2009/10/16




欧州産業財産権制度



1.欧州産業財産権の概要
2.欧州産業財産権の登録⼿順
3.ライセンス契約時の留意点
4.欧州産業財産権の維持管理コスト
5.その他




半⽥国際特許事務所
弁理⼠    半   ⽥   昌   男
                       (不許複製)
1.欧州産業財産権の概要

(1)特許(実⽤新案)
1)各国国内法による保護
 保護を求める各国毎に各国の⾔語で出願
 パリ条約優先権主張可




2)欧州特許条約による保護
 ⼀の出願により、36ヶ国で保護
 加盟国を指定した出願が可能
 公⽤語は英語、仏語、独語
 ⽇本語での出願可(後⽇、翻訳⽂提出)
 パリ条約優先主張可
 国際博覧会に展⽰した発明の保護あり
                ⇒出願時にその旨を陳述し、
                 出願⽇から4ヶ⽉以内に証明書を提出
 実体審査あり
 特許権は各国毎に発⽣
 特許後、異議申⽴制度あり
 特許後、特許請求の範囲は原則各国毎の⾔語に翻訳




3)国際出願(特許協⼒条約)による保護
 ⼀の出願により世界の141ヶ国に出願可
 ⽇本語で我が国特許庁に出願
 原則30ヶ⽉以内に、保護を求める締約国の⾔語に翻訳




                 1
(2)意匠
1)各国国内法による保護
 保護を求める各国毎に各国の⾔語で出願
 パリ条約優先権主張可


2)欧州共同体意匠による保護
 a)登録共同体意匠
 ⼀の出願により、EU(欧州連合)の全加盟国で保護
 共同体公⽤語(各加盟国の公⽤語)で出願
 図⾯、写真、⾒本により意匠を特定
 博覧会による優先権主張可
      ⇒国際博覧会での製品の最初の開⽰⽇から6ヶ⽉以内に出願
 パリ条約優先権主張可
 実体審査なし
 保護の要件   ⇒新規性、独⾃性を有すること
 EUの全加盟国をカバーする⼀の意匠権
 保護期間   ⇒出願⽇から5年
 更新   ⇒5年を単位
       但し、出願⽇から25年を限度
 付与される意匠権は排他権


 b)無登録共同体意匠
 登録する必要なし
 保護の条件   ⇒共同体内で公衆の利⽤に供されていること
          新規性、独⾃性を有すること
 保護期間   ⇒3年
 他⼈による複製を禁⽌
 ライフサイクルの短い商品



                   2
(3)商標
1)各国国内法による保護
 保護を求める各国毎に各国の⾔語で出願
 パリ条約優先権主張可


2)欧州共同体商標による保護
 ⼀の出願により、EUの全加盟国で保護
 共同体公⽤語(各加盟国の公⽤語)で出願
 実体審査あり
 ⼀の願書で複数の区分を指定可
 3区分までは同⼀料⾦
 パリ条約優先権主張可
 博覧会による優先権主張可
          ⇒国際博覧会に最初に展⽰した⽇から6⽉以内に出願
 絶対的拒絶理由(識別性の⽋如等)の審査      ⇒意⾒書、補正書の提出
 調査報告書   ⇒共同体官庁と各国官庁による先⾏する商標の調査結果
 出願の公告・異議申⽴の制度あり
 相対的拒絶理由(先⾏商標の異議待ち審査制度)      ⇒当事者間で解決
 商標権   ⇒同⼀⼜は類似の範囲における排他的権利
 EUの全加盟国をカバーする⼀の商標権
 商標権の存続期間   ⇒出願⽇から10年    (更新可)
 共同体商標出願が拒絶された場合      ⇒国内商標出願への変更可


3)商標の国際出願(マドリッド協定議定書)による保護
 ⼀の出願により、79ヶ国で保護
 本国における基礎出願⼜は基礎登録が必要
 出願⾔語   ⇒仏語⼜は英語
 実体審査あり
 ⼀の更新で全ての国の更新

