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オープンソースのERP iDempiereの日本商習慣対応ディストリビューション
= 期末在庫評価 =
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期末在庫評価:目次
期末在庫評価概要
在庫評価プロファイル
在庫数量のタイムスタンプ作成
在庫評価計算伝票
棚卸資産勘定残高のタイムスタンプ作成
在庫評価調整伝票
在庫評価レポート
品目原価更新と原価調整伝票
原価積上げ
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更新履歴
2016年9月:総平均原価の追加
期末在庫評価の計算方法に総平均原価を追加しました。
 参照:【JPIERE-0194】期末在庫評価 – 総平均原価の計算
2016年11月:請求平均原価の計算において返品を加味するように修正
請求平均による期末在庫評価の計算において、返品を加味するように修正しました。
 参照:【JPIERE-0194】期末在庫評価 – 総平均原価の計算
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期末在庫評価概要
 期末在庫評価概要
ERPでは一般的に、在庫評価はリアルタイムで行います。在庫評価をリアルタイムで行う事により
売上原価、そして損益がリアルタムで算出でき、貸借対照表や損益計算書もリアルタムで作成する事
ができます。リアルタイムで企業の損益状況を把握できるというのはERPの大きな導入メリットのひ
とつです。
多くのERPと同様に、iDempiereでもリアルタムで在庫評価を行い、貸借対照表、損益計算書もリ
アルタムで作成できます。
しかし、リアルタイムで企業の損益状況を把握するためには、システムをリアルタイムで運用する
必要があります。これは、バッチ処理を前提とする業務処理やシステム運用とは異なる考え方であり、
バッチ処理を前提とする業務処理やシステム運用を行っていた企業がERPを導入し、リアルタイムで
企業の損益状況を把握しようとした場合は、大きなBPR(Business Process Re-engineering)が必要
になります。
そしてERPにおいてリアルタイムで在庫評価を正しく行う事は簡単な事ではりません。ERPは様々
なデータが連携しており、在庫の増減に係る処理はイレギュラー的な要素が多くあります。そして在
庫を評価する方法は複数あります。これらのあらゆる要素をすべて考慮し、矛盾なく汎用的にリアル
タムで在庫評価を行うのは、簡単な事ではありません。
iDempiereでは、”標準原価”、”先入先出法(FIFO)”、”後入先出法(LIFO)”、”平均発注単価”、”
平均請求単価”、”最終発注単価”、”最終請求単価”の7つの方法で在庫の評価ができるように標準機
能で用意されています。そして、それぞれの評価方法で、在庫の評価金額を”クライアントレベ
ル”、”組織レベル”、”バッチ/ロットレベル”と3つのレベルで算出できるように設計されています。
7つの在庫評価方法と3つの在庫評価レベルがあるため、組み合わせとしてはiDempiereの標準機能
だけでも21通りの在庫の評価が行えるようになっています。しかもiDempiereでは、ひとつの品目
に対して複数の評価金額を保持する事ができます(マルチ棚卸資産評価/マルチ原価)。
しかし、このiDempiereの在庫評価の仕組みが、多くの方の期待に応えられるように完璧に動作す
るのかというと、残念ながらそうではありません。中には、そもそも実装されていない評価レベルと
評価方法の組み合わせも存在しています。そして、実装されてる在庫評価レベルと在庫評価方法で
あっても、iDempiereを導入するユーザー企業の要件にあっているかどうかは別の話です。
iDempiereの提供している在庫評価の機能がユーザーの要件に合致しているかどうかのFit&Gap分析
による確認は必要になります。リアルタムで在庫の評価を行うためには、色々なイレギュラーケース
を想定して、Fit&Gap分析を行う必要があります。例えば、マイナス在庫を許容する場合にマイナス
在庫になった場合の在庫評価ロジックは、実際のiDempiereの挙動とユーザー企業の要件が合致して
いるかどうか確認する必要があるでしょう。
iDempiereの導入においてユーザー企業の要件にあうようにリアルタイムで正しく在庫評価を行え
るようにする事は、業務要件の実装としては手間のかかる実装のひとつになります。
そこで、JPiereでは”素早く”、”低コスト”でユーザー企業の課題を解決するために、在庫評価につ
いては、期中の在庫評価は”標準原価”を採用し、管理会計として企業の損益を速報値としてリアルタ
ムに把握できるようにし、財務会計として法令を遵守した在庫評価については、決算処理の一環とし
て期末に実施し、速報値とした算出している利益を修正する方法を基本としています。
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期末在庫評価概要
JPiereの期末在庫評価イメージ
JPiereでは、自動仕訳で使用する在庫評価の金額は”標準原価”を前提としています。
iDempiereの”標準原価”は、ユーザー企業が自由に入力する事ができます。JPiereではユー
ザーが任意に設定した標準原価を使用して、管理会計の観点より企業の損益をリアルタムで
把握できるようにしています。
標準原価を使用する事により、JPiereはリアルタイムで在庫評価を行う必要がなくなります。
この事により、リアルタイムで在庫評価を行うための様々な制約から解放されます。その代
り期末に在庫評価を行う仕組みが必要となりますが、その実装は確定した数値や取引をもと
に計算するので、リアルタイムで在庫評価するのと比較して容易になります。これはJPiere
の導入に際し、ユーザー企業とのFit&Gapの工数の軽減にもつながり、在庫評価方法にGAP
があった場合のカスタマイズ工数の軽減にもなります。
この方法のデメリットは、期中に算出される利益は管理会計としての速報値であり、期末
に法令を遵守した財務会計値に修正する必要がある事です。しかし、デメリットとはいって
も、もともと利益は決算整理仕訳により確定するものです。決算整理仕訳により利益の変動
がある事は普通の事ですし、リアルタイムで在庫評価をしていても、在庫の評価損の計上な
どはやはり決算時に行うのが一般的でしょう。人為的に設定した標準原価と、期末に計算し
た在庫評価金額が大きくかい離していて、利益に与える影響が大きくなる事が心配かもしれ
ませんが、JPiereの期末在庫評価では、期末に評価した金額を”標準原価”に上書きする機能
も提供していますので、標準原価が実際の在庫評価金額と大きくかい離する事はありません。
そのため、標準原価の金額と、期末に評価した在庫金額に多少の差はあっても、利益に与え
る影響は軽微にする事ができます。
標準原価をいちいち入力するのが面倒に思うかもしれません。iDempiereでは最初の発注
時の単価で標準原価を自動設定する機能があります。これを活用すれば、入力の手間を軽減
するだけでなく、初期の標準原価と実際の在庫評価金額のかい離も防ぐ事ができます。
JPiereでは期末において在庫を評価する事により、期中の利益は管理会計としての正確性
を担保しつつ、期末の在庫評価に柔軟性を持たせ、 ”素早く”、”低コスト”で導入する事がで
きます。
当期 翌期期末
標準原価@100
期末在庫評価@110
標準原価@110
期末の評価金額で、標準原価を
更新する事により、標準原価と
評価額のかい離を少なくします。
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期末在庫評価概要
期末在庫評価手順
期末在庫評価は次の手順で行います。
期末(評価日付)の在庫数量の確定(在庫数量のタイムスタンプ作成)
在庫評価プロファイルの作成
在庫評価計算伝票の作成
製品の原価積み上げ
1
2
3
在庫評価計算伝票は、在庫の評価金額を計算するための伝票です。在庫評価の単位で、明細を作成し、評価金額を計
算します。そして、計算した評価金額の単価をもとに品目原価を更新します。
5
”部品表フラグ”がONの品目マスタは、その材料となる品目の原価積み上げを行う事により標準原価を更新します。
在庫評価プロファイルには、在庫評価の方針や、一連の在庫評価処理に必要となる情報を設定します。在庫評価プロ
ファイルにより、在庫評価の処理に一貫性を持たせる事ができます。
期末の在庫評価を行うために、期末時点(評価日付)の在庫数量を確定させる必要があります。そのため、在庫評価
日時点の在庫数量を予め算出し、タイムスタンプとして保持します。この在庫数量のタイムスタンプは、期末在庫評価
にも使用しますが、過去のある時点での在庫数量の参照情報として活用する事もできます。
1:在庫評価計算伝票明細の作成
2:在庫評価計算
3:在庫評価金額をもとに品目原価を更新
原価調整伝票による調整処理4
在庫評価計算伝票の評価金額をもとに品目原価を更新する処理で、将来の原価を更新した場合には、現在の原価に設
定する処理が必要です。その際に、原価調整伝票が起票されて、金額が調整されます。在庫評価計算伝票の評価金額を
もとに品目原価を更新する処理で、直接現在の原価を更新した場合、原価調整伝票による調整処理は任意の処理となり
ます。在庫評価計算伝票で算出した評価金額から、著しく価値が下落している場合など、評価減が必要になる場合は、
このタイミングで適切な評価金額に修正する事もできます。
在庫評価レポートによる確認6
①~⑤までの処理で、標準原価が評価金額に更新されていますので、iDempiere標準の在庫評価レポートを使用して、
倉庫単位の在庫評価金額を確認する事ができます。会計を使用しない場合は、ここまでの処理で在庫評価を終了にする
こともできます。会計を使用する場合は、次の会計への在庫評価の反映処理を行う必要があります。
在庫評価用プライスリストの更新7
標準原価は品目原価タブの現在の原価フィールドに記録されており、在庫評価を行う毎に更新されます。そのため標
準原価の履歴を保持するためには、JPiereではプライスリストを使用します。プライスリストはバージョンにより日付
毎の金額を保持する事ができ、在庫評価レポートでも使用できたり、販売用プライスリストを自動作成するための基準
としても活用できるので、標準原価の履歴を保持するのに適任です。在庫評価用プライスリストの更新プロセスでは、
評価日付でプライスリストのバージョンを作成し、標準原価をプライスリストにコピーします。
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期末在庫評価概要
会計への在庫評価の反映8
期末在庫評価の結果を会計へ反映させます。会計を別のシステムで処理している場合、そのシステムへのインター
フェースするもととなるデータを作成する事も意図しています。
1:在庫評価日の棚卸資産勘定残高のタイプスタンプ作成
2:在庫評価調整伝票の作成
3:期末在庫評価額調整伝票から振替仕訳伝票の作成
JPiereで会計も行っている場合、在庫評価日における、棚卸資産勘定の品目別の仕訳合計残高のタイムスタ
ンプを作成します。
品目の評価金額は、品目原価の”現在の原価”から取得し、数量は在庫評価日のタイムスタンプから取得し、
期末在庫評価額を算出します。会計を使用している場合には、その情報もタイムスタンプより収集します。
期末在庫評価額調整伝票の情報から振替仕訳伝票を作成します。JPiereで会計も行っている場合は、この振
替伝票を転記すれば調整完了です。他のシステムで会計を処理している場合には、この振替仕訳伝票の情報をも
とに、インターフェースデータを作成する事を意図しています。
4:在庫評価日の棚卸資産勘定の残高のタイムスタンプ再作成
期末在庫評価額調整伝票により、在庫金額がに変動がある可能性がありますので、棚卸資産勘定の仕訳合計
残高のタイムスタンプを再作成しておきます。
Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 7
在庫評価プロファイル
 JPIERE-0160:在庫評価プロファイル
在庫評価プロファイルには、在庫評価の方針や、一連の在庫評価処理に必要となる情報を
設定します。在庫評価プロファイルにより、在庫評価の処理に一貫性を持たせる事ができま
す。
在庫評価プロファイルウィンドウ
在庫評価プロファイル [ 選択レコード/表示レコード数]
(AD_Client_ID)
在庫評価プロファイル
クライアント* (AD_Org_ID)組織*
(Description)
 アクティブ
(C_AcctSchema_ID)会計スキーマ*
(Value)検索キー*
(IsActive)
(Name)名称*
在庫評価プロファイルタブ(JP_InvValProfileテーブル)
(JP_InvValCalLineClass)
在庫評価計算伝票明細作成
クラス
(JP_InvValCalClass)在庫評価計算クラス
(JP_InvValUpdateCostClass)品目原価更新クラス
(CostingMethod)在庫評価方法* ▼ (CostingLevel)在庫評価レベル* ▼
説明
- リファレンス
(JP_InvValAdjustLineClass)
在庫評価調整伝票明細作成
クラス
(JP_InvValAdjustCalClass)在庫評価調整額計算クラス
(JP_GLJournalCreateClass)振替伝票作成クラス
(C_Currency_ID)通貨* ▼
 デフォルト(IsDefault)
(M_Product_Category_ID)品目カテゴリ ▼
(JP_ApplyAmtList)適用金額* ▼
(JP_UpdateCost)更新する原価* ▼
• 会計スキーマを入力すると、在庫評価レベルと通貨は会計スキーマの値が自動入力され、変更で
きなくなります。

在庫が0の場合でも在庫
評価する
(IsZeroStockInvValJP)
(C_DocType_ID)伝票タイプ ▼ (DocAction)伝票ステータス更新 ▼
(Account_ID)在庫評価調整勘定 ▼
(M_PriceList_ID)プライスリスト ▼ (M_DiscountSchema_ID)プライスリストスキーマ ▼
(C_ConversionType_ID)通貨レートタイプ* ▼
(JP_TypeOfAverageCost)平均単価の計算方法* ▼
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在庫評価プロファイル
会計スキーマ
在庫評価計算伝票の計算結果を反映させる会計スキーマを選択します。デフォルトフラグがONの場合、
必須入力になります。在庫評価方法が標準原価になっている会計スキーマを入力するのを意図しています。
デフォルト
在庫評価に一貫性を持たせるため、デフォルトとなる在庫評価プロファイルはこのフラグをONに、そ
の他の在庫評価プロファイルと区別できるようにするフラグです。在庫評価の計算結果を標準原価に反映
させる正式な在庫評価プロファイルの場合にONにする事を意図しています。デフォルトフラグがOFFの
在庫評価プロファイルは、シミュレーション目的に使用する事を意図しています。デフォルトフラグを
ONにすると、会計スキーマの入力が必須になります。
在庫の評価方法を設定します。
在庫評価方法
在庫の評価レベルを設定します。会計スキーマが入力されている場合は、会計スキーマの在庫評価レベ
ルが自動設定され、変更できません。
在庫評価レベル
在庫評価を行う通貨を設定します。会計スキーマを設定した場合は、その会計スキーマの通貨が自動設
定され、変更できません。
通貨
在庫評価方法が”先入れ先出し(FIFO)”か”後入れ先出し(LIFO)”の場合に表示され、評価金額を”発注金
額”と”請求金額”のどちらの金額をもとに行うのか選択します。
適用金額
更新する原価
在庫評価計算伝票の計算結果を反映させる標準原価のフィールドを次の3つから選択します。デフォル
トフラグがONの場合、必須入力になります。品目原価を更新するフィールドを選択する事を意図してい
ます。
• 現在の原価(Current Cost : CC)
• 将来の原価(Future Cost : FC)
• 両方(Both Current Cost and Future Cost : BT)
在庫評価方法が平均発注単価と平均請求単価の時に表示され、必須入力となり。”総平均”か”単純平均
(期間平均)”のいずれかを選択します。
平均単価の計算方法
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在庫評価プロファイル
◆伝票タイプ
在庫評価調整伝票から振替伝票を作成する際に使用する事を想定しています。デフォルトフラグがON
の時は必須入力になります。
◆プライスリスト
在庫評価調の履歴を保持するプライスリストを選択します。任意入力項目です。
◆伝票ステータス更新
在庫評価調整伝票から振替伝票を作成する際に実施する伝票ステータス更新処理を選択します。デフォ
ルトフラグがONの時は必須入力になります。
◆在庫評価調整勘定
在庫評価調整伝票から棚卸資産勘定残高を調整する仕訳を作成する際に、棚卸資産勘定の相手勘定とな
る勘定科目を設定します。デフォルトフラグがONの時は必須入力になります。
◆プライスリストスキーマ
プライスリストに在庫評価調の履歴を保持する際に、バージョンを作成するのに使用するプライスリス
トスキーマを選択します。プライスリストを設定した際には必須入力になります。
在庫が無い場合でも在庫評価計算を行うかどうか判定するのに使用する事を想定しています。
在庫が0の場合でも在庫評価する
為替の換算時に使用する事を想定しています。
通貨レートタイプ
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在庫評価プロファイル
振替伝票作成クラス
在庫評価調整伝票において、計算した調整額をもとに振替伝票を作成するクラスを、パッケージ名.ク
ラス名の形式で設定します。
在庫評価調整伝票明細作成クラス
在庫評価調整伝票において、その明細を作成するプロセスのクラスを、パッケージ名.クラス名の形式
で設定します。
在庫評価調整額計算クラス
在庫評価調整伝票において、その調整額を計算するプロセスのクラスを、パッケージ名.クラス名の形
式で設定します。
‐ リファレンスのフィールドグループに属するフィールドについて
リファレンスのフィールドグループに所属するフィールドは、在庫評価計算伝票の明細を作成する際に、
その明細作成対象を絞り込む条件として使用する事を意図しています。1つの在庫評価プロファイルには、
1つの評価方法しか定義できません。ユーザー企業によっては、複数の在庫評価方法が必要になる場合も
あるでしょう。そのようなケースにおいて、評価対象となる品目を区分するキー情報は色々なケースが考
