6 スターバックスコーヒー 263 6 野村不動産 11
7 サントリー 197 7 森ビル 8
7 アディダス(adidas) 197 7 三菱地所 6
9 吉田カバン(吉田) 194
10 東急ハンズ 158

11. ■アップル、ソニーは「第１位」を選択する人が圧倒的多数
これまでの結果は、助成想起の結果を、1位：5点、2位：4点、3位：3点、4位：2点、5位：1点として、
加算し集計した数値を使ってきた。今度は、加算ではなく「順位ごとの実際の回答者数実数」を企業ごとに
集計をしたものである。「○位と回答したのは何人いたのか」を示すもので、これを上位20位までの企業
でグラフ化したものが［グラフ3］である。
当然のことではあるが、1位と2位のアップル、ソニーは「1位」を選択した方が圧倒的に多いのが歴然とし
ている。ソニーと3位のトヨタは順位が下がるほど回答者数も減少しているのがわかる。逆に無印良品だけ
は、2、3、4、5位と下位になるほど回答者数が若干ではあるが増えている。また、9位のauだけはどの順
位もほぼ同数となっていることもわかる。
また他の順位より「3位」だけが多数なのは、コカ・コーラ、ホンダ、任天堂、キヤノン、スターバック
ス、フェラーリである。これらの企業はデザイン力においてトップには挙げないが「真ん中」あたりと認識
している層が多いのであろう。
［グラフ3］助成想起での順位ごとの回答者数
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mh! mp! jg! kg! mp! on! kq! mn! oq! op! om! op! mn! oi! mk! mj! gp! go! ok! gq! ol!
kh! gn! qg! mo! ko! oq! kl! kq! oq! on! op! ol! oq! oi! ol! mg! gl! gp! gp! gq! gn!
qh! kk! mj! ol! kj! mj! ko! mp! op! oq! ol! oo! om! ok! gi! gp! gp! mj! oo! gk! gq!

12. ＊純粋想起と助成想起の２つの異なる設問形式の結果からわかること
２つの異なる設問で両者ともベスト10にランクインしたのは、ソニー、アップル、トヨタの他、シャー
プ、資生堂、コカ・コーラの6社のみとなった。この6社は現在日本人が感じる「デザイン」を体現する企
業であると言える。いずれも生活者にとって身近で幅広い支持を受け、ブランド力もある企業であると思わ
れ、デザイン力がブランドロイヤリティー向上や、企業価値アップに大きく寄与していることが推測される。
日産は純粋想起6位→助成想起16位と10位ダウンし、同様に松下電器は純粋想起5位→助成想起12位（7
位ダウン）、サントリーは純粋想起12位→助成想起21位（9位ダウン）、マツダは純粋想起15位→助成想
起25位（10位ダウン）と助成想起になると大きく順位がダウンした。3つまで自由に思い描く場合は、多
数の人が名を挙げるが、他の選択肢を見てしまうと他社に変えてしまった結果であろう。これらの企業は
「デザインの力」の観点で見た場合、認知度はとても高いが、上位企業と比べ絶対力がやや弱いものと推測さ
れる。
逆に、助成想起で順位が大幅に上がった企業は以下の3社である。ディズニー（オリエンタルランド）は純
粋想起20位→助成想起5位（15位アップ）、ナイキは純粋想起19位→助成想起7位（12位アップ）、無印
良品は純粋想起14位→助成想起4位（10位アップ）。この3社は圧倒的なデザインパワーはないが、他社と
相対比較をすると日常生活での接点の多さや総合的なデザインのマネージメント力などが、順位を上げたも
のと思われる。
［表5］純粋想起と助成想起との比較
純粋想起 助成想起
順位 企業名 人数 順位 企業名 ポイント
1 ソニー 275 1 アップル（アップルコンピュータ） 1,397
2 アップル（アップルコンピュータ） 219 2 ソニー 1,385
3 トヨタ自動車 114 3 トヨタ自動車 758
4 シャープ 85 4 無印良品（良品計画） 569
松下電器産業（ナショナル・パナソ オリエンタルランド(東京ディズ
5 ニック） 62 5 ニーランド・ディズニーシー) 568