                  3
(4)著作権
1)各国国内法による保護


2)各種の条約による保護
 我が国国⺠の著作物は、各種の条約により、欧州でも保護
 例えば、ベルヌ条約   ⇒⽂学的及び美術的著作物の保護


3)EU(欧州連合)の各種の指令による保護
 欧州連合では、著作権制度について、各種の指令を採択
 欧州連合の指令   ⇒加盟国に対して法的効⼒なし、
           しかし、国内法の整備を義務づけるもの
 例えば、保護期間に関する指令   ⇒1995年に70年に延⻑
 著作権の保護期間は原則、著作者の死後70年
 但し、相互主義を採⽤    ⇒⽇本⼈の場合、原則、死後50年
 出願や登録の制度なし




                  4
2.欧州産業財産権の登録⼿順
(1)欧州特許の⼿続
                     1. 欧州特許出願
                    ・欧州に特許出願するには下記の3つの方法
                    があります。
                     ①通常の欧州特許出願
                     ②日本国出願に基づいた優先権出願
                     ③欧州を指定した国際出願
                    ・英語、仏語、独語の何れかで行います。
                     2. 調査報告の作成
                    ・先行技術の調査が行われます。
                     3. 出願公開
                    ・出願日から1年6ヶ月後に行われます。
                    ・原則、調査報告も一緒に公開されます。
                     4. 出願審査請求
                    ・調査報告の公開から6ヶ月以内に行います。
                    ・期間内に請求しないと、取下擬制されます。
                    ・国際出願の場合、国際調査報告の公開から
                    6ヶ月以内です。
                     5. 更新料納付
                    ・第3年分から特許されるまでの間、各年毎に
                    納付する必要があります。
                     6. 審査
                    ・審査請求をすると、実体審査が行われます。
                     7. 拒絶理由通知
                    ・特許しない旨の通知です。
                     8. 意見書・補正書の提出
                    ・拒絶理由通知に対しては、意見書及び補正
                    書を提出することができます。
                     9. 特許査定 ( 又は拒絶査定 )
                    ・特許査定は特許する旨の審査官の最終判断
                    です。
                    ・拒絶査定は特許しない旨の判断です。
                     10. 審判請求
                    ・拒絶査定に不服があるときに、請求します。
                     11. 料金納付・翻訳文の提出
                    ・特許査定の後、特許料を納付し、クレームの
                    翻訳文を提出します。
                    ・翻訳文は出願言語以外の言語で行います。
                    例えば、出願言語が英語のときは仏語と独語
                    に翻訳します。
                     12. 特許
                    ・欧州特許公報に特許付与の公告がなされた
                    日から、各指定国において特許権が発生しま
                    す。
                    ・また、欧州特許明細書を公表します。
                     13. 異議申立て
                    ・第三者は特許付与の公告日から9ヶ月以内
                    に異議を申し立てることができます。
                    ・審査の結果、特許が取り消されることもありま
                    す。
                     14. 各指定国
                    ・特許付与後は、各指定国毎に各国の国内法
                    に基づいて保護がなされます。
                     15. 権利消滅
                 ・・
                    ・各国の特許権は、出願日から20年で消滅し
                    ます。

