おが台車

対人援助学会第5回大会「佐藤は見た!!!!!!」‐個人から個人へ向けられる目線と支援の展
開

「おが台車」
～「こだわり」から展開した支援～

2013.11.9
特定非営利法人クリエイティブサポートレッツ
障害福祉サービス事業所アルス・ノヴァ
支援員水越雅人

開

話題提供の流れ

１.本人紹介

２.「おが台車」と、その展開
の紹介
３. 支援のまとめ


開

1.本人紹介


開

1.本人紹介

おがたさん

年齢：23歳

性別：男性

障害：知

的障害
[性格]

・抜群に陽気
・人なつっこい
・大勢の人がいる場所に入ることができない
[好きなもの・こと]

・電化製品（特に、AV製品）。
・音楽と音
・散歩、ドライブ
・子ども


開

1.本人紹介

特性→「強いこだわり」
特に、電化製品に対する「こだわり」が
強い。
・常に、ラジカセを携帯している。
・カバンの中には、たくさんのカセットとCD。
・好き過ぎて、スピーカーの膜を破る。


開


開

1.本人紹介

特性→「強いこだわり」
特に、電化製品に対する「こだわり」が
強い。
・常に、ラジカセを携帯している。
・カバンの中には、たくさんのカセットとCD。
・好き過ぎて、スピーカーの膜を破る。
要求が通らない、思い通りにいかないと・・・

・その場で固まり、動かなくなる。
・モノを壊す。（周囲にあるモノ、所有物
など）


開

2.「おが台車」の紹介


開


「おが台車」とは・・・

おがたさんが、

自分のこだわりのものを
とにかく台車に載せた
「欲望の塊」ともいえるオブジェクト。

そして、それを伴って散歩する行為のこと。


開


まずは、動画をご覧くだ
さい。


開


「おが台車」は、
日課の散歩から始まっ
た。


開


持っていく荷物が増えたの
で、
台車を使うようになった。


開


どんどん巨大化していっ
た。


開


載せるモノの種類が増え
た。


開


少しずつ、人との出会いが生まれ
た。


開


ワークショップを
行った。


開

3.支援のまとめ


開


「おが台車」の展開
０. 日常の活動である散歩から始まった。
１. 荷物が増えた。そして、台車を使い始
めた。
２. どんどん巨大化していった。

３. 載せるモノの種類が増えた。
４. 人との出会いが生まれた。
５. WSを行った。


開

「おが台車」の展開

内容の充実
・巨大化
・多様化

（
台
車
の
変
化
）

本
人
の
活
動

こだわ
り

「おが台
車」

人との出会い

外部との接点

・日常の活動の中で
・WSを通じて

（台車をきっかけとした）


開


まとめ
１. 「こだわり」を見直してみる。
２. 「こだわり」にも変化や展開がある。
３. 外部との関わりが生まれた。
４. 関わりからの展開。

５.個別的な関わりの可能性。


開

3. 支援のまとめ

「こだわり」を改めて見てみる。


開

●「こだわり」の捉え方

問題行動を引き起こす原因とな
る。

極私的なものであるため、
周囲からの理解が得難い。

周り

こだわり

無意味

無価値
本人

問題行動

こだわり

自傷や他害、物損など

⇒マイナス要素として捉えられることが多い。
そのため、制限や抑制されやすい。


開


「こだわり」の制限や抑制

●関わる人の負担が増える。
●本人が生きる選択肢や活動範囲が減る。


開


「こだわり」は、“豊かなもの”
も
含んでいるんじゃないか。


開


こだわ
り

情熱
自発性

集中力

安定

個性

落ち着く
安心

極私的文脈
極私的専門性

⇒「こだわり」には、本人にとって大事なものがある。


開


「こだわり」から、展開
する。


開

●「おが台車」の展開のサイクル

おが台車

日中活動・生
活

やりた
い！

これ何かに
使えないか！

要求
気づき
や
る！

実行

●●したら、
■■が起きた！

⇒やりながら「気づき」が生まれ、自発的に展開していった。


開

●コミュニケーションツールとしても
機能した

おがたさ
ん

外部の人

「おが台車」
↓
“本人と人とをつなぐ媒介”
に


開

●スタッフとの関わりの積み重
ね

支援員

おがたさん

“関わり”が互いに刺激し合
う。


開


「個別的関係」による、
支援の可能性。


開


障害福祉施設

支援

支援員

支援員

支援員

全体的な関わり

利用者さん


対人援助学会
開


障害福祉施設

支援員B

関わりB

支援員A

関わりA

関わりC
支援員C
利用者さん


開


障害福祉施設

支援員B

関わりB

支援員A

関わりA

関わりC

●個別の関係の数だけ、展開が生まれ
る。
●個別の関係に、他のスタッフも関
わってaaいくことで、多様性が生まれ
る。
●それぞれの目線で捉える。

支援員C
利用者さん


開

社会

障害福祉施設
支援員B
支援員Bの

目線を通し

関わり
B

支援員A

て
支援員Cの

支援員Aの

関わり
A

目線を通し
て

目線を通し

関わりC

て

利用者さん

支援員C


開


まとめ


開


まとめ
１. 「こだわり」を見直してみる。
→「こだわり」は本人にとって〝大事なもの″である。

２. 「こだわり」にも変化や展開がある。
→〝気づき″から生まれる自発的展開。

３. 外部との関わりが生まれた。
→「こだわり」から生まれたものが〝媒介”となった。

４. 関わりからの展開。
→ 相互に刺激し合うことから〝気づき″が生まれる。

５.個別的な関わりの可能性。
→ スタッフ各々の目線や気持ちから展開する。


開


最後に


開

ご静聴ありがとうございま
した。


おが台車

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