資生堂 6 コカ・コーラ 565
6 49
日産自動車 7 ナイキ（NIKE） 537
8 本田技研工業（ホンダ） 45 8 シャープ 497
9 SoftBank（ソフトバンクモバイル） 44 9 au（KDDI） 424
10 コカ・コーラ 43 10 資生堂 422
11 任天堂 40 11 SoftBank（ソフトバンクモバイル） 397
12 サントリ­ 36 本田技研工業（ホンダ）
12 松下電器産業（ナショナル・パナソ
380
13 au（KDDI） 33 ニック）
14 無印良品（良品計画） 32 14 任天堂 337
15 マツダ 30 15 キヤノン 334
16 ユニクロ 26 日産自動車
16 311
17 キヤノン 23 ユニクロ
18 NTTドコモ 21 18 スターバックスコーヒー 263
19 ナイキ（NIKE） 17 19 NTTドコモ 226
アディダス（adidas） 20 フェラーリ 201
20 オリエンタルランド(東京ディズ
14
ニーランド・ディズニーシー) アディダス（adidas）
21 197
22 日立製作所 13 サントリー
NEC（日本電気） 23 吉田カバン（吉田）
23 12 194
キリンビール 24 ポルシェ 181
25 三菱自動車 11 25 マツダ 166
東芝 26 東急ハンズ
26 10 158
ルイ・ヴィトン 27 ワコール 157
TOTO（東陶機器） 28 BMW
28 9 156
BMW 29 花王 137
花王 30 ダイソン
30 8 121
コクヨ

13. 純粋想起の30位までに名が挙がったが助成想起では挙がらなかった企業に、日立製作所、NEC、キリン
ビール、三菱自動車、東芝、TOTO、コクヨなどがある。みな誰もが知っている有名企業であり、選択肢が
何もない際は「大企業」とか「身近な商品が思いつく」ことなどから想起されたのであろうが、「デザイン
の力」の観点で他に多くの選択肢を見てしまうと、上位企業とは異なり、他の企業に回答を切り替えたもの
と思われる。これらの企業は、認知度は高いが、「デザインの力」で相対比較をされると優位性がやや低くな
るポジションにあると推測される。
逆に助成想起の30位までに名が挙がったが、純粋想起では挙がらなかった企業は、スターバックス、
フェラーリ、吉田カバン、ポルシェ、東急ハンズ、ワコール、ダイソンである。真っ先に名前は出てはこな
いが、選択肢をみて「そうだった、これこそ」と思い返し浮上したか、「３位までには入らないがデザイン
力は確かにある」と認識したものと思われる。これらの企業は、「デザインの力」の観点では、インパクト
にはやや欠けるが、シンパシー度が高く潜在力があるポジションにあると思われる。

14. ■デザイン力の訴求には「シンプル・斬新・ユニーク・印象」が必須要素。またコミュニケーション活動も重要
回答者には選択した企業に関し、2つの設問ともその理由を記述してもらったが、全ての理由記述の中でど
のようなワード（単語）が用いられているか、その出現頻度を集計した。名詞では「デザイン／意匠」は当
然最多となり、次に「商品／製品」となった。やはりプロダクトを通してのデザイン認識が第一となった。
個別商品名では「iPod（アップル）」「VAIO（ソニー）」が上位に挙がっており、象徴する商品がその企
業のデザイン力認知を大きく牽引していることがわかる。
次は「CM／広告／コマーシャル／宣伝」となり、デザインのパワー浸透には製品・サービスのアイデンティ
ティと一体となった表現力の高いコミュニケーション活動が大きく影響していることがわかる。
また「シンプル」「斬新/独特/ユニーク」「イメージ/印象/雰囲気」が多く挙がっており、これらがデザイ
ン力の訴求には必須な要素であることが推測される。特に「斬新/独特/ユニーク」は、類する意味の「個
性/独創/オリジナリティ」と合わせると出現頻度はとても高く、デザイン力の訴求の中でも特に重要な要素
であることがうかがえる。
なお、製品ジャンルでは「パソコン/PC」「携帯/モバイル」のワードが多く出現しており、これらの製品群
のデザインが企業選択の際にイメージされやすいこともうかがえる。
［表6］理由で挙がったワード（単語）の頻度順位
＊この集計は計量テキスト分析ソフトウェア「KH Coder」を利用。