             5
(2)欧州意匠の⼿続
                  1. 共同体意匠の出願
                 ・一の出願でEUの全加盟国をカバーする意匠
                 権を取得できます。
                 ・出願は、共同体公用語の一つ、例えば、英語
                 等で行います。
                  2. 方式等の審査
                 ・審査は方式的事項と、意匠の定義、公の秩序
                 や道徳性についてのみ行われます。
                 ・新規性や独自性などの実体的審査は行われま
                 せん。
                  3. 意見書・補正書
                 ・審査官によって拒絶される前に、出願人は意見
                 書と補正書を提出することができます。
                  4. 登録又は拒絶
                 ・出願が必要な要件を満たしていれば、登録され
                 ます。
                 ・一方、出願が必要な要件を満たしていなけれ
                 ば、拒絶されます。
                  5. 公告延期の請求
                 ・登録後、共同体意匠は公報に公告されますが
                 請求により、公告を30ヶ月延期することができま
                 す。
                  6. 公告
                 ・共同体意匠は、原則として登録後、公告されま
                 す。
                  7. 無効の申請
                 ・自然人又は法人等は、共同体意匠が意匠の定
                 義、新規性、独自性等に反して登録されていると
                 きには、無効の申請により、その登録を無効に
                 することができます。
                  8. 更新の請求
                 ・共同体意匠の権利は、原則として出願日から5
                 年で消滅します。しかし、更新の請求をすること
                 により、5年単位で、25年を限度として存続期間
                 を延長することができます。
                  9. 更新の登録
                 ・共同体意匠の権利は更新の請求により、更新
                 の登録がされます。
                 ・更新の登録により、共同体意匠の権利は5年
                 間延長されます。
                  10. 権利の消滅
                 ・共同体意匠の権利は、原則として出願日から5
                 年で消滅します。
                 ・共同体意匠の権利は、更新の請求をすること
                 により、出願日から25年まで、延長することがで
                 きます。

                   *無登録共同体意匠
                   ・欧州の共同体意匠には、上記の出願をして登
                   録を受けていなくても意匠を保護する無登録共
                   同体意匠の制度があります。
                   ・保護の要件は、例えば、共同体内で公衆の利
                 ・ 用に供されていること、及び、初めて公衆の利用
                   に供された日を基準にして新規性、独自性を有
                   することです。
                   ・保護期間は公衆の利用に供された日から3年
                   です。

             6
(3)欧州商標の⼿続
                      1. 共同体商標の出願
                     ・一の出願でEUの全加盟国をカバーする商
                     標権を取得できます。
                     ・出願は共同体公用語の一つ、例えば、英語
                     等で行います。
                      2. 絶対的拒絶理由の審査
                     ・識別性の有無、公共又は道徳に反する商標
                     等の審査が行われます。
                      3. 意見書・補正書
                     ・審査官によって拒絶される前に、出願人は
                     意見書と補正書を提出することができます。
                      4. 調査
                     ・欧州官庁は先行する共同体登録商標又は
                     共同体商標出願を調査して調査報告書を作
                     成します。
                     ・国内官庁は先行する国内登録商標又は国
                     内商標出願を調査して調査報告書を作成しま
                     す。
                     ・作成された調査報告書は出願人に通知され
                     ます。
                      5. 出願公告
                     ・共同体商標の出願は拒絶されない場合、公
                     報に公告されます。
                      6. 異議申立
                     ・公告から3ヶ月以内に、絶対的拒絶理由や
                     相対的拒絶理由(先行する商標が存在する旨
                     の理由)に基づく異議申立を行うことができま
                     す。
                     ・異議申立がなされたときは、出願人に通知さ
                     れ、出願人は意見を述べることができます。
                      7. 登録又は拒絶
                     ・出願が必要な要件を満たしていれば、登録さ
                     れます。
                     ・一方、出願が必要な要件を満たしていなけ
                     れば、拒絶されます。
                      8. 無効の申請
                     ・共同体商標が絶対的拒絶理由や相対的拒
                     絶理由に反して登録されたときには、無効の
                     宣言を申請することができます。
                      9. 更新の請求
                     ・共同体商標の権利は、原則として出願日か
                     ら10年で消滅します。しかし、更新の請求を
                     することにより、更に10年更新することができ
                     ます。
                      10. 更新の登録
                     ・共同体商標の権利は更新の請求により、更
                     新の登録がされます。
                     ・更新の登録により、共同体商標の権利は10
                     年間更新されます。
                      11. 権利の消滅
                     ・共同体商標の権利は、原則として出願日か
                     ら10年で消滅します。
                 ・
                     ・共同体商標の権利は、更新の請求をするこ
                     とにより、さらに10年間更新することができま
                     す。




