Successfully reported this slideshow.
We use your LinkedIn profile and activity data to personalize ads and to show you more relevant ads. You can change your ad preferences anytime.

市民による通報をベースとした自治体の収集するロードキル記録における種同定の特徴

18 views

Published on

2019年度 環境情報科学研究発表大会
環境情報科学学術研究論文集 33

Published in: Environment
  • Be the first to comment

  • Be the first to like this

市民による通報をベースとした自治体の収集するロードキル記録における種同定の特徴

  1. 1. 2019-11-27 1 2019年度 環境情報科学研究発表大会 セッションテーマ:景観・生態系 論文No. 95 市民による通報をベースとした 自治体の収集するロードキル記録に おける種同定の特徴 筑波大学 自然地域計画研究室 神宮 翔真 国立環境研究所 小川 結衣
  2. 2. 2019-11-27 2 :345/650 (53%) :158/650 (24%) :147/650 (23%) はじめに -自治体が収集するRK記録の活用 自治体におけるRK記録の収集状況 立脇ら(2016) 市区町村単位での野生哺乳類の生息状況把握の重要性 • 生物多様性地域戦略の策定のための基礎データ • (鳥)獣被害防止のための現状把握 • 外来生物対策における早期の発見 ⇒ 自治体が収集する哺乳類のロードキル (RK:道路上での轢死体 )記録の 活用が提案  全国の自治体でRK記録は収集・蓄積  全国的な密度指標の推定の試み  市区町村単位での生息状況把握への活用
  3. 3. 2019-11-27 3 市区町村単位での野生哺乳類の生息状況把握の重要性 • 生物多様性地域戦略の策定のための基礎データ • (鳥)獣被害防止のための現状把握 • 外来生物対策における早期の発見 ⇒ 自治体が収集する哺乳類のロードキル (RK:道路上での轢死体 )記録の 活用が提案  全国の自治体でRK記録は収集・蓄積  全国的な密度指標の推定の試み  市区町村単位での生息状況把握への活用 はじめに -自治体が収集するRK記録の活用 RK記録にもとづく哺乳類の密度指標 Tatewaki et al. (2018)
  4. 4. 2019-11-27 4 自治体が収集するRK記録…誤同定記録を含む可能性 • 全国的に道路清掃・廃棄物対策を管轄する部署の収集(立脇ら,2016) • 市民による通報と同定に依存(立脇ら,2016) ⇒ 保全への活用を前提としたデータではない はじめに -自治体が収集するRK記録 ロードキルを収集する担当課で分類した市区町村のロードキル記録の動物種名を同定する人の割合 立脇ら(2016)
  5. 5. 2019-11-27 5 生物多様性保全のための基礎 情報として活用するには… • 通報場所や通報される 種のバイアス • データフォーマットの 統一性の課題 • 同定された種の信頼性の 課題 研究の目的: RK を通報した市民,RK を記録した野生動物の非専門家で ある委託業者の両者による種同定の信頼性を検証すること はじめに -自治体が収集するRK記録 ネコ タヌキ 市民による報告 の誤同定 委託業者 による記録の 誤同定 アライ グマ
  6. 6. 2019-11-27 6 • 中・大型野生哺乳類の分布:11種  ニホンアナグマ,アライグマ,ニホンイタチ ニホンイノシシ,ホンドギツネ,ホンドタヌキ ホンドテン,ニホンノウサギ,ハクビシン ムササビ,ニホンリス 茨城県つくば市 • 東京の北東50 km,人口23万人,面積284 km2 • 北部に水郷筑波国定公園,他は標高20~30 m • 多様な土地利用がモザイク状に分布  森林地域:43 km2(筑波山地域に22 km2) :80 km2 :54 km2  DID(人口集中地区): 17 km2 • 2つの高速道路,6つの一般国道…  主要な地域を結ぶ一般国道,県道, 一部の市道(692 km)  地域ネットワークを形成する市道(5,279 km) 研究の方法 -茨城県つくば市の概要