えられます。そのため必要に応じてフィールドを追加し、拡張して活用して下さい。
品目原価更新クラス
在庫評価計算伝票において、計算した在庫評価をもとに品目原価を更新するプロセスのクラスを、パッ
ケージ名.クラス名の形式で設定します。
在庫評価計算伝票明細作成クラス
在庫評価計算伝票において、その明細を作成するプロセスのクラスを、パッケージ名.クラス名の形式
で設定します。
在庫評価計算クラス
在庫評価計算伝票において、その評価計算するプロセスのクラスを、パッケージ名.クラス名の形式で
設定します。
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在庫評価プロファイル
在庫評価組織タブ(JP_InvValProfileOrgテーブル)
在庫評価プロファイル > 在庫評価組織 [ 選択レコード/表示レコード数]
(AD_Client_ID)
在庫評価プロファイル
クライアント* (AD_Org_ID)組織*
 アクティブ
(JP_InvValProfile_ID)在庫評価プロファイル*
(IsActive)
在庫評価組織タブでは、在庫評価プロファイルの評価範囲となる組織を定義します。ここ
に割り当てる組織は、会社単位で組織を割り当てる事をイメージしています。複数会社を1
つのJPiereで管理するような場合、会社毎に在庫評価プロファイルを作成し、会社毎に作成
されている在庫評価プロファイルに対して、この在庫評価組織タブで、その会社に属する組
織マスタを全て割り当てて下さい。
• 在庫評価プロファイル(JP_InvValProfile_ID)と組織(AD_Org_ID)で一意になります。
• *の組織は設定できません。
• プライスリストとプライスリストスキーマは、在庫評価レベルが組織の場合に、標準原価
をコピーするプライスリストと、その際に使用するプライスリストスキーマを設定する事
を想定しています。
(Description)説明
(M_PriceList_ID)プライスリスト ▼ (M_DiscountSchema_ID)プライスリストスキーマ ▼
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在庫評価プロファイル
在庫評価プロファイルA社用
在庫評価プロファイルと在庫評価組織と会計スキーマの関係
在庫評価プロファイルB社用
会計スキーマ
A社
本部
A社
店舗01
A社
店舗02
B社
本部
B社
店舗01
B社
店舗02
• 在庫評価プロファイルは、会社毎あるいは、任意の組織グループ単位で作成します。
• 1つの会計スキーマを複数の在庫評価プロファイルで使用する事ができます。
• 組織マスタは、在庫評価プロファイルによりグループ化されます。グループ化された組織
を1つの在庫評価単位として在庫評価します。
在庫評価は通常会社単位で行われます。そのため在庫評価プロファイルを使用して、組織マスタを会社
毎にまとめています。この事により、仕入はしていないが在庫だけは持っている組織の在庫も正しく評価
できます。1つの会社を複数の組織で運用する場合、在庫移動により、仕入をしなくても在庫は持ってい
るという組織がありえます。そして1つのクライアントを複数会社で運用している場合、仕入はしていな
いが在庫を持っている組織の在庫を評価する際に、実際に仕入れをした組織を含む在庫評価の枠組みを設
定しておかないと、正しい在庫評価が行えません。そのためJPiereでは、在庫評価プロファイルに、在庫
評価組織を割り当てる事により、在庫評価を行う枠組みを定義しています。
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在庫数量のタイムスタンプ作成
 在庫数量のタイムスタンプ作成
在庫数量のタイムスタンプ作成プロセス
期末の在庫評価を行うために、期末時点(評価日付)の在庫数量を確定させる必要があり
ます。そのため、在庫評価日時点の在庫数量を予め算出し、タイムスタンプとして保持しま
す。この在庫数量のタイムスタンプは、期末在庫評価にも使用しますが、過去のある時点で
の在庫数量の参照情報として活用する事もできます。
在庫数量のタイムスタンプとして、評価日付の品目の在庫数量を組織毎に算出し、
JP_StockOrgテーブルに記録します。データ量が多い場合、この処理には多くの時間が必要
になる場合がありますので、システムへのアクセスが少なくなる夜間のバッチ処理として行
う事をおススメ致します。
組織在庫のタイムスタンプ作成
Save Parameters ▼
評価日付* (DateValue)
JPIERE-159:組織在庫のタイムスタンプ(日付×組織×品目)
組織在庫のタイムスタンプ作成プロセス
• 評価日付…ここで指定した日付の在庫数量を記録します。既に同じ評価日付で同じ品目の
データが存在していた場合、そのデータは削除し、再度データを作成します。
組織在庫のタイムスタンプ作成プロセスのロジック
• JP_StockOrgテーブルから評価日付のデータを削除します。
• 在庫取引管理台帳から、評価日付以前の在庫取引を組織×品目毎に算出し、JP_StockOrg
にその評価日付とともに登録します。
【カスタマイズポイント】評価日付の在庫数量の求め方
評価日付の在庫数量を求めるのに、在庫取引管理台帳から計算する方法は、実装は簡単ですが、在庫
取引管理台帳のデータが多くなるにつれて処理に時間がかかるようになります。在庫取引管理台帳が膨
大な量になる事があらかじめ見込まれる場合は、下記に例示する2つのアプローチ方法で評価日付の在
庫数量を求める事により、処理時間を短縮する事ができるのではないかと思います。
• 現在庫数量管理台帳の値 – 評価日よりあとの在庫取引管理台帳の合計値
• 前回の評価日付の在庫数量 + 前回の評価日付から評価日付までの在庫取引管理台帳の合計値
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在庫数量のタイムスタンプ作成
組織在庫のタイムスタンプ確認ウィンドウ(JP_StockOrgテーブル)
組織在庫のタイムスタンプ作成プロセスで作成したデータを確認するためのウィンドウで
す。
組織在庫のタイムスタンプ [ 選択レコード/表示レコード数]
(AD_Client_ID)
組織在庫のタイムスタンプ
クライアント* (AD_Org_ID)組織*
 アクティブ
(M_Product_ID)品目*
(DateValue)評価日付*
(QtyBook)帳簿数量*
(IsActive)
• 組織在庫のタイムスタンプのデータは“組織”と”評価日付”と”品目”で一意になります。
• 組織在庫のタイムスタンプのデータを確認するウィンドウは、読取専用で、編集したり
データを追加したりする事はできません。
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在庫評価計算伝票
 JPIERE-0161:在庫評価計算伝票
在庫評価計算伝票概要
在庫評価計算伝票は、在庫の評価金額を計算するための伝票です。在庫評価の単位で、明
細を作成し、評価金額を計算します。そして、計算した評価金額の単価をもとに品目原価を
更新します。
在庫評価計算伝票には、次の3つの処理ステップがあり、それぞれに独立した処理として、
在庫評価プロファイルにプロセスを定義できるようになっており、自由にカスタマイズでき
ます。
Step1:在庫評価計算伝票明細の作成
Step2:在庫評価計算
Step3:在庫評価金額をもとに品目原価を更新
在庫評価プロファイルに定義されている在庫評価計算伝票明細作成クラスを呼び出して、
在庫評価計算伝票明細を作成します。次の”Step2:在庫評価計算”では、ここで作成した在庫
評価計算伝票明細に対して、在庫評価の計算を行います。
“Step1:在庫評価計算伝票明細の作成”で作成した明細毎に、在庫の評価金額を計算します。
その計算には、在庫評価プロファイルに定義されている在庫評価計算クラスが呼び出されま
す。
“Step2:在庫評価計算”で計算した評価金額の単価をもとに品目原価を更新します。その処
理には、在庫評価プロファイルに定義されている品目原価更新クラスが呼び出されます。
【カスタマイズポイント】在庫評価計算伝票
在庫評価計算伝票は、在庫評価伝票明細毎に、在庫評価額を算出し、品目の標準原価を更新するため
の伝票です。その処理のために、明細作成→在庫評価計算→品目原価の更新と3つのステップに分けて、
それぞれにプロセスを自由に定義し呼び出す事ができいます。言い換えると、在庫評価計算伝票の本質
は在庫評価プロファイルに定義されている3つのプロセスを自由に呼び出せるだけの伝票という事にな
ります。
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在庫評価計算伝票
在庫評価計算伝票
在庫評価計算
明細作成
在庫評価計算伝票タブ(JP_InvValCalテーブル)
在庫評価計算伝票 [ 選択レコード/表示レコード数]
(AD_Client_ID)
在庫評価計算伝票
クライアント* (AD_Org_ID)組織*
伝票ステータス更新
- ステータス
(C_DocType_ID)伝票タイプ* ▼ (DocumentNo)伝票番号
(DateValue)評価日付*
20XX/8/10実行日時*
(SalesRep_ID)社内担当者(JP_InvValProfile_ID)在庫評価プロファイル* ▼ (C_Currency_ID)通貨*
(TotalLine)明細行合計*
(DocStatus)伝票ステータス*
(Description)説明*
(JP_LastDateValue)前回評価日付
品目原価更新
10:00:00
20XX/8/10実行日時* 10:00:00
20XX/8/10実行日時* 10:00:00
在庫評価計算伝票は、在庫評価伝票明細毎に在庫評価額を算出し、その評価金額をもとに
品目の標準原価を更新するための伝票です。在庫評価プロファイルにより、在庫評価伝票明
細の作成ロジックや、在庫評価額の計算ロジック、品目の標準原価を更新するロジックを自
由にカスタマイズする事ができます。そして監査対応目的のために在庫評価額の算出根拠と
なる情報は、在庫評価計算ログに記録する事ができいます。在庫評価計算伝票は、在庫評価
プロファイルと評価日付で一意になります。
伝票タイプ
在庫評価計算伝票の伝票タイプを選択します。在庫評価計算伝票のベース伝票タイプ
は”JPI”です。
評価日付
在庫評価を行う日付です。この評価日付の在庫数量に対して、在庫評価金額を計算します。
前回評価日付
前回在庫評価を行った日付を入力します。この値をどのように使用するかは、自由です。
評価日付より以前の日付を入力して下さい。
(JP_Processing1 )
(JP_Processing2 )
(JP_Processing3 )
(JP_ProcessedTime1 )
(JP_ProcessedTime2 )
(JP_ProcessedTime3 )
(Processing )
(DateAcct)転記日付*
(JP_BeginInvValCal_ID)
期首在庫となる
在庫評価計算伝票
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在庫評価計算伝票
在庫評価プロファイル
在庫評価計算伝票の各処理を行う在庫評価プロファイルを選択します。
通貨
在庫評価プロファイルに設定されている通貨が自動入力されます。
明細作成ボタン
在庫評価プロファイルに設定されている在庫評価計算伝票明細作成クラスのプロセスが呼
び出されます。
在庫評価計算ボタン
在庫評価プロファイルに設定されている在庫評価計算クラスのプロセスが呼び出されます。
品目原価更新ボタン
在庫評価プロファイルに設定されている品目原価更新クラスのプロセスが呼び出されます。
明細行合計
参考情報として、在庫評価計算伝票明細の在庫評価金額(JP_InvValTotalAmt)の合計値を
表示します。在庫管理上の在庫評価金額の合計になる事を想定しています。
期首在庫となる在庫評価計算伝票
JPiereの標準の在庫評価計算プロセスで、総平均原価を計算する際の期首在庫の情報とし
て使用します。
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在庫評価計算伝票
在庫評価計算伝票明細タブ(JP_InvValCalLineテーブル)
在庫評価計算伝票 > 在庫評価計算伝票明細 [ 選択レコード/表示レコード数]
(AD_Client_ID)
在庫評価計算伝票
クライアント* (AD_Org_ID)組織*
(JP_InvValCal_ID)在庫評価伝票*
(Description)説明
(M_Product_ID)品目*
(Line)明細番号
(CostingMethod)在庫評価方法* ▼ (CostingLevel)在庫評価レベル* ▼
(QtyBook)帳簿数量
(JP_InvValTotalAmt)在庫評価金額* (JP_InvValAmt)在庫評価単価*
(C_AcctSchema_ID)会計スキーマ ▼
(M_AttributeSetInstance_ID)属性セット新スタンス
- リファレンス
(CurrentCostPrice)現在の原価* (FutureCostPrice)将来の原価*
在庫評価計算伝票明細タブは、“在庫評価計算伝票明細の作成”プロセスで、在庫評価の計
算単位となる明細を作成し、”在庫評価計算”プロセスで、その明細毎の在庫評価計算を行い
ます。
【カスタマイズポイント】在庫評価計算伝票の明細情報
在庫評価計算伝票は、在庫評価伝票明細毎に、在庫評価額を算出し、品目の標準原価を更新するため
の伝票で、それぞれの処理を独自に実装したプロセスを呼び出して処理する事ができます。そのため、
在庫評価計算伝票の明細情報にあるフィールドをどのように使用するかは、実装するプロセス次第です。
在庫評価を計算する上で、必要な項目があれば追加し、拡張して活用する事を想定しています。
(JP_BeginInvValCalLine_ID)
期首在庫となる
在庫評価計算伝票明細
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在庫評価計算伝票
在庫評価計算ログタブ(JP_InvValCalLogテーブル)
在庫評価計算伝票 > 在庫評価計算伝票明細 > 在庫評価計算ログ [ 選択レコード/表示レコード数]
(AD_Client_ID)
在庫評価計算伝票
クライアント* (AD_Org_ID)組織*
(JP_InvValCalLine_ID)在庫評価計算伝票明細* (Line)明細番号
(C_OrderLine_ID)発注伝票明細
(C_InvoiceLine_ID)仕入請求伝票明細
- 数量情報
- 金額情報
(C_UOM_ID)数量単位(QtyEntered)入力数量
(C_Tax_ID)税金情報
(Qty)照合数量
(PriceEntered)入力単価 (PriceActual)単価
(M_PriceList_ID)プライスリスト (C_Currency_ID)通貨 (C_ConversionType_ID)通貨レートタイプ
(Description)説明
- リファレンス
(C_Currency_ID_To)目標通貨
(JP_ExchangedAmt)換算金額 (JP_ExchangedNoTaxAmt)換算金額(税抜) (JP_ExchangedPriceActual)換算金額(単価)
税込価格(IsTaxInclude)
(M_InOutLine_ID)入荷伝票明細
(JP_ApplyQty)適用数量
(MultiplyRate)掛算レート (DivideRate)割算レート
(LineNetAmt)行合計
在庫評価計ログタブでは、在庫評価計算伝票明細タブの計算根拠となったデータを監査目
的のためにログとして記録しておく事を目的としています。
適用金額 (JP_ApplyAmt)
(MovementDate)移動日付
(DateOrdered)発注日付
(DateInvoiced)請求日付
(MovementDate)移動タイプ
(QtyOrdered)発注数量
(QtyReserved)未入荷発注数量 (QtyDelivered)入荷済数量 (QtyInvoiced)請求済数量
(C_OrderLine_ID)発注照合明細
(C_InvoiceLine_ID)請求照合明細
(JP_BeginInvValCalLine_ID)
期首在庫となる
在庫評価計算伝票明細
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在庫評価計算伝票
JPiereデフォルトの処理
在庫評価計算伝票明細作成プロセス
在庫評価計算プロセス
在庫評価伝票明細作成ボタンを押すと実行されるプロセスのクラスとしてJPiereでは、
jpiere.base.plugin.org.adempiere.processパッケージにDefaultCreateInvValCalLineク
ラスを用意しています。このクラスでは在庫評価計算伝票の評価日付をキー情報として、組
織在庫(JP_stockOrg)から、在庫数量を取得し、在庫評価計算伝票明細を作成します。在庫
評価計算伝票明細の作成対象となる品目マスタは、品目タイプがアイテムで、”在庫管理す
るフラグ”がONの品目マスタです。
在 庫 評 価 計 算 ボ タ ン を 押 す と 実 行 さ れ る プ ロ セ ス の ク ラ ス と し て JPiere で は 、
jpiere.base.plugin.org.adempiere.process パ ッ ケ ー ジ に
DefaultInventoryValuationCalculate ク ラ ス を 用 意 し て い ま す 。
DefaultInventoryValuationCalculateクラスは、在庫評価計算伝票明細に設定されている評
価方法に従って、それぞれ下記のようなロジックで在庫評価金額を計算します。
先入れ先出し(FIFO)
まず評価日付から前回評価日付の期間の"入荷伝票"と"仕入先返品依頼伝票"の伝票ステー
タスが”完成”か”クローズ”の明細データを取得します。
次にその中から、入荷伝票の入荷数量が0以下のマイナス数量の明細データと仕入先返品
依頼伝票の明細データは在庫評価計算から除外します。
計算対象が入荷伝票のプラスの数量の明細に絞られたところで、評価日付に近い移動日付
の順番にその入荷伝票明細が照合されている、発注伝票の金額(発注金額)もしくは仕入請求
伝票の金額(請求金額)を使用して在庫評価して行きます。
評価日付から前回評価日付の期間の入荷伝票に照合されている、発注伝票もしくは仕入請
求伝票で、すべての在庫の評価ができなかった場合、残りの部分は標準原価の“現在の原価”
で評価します。
発注金額と請求金額のどちらで評価するかは、在庫評価プロフィールで設定する事ができ
ます。
評価日付の時点でマイナス在庫数量の場合、マイナス在庫数量の絶対値分の、在庫評価を