             7
3.ライセンス契約時の留意点

(1)交渉開始時
1)契約相⼿の確認
 書⾯やホームページだけでなく、実際に契約相⼿の会社に⾏って確認
2)契約対象の確認
 特許⇒契約対象物が特許の権利範囲に含まれるものか
 意匠⇒契約対象物が意匠の類似範囲に含まれるものか
 商標⇒契約対象物が指定商品に含まれているか
 著作物⇒契約対象物が著作物であるか
3)権利の確認
 権利の内容を確認
 権利が有効に存続しているか
4)⾝近に相談できる弁護⼠或いは弁理⼠がいるか
 トラブルに対して迅速に対応


(2)契約締結時
1)契約書の内容は必ずプロにチェックしてもらう
 ライセンス契約⇒弁護⼠或いは弁理⼠
2)契約書に不利な条項があるときの対応
 法律判断とビジネス判断の調和
 相⼿⽅との信頼関係の構築


(3)契約終了時
1)契約期間終了後も、契約上の責任あり




                  8
4.欧州産業財産権登録の維持管理コスト

(1)特許の維持管理コスト
1)欧州コスト
出願時     :60万〜80万
出願維持    :毎年 7万〜
中間処理    :    10万〜40万
登録時     :    16万〜20万
  但し、・優先権⼀つ、・クレーム数15以下、・指定国-全指定
       ・出願時審査請求料含む
2)各国コスト
移⾏時         :10万〜15万
更新料         :1カ国につき、5万〜7万


(2)意匠の維持管理コスト
出願時 :13万〜
更新料 :6〜10年分 28,000円
       11〜15年分   35,000円
       16〜20年分   43,000円
       20〜25年分   52,000円
  (5年毎に更新・権利期間25年)


(3)商標の維持管理コスト
出願時:25万〜(3区分まで・⼀つの優先権主張を含む)
登録時:16,000円
更新料:26万〜(3区分まで・10年毎)


*翻訳料及び⽇本国内の代理⼈⼿数料は含みません。
*出願をする前に、⾒積りを取って下さい。

                           9
5.その他
(1)助成⾦制度の活⽤




              10
11
(2)欧州特許条約の加盟国


     Code                   Member state                   Since
AT          Austria                                 1 May 1979
BE          Belgium                                 7 October 1977
BG          Bulgaria                                1 July 2002
CH          Switzerland                             7 October 1977
CY          Cyprus                                  1 April 1998
CZ          Czech Republic                          1 July 2002
DE          Germany                                 7 October 1977
DK          Denmark                                 1 January 1990
EE          Estonia                                 1 July 2002
ES          Spain                                   1 October 1986
FI          Finland                                 1 March 1996
FR          France                                  7 October 1977
GB          United Kingdom                          7 October 1977
GR          Greece                                  1 October 1986
HR          Croatia                                 1 January 2008
HU          Hungary                                 1 January 2003
IE          Ireland                                 1 August 1992
IS          Iceland                                 1 November 2004
IT          Italy                                   1 December 1978
LI          Liechtenstein                           1 April 1980
LT          Lithuania                               1 December 2004
LU          Luxembourg                              7 October 1977
LV          Latvia                                  1 July 2005
MC          Monaco                                  1 December 1991
MK          Former Yugoslav Republic of Macedonia   1 January 2009
MT          Malta                                   1 March 2007
NL          Netherlands                             7 October 1977
NO          Norway                                  1 January 2008
PL          Poland                                  1 March 2004
PT          Portugal                                1 January 1992
RO          Romania                                 1 March 2003
SE          Sweden                                  1 May 1978
SI          Slovenia                                1 December 2002
SK          Slovakia                                1 July 2002
SM          San Marino                              1 July 2009
TR          Turkey                                  1 November 2000