順位 名詞 件数 形容動詞 件数 形容詞 件数
1 デザイン/意匠 1,335 シンプル 213 多い 190
2 商品/製品 425 斬新/独特/ユニーク 197 良い 181
3 CM/広告/コマーシャル/宣伝 233 おしゃれ 147 新しい 67
4 パソコン/PC 166 好き/大好き 114 高い 38
5 イメージ/印象/雰囲気 166 きれい 46 美しい 38
6 iPod 156 豊富/様々/いろいろ 40 可愛い/可愛らしい 50
7 携帯/モバイル 149 非常 29 素晴らしい 31
8 機能 116 素敵 24 強い 25
9 企業/会社 95 スマート 23 面白い/楽しい 41
10 洗練/秀逸 95 高級 23 欲しい 23
11 個性/独創/オリジナリティ 74 無駄 12 カッコイイ 38
12 センス 73 シャープ 10 無い 15
13 VAIO 67 新鮮 10 安い/安っぽい 16
14 ロゴ/マーク 67 有名 10 薄い 13
15 先進/先端/最新/革新/先駆/リード 65 普通 9 幅広い 13
16 パッケージ 63 安定 8 凄い 12
17 感じ 63 派手/ゴージャス 8 若い/若々しい 14
18 スタイリッシュ 59 上品 7 大きい 11
19 テレビ 54 色々 7 古い 7
20 魅力/魅了 54 必要 7 少ない 7
21 電話 53 コンパクト 6 長い 6
22 メーカー 50 清潔 6 優しい 5
23 他社 50 簡単 5 軽い 4
24 家電 48 健康 5 細かい 4
25 自動車/クルマ 46 重要 5 上手い 4
26 世界/世界中/グローバル 46 上手 5 力強い 4
27 機種/車種 45 鮮やか 5 ダサい 3
28 シリーズ 42 地味 5 丸い 3
29 MAC 39 単純 4 嬉しい 3
30 コンセプト/発想 38 画期的 4 広い 3

15. ■アップルとソニーではデザイン評価に質的な違いが
助成想起では1位から5位までの順位をつけ、5つの企業を選んでもらったが、これら選ばれる企業の「組み
合わせ」には何かしらの傾向がないかをみてみることにする。そこで、助成想起で選ばれた5社の組み合わ
せの中で「同じ2社」の組み合わせを選んでいる人数を集計したのが、下記の［表7］である。「この企業
を選んだ人は、他にどの企業を選ぶ傾向があるのか」を探ったものである。
こちらでも「アップル＆ソニー」の組み合わせが、2位以下を大きく引き離し圧倒している。また、アップ
ルもしくはソニーとの組み合わせが上位の大半を占めていることがわかる。
次にこれらの組み合わせを企業別にリスト化したものが［表8］である。これを見ると1位のアップルと2位
のソニーでも組み合わせが少し違い、アップルではディズニー（オリエンタルランド）、任天堂、吉田カバ
ンなどのエンターテイメント関連やファッション雑貨関連に類する組み合わせが多く現出し、ソニーでは松
下電器、日産などの電気機器や自動車に類する組み合わせが多く現出している。
また、「アップル＆ソニー」に共通する組み合わせについてもホンダ（アップルで35名、ソニーで53名）
やキヤノン（アップルで37名、ソニーで50名）などのように、組み合わせ人数について差がでている。こ
のようなことから、同じ「電気機器・精密機器」業界のアップルとソニーであるが、両者におけるデザイン
評価は少し質の違ったものになっていることが予想される。これらの特徴については今後も、多次元尺度法
などの多変量解析によって企業のグループ化を行い、更なる分析を続ける予定である。
［表7］助成想起での企業の組み合わせベスト30
順位 選択企業１ 選択企業２ 人数
1 アップル（アップルコンピュータ） ソニー 159
2 ソニー トヨタ自動車 71
3 アップル（アップルコンピュータ） 無印良品（良品計画） 69
4 ソニー ナイキ（NIKE） 67
4 ソニー 無印良品（良品計画） 67
6 アップル（アップルコンピュータ） ナイキ（NIKE） 60
7 ソニー 本田技研工業（ホンダ） 53
8 アップル（アップルコンピュータ） au（KDDI） 51
9 キヤノン ソニー 50
10 シャープ ソニー 49
11 アップル（アップルコンピュータ） オリエンタルランド（東京ディズニーランド・ディズニーシー） 47
