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健康ビジネス問題解決サポートメディア HealthBizWatch
2015 年 10 月号
Health Biz Watch 新コンセプトを「健康ビジネス問題解決サポートメディア」とし
7月7日号よりリニューアルスタートいたしました。
新コンセプトメールマガジン構成
4つのテーマを追求するスタイル
健康サービスビジネスモデルの現場活性化のためのテーマを4つ設定し、各号弊社ディレクターが Authorとして担当テーマ特集を解説し、大
川が全体の編集主幹としてドライブしていきます。
2015 年 10 月 6 日号 ≫ Author:大川耕平
[健康サービス・デザイン] テーマ:健康サービスにおけるアライアンス
2015 年 10 月 13 日号 ≫ Author:渡辺武友
[モバイルヘルス&アプリ動向編] テーマ:Fitbit、Jawbone、Samsung のヘルスケアビジネス動向
2015 年 10 月 20 日号 ≫ Author:脇本和洋
[海外注目企業の継続支援編] テーマ: 「ストーリー(物語)」を使った継続支援
2015 年 10 月 27 日号 ≫ Author:里見将史
[ヘルスコーチングの視線編] テーマ: ヘルスコーチング × ICT
健康ビジネス問題解決サポートメディア HealthBizWatch
[健康サービス・デザイン] 2015 年 10 月 6 日号 ≫≫≫Author:大川耕平
【テーマ:健康サービスにおけるアライアンス】
----------------------------------------------------------------------
1. なぜ?アライアンス
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健康サービス事業にとって顧客の健康行動プロセスにおける全ての健康消費活動に対して1企業で対応することは不可能と言われていま
す。そこで必要となるのがアライアンスです。
alliance(アライアンス)とは:企業同士のイコールパートナーとしての提携。戦略同盟。業務提携。顧客価値提供を目的共有した協力体制で
自社の強みを相互に活かして相乗効果を生み、かつ事業展開のスピード加速を目指します。
◆ビジネスモデルの変化
B2C から BwithC へ
モノの機能を中心とした交換価値の時代から使用価値への転換が起こっています。いいモノであることはあたりまえで、それを使いながら使
用者にとっての価値を提案し支援していくスタイルが主流になっていくというものです。
サプリメントの機能効能は継続利用によってのみ発揮されます。つまり、使用継続まで含めたサポートがビジネスモデルとして必須になって
いくという意味です。顧客にとっての使い勝手にその商品継続の決定要因があるため顧客の気持ちや都合を把握することが必須です。
作ったものを売るというアプローチではなく、求められるものとその使い方を提案していくために顧客と一緒に作るというスタイルが本流にな
っていきます。
◆顧客時間の中にポジショニングという発想
顧客(健康消費者)にとっての生活時間は自分の中ではひとつで流れてきます。午前6時の自分と昼12時の自分は同じです。気分の違いは
あるでしょうし、空腹感も違うかもしれませんが同じ自分です。つまり、疲れたと思う自分と、お腹が空いたと感じる自分は同じです。区切って
考えないし行動していません。自分時間の中に様々な思考と行動を反復的にあるいは非連続的に続けます。その中に様々な健康行動も含
まれます。
例えば、活動量計を購入した健康消費者がダイエットを目指すとします。プロダクトメーカーは最高品質のプロダクト機能を提供し、そのログ
データを管理できるウェブサイト、スマホでも管理できるアプリを提供しています。そしてプロダクト以外無料のサービスだとします。
活動量計を使用しながら健康消費者が行う様々な健康消費ニーズに対してどう応えていくかが次世代型の健康サービスの重要課題なので
す。
活動量計を使う健康消費者へ価値提案できるタッチポイントは活動量計メーカーが当初想定していたものより数多く存在しており、それを自
社だけでアプローチ・対応することは不可能です。
顧客接点を持つすべての企業にアライアンスによるプラスアルファな価値創造提案ビジネスの可能性があるということになります。
----------------------------------------------------------------------
2. アライアンスの基本姿勢
----------------------------------------------------------------------
今後の健康サービス事業にとって極めて重要なポイントとなるアライアンスですが、同事業領域においてはなかなか成功例を見つけることが
難しい現状です。その大きな理由に健康サービス事業に対しての参入企業スタンスの不確かさがあると思われます。
昨今、健康ビジネス全体でアライアンスというワードをよく聞くようになりました。これは時代の流れだと思います。
資金や時間をかけず資源活用を活性化したいと経営は考えます。アライアンスにその活路を見出したいのですが、、。
◆ダメなパターン
本来は顧客満足を目指して貢献しあうという行動がアライアンスには重要です。しかし、多くのうまくいかないケースは
・UCHIMUKI(内向き) →アライアンス模索で自社都合のみを優先する
・IZON(依存) →自社提供範囲以外に興味を持たず依存する
・KOKYAKUJOUHOU(顧客情報) →相手の顧客情報だけ欲しがる
この3つの中ひとつでも合致するのであれば、まずアライアンス成果は難しいです。
◆いけるパターン
活性化していくケースは相手を優先するぶれないスタンスが必要です。
・お互い単独もしくは競合他社より価値ある共同ソリューションをつくることができるという意識の共有
・相手の成功に貢献することを優先する姿勢(同時にパートナーのリスク低減にもフォーカス)
・摩擦を恐れず、相互に相手のニーズを徹底的にヒアリングしている
コミュニケーション品質が続けば続けるほど磨かれていくスタンスを相互にとっていることがアライアンス成功の最大ポイントです。
----------------------------------------------------------------------
3. 日本における今後のアライアンスデザイン
----------------------------------------------------------------------
日本国内での健康サービス事業アライアンス文化はまさにこれからです。
◆ベースとなるのがコミュニティ
相互に相手優先を心構えとし行動することがアライアンス活性化の要諦です。これって「コミュニティ」という共有するテーマに対しての参加メ
ンバーが積極的に貢献することを喜びとするフレームと同根だと思いませんか?