                                      12
(3)EU(欧州連合)の加盟国


Austria
Belgium
Bulgaria
Cyprus
Czech Republic
Denmark
Estonia
Finland
France
Germany
Greece
Hungary
Ireland
Italy
Latvia
Lithuania
Luxembourg
Malta
Netherlands
Poland
Portugal
Romania
Slovakia
Slovenia
Spain
Sweden
United Kingdom

                 13
(4)著作権の判例


1)ニーチェア事件判決(最判平3・3・28)
 ニューヨーク近代美術館の永久収蔵品に選ばれた折り畳み椅⼦の著作
物性が争われた事件
              ⇒著作物性否定




                 14
2)ファービー事件(仙台⾼判平14・7・9)
 アメリカ合衆国の会社が製造・販売する玩具「ファービー」のデザイン
形態の著作物性が争われた事件
                 ⇒著作物性否定




3)博多⼈形事件(⻑崎地裁佐世保⽀部昭48・2・7)
 量産されている博多⼈形の著作物性が争われた事件
                 ⇒著作物性肯定




   -注意-
    画像は全て参考画像で、実際に争われたものではありません。


                 15

Eu seminar

  • 1.
  • 2.
    1.欧州産業財産権の概要 (1)特許(実⽤新案) 1)各国国内法による保護 保護を求める各国毎に各国の⾔語で出願 パリ条約優先権主張可 2)欧州特許条約による保護 ⼀の出願により、36ヶ国で保護 加盟国を指定した出願が可能 公⽤語は英語、仏語、独語 ⽇本語での出願可(後⽇、翻訳⽂提出) パリ条約優先主張可 国際博覧会に展⽰した発明の保護あり ⇒出願時にその旨を陳述し、 出願⽇から4ヶ⽉以内に証明書を提出 実体審査あり 特許権は各国毎に発⽣ 特許後、異議申⽴制度あり 特許後、特許請求の範囲は原則各国毎の⾔語に翻訳 3)国際出願(特許協⼒条約)による保護 ⼀の出願により世界の141ヶ国に出願可 ⽇本語で我が国特許庁に出願 原則30ヶ⽉以内に、保護を求める締約国の⾔語に翻訳 1
  • 3.
    (2)意匠 1)各国国内法による保護 保護を求める各国毎に各国の⾔語で出願 パリ条約優先権主張可 2)欧州共同体意匠による保護 a)登録共同体意匠 ⼀の出願により、EU(欧州連合)の全加盟国で保護 共同体公⽤語(各加盟国の公⽤語)で出願 図⾯、写真、⾒本により意匠を特定 博覧会による優先権主張可 ⇒国際博覧会での製品の最初の開⽰⽇から6ヶ⽉以内に出願 パリ条約優先権主張可 実体審査なし 保護の要件 ⇒新規性、独⾃性を有すること EUの全加盟国をカバーする⼀の意匠権 保護期間 ⇒出願⽇から5年 更新 ⇒5年を単位 但し、出願⽇から25年を限度 付与される意匠権は排他権 b)無登録共同体意匠 登録する必要なし 保護の条件 ⇒共同体内で公衆の利⽤に供されていること 新規性、独⾃性を有すること 保護期間 ⇒3年 他⼈による複製を禁⽌ ライフサイクルの短い商品 2
  • 4.
    (3)商標 1)各国国内法による保護 保護を求める各国毎に各国の⾔語で出願 パリ条約優先権主張可 2)欧州共同体商標による保護 ⼀の出願により、EUの全加盟国で保護 共同体公⽤語(各加盟国の公⽤語)で出願 実体審査あり ⼀の願書で複数の区分を指定可 3区分までは同⼀料⾦ パリ条約優先権主張可 博覧会による優先権主張可 ⇒国際博覧会に最初に展⽰した⽇から6⽉以内に出願 絶対的拒絶理由(識別性の⽋如等)の審査 ⇒意⾒書、補正書の提出 調査報告書 ⇒共同体官庁と各国官庁による先⾏する商標の調査結果 出願の公告・異議申⽴の制度あり 相対的拒絶理由(先⾏商標の異議待ち審査制度) ⇒当事者間で解決 商標権 ⇒同⼀⼜は類似の範囲における排他的権利 EUの全加盟国をカバーする⼀の商標権 商標権の存続期間 ⇒出願⽇から10年 (更新可) 共同体商標出願が拒絶された場合 ⇒国内商標出願への変更可 3)商標の国際出願(マドリッド協定議定書)による保護 ⼀の出願により、79ヶ国で保護 本国における基礎出願⼜は基礎登録が必要 出願⾔語 ⇒仏語⼜は英語 実体審査あり ⼀の更新で全ての国の更新 3
