HealthBizWatch 2015年10月号
- 1. 健康ビジネス問題解決サポートメディア HealthBizWatch
2015 年 10 月号
Health Biz Watch 新コンセプトを「健康ビジネス問題解決サポートメディア」とし
7月7日号よりリニューアルスタートいたしました。
新コンセプトメールマガジン構成
4つのテーマを追求するスタイル
健康サービスビジネスモデルの現場活性化のためのテーマを4つ設定し、各号弊社ディレクターが Authorとして担当テーマ特集を解説し、大
川が全体の編集主幹としてドライブしていきます。
2015 年 10 月 6 日号 ≫ Author:大川耕平
[健康サービス・デザイン] テーマ:健康サービスにおけるアライアンス
2015 年 10 月 13 日号 ≫ Author:渡辺武友
[モバイルヘルス&アプリ動向編] テーマ:Fitbit、Jawbone、Samsung のヘルスケアビジネス動向
2015 年 10 月 20 日号 ≫ Author:脇本和洋
[海外注目企業の継続支援編] テーマ: 「ストーリー(物語)」を使った継続支援
2015 年 10 月 27 日号 ≫ Author:里見将史
[ヘルスコーチングの視線編] テーマ: ヘルスコーチング × ICT
- 2. 健康ビジネス問題解決サポートメディア HealthBizWatch
[健康サービス・デザイン] 2015 年 10 月 6 日号 ≫≫≫Author:大川耕平
【テーマ:健康サービスにおけるアライアンス】
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1. なぜ?アライアンス
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健康サービス事業にとって顧客の健康行動プロセスにおける全ての健康消費活動に対して1企業で対応することは不可能と言われていま
す。そこで必要となるのがアライアンスです。
alliance(アライアンス)とは:企業同士のイコールパートナーとしての提携。戦略同盟。業務提携。顧客価値提供を目的共有した協力体制で
自社の強みを相互に活かして相乗効果を生み、かつ事業展開のスピード加速を目指します。
◆ビジネスモデルの変化
B2C から BwithC へ
モノの機能を中心とした交換価値の時代から使用価値への転換が起こっています。いいモノであることはあたりまえで、それを使いながら使
用者にとっての価値を提案し支援していくスタイルが主流になっていくというものです。
サプリメントの機能効能は継続利用によってのみ発揮されます。つまり、使用継続まで含めたサポートがビジネスモデルとして必須になって
いくという意味です。顧客にとっての使い勝手にその商品継続の決定要因があるため顧客の気持ちや都合を把握することが必須です。
作ったものを売るというアプローチではなく、求められるものとその使い方を提案していくために顧客と一緒に作るというスタイルが本流にな
っていきます。
- 6. 健康ビジネス問題解決サポートメディア HealthBizWatch
[モバイルヘルス&アプリ動向編] 2015 年 10 月 13 日号 ≫≫≫Author:渡辺武友
【テーマ:Fitbit、Jawbone、Samsung のヘルスケアビジネス動向】
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1. モバイルヘルス先行企業が模索する取組
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モバイルヘルスのブームから、すでに 3 年以上が経ちました。先行してムーブメントを築いた企業は、現在どのような活動をしているのか?モ
バイルヘルスのムーブメントの一角といえる Fitbit、Jawbone、さらにケータイ端末メーカーとしてモバイルヘルスに参入した Samsung の動向
から、試行錯誤の結果、現在何に注力しているのか見ていきましょう。
◇Fitbit の動向
フィットネストラッカーとして最も成功したと言われるのが Fitbit です。
昨年は市場の 7 割を占めるほどの勢いでした。最近の調査(Forrester Research による米国市場)では 36%と落ちてきていますが、依然トップ
シェアをキープしています。
Fitbit が現在力を入れているのが BtoB 展開です。Fitbit の企業ウェルネス部門が正式に HIPAA 準拠プラットフォームとなり、新規顧客として
Target 社を獲得したことを発表しました(Target はアメリカだけで 33 万 5 千人の従業員に Fitbit zip を配布している)。企業ウェルネスの顧客
向け新プログラムとして、様々な都市に点在する従業員グループを互いに競争させる「Workplace Race」をスタートしました。Fitbit は、医療保
険や自家保険(の雇用主)と提携し、新プログラムにより企業の健康予防(ウェルネスプログラム)の活性化を狙っています。
<参考>
http://mhealthwatch.jp/global/news20151009-2
http://mhealthwatch.jp/global/news20151002
- 7. ◇Jawbone の動向