  7. 7. 2019-11-27 7 • 中・大型野生哺乳類の分布:11種  ニホンアナグマ,アライグマ,ニホンイタチ ニホンイノシシ,ホンドギツネ,ホンドタヌキ ホンドテン,ニホンノウサギ,ハクビシン ムササビ,ニホンリス 茨城県つくば市 • 東京の北東50 km,人口23万人,面積284 km2 • 北部に水郷筑波国定公園,他は標高20~30 m • 多様な土地利用がモザイク状に分布  森林地域:43 km2(筑波山地域に22 km2) :80 km2 :54 km2  DID(人口集中地区): 17 km2 • 2つの高速道路,6つの一般国道…  主要な地域を結ぶ一般国道,県道, 一部の市道(692 km)  地域ネットワークを形成する市道(5,279 km) 研究の方法 -茨城県つくば市の概要
  8. 8. 2019-11-27 8 • 中・大型野生哺乳類の分布:11種  ニホンアナグマ,アライグマ,ニホンイタチ ニホンイノシシ,ホンドギツネ,ホンドタヌキ ホンドテン,ニホンノウサギ,ハクビシン ムササビ,ニホンリス 茨城県つくば市 • 東京の北東50 km,人口23万人,面積284 km2 • 北部に水郷筑波国定公園,他は標高20~30 m • 多様な土地利用がモザイク状に分布  森林地域:43 km2(筑波山地域に22 km2) :80 km2 :54 km2  DID(人口集中地区): 17 km2 • 2つの高速道路,6つの一般国道…  主要な地域を結ぶ一般国道,県道, 一部の市道(692 km)  地域ネットワークを形成する市道(5,279 km) 研究の方法 -茨城県つくば市の概要
  9. 9. 2019-11-27 9 • 中・大型野生哺乳類の分布:11種  ニホンアナグマ,アライグマ,ニホンイタチ ニホンイノシシ,ホンドギツネ,ホンドタヌキ ホンドテン,ニホンノウサギ,ハクビシン ムササビ,ニホンリス 茨城県つくば市 • 東京の北東50 km,人口23万人,面積284 km2 • 北部に水郷筑波国定公園,他は標高20~30 m • 多様な土地利用がモザイク状に分布  森林地域:43 km2(筑波山地域に22 km2) :80 km2 :54 km2  DID(人口集中地区): 17 km2 • 2つの高速道路,6つの一般国道…  主要な地域を結ぶ一般国道,県道, 一部の市道(692 km)  地域ネットワークを形成する市道(5,279 km) 研究の方法 -茨城県つくば市の概要
  10. 10. 2019-11-27 10 研究に用いたRK記録の取得 情報源: ①市民からの通報時の記録 ②委託業者の報告書 補足情報: 市担当者への聞き 取り調査を毎月1回 取得期間:727日間 2017年4月1日 ~2019年3月31日 研究の方法 -市が収集した RK 記録の概要と取得 報告書における写真記録からの専門家(著者ら)による同定結果をふまえ… • 市民による種同定結果と委託業者による種同定結果の比較 • 動物死骸の状況と誤同定の関係の分析
  11. 11. 2019-11-27 11 RKの発生 発見 通報 位置特定 出動 回収 記録 処理 報告 RK発生~記録までの流れ 前提: 市民による通報 があった場合 RKが記録される条件 道路: 高速道路・私道 を除く全て 対応時間: 元日を除く 08:30~17:00 記録内容: 出現地点,日時 動物種名,写真 研究の方法 -市が収集した RK 記録の概要と取得 市民による 種同定結果 委託業者による 種同定結果
  12. 12. 2019-11-27 12 (参考)種ごとのRK記録と地点
  13. 13. 2019-11-27 13 結果と考察 -市民と委託業者における種同定正解率 アナグマ N=4 アライグマ N=34 イタチ N=17 イヌ N=22 イノシシ N=5 キツネ N=3 タヌキ N=324 テン N=1 ネコ N=834 ノウサギ N=134 ハクビシン N=223 市民 0.0% 2.9% 47.1% 81.8% 100.0% 0.0% 70.4% 0.0% 91.4% 48.5% 25.1% 委託業者 0.0% 8.8% 100.0% 100.0% 100.0% 33.3% 98.8% 0.0% 99.8% 100.0% 79.8% by 種 全体平均… 市民による正解率:71.4 % 委託業者による正解率:94.4 %
  14. 14. 2019-11-27 14 ≧90% ≧60% ≧0%≧30% 委託業者(非専門家)の正答率 (N=1601) ≧90% ≧60% ≧0%≧30% 通報した市民の正答率(N=1601) 結果と考察 -市民と委託業者における種同定正解率