行い、1個当たりの正の評価金額(在庫評価単価)を算出し、後でマイナス在庫数量を乗算す
る事で負の評価金額を算出します。
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在庫評価計算伝票
後入れ先出し(LIFO)
まず評価日付から前回評価日付の期間の"入荷伝票"と"仕入先返品依頼伝票"の伝票ステー
タスが”完成”か”クローズ”の明細データを取得します。
次にその中から、入荷伝票の入荷数量が0以下のマイナス数量の明細データと仕入先返品
依頼伝票の明細データは在庫評価計算から除外します。
そして前回評価日付に近い移動日付の順番にその入荷伝票明細が照合されている、発注伝
票の金額(発注金額)もしくは仕入請求伝票の金額(請求金額)を使用して在庫評価して行きま
す。
評価日付から前回評価日付の期間の入荷伝票に照合されている、発注伝票もしくは仕入請
求伝票で、すべての在庫の評価ができなかった場合、残りの部分は標準原価の“現在の原価”
で評価します。
発注金額と請求金額のどちらで評価するかは、在庫評価プロフィールで設定する事ができ
ます。
評価日付の時点でマイナス在庫数量の場合、マイナス在庫数量の絶対値分の、在庫評価を
行い、1個当たりの正の評価金額(在庫評価単価)を算出し、後でマイナス在庫数量を乗算す
る事で負の評価金額を算出します。
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在庫評価計算伝票
平均発注単価
 単純平均(期間平均)
まず評価日付から前回評価日付の期間の"入荷伝票"と"仕入先返品依頼伝票"の伝票ステー
タスが”完成”か”クローズ”の明細データを取得します。
次にその中から、入荷伝票の入荷数量が0以下のマイナス数量の明細データと仕入先返品
依頼伝票の明細データは在庫評価計算から除外します。
計算対象が入荷伝票のプラスの数量の明細に絞られたところで、その中から照合されてい
る発注伝票明細の発注金額の合計から平均単価を算出します。
 総平均
総平均の場合、単純平均(期間平均)の計算処理に加えて、期首在庫となる在庫評価計算伝票
の情報を加味して平均単価を算出します。
【補足説明】平均発注単価の計算から返品データを除外している理由。
返品処理のデータを平均発注単価の計算に加味すると複雑性が増し実装工数が増えます。
そして、一方で返品処理のデータを加味しても加味しなくても、最終的に平均発注単価の計算とし
ては、大きな差異はなく無視できる程度の差異なのではないかと思います("重要性の原則"の観点か
ら考えて、問題になるほど大きな差異にはならないと思います)。
そのためデフォルトでJPiereが用意している平均発注単価の在庫評価計算においては今のところ返
品処理のデータは平均発注単価の計算においては無視する仕様としています。
JPiereの在庫評価計算は、計算処理をするプロセスをプラグインとして差し替える事ができますの
で、上記仕様で問題がある場合には自由にカスタマイズして下さい。
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在庫評価計算伝票
平均請求単価
 単純平均(期間平均)
まず評価日付から前回評価日付の期間の"入荷伝票"と"仕入先返品依頼伝票"の伝票ステー
タスが”完成”か”クローズ”の明細データを取得します。
そして、その入荷伝票明細が照合されている請求伝票明細の請求金額の合計から平均単価
を算出します。
 総平均
総平均の場合、単純平均(期間平均)の計算処理に加えて、期首在庫となる在庫評価計算伝票
の情報を加味して平均単価を算出します。
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在庫評価計算伝票
最終発注単価
最終請求単価
まず評価日付から前回評価日付の期間の"入荷伝票"と"仕入先返品依頼伝票"の伝票ステー
タスが”完成”か”クローズ”の明細データを取得します。
そしてその中から、入荷伝票の入荷数量が0以下のマイナス数量の明細データと仕入先返
品依頼伝票の明細データは在庫評価の計算から除外します。
計算対象が入荷伝票のプラスの数量の明細に絞られたところで、評価日付に近い移動日付
の入荷伝票明細が照合されている、発注伝票の金額(発注金額) を使用して在庫評価して行き
ます。
評価日付から前回評価日付の期間の入荷伝票に照合されている発注伝票がなかった場合、
標準原価の“現在の原価”で評価します。
まず評価日付から前回評価日付の期間の"入荷伝票"と"仕入先返品依頼伝票"の伝票ステー
タスが”完成”か”クローズ”の明細データを取得します。
そしてその中から、入荷伝票の入荷数量が0以下のマイナス数量の明細データと仕入先返
品依頼伝票の明細データは在庫評価の計算から除外します。
計算対象が入荷伝票のプラスの数量の明細に絞られたところで、評価日付に近い移動日付
の入荷伝票明細が照合されている、仕入請求伝票の金額(発注金額) を使用して在庫評価して
行きます。
評価日付から前回評価日付の期間の入荷伝票に照合されている仕入請求伝票がなかった場
合、標準原価の“現在の原価”で評価します。
【補足説明】在庫評価計算における端数処理について
JPiere の 標 準 と し て 用 意 さ れ て い る 、 在 庫 評 価 計 算 伝 票 明 細 作 成 ク ラ ス
(jpiere.base.plugin.org.adempiere.process.DefaultCreateInvValCalLine)と在庫評価計算クラス
(jpiere.base.plugin.org.adempiere.process.DefaultInventoryValuationCalculate)において、在
庫評価計算の端数処理は、“在庫計算伝票ヘッダの明細行合計(JP_InvVal.TotalLines)”と“在庫計算
伝票明細の在庫評価金額(JP_InvValCalLine.JP_InvValTotalAmt)”は、在庫計算伝票ヘッダの通貨
の標準精度を適用し、それ以外の金額欄については原価計算精度を適用しています。
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在庫評価計算伝票
品目原価更新プロセス
在 庫 評 価 計 算 ボ タ ン を 押 す と 実 行 さ れ る プ ロ セ ス の ク ラ ス と し て JPiere で は 、
jpiere.base.plugin.org.adempiere.process パ ッ ケ ー ジ に
DefaultInvValCalUpdateCostクラスを用意しています。 在庫評価明細毎に計算されてい
る評価額をもとに対応する標準原価を更新します。
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品目原価更新と原価調整伝票
 原価調整伝票
原価調整伝票を使用する事により、標準原価の変更を会計に反映させる事ができます。
一連のJPiereの期末在庫評価の処理の中では、原価調整伝票を使用するかどうかは任意です。
JPiereでは在庫の評価金額が著しく低下した場合などに使用する事を想定しています。
原価調整伝票は品目ひとつずつ起票していく事もできますし、iDempiereの標準機能であ
る”品目原価更新”を行う事により、自動作成する事もできます。ここでは、iDempiere標準
機能の品目原価更新と原価調整伝票について説明します。
品目原価更新プロセス
品目原価更新
Save Parameters ▼
品目カテゴリ (M_Product_Category_ID) ▼
標準原価設定 (SetStandardCostTo) ▼
将来原価設定 (SetFutureCostTo) ▼
プライスリストバージョン (M_PriceList_Version_ID) ▼
原価調整伝票で使用する
伝票タイプ (C_DocType_ID) ▼
”品目原価更新”プロセスを実行する事により、標準原価を更新する事ができます。そして、
ベース会計スキーマの現在の原価と更新する標準原価の値に差額がある場合は、その金額を
もとに原価調整伝票を自動作成し、会計に反映させる事ができます。
標準原価には”現在の原価”と”将来の原価”があり、それぞれに次のリストから選択し、更新する事ができま
す。
• FiFo(FiFo: F)…先入先出法により評価した原価で、標準原価を更新する。
• LiFo(LiFo: L)…後入先出法におり評価した原価で、標準原価を更新する。
• プライスリスト(限度価格)(Price List(Limit): LL)…選択したプライスリストバージョンの限度価格で標準
原価を更新する。
• 標準原価(将来の原価)(Future Standard Cos: f)…標準原価の将来の原価で、標準原価を更新する。
• 標準原価(現在の原価)(Standard Cost: S)…標準原価の現在の原価で、標準原価を更新する。
• 標準原価(更新しない)(Old Standard Cost: x)…標準原価は更新しない。
• 平均請求原価(Average Invoice: I)…平均請求原価により標準原価を更新する。
• 平均発注原価(Average PO: A)…平均発注原価により標準原価を更新する。
• 最終請求原価(Last PO Price: i)…最終請求原価により標準原価を更新する。
• 最終発注原価(Last PO Price: p)…最終発注原価により標準原価を更新する。
• 蓄積した平均請求原価(Average Invoice History: DI)…平均請求原価のデータにある蓄積金額と蓄積数量
から単価を算出し、標準原価を更新する。
• 蓄積した平均発注原価(Average PO History: DP)…平均発注原価にデータにある蓄積金額と蓄積数量から
単価を算出し、標準原価を更新する。
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品目原価更新と原価調整伝票
伝票タイプ
原価調整伝票で使用する伝票タイプを選択します。標準原価を更新する場合には必須入力
になります。
プライスリストバージョン
標準原価設定と将来原価設定のどちらかに”プライスリスト(限度)”が設定されている場合
には必須入力になります。
品目カテゴリ
品目カテゴリを指定して、品目原価を更新する処理を絞り込む事ができます。
標準原価設定
標準原価の”現在の原価”に設定する金額を選択します。
将来原価設定
標準原価の”将来の原価”に設定する金額を選択します。この選択項目に”標準原価(将来の
原価)”を選択するとエラーになります。
品目原価更新プロセスの実行条件
【補足説明】品目原価更新プロセスが自動作成する原価調整伝票の組織
品目原価更新プロセスが、原価調整伝票を自動作成する際に、その組織はログイン時に選択した組
織になります。そのため原価調整を行った際の差損益が、その組織の計上されます。そしてログイン
時に選択した組織が”*”の場合は、エラーになりますので注意して下さい。
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品目原価更新と原価調整伝票
原価調整伝票
原価調整伝票を使用する事により、品目の原価を調整する事ができます。iDempiereでは
標準原価以外の棚卸資産の評価方法を選択すると、iDempiereが自動で計算してくれます。
しかし、在庫の評価金額が著しく下落した場合、強制的に在庫の評価金額の切り下げを求め
られる場合があります。そのような場合に、原価調整伝票を使用して原価(≒棚卸資産の評価
金額)を更新する事ができます。
この方法は、会計処理的な観点からは、永続的に評価減する”切放法”的な処理です。洗替
法が求められる場合は、棚卸資産の評価損の計上については、振替仕訳で対応する事をおス
スメ致します。
原価調整伝票タブ
原価調整伝票 [ 選択レコード/表示レコード数]
(AD_Client_ID)
原価調整伝票
クライアント* (AD_Org_ID)組織*
伝票ステータス更新
- ステータス
(C_DocType_ID)伝票タイプ* ▼ (DocumentNo)伝票番号
(CostimngMethod)在庫評価方法* ▼
(DocStatus)伝票ステータス*
(Description)説明*
(MovementDate)移動日付*
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品目原価更新と原価調整伝票
原価調整伝票明細タブ
原価調整伝票 > 原価調整伝票明細 [ 選択レコード/表示レコード数]
(AD_Client_ID)
原価調整伝票
クライアント* (AD_Org_ID)組織*
(M_Inventory_ID)原価調整伝票*
(Description)説明
(M_Product_ID)品目*
(Line)明細番号
(NewCostPrice)新しい原価 (C_Charge_ID)料金タイプ ▼(CurrentCostPrice)現在の原価
(M_AttributeSetInstance_ID)属性セット新スタンス
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品目原価積上げ
 品目原価積上げ
在庫評価計算伝票で計算し更新した標準原価の金額をもとに、iDempiere標準機能の”品
目原価積上げ”を実行して、部品表(BOM)を持つ品目マスタの標準原価を更新します。
品目原価積上げ
品目原価積上げ
Save Parameters ▼
品目カテゴリ (M_Product_Category_ID) ▼
品目 (M_Product_ID) ▼
原価要素* (M_CostElement_ID) ▼
品目カテゴリ
品目原価積上げを実行する対象を、品目カテゴリにより絞り込む事ができます。入力しな
い場合は、部品表(BOM)を持つすべての品目マスタを対象に原価積上げが実行されます。
品目
品目を特定して品目原価積上げを実行します。品目が入力されている場合は、品目カテゴ
リの入力は無視されます。
原価要素
ここで選択した原価要素が設定されている品目原価に原価積上げの処理が実行されます。
【カスタマイズポイント】品目原価積上げの処理について
品目原価は、会計スキーマ、組織、原価タイプ、原価要素をキー情報として複数保持する事ができま
すが、品目原価積上げ処理ではそのうち原価要素だけをその処理のキー情報として使用しています。そ
のため、例えば会計スキーマが2つある場合などには正しく原価積上げの計算ができません。複雑な
ケースで正しく、品目原価積上げを実施する場合には、予めFit&Gap分析を行い、GAPがあれば品目原
価積上げプロセスをカスタマイズして下さい。
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在庫評価レポート
 在庫評価レポート
在庫評価レポートは、iDempiereの標準機能です。ここまでの一連の期末在庫評価の処理
で、標準原価を期末の評価額に更新していますので、在庫評価レポートを使用して倉庫単位
で品目毎の在庫評価金額を一覧表示し確認する事ができます。
在庫評価レポートの実行条件
在庫評価レポート
Save Parameters ▼
評価日付* (DateValue)
倉庫* (M_Warehouse_ID) ▼
通貨* (C_Currency_ID) ▼
プライスリストバージョン* (M_PriceList_Version_ID) ▼
原価要素 (M_CostElement_ID) ▼
倉庫
在庫評価を行う倉庫を選択します。
通貨
在庫評価を行う通貨を選択します。
プライスリストバージョン
在庫評価に使用するプライスリストバージョンを選択します。
評価日付
在庫評価の日付を入力します。
原価要素
在庫評価に使用する原価要素を選択します。
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在庫評価レポート
在庫評価レポート
手持在庫数量(QtyOnHand)
在庫評価レポートの実行条件に指定した評価日付の選択した倉庫の手持在庫数量が表示さ
れます。
標準原価(CostStandard)
ベース会計スキーマの標準原価が表示されます。正確には、ベース会計スキーマの品目原
価で、原価要素に在庫評価方法が標準原価(S)で原価要素タイプが"材料(M)"の原価要素が設
定されている"現在の原価(CurrentCostPrice)"が表示されます。標準原価の通貨と、在庫評
価レポートの通貨が異なる場合は換算されます。
標準原価による評価額(CostStandardAmt)
手持ち在庫×標準原価です。
仕入価格(PricePO)
品目マスタの購買情報タブ(M_Product_PO)の現在の仕入先フラグがONになっているレ
コードの仕入価格(ProicePO)が表示されます。購買情報タブに設定されている通貨と、在庫
評価レポートの通貨が異なる場合は、換算されます。
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在庫評価レポート
仕入価格による評価額(PricePOAmt)
手持ち在庫×仕入価格です。
定価(PriceList)
在庫評価レポートの実行条件に指定したプライスリストバージョンの定価が表示されます。
プライスリストの通貨と在庫評価レポートの通貨が異なる場合は、換算されます。
定価による評価額(PriceListAmt)
手持ち在庫×定価です。
標準価格(PriceStd)
在庫評価レポートの実行条件に指定したプライスリストバージョンの標準価格が表示され
ます。プライスリストの通貨と在庫評価レポートの通貨が異なる場合は、換算されます。
標準価格による評価額(PriceStdAmt)
手持ち在庫×標準価格です。
限度価格(PriceLimit)
在庫評価レポートの実行条件に指定したプライスリストバージョンの限度価格が表示され
ます。プライスリストの通貨と在庫評価レポートの通貨が異なる場合は、換算されます。
限度価格による評価額(PriceLimitAmt)
手持ち在庫×限度価格です。
原価要素(M_CostElement_ID)
在庫評価レポートの実行条件で選択した原価要素が表示されます。
原価(Cost)
在庫評価レポートの実行条件で選択した、原価要素の"現在の原価(CurrentCostPrice)"が
表示されます。原価の通貨と、在庫評価レポートの通貨が異なる場合は、換算されます。
原価による評価額(CostAmt)
手持ち在庫×原価です。
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在庫評価用プライスリストの更新
 在庫評価用プライスリストの更新
標準原価は品目原価タブの"現在の原価"フィールドに記録されており、在庫評価を行う毎
に更新されます。そのため標準原価の履歴を保持するために、JPiereではプライスリストを
使用します。プライスリストはバージョンにより日付毎の金額を保持する事ができ、在庫評