フィットネストラッカーとしての市場シェア 10%をキープする Jawbone。
表立っては BtoC 展開で、彼らの強みであるデザイン性の充実、データを活用したサービサーとの連携を強化しています。
気になるのが 2013 年に買収した BodyMedia の活用です。当初は買収後も BodyMedia として製品を発売する予定で CES でも「Core2」を発表
していましたが、発売されず今に至ります。BodyMedia は、87 の特許を取得し、エビデンスも豊富にあるといわれています。
現在 BodyMedia を活用した実証実験としては、保険会社の Cigna が糖尿病の疑いのある肥満者 600 人を対象に、6 ヶ月間に渡り健康プログ
ラムを提示し、そこでデバイスを装着した人が 86%も運動に意欲的であったことを発表しました。
Jawbone から BodyMedia の今後に関して伝えられてはいませんが、生活習慣病などの医療分野での活用が期待されます。
<参考>
http://mhealthwatch.jp/global/news20151005-2
◇Samsung の動向
Samsung がヘルスケアへの取組みを開始したのは、Galaxy S3 が発表された 2012 年です。一部の国でテスト的にスタートしましたが、Galaxy
S4 の発表の際、大々的に「S Health」をはじめることを発表しました。
当初は自社製のフィットネストラッカーなどを発売する計画でしたが、Galaxy 専用のアプリとして、取得したデータをサービサーにつなぐデータ
連携サービスからスタートし、翌年に「Gear Fit」を発表しました。
しかし、想定したほど利用が伸びなかったためか、一時は「S Health」が終了するとの噂もありましたが、Cigna と提携し、デジタルコーチング
プログラムをスタートし、医療分野へのアプローチが始まりました。
この取組みが効果的と判断され、再度 BtoC 展開の強化として、自社以外のスマートフォンにも「S Health」の提供が決まりました。
<参考>
http://mhealthwatch.jp/global/news20150929-2
- 10. 健康ビジネス問題解決サポートメディア HealthBizWatch
[海外注目企業の継続支援編] 2015 年 10 月 20 日号 ≫≫≫Author:脇本和洋
【テーマ:「ストーリー(物語)」を使った継続支援】
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ストーリーを使った継続支援とは
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「ストーリーを使った継続支援」は、創業や新しい商品・サービス立ち上げの経緯を物語としてみせ、顧客の感情を動かし、関係性を深め、商
品・サービスの継続利用を促すものです。顧客側からみると、ストーリーに共感し、企業のファンになり、継続的につながっていたいと思うとい
うことです。
今回は、ストーリーを使った継続支援をテーマに、3つの事例を紹介します。
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事例1:Patientslikeme のストーリー
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Patientslikeme は、難病患者のためのコミュニティサービスを提供。同じ病気や症状に苦しむ患者同士が、症状や治療法のデータを共有する
ことで、新たな対策を見つける集合知サイトです。
●Patientslikeme のストーリー
Patientslikeme を創業した兄弟(B.Heywood と J.Heywood)には、Stephen というもう一人の兄弟がいて、1999 年に ALS という難病と診断され
ました。Heywood 家族は、ALS の進行を遅らせる情報を収集したり、医師を回ったり、同じ症状の人を探したり、様々な手を尽くしました。しか
し、進行を遅らせることができませんでした。そこで、自分たちでサイトを立ち上げて、ALS にうまく対処している人を探して様々な方法を知り
“兄弟の役に立ちたい”、そんな想いで創業しました。なので、このサイトの最初の会員は私たちだったと語っています。
その後、サイト会員が増えるにしたがって、家族として ALS にうまく対応できるようになり、同じ境遇の人や家族をもっと救いたい、そんな想い
が根本にあります。
・参考>Our Story の内容 https://www.patientslikeme.com/about
- 15. 健康ビジネス問題解決サポートメディア HealthBizWatch
[ヘルスコーチングの視線編] 2015 年 10 月 27 日号 ≫≫≫Author:里見将史
【テーマ:ヘルスコーチング × ICT】
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1.ICT 上でも 1 対 1 のヘルスコーチング
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一般的なコーチングはもちろん、ヘルスコーチングでも個別性、パーソナライズは必要な要素です。しかし、1対1の直接的な対話形式にこだ