活性化して成長していくアライアンスには必然的にコミュニティが生まれ、さらなる価値創造に向けた可能性への出会い基盤になっていきま
す。また、コミュニティの中から新しいアライアンスパートナーが見つかっていくパターンが今後の健康サービス事業のコアになっていくと私は
予測しています。
◆アライアンスの成熟化と進化
アライアンスの成功も机上に答えはない、経験からしかノウハウは生まれませんし、その成果もそうです。100%の完成形もしくは正解がある
世界ではないのが健康サービス事業のアライアンスです。
そしてそのアライアンス技術を磨き、貢献スタンスをぶれずに継続していくプレイヤーが健康サービス事業でスケールしていくはずです。小さ
い失敗を積み重ねて修正してチューニングしてノウハウ化していく方法しかありません。
私は 2016 年から国内の健康サービス事業アライアンスが活性化していく元年になると予測しています。
アライアンスに関してディスカッションご希望があればお声かけください!
https://hbw.heteml.jp/healthbizwatch.com/inq/inq.html
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[モバイルヘルス&アプリ動向編] 2015 年 10 月 13 日号 ≫≫≫Author:渡辺武友
【テーマ:Fitbit、Jawbone、Samsung のヘルスケアビジネス動向】
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1. モバイルヘルス先行企業が模索する取組
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モバイルヘルスのブームから、すでに 3 年以上が経ちました。先行してムーブメントを築いた企業は、現在どのような活動をしているのか?モ
バイルヘルスのムーブメントの一角といえる Fitbit、Jawbone、さらにケータイ端末メーカーとしてモバイルヘルスに参入した Samsung の動向
から、試行錯誤の結果、現在何に注力しているのか見ていきましょう。
◇Fitbit の動向
フィットネストラッカーとして最も成功したと言われるのが Fitbit です。
昨年は市場の 7 割を占めるほどの勢いでした。最近の調査(Forrester Research による米国市場)では 36%と落ちてきていますが、依然トップ
シェアをキープしています。
Fitbit が現在力を入れているのが BtoB 展開です。Fitbit の企業ウェルネス部門が正式に HIPAA 準拠プラットフォームとなり、新規顧客として
Target 社を獲得したことを発表しました(Target はアメリカだけで 33 万 5 千人の従業員に Fitbit zip を配布している)。企業ウェルネスの顧客
向け新プログラムとして、様々な都市に点在する従業員グループを互いに競争させる「Workplace Race」をスタートしました。Fitbit は、医療保
険や自家保険(の雇用主)と提携し、新プログラムにより企業の健康予防(ウェルネスプログラム)の活性化を狙っています。
<参考>
http://mhealthwatch.jp/global/news20151009-2
http://mhealthwatch.jp/global/news20151002
◇Jawbone の動向
フィットネストラッカーとしての市場シェア 10%をキープする Jawbone。
表立っては BtoC 展開で、彼らの強みであるデザイン性の充実、データを活用したサービサーとの連携を強化しています。
気になるのが 2013 年に買収した BodyMedia の活用です。当初は買収後も BodyMedia として製品を発売する予定で CES でも「Core2」を発表
していましたが、発売されず今に至ります。BodyMedia は、87 の特許を取得し、エビデンスも豊富にあるといわれています。
現在 BodyMedia を活用した実証実験としては、保険会社の Cigna が糖尿病の疑いのある肥満者 600 人を対象に、6 ヶ月間に渡り健康プログ
ラムを提示し、そこでデバイスを装着した人が 86%も運動に意欲的であったことを発表しました。
Jawbone から BodyMedia の今後に関して伝えられてはいませんが、生活習慣病などの医療分野での活用が期待されます。
<参考>
http://mhealthwatch.jp/global/news20151005-2
◇Samsung の動向
Samsung がヘルスケアへの取組みを開始したのは、Galaxy S3 が発表された 2012 年です。一部の国でテスト的にスタートしましたが、Galaxy
S4 の発表の際、大々的に「S Health」をはじめることを発表しました。
当初は自社製のフィットネストラッカーなどを発売する計画でしたが、Galaxy 専用のアプリとして、取得したデータをサービサーにつなぐデータ
連携サービスからスタートし、翌年に「Gear Fit」を発表しました。
しかし、想定したほど利用が伸びなかったためか、一時は「S Health」が終了するとの噂もありましたが、Cigna と提携し、デジタルコーチング