価レポートでも使用できたり、販売用プライスリストを自動作成するための基準としても活
用できるので、標準原価の履歴を保持するのに適任です。在庫評価用プライスリストの更新
プロセスでは、評価日付でプライスリストのバージョンを作成し、標準原価をプライスリス
トにコピーします。
在庫評価用プライスリストの更新プロセス
在庫評価用プライスリストの更新
保存されているパラ
メータ
▼
在庫評価プロファイル (JP_InvValProfile_ID) ▼
評価日付 (DateValue)
• 在庫評価レベルがバッチ/ロット(属性セットインスタンス)レベルの場合は、在庫評価用
プライスリストの更新プロセスの処理対象外です。
• 在庫評価用プライスリストを実行する前に、評価日付の組織在庫のタイムスタンプのデー
タが作成されている必要があります。在庫評価用プライスリストの更新プロセスでは、組
織在庫のタイムスタンプ内に存在している品目マスタに対して行われます。
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棚卸資産勘定残高のタイムスタンプ作成
 棚卸資産勘定残高のタイムスタンプ作成
棚卸資産勘定残高のタイムスタンプ作成
在庫評価日における棚卸資産勘定の残高をタイプスタンプとして記録します。
在庫数量のタイムスタンプとして、評価日付の品目の在庫数量を組織毎に算出し、
JP_InvOrgBalanceテーブルに記録します。
組織別棚卸資産勘定の残高
保存されているパラ
メータ
▼
評価日付*
JPIERE-0162:組織別棚卸資産勘定残高のタイムスタンプ(在庫評価日×組織×品目)
組織別棚卸資産勘定残価のタイムスタンプ作成プロセス
会計スキーマ* ▼
【カスタマイズポイント】評価日付の品目別の棚卸資産勘定残高の求め方
評価日付の棚卸資産勘定残価を求めるのに、総勘定元帳のデータを集計するのは実装は簡単ですが、
総勘定元帳のデータが多くなるにつれて処理に時間がかかるようになります。総勘定元帳のデータが膨
大な量になる事があらかじめ見込まれる場合は、前回の評価日付のデータから更新された分を集計する
などの処理ロジックに変更する事により処理時間を短縮できるのではないかと思います。
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棚卸資産勘定残高のタイムスタンプ作成
組織棚卸資産勘定残価のタイムスタンプ確認用ウィンドウ(JP_InvOrgBalanceテーブル)
組織在庫のタイムスタンプ作成プロセスで作成したデータを確認するためのウィンドウで
す。組織在庫のタイムスタンプは会計スキーマ、組織、品目、評価日付で一意になります。
組織別棚卸資産勘定残高のタイムスタンプ [ 選択レコード/表示レコード数]
(AD_Client_ID)
組織別棚卸資産勘定残高のタイムスタンプ
クライアント* (AD_Org_ID)組織*
(C_AcctSchema_ID)会計スキーマ*
(M_Product_ID)品目 (DateValue)評価日付*
(Account_ID)棚卸資産勘定*
(AmtAcctDr)借方会計通貨金額* (AmtAcctCr)貸方会計通貨金額* (AmtAcctBalance)残高*
(QtyBook)帳簿数量*
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在庫評価調整伝票
 JPIERE-0163:在庫評価調整伝票
在庫評価調整伝票概要
在庫評価調整伝票は、在庫の評価の結果を受けて、その結果を会計に反映させるための伝
票です。組織と品目の単位で明細を作成し、評価金額を計算します。そして、計算した評価
金額をもとに、振替伝票を作成します。
在庫評価調整伝票には、次の3つの処理ステップがあり、それぞれに独立した処理として、
在庫評価プロファイルにより自由にカスタマイズできるようになっています。
Step1:在庫評価調整伝票明細の作成
Step2:在庫評価調整額計算
Step3:在庫評価伝票明細をもとに振替伝票作成
在庫評価プロファイルに定義されている明細作成クラスを呼び出して、在庫評価調整伝票
明細を作成します。次の”Step2:在庫評価調整額計算”では、ここで作成した在庫評価調整伝
票明細に対して、在庫評価の計算を行います。
“Step1:在庫評価調整伝票明細の作成”で作成した明細毎に、在庫の評価調整金額を計算し
ます。その計算は、在庫評価プロファイルに定義されている在庫評価調整クラスが行います。
“Step2:在庫評価調整額計算”で計算した調整金額をもとに、振替伝票を作成します。
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在庫評価調整伝票
在庫評価調整伝票
在庫評価調整額計算
明細作成
在庫評価調整伝票タブ(JP_InvValAdjustテーブル)
在庫評価調整伝票 [ 選択レコード/表示レコード数]
(AD_Client_ID)
在庫評価調整伝票
クライアント* (AD_Org_ID)組織*
伝票ステータス更新
- ステータス
(C_DocType_ID)伝票タイプ* ▼ (DocumentNo)伝票番号
(DateValue)評価日付*
(SalesRep_ID)社内担当者*
(JP_InvValProfile_ID)在庫評価プロファイル* ▼ (C_Currency_ID)通貨*
(TotalLine)明細行合計*
(DocStatus)伝票ステータス*
(Description)説明*
振替伝票作成
JPiereでは棚卸資産の増減に関する自動仕訳には標準原価を使用する事を推奨しています。
そのためリアルタムで計算されている在庫金額は管理会計としての速報値的な数値です。在
庫評価調整伝票では、そのリアルタイムで計算されている管理会計の速報値的な在庫評価金
額を、財務会計として評価した正しい在庫評価金額に調整するのに使用します。
- リファレンス
(C_InvValCal_ID)在庫評価計算伝票
20XX/8/10実行日時* 10:00:00
20XX/8/10実行日時* 10:00:00
20XX/8/10実行日時* 10:00:00
(JP_ProcessedTime1 )
(JP_ProcessedTime2 )
(JP_ProcessedTime3 )
(JP_Processing1 )
(JP_Processing2 )
(JP_Processing3 )
(Processing )
(GL_Journal_ID)振替仕訳
(DateAcct)転記日付*
伝票タイプ
在庫評価調整伝票の伝票タイプを選択します。在庫評価調整伝票のベース伝票タイプ
は”JPA”です。
評価日付
在庫評価を行う日付です。この評価日付の在庫数量に対して、在庫評価金額を計算します。
転記日付
在庫評価を行う日付です。この評価日付の在庫数量に対して、在庫評価金額を計算します。
在庫評価の調整を行う振替伝票の日付に使用する事を想定しています。
(DifferenceAmt)差異金額*
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在庫評価調整伝票
在庫評価プロファイル
在庫評価プロファイルを選択します。在庫評価プロファイルは、在庫評価調整伝票明細作
成プロセスを実行すると変更する事ができなくなります。
通貨
在庫評価プロファイルより自動設定されます。
在庫評価調整伝票明細作成ボタン
在庫評価プロファイルに設定されている在庫評価調整伝票明細作成クラスのプロセスが呼
び出されます。伝票の完成前であれば何度でも再実行できます。
在庫評価調整額計算ボタン
在庫評価プロファイルに設定されている在庫評価調整額計算クラスのプロセスが呼び出さ
れます。在庫評価調整伝票明細作成プロセスが実行されると表示されるボタンです。
在庫評価調整振替伝票作成ボタン
在庫評価プロファイルに設定されている振替伝票作成クラスのプロセスが呼び出されます。
在庫評価調整額計算プロセスが実行されると表示されるボタンです。在庫評価調整振替伝票
作成ボタンは、在庫評価調整伝票を完成にした後でも、押す事ができます。
明細行合計
参考情報として、在庫評価調整伝票明細の在庫評価金額(JP_InvValTotalAmt)の合計値を
表示します。財務会計上の在庫評価金額の合計になる事を想定しています。
差異金額
参考情報として、在庫評価調整伝票明細の差異金額(DeffierenceAmt)の合計値を表示し
ます。財務会計上の在庫評価金額にするために必要となる調整金額の合計値を表示する事を
想定しています。
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在庫評価調整伝票
在庫評価調整伝票明細タブ(JP_InvValAdjustLineテーブル)
在庫評価調整伝票 > 在庫評価調整伝票明細 [ 選択レコード/表示レコード数]
(AD_Client_ID)
在庫評価調整伝票
クライアント* (AD_Org_ID)組織*
(JP_InvValAdjust_ID)在庫評価調整伝票*
(M_Product_ID)品目*
(Line)明細番号
(CostingMethod)在庫評価方法* (CostingLevel)在庫評価レベル*(C_AcctSchema_ID)会計スキーマ*
- リファレンス
(JP_InvValCalLine_ID)在庫評価計算伝票明細
(Account_ID)棚卸資産勘定*
(AmtAcctDr)借方会計通貨金額* (AmtAcctCr)貸方会計通貨金額* (AmtAcctBalance)残高*
(QtyBook)帳簿数量* (JP_InvValAmt)在庫評価単価* (JP_InvValTotalAmt)在庫評価金額*
(DifferenceAmt)差異金額*
(DifferenceQty)差異数量(QtyOnHand)手持在庫数量
(Description)説明
(JP_JournalLineDr_ID)振替仕訳伝票明細(借方) (JP_JournalLineCr_ID)振替仕訳伝票明細(貸方)
 確認済み(IsConfirmed)
組織毎に品目の在庫評価金額を計算し、実際に転記されている金額を調整するために使用
する事を想定しているタブです。
(AD_OrgTrx_ID)取引組織*
(M_AttributeSetInstance_ID)属性セットインスタンス
会計スキーマ
在庫評価プロファイルに設定さている会計スキーマを設定し、在庫評価調整金額の計算に
使用する事を想定しています。
在庫評価方法
在庫評価プロファイルに設定さている在庫評価方法を設定し、在庫評価調整金額の計算に
使用する事を想定しています。
在庫評価レベル
在庫評価プロファイルに設定さている在庫評価レベルを設定し、在庫評価調整金額の計算
に使用する事を想定しています。
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在庫評価調整伝票
勘定科目
棚卸資産勘定科目を設定し、在庫評価金額を調整する振替仕訳を作成する際に使用する事
を想定しています。
帳簿数量
会計として管理している評価日付時点の数量を設定し、在庫評価調整金額の計算に使用す
る事を想定しています。
在庫評価単価
在庫評価計算伝票での計算結果を在庫評価単価に設定し、在庫評価調整金額の計算に使用
する事を想定しています。
在庫評価金額
帳簿数量×在庫評価単価の金額を保持し、在庫評価調整金額の計算に使用する事を想定し
ています。
借方会計通貨金額
在庫評価日付時点における、勘定科目の借方会計通貨金額の残高を設定し、在庫評価調整
金額の計算に使用する事を想定しています。
貸方会計通貨金額
在庫評価日付時点における、勘定科目の貸方会計通貨金額の残高を設定し、在庫評価調整
金額の計算に使用する事を想定しています。
記帳残高
借方会計通貨金額 - 貸方会計通貨金額。在庫評価調整金額の計算に使用する事を想定して
います。
差異金額
在庫評価金額 – 記帳残高。この金額を在庫評価調整金額として、振替仕訳を作成する事を
想定しています。
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在庫評価調整伝票
手持在庫数量
在庫管理として管理している在庫数量を設定する事を想定しています。
差異数量
手持在庫数量 – 帳簿数量。在庫管理上の在庫数量と財務会計上の在庫数量の差異。
確認済み
差異数量の要因を把握した時にONにする事を想定した備忘記録的フラグです。
借方振替伝票明細
在庫評価調整伝票明細をもとに起票された振替伝票の明細を保持する事を意図しています。
貸方振替伝票明細
在庫評価調整伝票明細をもとに起票された振替伝票の明細を保持する事を意図しています。
Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 43
在庫評価調整伝票
在庫数量差異ログタブ(JP_InventoryDiffQtyLogテーブル)
在庫評価調整伝票 > 在庫評価調整伝票明細 > 在庫数量差異ログ [ 選択レコード/表示レコード数]
(AD_Client_ID)
在庫評価調整伝票
クライアント* (AD_Org_ID)組織*
(JP_InvValAdjustLine_ID)在庫評価調整伝票明細*
(M_Product_ID)品目
(Line)明細番号
(M_Transaction_ID)在庫取引管理台帳(M_InOutLine_ID)入出荷伝票明細
(MovementDate)移動日付
(MovementType)移動タイプ (MovementTQty)移動数量 (JP_AdjustToAcctQty)会計数量への調整数量
(Description)説明
(AD_OrgTrx_ID)取引組織*
(DateAcct)転記日付
在庫数量差異ログタブでは、在庫管理で管理している在庫数量と、会計で管理している在
庫数量に差異があった場合に、その再原因を記録しておく事を意図したタブです。在庫評価
日より以前の日付の伝票がすべて正しく転記されている場合、在庫の差異の原因の多くは、
入荷伝票もしくは納品出荷伝票において、移動日付と転記日付が在庫評価日付を跨いで異な
る事によります。
会計数量への調整数量
在庫管理上の在庫数量から、財務会計上の在庫数量へ調整するための数量を設定する事を
想定しています。在庫管理上の在庫数量 + 会計数量への調整数量 = 財務管理上の在庫数量。
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在庫評価調整伝票
在庫評価調整伝票明細作成プロセス
在庫評価調整額計算プロセス
在庫評価調整伝票明細作成ボタンを押すと実行されるプロセスのクラスとしてJPiereでは、
jpiere.base.plugin.org.adempiere.processパッケージにDefaultCreateInvValAdjustLine
クラスを用意しています。このクラスでは在庫評価調整伝票の評価日付をキー情報として、
組織別棚卸資産勘定残高のタイムスタンプ(JP_InvOrgBalance)から、棚卸資産勘定残高を
取得し、在庫評価調整伝票明細を作成します。
在庫評価調整額計算ボタンを押すと実行されるプロセスのクラスとしてJPiereでは、
jpiere.base.plugin.org.adempiere.processパッケージにdefaultInvValAdjustCalculateク
ラスを用意しています。このクラスは、在庫評価単価を在庫評価プロファイルに設定されて
いるプライスリストの在庫評価日付のバージョンに設定されている標準価格から取得します
(該当するデータ存在しない場合は、標準原価の現在の原価を取得します)。そして在庫評
価単価と財務会計として管理している在庫数量を乗算し、会計上の評価金額を算出します。
再度に、評価金額と現在記帳されている棚卸資産勘定残高との差異を計算します。
JPiereデフォルトの処理
在庫評価調整振替伝票作成プロセス
在庫評価振替伝票作成ボタンを押すと実行されるプロセスのクラスとしてJPiereでは、
jpiere.base.plugin.org.adempiere.processパッケージにDefaultInvValAdjustGLJournal
クラスを用意しています。会計上の評価金額にするために、棚卸資産勘定残高を調整する振
替伝票を自動作成します。
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会計期間を跨ぐ入出荷伝票チェックリスト
 JPIERE-0164:会計期間を跨ぐ入出荷伝票チェックリスト
会計期間を跨ぐ入出荷伝票チェックリスト
在庫評価日において、在庫管理上の在庫数量と財務会計上の在庫数量との差異をチェック
するためのレポートです。例えば、財務会計上は基本的には売上の計上タイミングで在庫数
量を減らす必要がありますが、在庫管理上は倉庫より搬出したら在庫を減らしたいなどの要
望がある場合、在庫数量を減らすタイミングは常に同じ日付になるとは限りません。そのよ
うな場合にこのレポートを使用して、在庫評価日における在庫管理上の在庫数量と財務会計
上の在庫数量の差異要因となっている入出荷確認伝票の明細を一覧表示し、確認する事がで
きます。
会計期間を跨ぐ
入出荷確認伝票チェックリスト
保存されているパラ
メータ
▼
評価日付*
レポート条件入力画面
組織 ▼
倉庫 ▼
品目 ▼
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会計期間を跨ぐ入出荷伝票チェックリスト
レポート出力画面
Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 47
期末在庫評価に関係するカスタマイズ一覧
【JPIERE-0159】組織在庫のタイムスタンプ
【JPIERE-0160】在庫評価プロファイル
【JPIERE-0161】在庫評価計算伝票
【JPIERE-0162】棚卸資産勘定残高のタイムスタンプ
【JPIERE-0163】在庫評価調整伝票
【JPIERE-0164】会計期間を跨ぐ入出荷伝票の確認レポート
【JPIERE-0169】在庫評価用プライスリストの更新
【JPIERE-0194】期末在庫評価 – 総平均原価の計算
【JPIERE-0195】在庫評価計算伝票の検索ウィンドウ
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  • 1. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. オープンソースのERP iDempiereの日本商習慣対応ディストリビューション = 期末在庫評価 =
  • 2. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 1 期末在庫評価:目次 期末在庫評価概要 在庫評価プロファイル 在庫数量のタイムスタンプ作成 在庫評価計算伝票 棚卸資産勘定残高のタイムスタンプ作成 在庫評価調整伝票 在庫評価レポート 品目原価更新と原価調整伝票 原価積上げ
