2005/10/29 第5回漂着物学会神奈川・東京大会 ポスターセッション

1. 海洋浮遊物の
漂流シミュレーション
○横田 秀和(東海大学総合情報センター)
久保田 雅久(東海大学海洋学部)
高山 勝巳(海洋総合研究所)

2. はじめにお知らせ
•本研究の成果は、
研究発表③
「海洋浮遊物の移動・集積機構」
にて発表されます。
ポスターと合わせてご覧ください。

3. このポスターで紹介していること
•皆さんが海岸で拾っている漂着物のうち、海を漂流し
てから漂着しているものは、一体どこから、どのよう
に流れてくるのでしょうか？
•この疑問に答えるべく、海洋浮遊物がどのように漂流
するのかを、人工衛星の観測データなどから海面での
流れを推定し、シミュレーションを行いました。
•このポスターでは、その結果の一例を紹介しています。
•また、研究成果として得られた海面での流れのデータ
を使って、漂流シミュレーションを実験できます。
どうぞ、お試しください。

4. どうやって
海面での流れを推定するのか？
•海面での流れを構成する要素には、大き
く分けて次の２つがあります。
– 元々の海の流れ，いわゆる海流（地衡流）
– 海上風によって直接起こる流れ
（エクマン吹送流）
•この２つの要素を、次の方法で推定して
います。

5. 元々の海の流れ，いわゆる海流
（地衡流）の推定
1. 海面の凸凹を人工衛星が観測
2. 凸凹の様子から流れを計算
3. 海の流れを算出

6. 海上風によって直接起こる流れ
（エクマン吹送流）の推定
1. 海上を吹く風を様々な方法で観測
2. 観測データを気象学的に解析
3. 風によって海面に引き起される流れを算出

7. ２つの流れを合成
– 元々の海の流れ，いわゆる海流（地衡流）
– 海上風によって直接起こる流れ
（エクマン吹送流）
•２つの流れを合成して海面での流れを推
定しています。

8. 1999年1月の海面流速分布
m/s

9. 1999年7月の海面流速分布
m/s

10. 1999年1月の海面流速分布
日本近海
m/s

11. 1999年7月の海面流速分布
日本近海
m/s

12. 漂流シミュレーションの結果
←1999年1月1日から漂流開始
↓1999年12月31日の分布

13. まとめ
•海流と海上風によって直接起こる流れから
漂流のシミュレーションを行いました。
•その結果、海に漂い続けるものは、大洋の
中緯度付近に集まることが分かりました。
•陸に漂着するものは、海に漂い続けるもの
に比べると僅かに限られました。
•私達が拾う“遠方からの漂着物”は、
それだけで十分な宝物のように思えます。

14. 漂流シミュレーションの体験
•好きな場所から漂流させた場合の漂流経路を
シミュレーションできます。
•どうぞご自由にお試しください。

15. 仮想地球儀の操作方法
ダブルクリックで自転の開始と停止