  • 5.
    (4)著作権 1)各国国内法による保護 2)各種の条約による保護 我が国国⺠の著作物は、各種の条約により、欧州でも保護 例えば、ベルヌ条約 ⇒⽂学的及び美術的著作物の保護 3)EU(欧州連合)の各種の指令による保護 欧州連合では、著作権制度について、各種の指令を採択 欧州連合の指令 ⇒加盟国に対して法的効⼒なし、 しかし、国内法の整備を義務づけるもの 例えば、保護期間に関する指令 ⇒1995年に70年に延⻑ 著作権の保護期間は原則、著作者の死後70年 但し、相互主義を採⽤ ⇒⽇本⼈の場合、原則、死後50年 出願や登録の制度なし 4
  • 6.
    2.欧州産業財産権の登録⼿順 (1)欧州特許の⼿続 1. 欧州特許出願 ・欧州に特許出願するには下記の3つの方法 があります。 ①通常の欧州特許出願 ②日本国出願に基づいた優先権出願 ③欧州を指定した国際出願 ・英語、仏語、独語の何れかで行います。 2. 調査報告の作成 ・先行技術の調査が行われます。 3. 出願公開 ・出願日から1年6ヶ月後に行われます。 ・原則、調査報告も一緒に公開されます。 4. 出願審査請求 ・調査報告の公開から6ヶ月以内に行います。 ・期間内に請求しないと、取下擬制されます。 ・国際出願の場合、国際調査報告の公開から 6ヶ月以内です。 5. 更新料納付 ・第3年分から特許されるまでの間、各年毎に 納付する必要があります。 6. 審査 ・審査請求をすると、実体審査が行われます。 7. 拒絶理由通知 ・特許しない旨の通知です。 8. 意見書・補正書の提出 ・拒絶理由通知に対しては、意見書及び補正 書を提出することができます。 9. 特許査定 ( 又は拒絶査定 ) ・特許査定は特許する旨の審査官の最終判断 です。 ・拒絶査定は特許しない旨の判断です。 10. 審判請求 ・拒絶査定に不服があるときに、請求します。 11. 料金納付・翻訳文の提出 ・特許査定の後、特許料を納付し、クレームの 翻訳文を提出します。 ・翻訳文は出願言語以外の言語で行います。 例えば、出願言語が英語のときは仏語と独語 に翻訳します。 12. 特許 ・欧州特許公報に特許付与の公告がなされた 日から、各指定国において特許権が発生しま す。 ・また、欧州特許明細書を公表します。 13. 異議申立て ・第三者は特許付与の公告日から9ヶ月以内 に異議を申し立てることができます。 ・審査の結果、特許が取り消されることもありま す。 14. 各指定国 ・特許付与後は、各指定国毎に各国の国内法 に基づいて保護がなされます。 15. 権利消滅 ・・ ・各国の特許権は、出願日から20年で消滅し ます。 5
  • 7.
    (2)欧州意匠の⼿続 1. 共同体意匠の出願 ・一の出願でEUの全加盟国をカバーする意匠 権を取得できます。 ・出願は、共同体公用語の一つ、例えば、英語 等で行います。 2. 方式等の審査 ・審査は方式的事項と、意匠の定義、公の秩序 や道徳性についてのみ行われます。 ・新規性や独自性などの実体的審査は行われま せん。 3. 意見書・補正書 ・審査官によって拒絶される前に、出願人は意見 書と補正書を提出することができます。 4. 登録又は拒絶 ・出願が必要な要件を満たしていれば、登録され ます。 ・一方、出願が必要な要件を満たしていなけれ ば、拒絶されます。 5. 公告延期の請求 ・登録後、共同体意匠は公報に公告されますが 請求により、公告を30ヶ月延期することができま す。 