11 トヨタ自動車 松下電器産業（ナショナル・パナソニック） 47
13 ソニー 松下電器産業（ナショナル・パナソニック） 46
14 アップル（アップルコンピュータ） SoftBank（ソフトバンクモバイル） 44
15 オリエンタルランド コカ・コーラ 43
16 アップル（アップルコンピュータ） コカ・コーラ 42
16 コカ・コーラ ソニー 42
18 アップル（アップルコンピュータ） トヨタ自動車 41
18 アップル（アップルコンピュータ） 任天堂 41
18 コカ・コーラ トヨタ自動車 41
21 オリエンタルランド（東京ディズニーランド・ディズニーシー） ソニー 40
22 キヤノン トヨタ自動車 39
23 アップル（アップルコンピュータ） シャープ 38
23 au（KDDI） ソニー 38
23 ソニー SoftBank（ソフトバンクモバイル） 38
26 アップル（アップルコンピュータ） キヤノン 37
26 オリエンタルランド（東京ディズニーランド・ディズニーシー） 無印良品（良品計画） 37
26 ソニー 日産自動車 37
29 アップル（アップルコンピュータ） 吉田カバン（吉田） 36
30 アップル（アップルコンピュータ） 本田技研工業（ホンダ） 35

16. ［表8］助成想起での企業別の組み合わせ
選択企業１ 選択企業２ 人数
ソニー 159
無印良品（良品計画） 69
ナイキ（NIKE） 60
au（KDDI） 51
オリエンタルランド（東京ディズニーランド・ディズニーシー） 47
SoftBank（ソフトバンクモバイル） 44
アップル（アップルコンピュータ）
コカ・コーラ 42
［1位：1,397ポイント］
トヨタ自動車 41
任天堂 41
シャープ 38
キヤノン 37
吉田カバン（吉田） 36
本田技研工業（ホンダ） 35
アップル（アップルコンピュータ） 159
トヨタ自動車 71
ナイキ（NIKE） 67
無印良品（良品計画） 67
本田技研工業（ホンダ） 53
キヤノン 50
ソニー［2位：1,385ポイント］
シャープ 49
松下電器産業（ナショナル・パナソニック） 46
コカ・コーラ 42
SoftBank（ソフトバンクモバイル） 38
au（KDDI） 38
日産自動車 37
ソニー 71
松下電器産業（ナショナル・パナソニック） 47
トヨタ自動車［3位：758ポイント］ アップル（アップルコンピュータ） 41
コカ・コーラ 41
キヤノン 39
アップル（アップルコンピュータ） 69
無印良品（良品計画）［4位：569ポイント］ ソニー 67
オリエンタルランド（東京ディズニーランド・ディズニーシー） 37
アップル（アップルコンピュータ） 47
オリエンタルランド（東京ディズニーランド・ディズニーシー） コカ・コーラ 43
［5位：568ポイント］ ソニー 40
無印良品（良品計画） 37
オリエンタルランド（東京ディズニーランド・ディズニーシー） 43
アップル（アップルコンピュータ） 42
コカ・コーラ［6位：565ポイント］
ソニー 42
トヨタ自動車 41
ソニー 67
ナイキ（NIKE）［7位：537ポイント］
アップル（アップルコンピュータ） 60
ソニー 49
シャープ［8位：497ポイント］
アップル（アップルコンピュータ） 38
アップル（アップルコンピュータ） 51
au（KDDI）［9位：424ポイント］
ソニー 38
アップル（アップルコンピュータ） 44
SoftBank（ソフトバンクモバイル）［11位：397ポイント］
ソニー 38
ソニー 53
本田技研工業（ホンダ） ［12位：380ポイント］
アップル（アップルコンピュータ） 35
松下電器産業（ナショナル・パナソニック） トヨタ自動車 47
［12位：380ポイント］ ソニー 46
任天堂［14位：337ポイント］ アップル（アップルコンピュータ） 41
ソニー 50
キヤノン［15位：334ポイント］ トヨタ自動車 39
アップル（アップルコンピュータ） 37
日産自動車［16位：311ポイント］ ソニー 37
吉田カバン（吉田）［23位：194ポイント］ アップル（アップルコンピュータ） 36

17. 以下は上位となった企業を選択した主な理由を企業別にまとめたものである。