プログラムをスタートし、医療分野へのアプローチが始まりました。
この取組みが効果的と判断され、再度 BtoC 展開の強化として、自社以外のスマートフォンにも「S Health」の提供が決まりました。
<参考>
http://mhealthwatch.jp/global/news20150929-2
----------------------------------------------------------------------
2. 3 社の動向からの学び
----------------------------------------------------------------------
3 社の取組みを見てきました。各社今に至るまで試行錯誤があったことがお分かりいただけたと思います。
各社の動向で誤解してほしくないのは、
「BtoC が伸びないから、市場を BtoB(や医療)へシフトした」
ということではなく、
「BtoC 市場で培ってきたブランド力を活かして、BtoC での成功・失敗から得た知見から新たなサービスを作り、次なる市場で効果検証をして
いる」
と言えるのではないでしょうか。
BtoB でアプローチする場合でも、実際に利用するのはコンシューマーです。ユーザーが使いたいと思ってもらうためにも、BtoC 市場でブラン
ド力を高める必要があります。
また、デバイスの機能追加や単純なデータ連携だけでは、すぐ他社に真似されてしまいます。ヘルスケアに重要なユーザーの目的である課
題の解決となるソリューションを、他社とは違う切り口で作り上げることが求められます。
そのためにも現ユーザーの声を聞き、何を伸ばし、改善すべきことは何かを見極める作業をやり切ってみることが大切だと考えます。
----------------------------------------------------------------------
3. モバイルヘルス検討の新たなアプローチ
----------------------------------------------------------------------
スポルツと IT 法務の専門性が高い GVA 法律事務所とが連携し「法律を踏まえることで、医療に抵触せず独自性のあるモバイルヘルス企画」
を行うためのポイントをまとめました。
11 月 20 日のモバイルヘルス勉強会にて紹介しますので、ご興味を持たれた方はご参加ください。
■モバイルヘルス勉強会「法律を踏まえた独自性あるモバイルヘルス企画」
11 月 20 日(金)開催
↓ 詳細情報・お申込みはこちら ↓
http://hbw-store.com/seminar/mhealth151120.html
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[海外注目企業の継続支援編] 2015 年 10 月 20 日号 ≫≫≫Author:脇本和洋
【テーマ:「ストーリー(物語)」を使った継続支援】
----------------------------------------------------------------------
ストーリーを使った継続支援とは
----------------------------------------------------------------------
「ストーリーを使った継続支援」は、創業や新しい商品・サービス立ち上げの経緯を物語としてみせ、顧客の感情を動かし、関係性を深め、商
品・サービスの継続利用を促すものです。顧客側からみると、ストーリーに共感し、企業のファンになり、継続的につながっていたいと思うとい
うことです。
今回は、ストーリーを使った継続支援をテーマに、3つの事例を紹介します。
----------------------------------------------------------------------
事例1:Patientslikeme のストーリー
----------------------------------------------------------------------
Patientslikeme は、難病患者のためのコミュニティサービスを提供。同じ病気や症状に苦しむ患者同士が、症状や治療法のデータを共有する
ことで、新たな対策を見つける集合知サイトです。
●Patientslikeme のストーリー
Patientslikeme を創業した兄弟(B.Heywood と J.Heywood)には、Stephen というもう一人の兄弟がいて、1999 年に ALS という難病と診断され
ました。Heywood 家族は、ALS の進行を遅らせる情報を収集したり、医師を回ったり、同じ症状の人を探したり、様々な手を尽くしました。しか
し、進行を遅らせることができませんでした。そこで、自分たちでサイトを立ち上げて、ALS にうまく対処している人を探して様々な方法を知り
“兄弟の役に立ちたい”、そんな想いで創業しました。なので、このサイトの最初の会員は私たちだったと語っています。