6. 公告 ・共同体意匠は、原則として登録後、公告されま す。 7. 無効の申請 ・自然人又は法人等は、共同体意匠が意匠の定 義、新規性、独自性等に反して登録されていると きには、無効の申請により、その登録を無効に することができます。 8. 更新の請求 ・共同体意匠の権利は、原則として出願日から5 年で消滅します。しかし、更新の請求をすること により、5年単位で、25年を限度として存続期間 を延長することができます。 9. 更新の登録 ・共同体意匠の権利は更新の請求により、更新 の登録がされます。 ・更新の登録により、共同体意匠の権利は5年 間延長されます。 10. 権利の消滅 ・共同体意匠の権利は、原則として出願日から5 年で消滅します。 ・共同体意匠の権利は、更新の請求をすること により、出願日から25年まで、延長することがで きます。 *無登録共同体意匠 ・欧州の共同体意匠には、上記の出願をして登 録を受けていなくても意匠を保護する無登録共 同体意匠の制度があります。 ・保護の要件は、例えば、共同体内で公衆の利 ・ 用に供されていること、及び、初めて公衆の利用 に供された日を基準にして新規性、独自性を有 することです。 ・保護期間は公衆の利用に供された日から3年 です。 6
  • 8.
    (3)欧州商標の⼿続 1. 共同体商標の出願 ・一の出願でEUの全加盟国をカバーする商 標権を取得できます。 ・出願は共同体公用語の一つ、例えば、英語 等で行います。 2. 絶対的拒絶理由の審査 ・識別性の有無、公共又は道徳に反する商標 等の審査が行われます。 3. 意見書・補正書 ・審査官によって拒絶される前に、出願人は 意見書と補正書を提出することができます。 4. 調査 ・欧州官庁は先行する共同体登録商標又は 共同体商標出願を調査して調査報告書を作 成します。 ・国内官庁は先行する国内登録商標又は国 内商標出願を調査して調査報告書を作成しま す。 ・作成された調査報告書は出願人に通知され ます。 5. 出願公告 ・共同体商標の出願は拒絶されない場合、公 報に公告されます。 6. 異議申立 ・公告から3ヶ月以内に、絶対的拒絶理由や 相対的拒絶理由(先行する商標が存在する旨 の理由)に基づく異議申立を行うことができま す。 ・異議申立がなされたときは、出願人に通知さ れ、出願人は意見を述べることができます。 7. 登録又は拒絶 ・出願が必要な要件を満たしていれば、登録さ れます。 ・一方、出願が必要な要件を満たしていなけ れば、拒絶されます。 8. 無効の申請 ・共同体商標が絶対的拒絶理由や相対的拒 絶理由に反して登録されたときには、無効の 宣言を申請することができます。 9. 更新の請求 ・共同体商標の権利は、原則として出願日か ら10年で消滅します。しかし、更新の請求を することにより、更に10年更新することができ ます。 10. 更新の登録 ・共同体商標の権利は更新の請求により、更 新の登録がされます。 ・更新の登録により、共同体商標の権利は10 年間更新されます。 11. 権利の消滅 ・共同体商標の権利は、原則として出願日か ら10年で消滅します。 ・ ・共同体商標の権利は、更新の請求をするこ とにより、さらに10年間更新することができま す。 7
  • 9.
    3.ライセンス契約時の留意点 (1)交渉開始時 1)契約相⼿の確認 書⾯やホームページだけでなく、実際に契約相⼿の会社に⾏って確認 2)契約対象の確認 特許⇒契約対象物が特許の権利範囲に含まれるものか 意匠⇒契約対象物が意匠の類似範囲に含まれるものか 商標⇒契約対象物が指定商品に含まれているか 著作物⇒契約対象物が著作物であるか 3)権利の確認 権利の内容を確認 権利が有効に存続しているか 4)⾝近に相談できる弁護⼠或いは弁理⼠がいるか トラブルに対して迅速に対応 (2)契約締結時 1)契約書の内容は必ずプロにチェックしてもらう ライセンス契約⇒弁護⼠或いは弁理⼠ 2)契約書に不利な条項があるときの対応 法律判断とビジネス判断の調和 相⼿⽅との信頼関係の構築 (3)契約終了時 1)契約期間終了後も、契約上の責任あり 8