わると、距離や時間などの制約条件が発生し、ビジネス的な拡がりが期待できません。
そこで、ICT を活用しウェブ上、モバイルを使ってヘルスコーチが1対1でサポートするヘルスコーチングのサービスが展開され始めてきてい
ます。そこには、ICT ならではのコミュニケーションスタイルで提供されています。
1-1 寄り添い感、見守られ感
ウェブやモバイルを活用したヘルスコーチングでは、テレビ電話やチャット形式でのテキストで、利用者とヘルスコーチが直接コミュニケーショ
ンを取ります。これまでのヘルスケアサービスでもメールでサポートするサービスもありましたが、メールではリアルタイム性や反応がわかり
づらいため、そこに「人」が寄り添っていてくれている感じが薄くなってしまいます。
テレビ電話はヘルスコーチと直接会話が可能なのはもちろん、チャット形式のテキストでのコミュニケーションでも、リアルタイムに反応が感じ
られるため、画面の中のテキストを通しても「人」を感じることが可能なのです。
1-2 コミュニケーションスタイルの変化
これまでのコーチングのコミュニケーションの中心は、対面での会話や電話が主流でした。対面での会話の価値は変わりませんが、電話に
ついてはウェブやモバイルでのコミュニケーションへと変化してきています。
特に最近では、メールでのコミュニケーションよりも LINE のようなチャット形式でのコミュニケーションが多く使われるようになってきています。
- 16. このように利用者が普段使用しているコミュニケーション手段に合わせて利用者とヘルスコーチのやり取りの仕組みを提供することで、利用
者にとってサービスの垣根やハードルが低くなって受け入れ易くなるのです。
ICT 上での 1 対 1 のヘルスコーチングも、いろいろなコミュニケーションスタイルで提供が可能になってきています。
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2.SNS を活用したコミュニティスタイル
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前回ご紹介したコミュニティスタイルのヘルスコーチングでは、1対1のコミュニケーションよりも個別性が薄まります。
しかし、コミュニティ内は「仲間」がいるのが1対1のコミュニケーションとは大きく異る部分です。コミュニティスタイルのヘルスコーチングでは、
提供価値として「学び」の要素がポイントになってきます。
2-1 知識+実践
コミュニティ内では、様々なコミュニケーションや情報交換のやり取りが発生するため、それらの会話一つ一つがメンバーにとって「学び」につ
ながります。また、その「学び」をメンバーと一緒に実践して共有する「場」としても機能します。ヘルスコーチングと聞くと一切「ティーチング」は
しないかと思われがちですが、「ティーチング」と「コーチング」が合わさったのがラーニングコミュニティというスタイルなのです。
2-2 テーマ設定、組み合わせ
コミュニティスタイルでは、「学ぶ」と「実践」が中心だとお伝えしましたが、「学ぶ」部分については、コンテンツやメソッドはもちろん、商品や道
具などを正しく使うことも「学ぶ」の一部になると考えています。また、学んだことを実践することをヘルスコーチはコミュニティをファシリテーシ
ョンしながらサポートします。
そのため、ヘルスコーチは各分野の専門家や商品、道具などと連携・活用することで、様々なテーマのコミュニティスタイルのヘルスコーチン
グサービスも提供可能になり、サービスの幅も拡がります。
- 18. 記録だけが成功の要因ではなく「記録→振り返り」が重要な要素なのです。
このように「振り返り」の機能をサービスに組み込むことはヘルスコーチが介在しなくても可能なのです。
今回はヘルスコーチング × ICT のアプローチを解説しました。
ヘルスコーチングは対面や電話などの直接的なコミュニケーションが基本だと思われている方がまだまだ多いですが、ICT との連携でヘルス
コーチングは多くのヘルスケアサービスの中で提供可能になってきているのです。
ご自身のヘルスケアサービスでの可能性を一度想像してみてください。
次回は、ヘルスコーチングの展開事例とその中から見えてきたことをご紹介する予定です。ご期待ください。
【ヘルスコーチングのサービスイメージ】
ヘルスコーチングについて、なんとなくのイメージはできたけど、実際にどんなサービスとの相性が良いのか?どんなサービスで提供できる
のか?まだまだイメージしづらいかもしれません。
例えばですが、こんなサービスが既に展開されていたりします。
・ダイエット食品の利用者に対する電話によるヘルスコーチングサービス
・健康機器の利用促進に向けたグループコーチング
・食事記録サービスの中でのダイエットを目的としたコーチングコミュニティ
・社員の肥満解消のためのオンラインダイエットコーチング
・健康食品通販のロイヤルカスタマー向け定期購入者離脱防止コーチングメール
・専門家向けスキルアップのためのコーチングコミュニティ
・食品の効果を高めるための商品を活用したグループコーチング
既存のサービスとヘルスコーチングとの連携について、ご興味ある方はお気軽にお問い合わせください。
貴社のサービスとの連携イメージなどご提案させていただきます!!
http://hbw-store.com/service/keizoku1502-137.html