  • 3. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 2 更新履歴 2016年9月:総平均原価の追加 期末在庫評価の計算方法に総平均原価を追加しました。  参照:【JPIERE-0194】期末在庫評価 – 総平均原価の計算 2016年11月:請求平均原価の計算において返品を加味するように修正 請求平均による期末在庫評価の計算において、返品を加味するように修正しました。  参照:【JPIERE-0194】期末在庫評価 – 総平均原価の計算
  • 4. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 3 期末在庫評価概要  期末在庫評価概要 ERPでは一般的に、在庫評価はリアルタイムで行います。在庫評価をリアルタイムで行う事により 売上原価、そして損益がリアルタムで算出でき、貸借対照表や損益計算書もリアルタムで作成する事 ができます。リアルタイムで企業の損益状況を把握できるというのはERPの大きな導入メリットのひ とつです。 多くのERPと同様に、iDempiereでもリアルタムで在庫評価を行い、貸借対照表、損益計算書もリ アルタムで作成できます。 しかし、リアルタイムで企業の損益状況を把握するためには、システムをリアルタイムで運用する 必要があります。これは、バッチ処理を前提とする業務処理やシステム運用とは異なる考え方であり、 バッチ処理を前提とする業務処理やシステム運用を行っていた企業がERPを導入し、リアルタイムで 企業の損益状況を把握しようとした場合は、大きなBPR(Business Process Re-engineering)が必要 になります。 そしてERPにおいてリアルタイムで在庫評価を正しく行う事は簡単な事ではりません。ERPは様々 なデータが連携しており、在庫の増減に係る処理はイレギュラー的な要素が多くあります。そして在 庫を評価する方法は複数あります。これらのあらゆる要素をすべて考慮し、矛盾なく汎用的にリアル タムで在庫評価を行うのは、簡単な事ではありません。 iDempiereでは、”標準原価”、”先入先出法(FIFO)”、”後入先出法(LIFO)”、”平均発注単価”、” 平均請求単価”、”最終発注単価”、”最終請求単価”の7つの方法で在庫の評価ができるように標準機 能で用意されています。そして、それぞれの評価方法で、在庫の評価金額を”クライアントレベ ル”、”組織レベル”、”バッチ/ロットレベル”と3つのレベルで算出できるように設計されています。 7つの在庫評価方法と3つの在庫評価レベルがあるため、組み合わせとしてはiDempiereの標準機能 だけでも21通りの在庫の評価が行えるようになっています。しかもiDempiereでは、ひとつの品目 に対して複数の評価金額を保持する事ができます(マルチ棚卸資産評価/マルチ原価)。 しかし、このiDempiereの在庫評価の仕組みが、多くの方の期待に応えられるように完璧に動作す るのかというと、残念ながらそうではありません。中には、そもそも実装されていない評価レベルと 評価方法の組み合わせも存在しています。そして、実装されてる在庫評価レベルと在庫評価方法で あっても、iDempiereを導入するユーザー企業の要件にあっているかどうかは別の話です。 iDempiereの提供している在庫評価の機能がユーザーの要件に合致しているかどうかのFit&Gap分析 による確認は必要になります。リアルタムで在庫の評価を行うためには、色々なイレギュラーケース を想定して、Fit&Gap分析を行う必要があります。例えば、マイナス在庫を許容する場合にマイナス 在庫になった場合の在庫評価ロジックは、実際のiDempiereの挙動とユーザー企業の要件が合致して いるかどうか確認する必要があるでしょう。 iDempiereの導入においてユーザー企業の要件にあうようにリアルタイムで正しく在庫評価を行え るようにする事は、業務要件の実装としては手間のかかる実装のひとつになります。 そこで、JPiereでは”素早く”、”低コスト”でユーザー企業の課題を解決するために、在庫評価につ いては、期中の在庫評価は”標準原価”を採用し、管理会計として企業の損益を速報値としてリアルタ ムに把握できるようにし、財務会計として法令を遵守した在庫評価については、決算処理の一環とし て期末に実施し、速報値とした算出している利益を修正する方法を基本としています。
  • 5. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 4 期末在庫評価概要 JPiereの期末在庫評価イメージ JPiereでは、自動仕訳で使用する在庫評価の金額は”標準原価”を前提としています。 iDempiereの”標準原価”は、ユーザー企業が自由に入力する事ができます。JPiereではユー ザーが任意に設定した標準原価を使用して、管理会計の観点より企業の損益をリアルタムで 把握できるようにしています。 標準原価を使用する事により、JPiereはリアルタイムで在庫評価を行う必要がなくなります。 この事により、リアルタイムで在庫評価を行うための様々な制約から解放されます。その代 り期末に在庫評価を行う仕組みが必要となりますが、その実装は確定した数値や取引をもと に計算するので、リアルタイムで在庫評価するのと比較して容易になります。これはJPiere の導入に際し、ユーザー企業とのFit&Gapの工数の軽減にもつながり、在庫評価方法にGAP があった場合のカスタマイズ工数の軽減にもなります。 この方法のデメリットは、期中に算出される利益は管理会計としての速報値であり、期末 に法令を遵守した財務会計値に修正する必要がある事です。しかし、デメリットとはいって も、もともと利益は決算整理仕訳により確定するものです。決算整理仕訳により利益の変動 がある事は普通の事ですし、リアルタイムで在庫評価をしていても、在庫の評価損の計上な どはやはり決算時に行うのが一般的でしょう。人為的に設定した標準原価と、期末に計算し た在庫評価金額が大きくかい離していて、利益に与える影響が大きくなる事が心配かもしれ ませんが、JPiereの期末在庫評価では、期末に評価した金額を”標準原価”に上書きする機能 も提供していますので、標準原価が実際の在庫評価金額と大きくかい離する事はありません。 そのため、標準原価の金額と、期末に評価した在庫金額に多少の差はあっても、利益に与え る影響は軽微にする事ができます。 標準原価をいちいち入力するのが面倒に思うかもしれません。iDempiereでは最初の発注 時の単価で標準原価を自動設定する機能があります。これを活用すれば、入力の手間を軽減 するだけでなく、初期の標準原価と実際の在庫評価金額のかい離も防ぐ事ができます。 JPiereでは期末において在庫を評価する事により、期中の利益は管理会計としての正確性 を担保しつつ、期末の在庫評価に柔軟性を持たせ、 ”素早く”、”低コスト”で導入する事がで きます。 当期 翌期期末 標準原価@100 期末在庫評価@110 標準原価@110 期末の評価金額で、標準原価を 更新する事により、標準原価と 評価額のかい離を少なくします。
  • 6. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 5 期末在庫評価概要 期末在庫評価手順 期末在庫評価は次の手順で行います。 期末(評価日付)の在庫数量の確定(在庫数量のタイムスタンプ作成) 在庫評価プロファイルの作成 在庫評価計算伝票の作成 製品の原価積み上げ 1 2 3 在庫評価計算伝票は、在庫の評価金額を計算するための伝票です。在庫評価の単位で、明細を作成し、評価金額を計 算します。そして、計算した評価金額の単価をもとに品目原価を更新します。 5 ”部品表フラグ”がONの品目マスタは、その材料となる品目の原価積み上げを行う事により標準原価を更新します。 在庫評価プロファイルには、在庫評価の方針や、一連の在庫評価処理に必要となる情報を設定します。在庫評価プロ ファイルにより、在庫評価の処理に一貫性を持たせる事ができます。 期末の在庫評価を行うために、期末時点(評価日付)の在庫数量を確定させる必要があります。そのため、在庫評価 日時点の在庫数量を予め算出し、タイムスタンプとして保持します。この在庫数量のタイムスタンプは、期末在庫評価 にも使用しますが、過去のある時点での在庫数量の参照情報として活用する事もできます。 1:在庫評価計算伝票明細の作成 2:在庫評価計算 3:在庫評価金額をもとに品目原価を更新 原価調整伝票による調整処理4 在庫評価計算伝票の評価金額をもとに品目原価を更新する処理で、将来の原価を更新した場合には、現在の原価に設 定する処理が必要です。その際に、原価調整伝票が起票されて、金額が調整されます。在庫評価計算伝票の評価金額を もとに品目原価を更新する処理で、直接現在の原価を更新した場合、原価調整伝票による調整処理は任意の処理となり ます。在庫評価計算伝票で算出した評価金額から、著しく価値が下落している場合など、評価減が必要になる場合は、 このタイミングで適切な評価金額に修正する事もできます。 在庫評価レポートによる確認6 ①~⑤までの処理で、標準原価が評価金額に更新されていますので、iDempiere標準の在庫評価レポートを使用して、 倉庫単位の在庫評価金額を確認する事ができます。会計を使用しない場合は、ここまでの処理で在庫評価を終了にする こともできます。会計を使用する場合は、次の会計への在庫評価の反映処理を行う必要があります。 在庫評価用プライスリストの更新7 標準原価は品目原価タブの現在の原価フィールドに記録されており、在庫評価を行う毎に更新されます。そのため標 準原価の履歴を保持するためには、JPiereではプライスリストを使用します。プライスリストはバージョンにより日付 毎の金額を保持する事ができ、在庫評価レポートでも使用できたり、販売用プライスリストを自動作成するための基準 としても活用できるので、標準原価の履歴を保持するのに適任です。在庫評価用プライスリストの更新プロセスでは、 評価日付でプライスリストのバージョンを作成し、標準原価をプライスリストにコピーします。
  • 7. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 6 期末在庫評価概要 会計への在庫評価の反映8 期末在庫評価の結果を会計へ反映させます。会計を別のシステムで処理している場合、そのシステムへのインター フェースするもととなるデータを作成する事も意図しています。 1:在庫評価日の棚卸資産勘定残高のタイプスタンプ作成 2:在庫評価調整伝票の作成 3:期末在庫評価額調整伝票から振替仕訳伝票の作成 JPiereで会計も行っている場合、在庫評価日における、棚卸資産勘定の品目別の仕訳合計残高のタイムスタ ンプを作成します。 品目の評価金額は、品目原価の”現在の原価”から取得し、数量は在庫評価日のタイムスタンプから取得し、 期末在庫評価額を算出します。会計を使用している場合には、その情報もタイムスタンプより収集します。 期末在庫評価額調整伝票の情報から振替仕訳伝票を作成します。JPiereで会計も行っている場合は、この振 替伝票を転記すれば調整完了です。他のシステムで会計を処理している場合には、この振替仕訳伝票の情報をも とに、インターフェースデータを作成する事を意図しています。 4:在庫評価日の棚卸資産勘定の残高のタイムスタンプ再作成 期末在庫評価額調整伝票により、在庫金額がに変動がある可能性がありますので、棚卸資産勘定の仕訳合計 残高のタイムスタンプを再作成しておきます。
  • 8. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 7 在庫評価プロファイル  JPIERE-0160:在庫評価プロファイル 在庫評価プロファイルには、在庫評価の方針や、一連の在庫評価処理に必要となる情報を 設定します。在庫評価プロファイルにより、在庫評価の処理に一貫性を持たせる事ができま す。 在庫評価プロファイルウィンドウ 在庫評価プロファイル [ 選択レコード/表示レコード数] (AD_Client_ID) 在庫評価プロファイル クライアント* (AD_Org_ID)組織* (Description)  アクティブ (C_AcctSchema_ID)会計スキーマ* (Value)検索キー* (IsActive) (Name)名称* 在庫評価プロファイルタブ(JP_InvValProfileテーブル) (JP_InvValCalLineClass) 在庫評価計算伝票明細作成 クラス (JP_InvValCalClass)在庫評価計算クラス (JP_InvValUpdateCostClass)品目原価更新クラス (CostingMethod)在庫評価方法* ▼ (CostingLevel)在庫評価レベル* ▼ 説明 - リファレンス (JP_InvValAdjustLineClass) 在庫評価調整伝票明細作成 クラス (JP_InvValAdjustCalClass)在庫評価調整額計算クラス (JP_GLJournalCreateClass)振替伝票作成クラス (C_Currency_ID)通貨* ▼  デフォルト(IsDefault) (M_Product_Category_ID)品目カテゴリ ▼ (JP_ApplyAmtList)適用金額* ▼ (JP_UpdateCost)更新する原価* ▼ • 会計スキーマを入力すると、在庫評価レベルと通貨は会計スキーマの値が自動入力され、変更で きなくなります。  在庫が0の場合でも在庫 評価する (IsZeroStockInvValJP) (C_DocType_ID)伝票タイプ ▼ (DocAction)伝票ステータス更新 ▼ (Account_ID)在庫評価調整勘定 ▼ (M_PriceList_ID)プライスリスト ▼ (M_DiscountSchema_ID)プライスリストスキーマ ▼ (C_ConversionType_ID)通貨レートタイプ* ▼ (JP_TypeOfAverageCost)平均単価の計算方法* ▼
  • 9. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 8 在庫評価プロファイル 会計スキーマ 在庫評価計算伝票の計算結果を反映させる会計スキーマを選択します。デフォルトフラグがONの場合、 必須入力になります。在庫評価方法が標準原価になっている会計スキーマを入力するのを意図しています。 デフォルト 在庫評価に一貫性を持たせるため、デフォルトとなる在庫評価プロファイルはこのフラグをONに、そ の他の在庫評価プロファイルと区別できるようにするフラグです。在庫評価の計算結果を標準原価に反映 させる正式な在庫評価プロファイルの場合にONにする事を意図しています。デフォルトフラグがOFFの 在庫評価プロファイルは、シミュレーション目的に使用する事を意図しています。デフォルトフラグを ONにすると、会計スキーマの入力が必須になります。 在庫の評価方法を設定します。 在庫評価方法 在庫の評価レベルを設定します。会計スキーマが入力されている場合は、会計スキーマの在庫評価レベ ルが自動設定され、変更できません。 在庫評価レベル 在庫評価を行う通貨を設定します。会計スキーマを設定した場合は、その会計スキーマの通貨が自動設 定され、変更できません。 通貨 在庫評価方法が”先入れ先出し(FIFO)”か”後入れ先出し(LIFO)”の場合に表示され、評価金額を”発注金 額”と”請求金額”のどちらの金額をもとに行うのか選択します。 適用金額 更新する原価 在庫評価計算伝票の計算結果を反映させる標準原価のフィールドを次の3つから選択します。デフォル トフラグがONの場合、必須入力になります。品目原価を更新するフィールドを選択する事を意図してい ます。 • 現在の原価(Current Cost : CC) • 将来の原価(Future Cost : FC) • 両方(Both Current Cost and Future Cost : BT) 在庫評価方法が平均発注単価と平均請求単価の時に表示され、必須入力となり。”総平均”か”単純平均 (期間平均)”のいずれかを選択します。 平均単価の計算方法
  • 10. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 9 在庫評価プロファイル ◆伝票タイプ 在庫評価調整伝票から振替伝票を作成する際に使用する事を想定しています。デフォルトフラグがON の時は必須入力になります。 ◆プライスリスト 在庫評価調の履歴を保持するプライスリストを選択します。任意入力項目です。 ◆伝票ステータス更新 在庫評価調整伝票から振替伝票を作成する際に実施する伝票ステータス更新処理を選択します。デフォ ルトフラグがONの時は必須入力になります。 ◆在庫評価調整勘定 在庫評価調整伝票から棚卸資産勘定残高を調整する仕訳を作成する際に、棚卸資産勘定の相手勘定とな る勘定科目を設定します。デフォルトフラグがONの時は必須入力になります。 ◆プライスリストスキーマ プライスリストに在庫評価調の履歴を保持する際に、バージョンを作成するのに使用するプライスリス トスキーマを選択します。プライスリストを設定した際には必須入力になります。 在庫が無い場合でも在庫評価計算を行うかどうか判定するのに使用する事を想定しています。 在庫が0の場合でも在庫評価する 為替の換算時に使用する事を想定しています。 通貨レートタイプ
  • 11. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 10 在庫評価プロファイル 振替伝票作成クラス 在庫評価調整伝票において、計算した調整額をもとに振替伝票を作成するクラスを、パッケージ名.ク ラス名の形式で設定します。 在庫評価調整伝票明細作成クラス 在庫評価調整伝票において、その明細を作成するプロセスのクラスを、パッケージ名.クラス名の形式 で設定します。 在庫評価調整額計算クラス 在庫評価調整伝票において、その調整額を計算するプロセスのクラスを、パッケージ名.クラス名の形 式で設定します。 ‐ リファレンスのフィールドグループに属するフィールドについて リファレンスのフィールドグループに所属するフィールドは、在庫評価計算伝票の明細を作成する際に、 その明細作成対象を絞り込む条件として使用する事を意図しています。1つの在庫評価プロファイルには、 1つの評価方法しか定義できません。ユーザー企業によっては、複数の在庫評価方法が必要になる場合も あるでしょう。そのようなケースにおいて、評価対象となる品目を区分するキー情報は色々なケースが考 えられます。そのため必要に応じてフィールドを追加し、拡張して活用して下さい。 品目原価更新クラス 在庫評価計算伝票において、計算した在庫評価をもとに品目原価を更新するプロセスのクラスを、パッ ケージ名.クラス名の形式で設定します。 在庫評価計算伝票明細作成クラス 在庫評価計算伝票において、その明細を作成するプロセスのクラスを、パッケージ名.クラス名の形式 で設定します。 在庫評価計算クラス 在庫評価計算伝票において、その評価計算するプロセスのクラスを、パッケージ名.クラス名の形式で 設定します。