＊上位企業の個別要因「ソニー」
・ソニーに関し具体的な商品名で挙がったのは、「VAIO」「ウォークマン」「PlayStation」の３つが多く、次いで
「BRAVIA」「Rolly」「AIBO」などであった。
・代表的な理由としては、「スタイリッシュ・洗練」「オシャレ」「カッコいい」「スマート」「センスがいい」「ユ
ニーク・個性的」「遊び心のあるデザイン」「格調がある」といった主に外観的な印象からくるものから、「先進的」
「独創的」「先端的」「近未来的」「挑戦的」「世界のソニ−」など時代をリードしているイノベーティブな要素が多
い。また「わくわくする」「一度見たら忘れられないインパクトがある」などエモーショナルな理由をあげるケースも
多数ある。
また「実用性とデザイン性が両立」「使い勝手だけでなく＋αを感じる」「デザインにインパクトと質感がともなって
いる」「インテリアに進化させた」などを挙げる人も多く、単に使いやすさや機能性だけでない独自の魅力の高さをデ
ザインで創出させている点を挙げる人も多い。
さらに、「常に斬新なデザインをうみ続けている」「デザインに妥協をしていない」「一貫した独自性を継続してい
る」「細部に至るまでポリシーを感じる」「新しい発想を形にできるデザイン力がすごい」「こだわりがある」「昔か
ら」など、永年にわたるデザインへの姿勢をポジティブに評価する人も多く、また「世界随一の技術開発力」「最先端
の技術に見合ったデザイン」「初めにデザインイメージがあって、後から技術がついてくるイメージ」「全てがデザイン
からスタートしている」など、技術力の高さとともに、それを具現化させたデザイン力をも評価している点が特長である。
・「デザインがいいと思うのは、その企業の製品を欲しいと思うことと同義。欲しい商品を作っている企業だからその
デザインを高く評価」「店頭で一目見て惹かれる」「オシャレなデザインと色で購入意識が高まる」「製品のビジュア
ルが（性能以上に）購買意欲に働きかける力を持っている」「欲しいと思わせるデザイン」「いかにも機械っぽくない
形に見せ、思わず購入したくなる」といった、デザインが購買要因になっていることを挙げる人も多く、さらに「洗練
されたCM」「CMがオシャレ」「広告戦略がうまい」など、製品以外の要素も含めてトータルなコミュニケーション活
動が高いデザイン力の訴求に繋がっていることもうかがえる。また「家電製品だけでなく、音楽・映画などグループ全
体がおしゃれなイメージ」と言った意見もあった。
・商品個別からみた理由をみてみると、もっとも多く挙がったのはコンピュータ「VAIO」であった。「パソコンのイ
メージを変えたのはVAIOのデザインだ」「質実剛健のノートパソコンをお洒落にした」「斬新なデザインと色で、他を
抜いている」「他社とは一線を画している」「コンセプトをよく表現したハードデザイン」「リビングに合うパソコン
というコンセプトをデザインしている」「常にデザインで先端を行っている」「未来の機器を見ているような感じ」
「デザインだけは常に一歩リードしている」「ソニーの主張がある」「都会的でシンプルでかっこいい」「使い勝手の
良さとデザインを上手く両立させている」「全体的にスタイリッシュな感じで統一感がある」「VAIOのインパクトが強
い」などが代表的な意見であり、この「VAIO」の評価の多さ且つ高さが、ソニーのデザイン力全体を牽引し、今回の調
査結果に大きく貢献していることがわかる。
・また同様にソニーの代表作でもある「ウォークマン」を挙げた人が２番目に多かったが、「ウォークマンが出た時は
感動した」「ライフスタイル自体をデザインした」「商品コンセプトとともに業界をリードするものを生み出し続けて
いる」「機能美を感じる」「非常にフォルムが洗練」「シンプルでカッコいい」「使いやすいデザイン」などが代表的
な理由であり、カセットテープ時代から最近のデジタル化に至るまで、一貫したデザインオリエンテッドな開発姿勢
が、同社のデザイン力の高さを育てた大きな要因であることもうかがえる。
・同じように同社の「PlayStationシリーズ」を挙げた声も多く、「スタイリッシュでカッコいい」「持っていてカッコ
いいと感じる」「高級感があり好き」「豪華に見える」などが代表的な意見であり、一貫した同社のデザインアイデン
ティティが浸透していることがわかる。