  15. 15. 2019-11-27 15 結果と考察 -委託業者,市民の種の認識 一般に認知度が高い種 市民による正解率 委託業者による正解率 • イヌ :81.8 % • イノシシ:100 % • イタチ :47.1 % • タヌキ :70.4 % • ネコ :91.4 % • ノウサギ:48.5 % • イヌ :100 % • イノシシ:100 % • イタチ :100 % • タヌキ :98.8 % • ネコ :99.8 % • ノウサギ:100 % 誤同定された場合の死骸の損傷状況 損傷が激しい=誤同定の可能性 全体平均…なし:57.2 % 軽:21.1 % 重:21.6 %
  16. 16. 2019-11-27 16 結果と考察 -委託業者,市民の種の認識 • アナグマ : 0.0 % • アライグマ: 2.9 % • キツネ : 0.0 % • テン : 0.0 % • ハクビシン:25.1 % 誤同定された場合の死骸の損傷状況 見知らぬ種=誤同定の可能性 • アナグマ : 0.0 % • アライグマ: 8.8 % • キツネ :33.3 % • テン : 0.0 % • ハクビシン:79.8 % 目撃例の少ない種・似た種がいる種 市民による正解率 委託業者による正解率 全体平均…なし:57.2 % 軽:21.1 % 重:21.6 %
  17. 17. 2019-11-27 17 まとめ  野生動物の非専門家であっても,委託業者の判断は種同定の 信頼性の向上に寄与している。  一方で,委託業者の判断でも,地域の希少種や外来生物の 出現は誤判別されている。 ⇒ 市民や委託業者に向けて,誤判別される種の認知度を 上げるための対策が必要 ただし…  動物愛護と道路衛生・安全を担当する自治体部署の業務 としては,これ以上の業務負担は現実的ではない。  自然環境保全の意義を付与する必要があると考える。
  18. 18. 2019-11-27 18 ご清聴ありがとうございました。 神宮翔真・小川結衣(2019): 市民による通報をベースとした自治体の収集するロードキル記録における種同定 の特徴: 環境情報科学学術研究論文集 33, 1-6 https://doi.org/10.11492/ceispapers.ceis33.0_1 参考文献 • 立脇隆文・小池文人(2016):アンケート調査によって明らかになった日本の市区町村のロードキル記録の現状:野生 生物と社会 3(2),15-28 • Tatewaki,T., Koike, F. (2018): Synoptic scale mammal density index map based on roadkill records: Ecological Indicators 85, 468-478 • Abra, F. D., Huijser, M. P., Pereira, C. S. and Ferraz, K. M.P.M.B. (2018):How reliable are your data? Verifying species identification of road-killed mammals recorded by road maintenance personnel in São Paulo State, Brazil: Biological Conservation 225, 42-52 • 国土交通省国土政策局国土情報課:国土数値情報ダウンロードサービスホームページ: <http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/>, 2018.10.19 更新, 2018.11.9 参照 • OpenStreetMap Foundation:OpenStreetMap ホームページ:<https://www.openstreetmap.org>, 2018.9.18 更新・参照
  19. 19. 2019-11-27 19 ≧90% ≧60% ≧0%≧30% 委託業者(非専門家)の正答率 (N=1600) Reliability of species identification by road maintenance personnel Abra et al. (2019) Biological Conservation 参考)委託業者における種同定正解率
  20. 20. 2019-11-27 20 参考)RK記録の季節変化 Fig. Total numbers of road-killed cat (n = 833), Japanese hare(n = 134), masked palm civet (n = 223), raccoon dog (n = 324) per month from April 2017–March 2019

×