  • 12. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 11 在庫評価プロファイル 在庫評価組織タブ(JP_InvValProfileOrgテーブル) 在庫評価プロファイル > 在庫評価組織 [ 選択レコード/表示レコード数] (AD_Client_ID) 在庫評価プロファイル クライアント* (AD_Org_ID)組織*  アクティブ (JP_InvValProfile_ID)在庫評価プロファイル* (IsActive) 在庫評価組織タブでは、在庫評価プロファイルの評価範囲となる組織を定義します。ここ に割り当てる組織は、会社単位で組織を割り当てる事をイメージしています。複数会社を1 つのJPiereで管理するような場合、会社毎に在庫評価プロファイルを作成し、会社毎に作成 されている在庫評価プロファイルに対して、この在庫評価組織タブで、その会社に属する組 織マスタを全て割り当てて下さい。 • 在庫評価プロファイル(JP_InvValProfile_ID)と組織(AD_Org_ID)で一意になります。 • *の組織は設定できません。 • プライスリストとプライスリストスキーマは、在庫評価レベルが組織の場合に、標準原価 をコピーするプライスリストと、その際に使用するプライスリストスキーマを設定する事 を想定しています。 (Description)説明 (M_PriceList_ID)プライスリスト ▼ (M_DiscountSchema_ID)プライスリストスキーマ ▼
  • 13. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 12 在庫評価プロファイル 在庫評価プロファイルA社用 在庫評価プロファイルと在庫評価組織と会計スキーマの関係 在庫評価プロファイルB社用 会計スキーマ A社 本部 A社 店舗01 A社 店舗02 B社 本部 B社 店舗01 B社 店舗02 • 在庫評価プロファイルは、会社毎あるいは、任意の組織グループ単位で作成します。 • 1つの会計スキーマを複数の在庫評価プロファイルで使用する事ができます。 • 組織マスタは、在庫評価プロファイルによりグループ化されます。グループ化された組織 を1つの在庫評価単位として在庫評価します。 在庫評価は通常会社単位で行われます。そのため在庫評価プロファイルを使用して、組織マスタを会社 毎にまとめています。この事により、仕入はしていないが在庫だけは持っている組織の在庫も正しく評価 できます。1つの会社を複数の組織で運用する場合、在庫移動により、仕入をしなくても在庫は持ってい るという組織がありえます。そして1つのクライアントを複数会社で運用している場合、仕入はしていな いが在庫を持っている組織の在庫を評価する際に、実際に仕入れをした組織を含む在庫評価の枠組みを設 定しておかないと、正しい在庫評価が行えません。そのためJPiereでは、在庫評価プロファイルに、在庫 評価組織を割り当てる事により、在庫評価を行う枠組みを定義しています。
  • 14. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 13 在庫数量のタイムスタンプ作成  在庫数量のタイムスタンプ作成 在庫数量のタイムスタンプ作成プロセス 期末の在庫評価を行うために、期末時点(評価日付)の在庫数量を確定させる必要があり ます。そのため、在庫評価日時点の在庫数量を予め算出し、タイムスタンプとして保持しま す。この在庫数量のタイムスタンプは、期末在庫評価にも使用しますが、過去のある時点で の在庫数量の参照情報として活用する事もできます。 在庫数量のタイムスタンプとして、評価日付の品目の在庫数量を組織毎に算出し、 JP_StockOrgテーブルに記録します。データ量が多い場合、この処理には多くの時間が必要 になる場合がありますので、システムへのアクセスが少なくなる夜間のバッチ処理として行 う事をおススメ致します。 組織在庫のタイムスタンプ作成 Save Parameters ▼ 評価日付* (DateValue) JPIERE-159:組織在庫のタイムスタンプ(日付×組織×品目) 組織在庫のタイムスタンプ作成プロセス • 評価日付…ここで指定した日付の在庫数量を記録します。既に同じ評価日付で同じ品目の データが存在していた場合、そのデータは削除し、再度データを作成します。 組織在庫のタイムスタンプ作成プロセスのロジック • JP_StockOrgテーブルから評価日付のデータを削除します。 • 在庫取引管理台帳から、評価日付以前の在庫取引を組織×品目毎に算出し、JP_StockOrg にその評価日付とともに登録します。 【カスタマイズポイント】評価日付の在庫数量の求め方 評価日付の在庫数量を求めるのに、在庫取引管理台帳から計算する方法は、実装は簡単ですが、在庫 取引管理台帳のデータが多くなるにつれて処理に時間がかかるようになります。在庫取引管理台帳が膨 大な量になる事があらかじめ見込まれる場合は、下記に例示する2つのアプローチ方法で評価日付の在 庫数量を求める事により、処理時間を短縮する事ができるのではないかと思います。 • 現在庫数量管理台帳の値 – 評価日よりあとの在庫取引管理台帳の合計値 • 前回の評価日付の在庫数量 + 前回の評価日付から評価日付までの在庫取引管理台帳の合計値
  • 15. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 14 在庫数量のタイムスタンプ作成 組織在庫のタイムスタンプ確認ウィンドウ(JP_StockOrgテーブル) 組織在庫のタイムスタンプ作成プロセスで作成したデータを確認するためのウィンドウで す。 組織在庫のタイムスタンプ [ 選択レコード/表示レコード数] (AD_Client_ID) 組織在庫のタイムスタンプ クライアント* (AD_Org_ID)組織*  アクティブ (M_Product_ID)品目* (DateValue)評価日付* (QtyBook)帳簿数量* (IsActive) • 組織在庫のタイムスタンプのデータは“組織”と”評価日付”と”品目”で一意になります。 • 組織在庫のタイムスタンプのデータを確認するウィンドウは、読取専用で、編集したり データを追加したりする事はできません。
  • 16. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 15 在庫評価計算伝票  JPIERE-0161:在庫評価計算伝票 在庫評価計算伝票概要 在庫評価計算伝票は、在庫の評価金額を計算するための伝票です。在庫評価の単位で、明 細を作成し、評価金額を計算します。そして、計算した評価金額の単価をもとに品目原価を 更新します。 在庫評価計算伝票には、次の3つの処理ステップがあり、それぞれに独立した処理として、 在庫評価プロファイルにプロセスを定義できるようになっており、自由にカスタマイズでき ます。 Step1:在庫評価計算伝票明細の作成 Step2:在庫評価計算 Step3:在庫評価金額をもとに品目原価を更新 在庫評価プロファイルに定義されている在庫評価計算伝票明細作成クラスを呼び出して、 在庫評価計算伝票明細を作成します。次の”Step2:在庫評価計算”では、ここで作成した在庫 評価計算伝票明細に対して、在庫評価の計算を行います。 “Step1:在庫評価計算伝票明細の作成”で作成した明細毎に、在庫の評価金額を計算します。 その計算には、在庫評価プロファイルに定義されている在庫評価計算クラスが呼び出されま す。 “Step2:在庫評価計算”で計算した評価金額の単価をもとに品目原価を更新します。その処 理には、在庫評価プロファイルに定義されている品目原価更新クラスが呼び出されます。 【カスタマイズポイント】在庫評価計算伝票 在庫評価計算伝票は、在庫評価伝票明細毎に、在庫評価額を算出し、品目の標準原価を更新するため の伝票です。その処理のために、明細作成→在庫評価計算→品目原価の更新と3つのステップに分けて、 それぞれにプロセスを自由に定義し呼び出す事ができいます。言い換えると、在庫評価計算伝票の本質 は在庫評価プロファイルに定義されている3つのプロセスを自由に呼び出せるだけの伝票という事にな ります。
  • 17. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 16 在庫評価計算伝票 在庫評価計算伝票 在庫評価計算 明細作成 在庫評価計算伝票タブ(JP_InvValCalテーブル) 在庫評価計算伝票 [ 選択レコード/表示レコード数] (AD_Client_ID) 在庫評価計算伝票 クライアント* (AD_Org_ID)組織* 伝票ステータス更新 - ステータス (C_DocType_ID)伝票タイプ* ▼ (DocumentNo)伝票番号 (DateValue)評価日付* 20XX/8/10実行日時* (SalesRep_ID)社内担当者(JP_InvValProfile_ID)在庫評価プロファイル* ▼ (C_Currency_ID)通貨* (TotalLine)明細行合計* (DocStatus)伝票ステータス* (Description)説明* (JP_LastDateValue)前回評価日付 品目原価更新 10:00:00 20XX/8/10実行日時* 10:00:00 20XX/8/10実行日時* 10:00:00 在庫評価計算伝票は、在庫評価伝票明細毎に在庫評価額を算出し、その評価金額をもとに 品目の標準原価を更新するための伝票です。在庫評価プロファイルにより、在庫評価伝票明 細の作成ロジックや、在庫評価額の計算ロジック、品目の標準原価を更新するロジックを自 由にカスタマイズする事ができます。そして監査対応目的のために在庫評価額の算出根拠と なる情報は、在庫評価計算ログに記録する事ができいます。在庫評価計算伝票は、在庫評価 プロファイルと評価日付で一意になります。 伝票タイプ 在庫評価計算伝票の伝票タイプを選択します。在庫評価計算伝票のベース伝票タイプ は”JPI”です。 評価日付 在庫評価を行う日付です。この評価日付の在庫数量に対して、在庫評価金額を計算します。 前回評価日付 前回在庫評価を行った日付を入力します。この値をどのように使用するかは、自由です。 評価日付より以前の日付を入力して下さい。 (JP_Processing1 ) (JP_Processing2 ) (JP_Processing3 ) (JP_ProcessedTime1 ) (JP_ProcessedTime2 ) (JP_ProcessedTime3 ) (Processing ) (DateAcct)転記日付* (JP_BeginInvValCal_ID) 期首在庫となる 在庫評価計算伝票
  • 18. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 17 在庫評価計算伝票 在庫評価プロファイル 在庫評価計算伝票の各処理を行う在庫評価プロファイルを選択します。 通貨 在庫評価プロファイルに設定されている通貨が自動入力されます。 明細作成ボタン 在庫評価プロファイルに設定されている在庫評価計算伝票明細作成クラスのプロセスが呼 び出されます。 在庫評価計算ボタン 在庫評価プロファイルに設定されている在庫評価計算クラスのプロセスが呼び出されます。 品目原価更新ボタン 在庫評価プロファイルに設定されている品目原価更新クラスのプロセスが呼び出されます。 明細行合計 参考情報として、在庫評価計算伝票明細の在庫評価金額(JP_InvValTotalAmt)の合計値を 表示します。在庫管理上の在庫評価金額の合計になる事を想定しています。 期首在庫となる在庫評価計算伝票 JPiereの標準の在庫評価計算プロセスで、総平均原価を計算する際の期首在庫の情報とし て使用します。
  • 19. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 18 在庫評価計算伝票 在庫評価計算伝票明細タブ(JP_InvValCalLineテーブル) 在庫評価計算伝票 > 在庫評価計算伝票明細 [ 選択レコード/表示レコード数] (AD_Client_ID) 在庫評価計算伝票 クライアント* (AD_Org_ID)組織* (JP_InvValCal_ID)在庫評価伝票* (Description)説明 (M_Product_ID)品目* (Line)明細番号 (CostingMethod)在庫評価方法* ▼ (CostingLevel)在庫評価レベル* ▼ (QtyBook)帳簿数量 (JP_InvValTotalAmt)在庫評価金額* (JP_InvValAmt)在庫評価単価* (C_AcctSchema_ID)会計スキーマ ▼ (M_AttributeSetInstance_ID)属性セット新スタンス - リファレンス (CurrentCostPrice)現在の原価* (FutureCostPrice)将来の原価* 在庫評価計算伝票明細タブは、“在庫評価計算伝票明細の作成”プロセスで、在庫評価の計 算単位となる明細を作成し、”在庫評価計算”プロセスで、その明細毎の在庫評価計算を行い ます。 【カスタマイズポイント】在庫評価計算伝票の明細情報 在庫評価計算伝票は、在庫評価伝票明細毎に、在庫評価額を算出し、品目の標準原価を更新するため の伝票で、それぞれの処理を独自に実装したプロセスを呼び出して処理する事ができます。そのため、 在庫評価計算伝票の明細情報にあるフィールドをどのように使用するかは、実装するプロセス次第です。 在庫評価を計算する上で、必要な項目があれば追加し、拡張して活用する事を想定しています。 (JP_BeginInvValCalLine_ID) 期首在庫となる 在庫評価計算伝票明細
  • 20. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 19 在庫評価計算伝票 在庫評価計算ログタブ(JP_InvValCalLogテーブル) 在庫評価計算伝票 > 在庫評価計算伝票明細 > 在庫評価計算ログ [ 選択レコード/表示レコード数] (AD_Client_ID) 在庫評価計算伝票 クライアント* (AD_Org_ID)組織* (JP_InvValCalLine_ID)在庫評価計算伝票明細* (Line)明細番号 (C_OrderLine_ID)発注伝票明細 (C_InvoiceLine_ID)仕入請求伝票明細 - 数量情報 - 金額情報 (C_UOM_ID)数量単位(QtyEntered)入力数量 (C_Tax_ID)税金情報 (Qty)照合数量 (PriceEntered)入力単価 (PriceActual)単価 (M_PriceList_ID)プライスリスト (C_Currency_ID)通貨 (C_ConversionType_ID)通貨レートタイプ (Description)説明 - リファレンス (C_Currency_ID_To)目標通貨 (JP_ExchangedAmt)換算金額 (JP_ExchangedNoTaxAmt)換算金額(税抜) (JP_ExchangedPriceActual)換算金額(単価) 税込価格(IsTaxInclude) (M_InOutLine_ID)入荷伝票明細 (JP_ApplyQty)適用数量 (MultiplyRate)掛算レート (DivideRate)割算レート (LineNetAmt)行合計 在庫評価計ログタブでは、在庫評価計算伝票明細タブの計算根拠となったデータを監査目 的のためにログとして記録しておく事を目的としています。 適用金額 (JP_ApplyAmt) (MovementDate)移動日付 (DateOrdered)発注日付 (DateInvoiced)請求日付 (MovementDate)移動タイプ (QtyOrdered)発注数量 (QtyReserved)未入荷発注数量 (QtyDelivered)入荷済数量 (QtyInvoiced)請求済数量 (C_OrderLine_ID)発注照合明細 (C_InvoiceLine_ID)請求照合明細 (JP_BeginInvValCalLine_ID) 期首在庫となる 在庫評価計算伝票明細
  • 21. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 20 在庫評価計算伝票 JPiereデフォルトの処理 在庫評価計算伝票明細作成プロセス 在庫評価計算プロセス 在庫評価伝票明細作成ボタンを押すと実行されるプロセスのクラスとしてJPiereでは、 jpiere.base.plugin.org.adempiere.processパッケージにDefaultCreateInvValCalLineク ラスを用意しています。このクラスでは在庫評価計算伝票の評価日付をキー情報として、組 織在庫(JP_stockOrg)から、在庫数量を取得し、在庫評価計算伝票明細を作成します。在庫 評価計算伝票明細の作成対象となる品目マスタは、品目タイプがアイテムで、”在庫管理す るフラグ”がONの品目マスタです。 在 庫 評 価 計 算 ボ タ ン を 押 す と 実 行 さ れ る プ ロ セ ス の ク ラ ス と し て JPiere で は 、 jpiere.base.plugin.org.adempiere.process パ ッ ケ ー ジ に DefaultInventoryValuationCalculate ク ラ ス を 用 意 し て い ま す 。 DefaultInventoryValuationCalculateクラスは、在庫評価計算伝票明細に設定されている評 価方法に従って、それぞれ下記のようなロジックで在庫評価金額を計算します。 先入れ先出し(FIFO) まず評価日付から前回評価日付の期間の"入荷伝票"と"仕入先返品依頼伝票"の伝票ステー タスが”完成”か”クローズ”の明細データを取得します。 次にその中から、入荷伝票の入荷数量が0以下のマイナス数量の明細データと仕入先返品 依頼伝票の明細データは在庫評価計算から除外します。 計算対象が入荷伝票のプラスの数量の明細に絞られたところで、評価日付に近い移動日付 の順番にその入荷伝票明細が照合されている、発注伝票の金額(発注金額)もしくは仕入請求 伝票の金額(請求金額)を使用して在庫評価して行きます。 評価日付から前回評価日付の期間の入荷伝票に照合されている、発注伝票もしくは仕入請 求伝票で、すべての在庫の評価ができなかった場合、残りの部分は標準原価の“現在の原価” で評価します。 発注金額と請求金額のどちらで評価するかは、在庫評価プロフィールで設定する事ができ ます。 評価日付の時点でマイナス在庫数量の場合、マイナス在庫数量の絶対値分の、在庫評価を 行い、1個当たりの正の評価金額(在庫評価単価)を算出し、後でマイナス在庫数量を乗算す る事で負の評価金額を算出します。
