私は発達障害の当事者です。IQに凸凹があり、得意なことと極端に苦手なことがあります。診断が下りたのは大人になってからでした。私は幸い、比較的自分の特性に合ったキャリアを選んできましたが、それでも業務に適応できず、二次障害で鬱も経験してきました。
もし、自分の得意や苦手、特性を理解し、自分に合ったキャリアを選ぶことができれば、よりパフォーマンスを上げられる環境について交渉することができれば、発達障害のある人の職業人生は、全く違う様相を見せるのではないでしょうか。そのためには、入口対策として、自身の特性を理解し、受容し、配慮を依頼していくための『キャリア教育』が必要だと、私は考えています。
そこで課題になるのが、一般学級で学んでいる軽度発達障害、ボーダーラインの生徒・学生。彼らに届けるためには、特別支援学校や特別支援学級ではなく、一般の高校や大学でプログラムを展開する必要があります。そしてまた、いわゆる定型発達の生徒・学生にとってもこのプログラムは、自分らしいキャリアを選ぶ指針になるのではと感じています。
一方、ダイバーシティを志す企業でも、発達障害のある人とどう働いていくかが課題になっています。しかし、その最大の問題点は、当事者ではない人が、想像でよい環境をつくろうとしていること。それよりも、当事者自身が自分にとって働きやすい環境について、自分自身で考え、配慮を依頼していけるようになることで、ダイバーシティはより進むのではないでしょうか。このプログラムを企業で実施することで、発達障害のある人も、定型発達の人も、他の障害や、フルタイムで働けない理由がある人も、それぞれが働きやすい環境を模索していけるのではないかと思います。
ヨクスルでは、このようなこと『キャリア教育』を、学校や企業に届けるための広報や営業のアイデアを、みなさまと一緒に考えたいです。
このプログラムが広がることで、この地域が多様な文化や背景を認め合える、寛容で優しい地域になっていくと思っています。