  • 10.
    4.欧州産業財産権登録の維持管理コスト (1)特許の維持管理コスト 1)欧州コスト 出願時 :60万〜80万 出願維持 :毎年 7万〜 中間処理 : 10万〜40万 登録時 : 16万〜20万 但し、・優先権⼀つ、・クレーム数15以下、・指定国-全指定 ・出願時審査請求料含む 2)各国コスト 移⾏時 :10万〜15万 更新料 :1カ国につき、5万〜7万 (2)意匠の維持管理コスト 出願時 :13万〜 更新料 :6〜10年分 28,000円 11〜15年分 35,000円 16〜20年分 43,000円 20〜25年分 52,000円 (5年毎に更新・権利期間25年) (3)商標の維持管理コスト 出願時:25万〜(3区分まで・⼀つの優先権主張を含む) 登録時:16,000円 更新料:26万〜(3区分まで・10年毎) *翻訳料及び⽇本国内の代理⼈⼿数料は含みません。 *出願をする前に、⾒積りを取って下さい。 9
  • 11.
  • 12.
  • 13.
    (2)欧州特許条約の加盟国 Code Member state Since AT Austria 1 May 1979 BE Belgium 7 October 1977 BG Bulgaria 1 July 2002 CH Switzerland 7 October 1977 CY Cyprus 1 April 1998 CZ Czech Republic 1 July 2002 DE Germany 7 October 1977 DK Denmark 1 January 1990 EE Estonia 1 July 2002 ES Spain 1 October 1986 FI Finland 1 March 1996 FR France 7 October 1977 GB United Kingdom 7 October 1977 GR Greece 1 October 1986 HR Croatia 1 January 2008 HU Hungary 1 January 2003 IE Ireland 1 August 1992 IS Iceland 1 November 2004 IT Italy 1 December 1978 LI Liechtenstein 1 April 1980 LT Lithuania 1 December 2004 LU Luxembourg 7 October 1977 LV Latvia 1 July 2005 MC Monaco 1 December 1991 MK Former Yugoslav Republic of Macedonia 1 January 2009 MT Malta 1 March 2007 NL Netherlands 7 October 1977 NO Norway 1 January 2008 PL Poland 1 March 2004 PT Portugal 1 January 1992 RO Romania 1 March 2003 SE Sweden 1 May 1978 SI Slovenia 1 December 2002 SK Slovakia 1 July 2002 SM San Marino 1 July 2009 TR Turkey 1 November 2000 12
  • 14.
  • 15.
  • 16.
    2)ファービー事件(仙台⾼判平14・7・9) アメリカ合衆国の会社が製造・販売する玩具「ファービー」のデザイン 形態の著作物性が争われた事件 ⇒著作物性否定 3)博多⼈形事件(⻑崎地裁佐世保⽀部昭48・2・7) 量産されている博多⼈形の著作物性が争われた事件 ⇒著作物性肯定 -注意- 画像は全て参考画像で、実際に争われたものではありません。 15