  • 22. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 21 在庫評価計算伝票 後入れ先出し(LIFO) まず評価日付から前回評価日付の期間の"入荷伝票"と"仕入先返品依頼伝票"の伝票ステー タスが”完成”か”クローズ”の明細データを取得します。 次にその中から、入荷伝票の入荷数量が0以下のマイナス数量の明細データと仕入先返品 依頼伝票の明細データは在庫評価計算から除外します。 そして前回評価日付に近い移動日付の順番にその入荷伝票明細が照合されている、発注伝 票の金額(発注金額)もしくは仕入請求伝票の金額(請求金額)を使用して在庫評価して行きま す。 評価日付から前回評価日付の期間の入荷伝票に照合されている、発注伝票もしくは仕入請 求伝票で、すべての在庫の評価ができなかった場合、残りの部分は標準原価の“現在の原価” で評価します。 発注金額と請求金額のどちらで評価するかは、在庫評価プロフィールで設定する事ができ ます。 評価日付の時点でマイナス在庫数量の場合、マイナス在庫数量の絶対値分の、在庫評価を 行い、1個当たりの正の評価金額(在庫評価単価)を算出し、後でマイナス在庫数量を乗算す る事で負の評価金額を算出します。
  • 23. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 22 在庫評価計算伝票 平均発注単価  単純平均(期間平均) まず評価日付から前回評価日付の期間の"入荷伝票"と"仕入先返品依頼伝票"の伝票ステー タスが”完成”か”クローズ”の明細データを取得します。 次にその中から、入荷伝票の入荷数量が0以下のマイナス数量の明細データと仕入先返品 依頼伝票の明細データは在庫評価計算から除外します。 計算対象が入荷伝票のプラスの数量の明細に絞られたところで、その中から照合されてい る発注伝票明細の発注金額の合計から平均単価を算出します。  総平均 総平均の場合、単純平均(期間平均)の計算処理に加えて、期首在庫となる在庫評価計算伝票 の情報を加味して平均単価を算出します。 【補足説明】平均発注単価の計算から返品データを除外している理由。 返品処理のデータを平均発注単価の計算に加味すると複雑性が増し実装工数が増えます。 そして、一方で返品処理のデータを加味しても加味しなくても、最終的に平均発注単価の計算とし ては、大きな差異はなく無視できる程度の差異なのではないかと思います("重要性の原則"の観点か ら考えて、問題になるほど大きな差異にはならないと思います)。 そのためデフォルトでJPiereが用意している平均発注単価の在庫評価計算においては今のところ返 品処理のデータは平均発注単価の計算においては無視する仕様としています。 JPiereの在庫評価計算は、計算処理をするプロセスをプラグインとして差し替える事ができますの で、上記仕様で問題がある場合には自由にカスタマイズして下さい。
  • 24. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 23 在庫評価計算伝票 平均請求単価  単純平均(期間平均) まず評価日付から前回評価日付の期間の"入荷伝票"と"仕入先返品依頼伝票"の伝票ステー タスが”完成”か”クローズ”の明細データを取得します。 そして、その入荷伝票明細が照合されている請求伝票明細の請求金額の合計から平均単価 を算出します。  総平均 総平均の場合、単純平均(期間平均)の計算処理に加えて、期首在庫となる在庫評価計算伝票 の情報を加味して平均単価を算出します。
  • 25. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 24 在庫評価計算伝票 最終発注単価 最終請求単価 まず評価日付から前回評価日付の期間の"入荷伝票"と"仕入先返品依頼伝票"の伝票ステー タスが”完成”か”クローズ”の明細データを取得します。 そしてその中から、入荷伝票の入荷数量が0以下のマイナス数量の明細データと仕入先返 品依頼伝票の明細データは在庫評価の計算から除外します。 計算対象が入荷伝票のプラスの数量の明細に絞られたところで、評価日付に近い移動日付 の入荷伝票明細が照合されている、発注伝票の金額(発注金額) を使用して在庫評価して行き ます。 評価日付から前回評価日付の期間の入荷伝票に照合されている発注伝票がなかった場合、 標準原価の“現在の原価”で評価します。 まず評価日付から前回評価日付の期間の"入荷伝票"と"仕入先返品依頼伝票"の伝票ステー タスが”完成”か”クローズ”の明細データを取得します。 そしてその中から、入荷伝票の入荷数量が0以下のマイナス数量の明細データと仕入先返 品依頼伝票の明細データは在庫評価の計算から除外します。 計算対象が入荷伝票のプラスの数量の明細に絞られたところで、評価日付に近い移動日付 の入荷伝票明細が照合されている、仕入請求伝票の金額(発注金額) を使用して在庫評価して 行きます。 評価日付から前回評価日付の期間の入荷伝票に照合されている仕入請求伝票がなかった場 合、標準原価の“現在の原価”で評価します。 【補足説明】在庫評価計算における端数処理について JPiere の 標 準 と し て 用 意 さ れ て い る 、 在 庫 評 価 計 算 伝 票 明 細 作 成 ク ラ ス (jpiere.base.plugin.org.adempiere.process.DefaultCreateInvValCalLine)と在庫評価計算クラス (jpiere.base.plugin.org.adempiere.process.DefaultInventoryValuationCalculate)において、在 庫評価計算の端数処理は、“在庫計算伝票ヘッダの明細行合計(JP_InvVal.TotalLines)”と“在庫計算 伝票明細の在庫評価金額(JP_InvValCalLine.JP_InvValTotalAmt)”は、在庫計算伝票ヘッダの通貨 の標準精度を適用し、それ以外の金額欄については原価計算精度を適用しています。
  • 26. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 25 在庫評価計算伝票 品目原価更新プロセス 在 庫 評 価 計 算 ボ タ ン を 押 す と 実 行 さ れ る プ ロ セ ス の ク ラ ス と し て JPiere で は 、 jpiere.base.plugin.org.adempiere.process パ ッ ケ ー ジ に DefaultInvValCalUpdateCostクラスを用意しています。 在庫評価明細毎に計算されてい る評価額をもとに対応する標準原価を更新します。
  • 27. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 26 品目原価更新と原価調整伝票  原価調整伝票 原価調整伝票を使用する事により、標準原価の変更を会計に反映させる事ができます。 一連のJPiereの期末在庫評価の処理の中では、原価調整伝票を使用するかどうかは任意です。 JPiereでは在庫の評価金額が著しく低下した場合などに使用する事を想定しています。 原価調整伝票は品目ひとつずつ起票していく事もできますし、iDempiereの標準機能であ る”品目原価更新”を行う事により、自動作成する事もできます。ここでは、iDempiere標準 機能の品目原価更新と原価調整伝票について説明します。 品目原価更新プロセス 品目原価更新 Save Parameters ▼ 品目カテゴリ (M_Product_Category_ID) ▼ 標準原価設定 (SetStandardCostTo) ▼ 将来原価設定 (SetFutureCostTo) ▼ プライスリストバージョン (M_PriceList_Version_ID) ▼ 原価調整伝票で使用する 伝票タイプ (C_DocType_ID) ▼ ”品目原価更新”プロセスを実行する事により、標準原価を更新する事ができます。そして、 ベース会計スキーマの現在の原価と更新する標準原価の値に差額がある場合は、その金額を もとに原価調整伝票を自動作成し、会計に反映させる事ができます。 標準原価には”現在の原価”と”将来の原価”があり、それぞれに次のリストから選択し、更新する事ができま す。 • FiFo(FiFo: F)…先入先出法により評価した原価で、標準原価を更新する。 • LiFo(LiFo: L)…後入先出法におり評価した原価で、標準原価を更新する。 • プライスリスト(限度価格)(Price List(Limit): LL)…選択したプライスリストバージョンの限度価格で標準 原価を更新する。 • 標準原価(将来の原価)(Future Standard Cos: f)…標準原価の将来の原価で、標準原価を更新する。 • 標準原価(現在の原価)(Standard Cost: S)…標準原価の現在の原価で、標準原価を更新する。 • 標準原価(更新しない)(Old Standard Cost: x)…標準原価は更新しない。 • 平均請求原価(Average Invoice: I)…平均請求原価により標準原価を更新する。 • 平均発注原価(Average PO: A)…平均発注原価により標準原価を更新する。 • 最終請求原価(Last PO Price: i)…最終請求原価により標準原価を更新する。 • 最終発注原価(Last PO Price: p)…最終発注原価により標準原価を更新する。 • 蓄積した平均請求原価(Average Invoice History: DI)…平均請求原価のデータにある蓄積金額と蓄積数量 から単価を算出し、標準原価を更新する。 • 蓄積した平均発注原価(Average PO History: DP)…平均発注原価にデータにある蓄積金額と蓄積数量から 単価を算出し、標準原価を更新する。
  • 28. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 27 品目原価更新と原価調整伝票 伝票タイプ 原価調整伝票で使用する伝票タイプを選択します。標準原価を更新する場合には必須入力 になります。 プライスリストバージョン 標準原価設定と将来原価設定のどちらかに”プライスリスト(限度)”が設定されている場合 には必須入力になります。 品目カテゴリ 品目カテゴリを指定して、品目原価を更新する処理を絞り込む事ができます。 標準原価設定 標準原価の”現在の原価”に設定する金額を選択します。 将来原価設定 標準原価の”将来の原価”に設定する金額を選択します。この選択項目に”標準原価(将来の 原価)”を選択するとエラーになります。 品目原価更新プロセスの実行条件 【補足説明】品目原価更新プロセスが自動作成する原価調整伝票の組織 品目原価更新プロセスが、原価調整伝票を自動作成する際に、その組織はログイン時に選択した組 織になります。そのため原価調整を行った際の差損益が、その組織の計上されます。そしてログイン 時に選択した組織が”*”の場合は、エラーになりますので注意して下さい。
  • 29. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 28 品目原価更新と原価調整伝票 原価調整伝票 原価調整伝票を使用する事により、品目の原価を調整する事ができます。iDempiereでは 標準原価以外の棚卸資産の評価方法を選択すると、iDempiereが自動で計算してくれます。 しかし、在庫の評価金額が著しく下落した場合、強制的に在庫の評価金額の切り下げを求め られる場合があります。そのような場合に、原価調整伝票を使用して原価(≒棚卸資産の評価 金額)を更新する事ができます。 この方法は、会計処理的な観点からは、永続的に評価減する”切放法”的な処理です。洗替 法が求められる場合は、棚卸資産の評価損の計上については、振替仕訳で対応する事をおス スメ致します。 原価調整伝票タブ 原価調整伝票 [ 選択レコード/表示レコード数] (AD_Client_ID) 原価調整伝票 クライアント* (AD_Org_ID)組織* 伝票ステータス更新 - ステータス (C_DocType_ID)伝票タイプ* ▼ (DocumentNo)伝票番号 (CostimngMethod)在庫評価方法* ▼ (DocStatus)伝票ステータス* (Description)説明* (MovementDate)移動日付*
  • 30. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 29 品目原価更新と原価調整伝票 原価調整伝票明細タブ 原価調整伝票 > 原価調整伝票明細 [ 選択レコード/表示レコード数] (AD_Client_ID) 原価調整伝票 クライアント* (AD_Org_ID)組織* (M_Inventory_ID)原価調整伝票* (Description)説明 (M_Product_ID)品目* (Line)明細番号 (NewCostPrice)新しい原価 (C_Charge_ID)料金タイプ ▼(CurrentCostPrice)現在の原価 (M_AttributeSetInstance_ID)属性セット新スタンス
  • 31. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 30 品目原価積上げ  品目原価積上げ 在庫評価計算伝票で計算し更新した標準原価の金額をもとに、iDempiere標準機能の”品 目原価積上げ”を実行して、部品表(BOM)を持つ品目マスタの標準原価を更新します。 品目原価積上げ 品目原価積上げ Save Parameters ▼ 品目カテゴリ (M_Product_Category_ID) ▼ 品目 (M_Product_ID) ▼ 原価要素* (M_CostElement_ID) ▼ 品目カテゴリ 品目原価積上げを実行する対象を、品目カテゴリにより絞り込む事ができます。入力しな い場合は、部品表(BOM)を持つすべての品目マスタを対象に原価積上げが実行されます。 品目 品目を特定して品目原価積上げを実行します。品目が入力されている場合は、品目カテゴ リの入力は無視されます。 原価要素 ここで選択した原価要素が設定されている品目原価に原価積上げの処理が実行されます。 【カスタマイズポイント】品目原価積上げの処理について 品目原価は、会計スキーマ、組織、原価タイプ、原価要素をキー情報として複数保持する事ができま すが、品目原価積上げ処理ではそのうち原価要素だけをその処理のキー情報として使用しています。そ のため、例えば会計スキーマが2つある場合などには正しく原価積上げの計算ができません。複雑な ケースで正しく、品目原価積上げを実施する場合には、予めFit&Gap分析を行い、GAPがあれば品目原 価積上げプロセスをカスタマイズして下さい。
  • 32. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 31 在庫評価レポート  在庫評価レポート 在庫評価レポートは、iDempiereの標準機能です。ここまでの一連の期末在庫評価の処理 で、標準原価を期末の評価額に更新していますので、在庫評価レポートを使用して倉庫単位 で品目毎の在庫評価金額を一覧表示し確認する事ができます。 在庫評価レポートの実行条件 在庫評価レポート Save Parameters ▼ 評価日付* (DateValue) 倉庫* (M_Warehouse_ID) ▼ 通貨* (C_Currency_ID) ▼ プライスリストバージョン* (M_PriceList_Version_ID) ▼ 原価要素 (M_CostElement_ID) ▼ 倉庫 在庫評価を行う倉庫を選択します。 通貨 在庫評価を行う通貨を選択します。 プライスリストバージョン 在庫評価に使用するプライスリストバージョンを選択します。 評価日付 在庫評価の日付を入力します。 原価要素 在庫評価に使用する原価要素を選択します。
  • 33. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 32 在庫評価レポート 在庫評価レポート 手持在庫数量(QtyOnHand) 在庫評価レポートの実行条件に指定した評価日付の選択した倉庫の手持在庫数量が表示さ れます。 標準原価(CostStandard) ベース会計スキーマの標準原価が表示されます。正確には、ベース会計スキーマの品目原 価で、原価要素に在庫評価方法が標準原価(S)で原価要素タイプが"材料(M)"の原価要素が設 定されている"現在の原価(CurrentCostPrice)"が表示されます。標準原価の通貨と、在庫評 価レポートの通貨が異なる場合は換算されます。 標準原価による評価額(CostStandardAmt) 手持ち在庫×標準原価です。 仕入価格(PricePO) 品目マスタの購買情報タブ(M_Product_PO)の現在の仕入先フラグがONになっているレ コードの仕入価格(ProicePO)が表示されます。購買情報タブに設定されている通貨と、在庫 評価レポートの通貨が異なる場合は、換算されます。
  • 34. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 33 在庫評価レポート 仕入価格による評価額(PricePOAmt) 手持ち在庫×仕入価格です。 定価(PriceList) 在庫評価レポートの実行条件に指定したプライスリストバージョンの定価が表示されます。 プライスリストの通貨と在庫評価レポートの通貨が異なる場合は、換算されます。 定価による評価額(PriceListAmt) 手持ち在庫×定価です。 標準価格(PriceStd) 在庫評価レポートの実行条件に指定したプライスリストバージョンの標準価格が表示され ます。プライスリストの通貨と在庫評価レポートの通貨が異なる場合は、換算されます。 標準価格による評価額(PriceStdAmt) 手持ち在庫×標準価格です。 限度価格(PriceLimit) 在庫評価レポートの実行条件に指定したプライスリストバージョンの限度価格が表示され ます。プライスリストの通貨と在庫評価レポートの通貨が異なる場合は、換算されます。 限度価格による評価額(PriceLimitAmt) 手持ち在庫×限度価格です。 原価要素(M_CostElement_ID) 在庫評価レポートの実行条件で選択した原価要素が表示されます。 原価(Cost) 在庫評価レポートの実行条件で選択した、原価要素の"現在の原価(CurrentCostPrice)"が 表示されます。原価の通貨と、在庫評価レポートの通貨が異なる場合は、換算されます。 原価による評価額(CostAmt) 手持ち在庫×原価です。