・このようにソニーには「VAIO」「ウォークマン」「PlayStation」など核となり象徴する商品を複数保持している
点、そして男女を問わずソニーデザインに対する生活者の浸透度の高さが高順位を勝ち得た要因であろう。
＊上位企業の個別要因「アップル」
・アップル（アップルコンピュータ）を選んだ人の多くは、「iPod」の名をあげ、「Mac」「MacOS」「iTunes」な
どが続いている。理由としては、３つに大別できる点が大きな特徴と言える。
・多数を占める理由の一つ目は、視覚的印象である。「美しいフォルム」「スタイリッシュ・洗練」「スマート」
「cool」「すべてがおしゃれ」「斬新で革新的」「独創的で最先端」「近未来なイメージ」「簡潔なデザイン」「潔
い」「インパクトがある」「明らかに他と違う」「全てのデザインが秀逸」などが多数を占める。同時に「普通にかっ
こいい」「しなやかさとカッコ良さ」「かわいくてカッコいい」「一目見て分かる造形の妙」「既定の概念を覆すデザ
イン力」「無機的かつ有機的かつ洗練された機能美」「シンプルな中にも静かに個性が隠れている」「スッキリしてい
るが、あっさり過ぎず冷たさや気取った感じがしない」「想像を超えた商品を作り出している」「一切の無駄が排除さ
れスマートな点が非常に好ましい」「デザインの良し悪しや好みに理由など無い。この設問は不適切です」「理由を挙
げるまでもない」と言った他の回答例ではない独特の表現が見受けられるのも大きな特色である。
・二つ目は、視覚的要素だけでなく使用性や、パッケージやCMを含めた総合的なデザイン力を理由としているケースで
ある。「ハードウェアもソフトウェアもすべてこだわっていて美しい」「各種ソフトウェアのインターフェイスも非常
に優れ他社製品と一線を画している」「ネジ1つをとっても処理がきれい」「裏面、底面まで気を配った他メーカーが
まねできないデザイン」「デザインあっての製品設計をしている」「他社が追従するような、全く独自のデザイン」
「使い勝手までもがデザインされている」「斬新なデザインと統一感」「他にない発想がある」「独特のセンス」「使

18. わなくても持ってみたいと思わせるデザイン力。人の心をつかんで放さないインパクトを持ったデザイン」「使いやす
さとカッコよさを両立している」「デザインでこれほど注目を集める会社も少ない」「機能云々よりもデザインだけで
商品を購買させる」「パッケージまで力を抜かないデザイン」「CM・音楽・デザイン全てかっこいい」「コミュニケー
ションデザイン、ビジネスのデザイン全てに統一感がある」「ブランドになっている」などである。
・三つ目の理由群は、「コレ欲しいと触手が伸びた」「Macユーザーではないが欲しくなる」「使っていて楽しくな
る」「持っていてうれしくなる」「購入者が望んでいるカタチをあらわすのがうまい」「ユーザーの期待を裏切らな
い」「消費者の望んでいるカタチを表現している」「持つ事に喜び、誇りまで持てるデザイン」「性能ではなく、デザ
インで買いたくなる」など、実際の購入動機になった点や所有者の満足度に関する点と、「市場拡大という成果を出し
てきた」「MP3プレーヤーの普及、この貢献はすごい」「いつも流行を作っている」「時代を作っている」「夢を与え
る企業イメージがある」と言ったこれまでの同社の功績を評価したものもあり、これらが今回の調査結果に対して大き
く貢献していることがわかる。
＊上位企業の個別要因「トヨタ自動車」
・トヨタ自動車（トヨタ）を挙げた理由をみると、「プリウス」「エスティマ」「クラウン」「レクサス」など具体的
な商品名の記載はあるが、他と比較するとその件数は少なく、それ以上に国際的な事業展開の成功や、製品ラインナッ
プの豊富さなど同社の取り組みとその成果を挙げる人が多いのが大きな特色である。
・デザインに関する理由としては、「いつも最先端」「いつも斬新なフォルム」「デザインが豊富で先進的」「近未来
的デザインのさきがけ」「デザインが時代をリードしている」「ブランドイメージのあるデザイン」「線形美がすばら
しい」「躍動感溢れる外観、垢抜けした内装や色彩が美しい」「カッコいい車が多い」「センスが良い」「力強さがあ
る」「自動車の躍動感が表現されている」「悪いデザインの車がない」などの意見も多いが、同時に「高級車から大衆
車まで実に優れたデザイン」「常に新しいデザインの車（カッコよさ・環境への考慮・乗り心地）を販売している」
「レクサスからカローラまで、商品を完成させる力がある。更にロボットから明日の世界までデザインする企業力は他
の追随を許さない」「トップ企業としての落ち着いたデザインは安心できる」「万人受けするデザインであるがスタイ
リッシュ感がある」「多くの人が求めているデザインを常に提供している」「沢山の車を発売してそれぞれ個性的」
「デザイン性をあまり強調せず実用的」「日本人に合っている車を作っている」「独創的ではなく大衆に認知されてい
るデザインだから」「数々の名車を生み出してきた」「親しみやすい」「万人受けするデザイン。自分の趣向にぴった
り」など、製品ラインナップの豊富さを維持しつつ、常にユーザーニーズに合致した良質なデザインを提供している総
合的なデザイン力に関して多くの回答者が評価している。
・また、「世界一の自動車メーカー」「日本を代表するグローバル企業」「海外からも幅広く支持されている」「優れ
た自動車デザインで世界をリードしている」「アメリカやヨーロッパなどにひけをとらないデザイン」「世界に通じる
面白い車」「ユーザーに飽きられず、常に業界を引っ張っている」「世界中に車が走っているから」などと言った、世
界規模でのリーディングカンパニーであることを理由にするケースが多数挙がっている。これはある意味、グローバル
展開の成功要因にデザイン力を位置づけているものと思われる。
・他に主だった理由として、「レクサスは今までの日本車になかった高級感がある」「エスティマを初めて見たとき、
その未来っぽさに驚いた」「いまでも他の先進国メーカーが真っ当に製品化できないハイブリッドカーなど突出した実
現性」「トヨタのユニバーサルデザインは自動車業界の先端をいっている」「i-unitやロボットなど斬新なデザインが考
案されている」「性能に関する技術もさることながら、デザインにおいても優れていると思う」「製品開発力・ユーザ
サポートともに抜きんでている」「すべてのＣＭがおしゃれ」「WEBサイトがとてもわかりやすい」などがあり、同社
の技術開発力や研究成果から顧客サポート、情報発信方法にいたるまでの企業力全般を幅広くイメージし、それを「デ
ザイン力」と見なしていることがうかがえる。
＊上位企業の個別要因「シャープ」
・シャープの理由の半数以上を占めたのは液晶テレビ「アクオス」に関するものであり、次には「携帯電話」をあげる
人が多数あり、特に「アクオスケータイ」に言及したケースも多い。この結果から「アクオス」という名称・ブランド
は、同社のデザインの「顔」になっており、同社のランキングを高めた最大要因であることがわかる。
・液晶テレビ「アクオス」に関する代表的な意見は、「次世代のデザインを生み出している」「壁に掛けられてインテ
リアのような」「センスがよい」「デザインが秀逸」「シンプルでありながら上品でやさしい感じ」「和室にも洋室に
も合う」「どんな部屋にもシンプルに合い飽きがこないデザイン」「アクオスが一番見やすくキレイ」「アクオスのデ
ザインが大好き」「純国産の製品がすばらしい。デザインも日本人だと聞いています。トータルで純国産はいい」「液
晶テレビのデザインは業界内でも一番」「テレビがかっこいい」「薄型を最初から出していて機能性でも優れている」
などであり、デザインのアドバンテージの高さや、使用環境に適したデザインである点、リーディングカンパニーとし
ての実績を挙げるケースが多い。テレビのデザインでこれほど一般に浸透した事例は過去にないのではないかと推測され
る。
同時に「CMに品がある」「CMはまるで絵画のよう」「宣伝もうまいし印象深い」「やはりCMのイメージがいい。き
れい、絵画のようです、毎回楽しみ」など、アクオスの広告展開を理由に挙げる人も多く、同製品のイメージをぶれな
く訴求し、相乗効果を上げていることもわかる。
・携帯電話に関しては、「液晶パネルが洗練されていて美しい」「アクオスのデザインや携帯のデザインは斬新なのに
オシャレで使いやすい」「スタイリッシュな携帯が多い」「機能美が備わっている」「特にSoftBankのデザインがなか
なかよい」「ドコモではSHのデザインが好き」「今使っている携帯のデザインがとても気に入っている」と言ったもの
が代表例である。