  • 35. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 34 在庫評価用プライスリストの更新  在庫評価用プライスリストの更新 標準原価は品目原価タブの"現在の原価"フィールドに記録されており、在庫評価を行う毎 に更新されます。そのため標準原価の履歴を保持するために、JPiereではプライスリストを 使用します。プライスリストはバージョンにより日付毎の金額を保持する事ができ、在庫評 価レポートでも使用できたり、販売用プライスリストを自動作成するための基準としても活 用できるので、標準原価の履歴を保持するのに適任です。在庫評価用プライスリストの更新 プロセスでは、評価日付でプライスリストのバージョンを作成し、標準原価をプライスリス トにコピーします。 在庫評価用プライスリストの更新プロセス 在庫評価用プライスリストの更新 保存されているパラ メータ ▼ 在庫評価プロファイル (JP_InvValProfile_ID) ▼ 評価日付 (DateValue) • 在庫評価レベルがバッチ/ロット(属性セットインスタンス)レベルの場合は、在庫評価用 プライスリストの更新プロセスの処理対象外です。 • 在庫評価用プライスリストを実行する前に、評価日付の組織在庫のタイムスタンプのデー タが作成されている必要があります。在庫評価用プライスリストの更新プロセスでは、組 織在庫のタイムスタンプ内に存在している品目マスタに対して行われます。
  • 36. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 35 棚卸資産勘定残高のタイムスタンプ作成  棚卸資産勘定残高のタイムスタンプ作成 棚卸資産勘定残高のタイムスタンプ作成 在庫評価日における棚卸資産勘定の残高をタイプスタンプとして記録します。 在庫数量のタイムスタンプとして、評価日付の品目の在庫数量を組織毎に算出し、 JP_InvOrgBalanceテーブルに記録します。 組織別棚卸資産勘定の残高 保存されているパラ メータ ▼ 評価日付* JPIERE-0162:組織別棚卸資産勘定残高のタイムスタンプ(在庫評価日×組織×品目) 組織別棚卸資産勘定残価のタイムスタンプ作成プロセス 会計スキーマ* ▼ 【カスタマイズポイント】評価日付の品目別の棚卸資産勘定残高の求め方 評価日付の棚卸資産勘定残価を求めるのに、総勘定元帳のデータを集計するのは実装は簡単ですが、 総勘定元帳のデータが多くなるにつれて処理に時間がかかるようになります。総勘定元帳のデータが膨 大な量になる事があらかじめ見込まれる場合は、前回の評価日付のデータから更新された分を集計する などの処理ロジックに変更する事により処理時間を短縮できるのではないかと思います。
  • 37. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 36 棚卸資産勘定残高のタイムスタンプ作成 組織棚卸資産勘定残価のタイムスタンプ確認用ウィンドウ(JP_InvOrgBalanceテーブル) 組織在庫のタイムスタンプ作成プロセスで作成したデータを確認するためのウィンドウで す。組織在庫のタイムスタンプは会計スキーマ、組織、品目、評価日付で一意になります。 組織別棚卸資産勘定残高のタイムスタンプ [ 選択レコード/表示レコード数] (AD_Client_ID) 組織別棚卸資産勘定残高のタイムスタンプ クライアント* (AD_Org_ID)組織* (C_AcctSchema_ID)会計スキーマ* (M_Product_ID)品目 (DateValue)評価日付* (Account_ID)棚卸資産勘定* (AmtAcctDr)借方会計通貨金額* (AmtAcctCr)貸方会計通貨金額* (AmtAcctBalance)残高* (QtyBook)帳簿数量*
  • 38. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 37 在庫評価調整伝票  JPIERE-0163:在庫評価調整伝票 在庫評価調整伝票概要 在庫評価調整伝票は、在庫の評価の結果を受けて、その結果を会計に反映させるための伝 票です。組織と品目の単位で明細を作成し、評価金額を計算します。そして、計算した評価 金額をもとに、振替伝票を作成します。 在庫評価調整伝票には、次の3つの処理ステップがあり、それぞれに独立した処理として、 在庫評価プロファイルにより自由にカスタマイズできるようになっています。 Step1:在庫評価調整伝票明細の作成 Step2:在庫評価調整額計算 Step3:在庫評価伝票明細をもとに振替伝票作成 在庫評価プロファイルに定義されている明細作成クラスを呼び出して、在庫評価調整伝票 明細を作成します。次の”Step2:在庫評価調整額計算”では、ここで作成した在庫評価調整伝 票明細に対して、在庫評価の計算を行います。 “Step1:在庫評価調整伝票明細の作成”で作成した明細毎に、在庫の評価調整金額を計算し ます。その計算は、在庫評価プロファイルに定義されている在庫評価調整クラスが行います。 “Step2:在庫評価調整額計算”で計算した調整金額をもとに、振替伝票を作成します。
  • 39. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 38 在庫評価調整伝票 在庫評価調整伝票 在庫評価調整額計算 明細作成 在庫評価調整伝票タブ(JP_InvValAdjustテーブル) 在庫評価調整伝票 [ 選択レコード/表示レコード数] (AD_Client_ID) 在庫評価調整伝票 クライアント* (AD_Org_ID)組織* 伝票ステータス更新 - ステータス (C_DocType_ID)伝票タイプ* ▼ (DocumentNo)伝票番号 (DateValue)評価日付* (SalesRep_ID)社内担当者* (JP_InvValProfile_ID)在庫評価プロファイル* ▼ (C_Currency_ID)通貨* (TotalLine)明細行合計* (DocStatus)伝票ステータス* (Description)説明* 振替伝票作成 JPiereでは棚卸資産の増減に関する自動仕訳には標準原価を使用する事を推奨しています。 そのためリアルタムで計算されている在庫金額は管理会計としての速報値的な数値です。在 庫評価調整伝票では、そのリアルタイムで計算されている管理会計の速報値的な在庫評価金 額を、財務会計として評価した正しい在庫評価金額に調整するのに使用します。 - リファレンス (C_InvValCal_ID)在庫評価計算伝票 20XX/8/10実行日時* 10:00:00 20XX/8/10実行日時* 10:00:00 20XX/8/10実行日時* 10:00:00 (JP_ProcessedTime1 ) (JP_ProcessedTime2 ) (JP_ProcessedTime3 ) (JP_Processing1 ) (JP_Processing2 ) (JP_Processing3 ) (Processing ) (GL_Journal_ID)振替仕訳 (DateAcct)転記日付* 伝票タイプ 在庫評価調整伝票の伝票タイプを選択します。在庫評価調整伝票のベース伝票タイプ は”JPA”です。 評価日付 在庫評価を行う日付です。この評価日付の在庫数量に対して、在庫評価金額を計算します。 転記日付 在庫評価を行う日付です。この評価日付の在庫数量に対して、在庫評価金額を計算します。 在庫評価の調整を行う振替伝票の日付に使用する事を想定しています。 (DifferenceAmt)差異金額*
  • 40. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 39 在庫評価調整伝票 在庫評価プロファイル 在庫評価プロファイルを選択します。在庫評価プロファイルは、在庫評価調整伝票明細作 成プロセスを実行すると変更する事ができなくなります。 通貨 在庫評価プロファイルより自動設定されます。 在庫評価調整伝票明細作成ボタン 在庫評価プロファイルに設定されている在庫評価調整伝票明細作成クラスのプロセスが呼 び出されます。伝票の完成前であれば何度でも再実行できます。 在庫評価調整額計算ボタン 在庫評価プロファイルに設定されている在庫評価調整額計算クラスのプロセスが呼び出さ れます。在庫評価調整伝票明細作成プロセスが実行されると表示されるボタンです。 在庫評価調整振替伝票作成ボタン 在庫評価プロファイルに設定されている振替伝票作成クラスのプロセスが呼び出されます。 在庫評価調整額計算プロセスが実行されると表示されるボタンです。在庫評価調整振替伝票 作成ボタンは、在庫評価調整伝票を完成にした後でも、押す事ができます。 明細行合計 参考情報として、在庫評価調整伝票明細の在庫評価金額(JP_InvValTotalAmt)の合計値を 表示します。財務会計上の在庫評価金額の合計になる事を想定しています。 差異金額 参考情報として、在庫評価調整伝票明細の差異金額(DeffierenceAmt)の合計値を表示し ます。財務会計上の在庫評価金額にするために必要となる調整金額の合計値を表示する事を 想定しています。
  • 41. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 40 在庫評価調整伝票 在庫評価調整伝票明細タブ(JP_InvValAdjustLineテーブル) 在庫評価調整伝票 > 在庫評価調整伝票明細 [ 選択レコード/表示レコード数] (AD_Client_ID) 在庫評価調整伝票 クライアント* (AD_Org_ID)組織* (JP_InvValAdjust_ID)在庫評価調整伝票* (M_Product_ID)品目* (Line)明細番号 (CostingMethod)在庫評価方法* (CostingLevel)在庫評価レベル*(C_AcctSchema_ID)会計スキーマ* - リファレンス (JP_InvValCalLine_ID)在庫評価計算伝票明細 (Account_ID)棚卸資産勘定* (AmtAcctDr)借方会計通貨金額* (AmtAcctCr)貸方会計通貨金額* (AmtAcctBalance)残高* (QtyBook)帳簿数量* (JP_InvValAmt)在庫評価単価* (JP_InvValTotalAmt)在庫評価金額* (DifferenceAmt)差異金額* (DifferenceQty)差異数量(QtyOnHand)手持在庫数量 (Description)説明 (JP_JournalLineDr_ID)振替仕訳伝票明細(借方) (JP_JournalLineCr_ID)振替仕訳伝票明細(貸方)  確認済み(IsConfirmed) 組織毎に品目の在庫評価金額を計算し、実際に転記されている金額を調整するために使用 する事を想定しているタブです。 (AD_OrgTrx_ID)取引組織* (M_AttributeSetInstance_ID)属性セットインスタンス 会計スキーマ 在庫評価プロファイルに設定さている会計スキーマを設定し、在庫評価調整金額の計算に 使用する事を想定しています。 在庫評価方法 在庫評価プロファイルに設定さている在庫評価方法を設定し、在庫評価調整金額の計算に 使用する事を想定しています。 在庫評価レベル 在庫評価プロファイルに設定さている在庫評価レベルを設定し、在庫評価調整金額の計算 に使用する事を想定しています。
  • 42. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 41 在庫評価調整伝票 勘定科目 棚卸資産勘定科目を設定し、在庫評価金額を調整する振替仕訳を作成する際に使用する事 を想定しています。 帳簿数量 会計として管理している評価日付時点の数量を設定し、在庫評価調整金額の計算に使用す る事を想定しています。 在庫評価単価 在庫評価計算伝票での計算結果を在庫評価単価に設定し、在庫評価調整金額の計算に使用 する事を想定しています。 在庫評価金額 帳簿数量×在庫評価単価の金額を保持し、在庫評価調整金額の計算に使用する事を想定し ています。 借方会計通貨金額 在庫評価日付時点における、勘定科目の借方会計通貨金額の残高を設定し、在庫評価調整 金額の計算に使用する事を想定しています。 貸方会計通貨金額 在庫評価日付時点における、勘定科目の貸方会計通貨金額の残高を設定し、在庫評価調整 金額の計算に使用する事を想定しています。 記帳残高 借方会計通貨金額 - 貸方会計通貨金額。在庫評価調整金額の計算に使用する事を想定して います。 差異金額 在庫評価金額 – 記帳残高。この金額を在庫評価調整金額として、振替仕訳を作成する事を 想定しています。
  • 43. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 42 在庫評価調整伝票 手持在庫数量 在庫管理として管理している在庫数量を設定する事を想定しています。 差異数量 手持在庫数量 – 帳簿数量。在庫管理上の在庫数量と財務会計上の在庫数量の差異。 確認済み 差異数量の要因を把握した時にONにする事を想定した備忘記録的フラグです。 借方振替伝票明細 在庫評価調整伝票明細をもとに起票された振替伝票の明細を保持する事を意図しています。 貸方振替伝票明細 在庫評価調整伝票明細をもとに起票された振替伝票の明細を保持する事を意図しています。
  • 44. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 43 在庫評価調整伝票 在庫数量差異ログタブ(JP_InventoryDiffQtyLogテーブル) 在庫評価調整伝票 > 在庫評価調整伝票明細 > 在庫数量差異ログ [ 選択レコード/表示レコード数] (AD_Client_ID) 在庫評価調整伝票 クライアント* (AD_Org_ID)組織* (JP_InvValAdjustLine_ID)在庫評価調整伝票明細* (M_Product_ID)品目 (Line)明細番号 (M_Transaction_ID)在庫取引管理台帳(M_InOutLine_ID)入出荷伝票明細 (MovementDate)移動日付 (MovementType)移動タイプ (MovementTQty)移動数量 (JP_AdjustToAcctQty)会計数量への調整数量 (Description)説明 (AD_OrgTrx_ID)取引組織* (DateAcct)転記日付 在庫数量差異ログタブでは、在庫管理で管理している在庫数量と、会計で管理している在 庫数量に差異があった場合に、その再原因を記録しておく事を意図したタブです。在庫評価 日より以前の日付の伝票がすべて正しく転記されている場合、在庫の差異の原因の多くは、 入荷伝票もしくは納品出荷伝票において、移動日付と転記日付が在庫評価日付を跨いで異な る事によります。 会計数量への調整数量 在庫管理上の在庫数量から、財務会計上の在庫数量へ調整するための数量を設定する事を 想定しています。在庫管理上の在庫数量 + 会計数量への調整数量 = 財務管理上の在庫数量。
  • 45. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 44 在庫評価調整伝票 在庫評価調整伝票明細作成プロセス 在庫評価調整額計算プロセス 在庫評価調整伝票明細作成ボタンを押すと実行されるプロセスのクラスとしてJPiereでは、 jpiere.base.plugin.org.adempiere.processパッケージにDefaultCreateInvValAdjustLine クラスを用意しています。このクラスでは在庫評価調整伝票の評価日付をキー情報として、 組織別棚卸資産勘定残高のタイムスタンプ(JP_InvOrgBalance)から、棚卸資産勘定残高を 取得し、在庫評価調整伝票明細を作成します。 在庫評価調整額計算ボタンを押すと実行されるプロセスのクラスとしてJPiereでは、 jpiere.base.plugin.org.adempiere.processパッケージにdefaultInvValAdjustCalculateク ラスを用意しています。このクラスは、在庫評価単価を在庫評価プロファイルに設定されて いるプライスリストの在庫評価日付のバージョンに設定されている標準価格から取得します (該当するデータ存在しない場合は、標準原価の現在の原価を取得します)。そして在庫評 価単価と財務会計として管理している在庫数量を乗算し、会計上の評価金額を算出します。 再度に、評価金額と現在記帳されている棚卸資産勘定残高との差異を計算します。 JPiereデフォルトの処理 在庫評価調整振替伝票作成プロセス 在庫評価振替伝票作成ボタンを押すと実行されるプロセスのクラスとしてJPiereでは、 jpiere.base.plugin.org.adempiere.processパッケージにDefaultInvValAdjustGLJournal クラスを用意しています。会計上の評価金額にするために、棚卸資産勘定残高を調整する振 替伝票を自動作成します。
  • 46. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 45 会計期間を跨ぐ入出荷伝票チェックリスト  JPIERE-0164:会計期間を跨ぐ入出荷伝票チェックリスト 会計期間を跨ぐ入出荷伝票チェックリスト 在庫評価日において、在庫管理上の在庫数量と財務会計上の在庫数量との差異をチェック するためのレポートです。例えば、財務会計上は基本的には売上の計上タイミングで在庫数 量を減らす必要がありますが、在庫管理上は倉庫より搬出したら在庫を減らしたいなどの要 望がある場合、在庫数量を減らすタイミングは常に同じ日付になるとは限りません。そのよ うな場合にこのレポートを使用して、在庫評価日における在庫管理上の在庫数量と財務会計 上の在庫数量の差異要因となっている入出荷確認伝票の明細を一覧表示し、確認する事がで きます。 会計期間を跨ぐ 入出荷確認伝票チェックリスト 保存されているパラ メータ ▼ 評価日付* レポート条件入力画面 組織 ▼ 倉庫 ▼ 品目 ▼
  • 47. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 46 会計期間を跨ぐ入出荷伝票チェックリスト レポート出力画面
  • 48. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 47 期末在庫評価に関係するカスタマイズ一覧 【JPIERE-0159】組織在庫のタイムスタンプ 【JPIERE-0160】在庫評価プロファイル 【JPIERE-0161】在庫評価計算伝票 【JPIERE-0162】棚卸資産勘定残高のタイムスタンプ 【JPIERE-0163】在庫評価調整伝票 【JPIERE-0164】会計期間を跨ぐ入出荷伝票の確認レポート 【JPIERE-0169】在庫評価用プライスリストの更新 【JPIERE-0194】期末在庫評価 – 総平均原価の計算 【JPIERE-0195】在庫評価計算伝票の検索ウィンドウ
  • 49. Copyright © OSS ERP Solutions All Right Reserved. 48 http://www.oss-erp.co.jp/ オープンソースのERPを活用し、 企業が抱えている課題を 素早く低コストで解決します!