その後、サイト会員が増えるにしたがって、家族として ALS にうまく対応できるようになり、同じ境遇の人や家族をもっと救いたい、そんな想い
が根本にあります。
・参考>Our Story の内容 https://www.patientslikeme.com/about
----------------------------------------------------------------------
事例2:Redbull のストーリー
----------------------------------------------------------------------
Redbull は、1984 年設立のエナジードリンクを販売するオーストリアに本社を置く企業。世界 167 か国に販売。2014 年度の売上は、51.1 億
EUR(1EUR=130 円として約 6600 億円)。
●Redbull のストーリー
1982年、大手食品会社で働いていたオーストリア人のマテシッチ氏は、海外出張で年の大半をすごしていました。当時、経済成長の著しい日
本の高額納税者の一位がトヨタやソニーの経営者でなく、リポビタンDを販売する大正製薬の経営者であることを知ります。
また、東アジアでこのエナジードリンクが売られていることを知ります。そして同氏は、あらゆるエナジードリンクを試し、海外出張の長時間フ
ライトの後に飲むと元気でいられることを自ら体感し、これをヨーロッパの人に届けたいと思いました。
1985 年に大手食品会社を退職した後、収入ゼロの中で創業、タイの Redbull 社と契約。しかし、ヨーロッパでは法律上、同食品の販売許可が
おりませんでした。かなりの苦労の末、1987 年にオーストリアで許可がおり販売を開始。しかし、隣国であり市場規模の大きいドイツでは販売
許可がおりませんでした。
しかし、ドイツの若者の間で「怪しい素材が入っていて、効果がある」という噂がたち、ドイツ国内にオーストリアから密輸品が多く入り、夜のバ
ーで流行るという社会現象になりました。その結果、ドイツ国内で発売許可がおりる前に認知が急上昇、販売後は爆発的に売れることになり
ました。
・参考>レッドブルはなぜ世界で 52 億本も売るのか(日経 BP)
----------------------------------------------------------------------
参考事例:わかさ生活のストーリー
----------------------------------------------------------------------
日本では、ストーリーをうまく使っている事例としてサプリメント販売を行う「わかさ生活」をあげることができます。
同社社長の角谷氏は小学校の時に体験した事故が原因で視野の半分を失いました。
その後ブルーベリーと出会い自らの視野が回復。その思いを胸に、自分と同じ「目」で悩む人を救いたいという想いがあります。
・参考>わかさ生活 誕生物語 http://company.wakasa.jp/about_wakasa/message/story/
----------------------------------------------------------------------
「ストーリー」を企画する際のポイント
----------------------------------------------------------------------
実は今回紹介した3事例には、What(商品やサービス)による継続支援も充実しています。さらにストーリーにより Why(なぜこの仕事をしてい
るのか)を提示することで、継続支援を強化しています。
Why(なぜこの仕事をしているのか)をうまく提示できれば、顧客の心に訴えかけ、印象が強く残り、継続につながる可能性が高まります。
今迄私たちがストーリーの企画支援をしてきた経験を元に、企画のポイントを紹介します。
●「だれが、だれのためにやった」かをはっきり設定する
物語には、主人公が必要です。そして、だれのために考えたかが必要です。Patienstslikeme は「創業者が家族のため」、Redbull は「創業者
がエネルギードリンクを飲んだ喜びをヨーロッパの人のために」、わかさ生活は「創業者が自分と同じ目のことで悩む人に」ということです。
●「山あり谷あり」を見せる
物語では、共感が必要です。そのために「山あり谷あり」を見せます。Patienstslikeme は「創業するまでの家族の苦悩と、創業後に会員となり
自分たち家族がうまくいったこと」、Redbull は「販売許可がおりず苦難を極めた中で、密輸によって市場が広がったこと」、わかさ生活は「不遇
の時代を長く送りながら、創業に結び付けたこと」ということです。
●伝えたい「教訓」を意識すること
物語では、聞いた後に最終的に何を感じてもらいたいか(教訓)を意識しておくことが必要です。つまり、自分ごととしてどのように解釈してほ
しいかです。Patienstslikeme は「家族を愛する大切さ」、Redbull は「好きなことを突き通す勇気」、わかさ生活は「どんな不遇にあってもあきら
めない気持ち」といったことが、教訓として考えられます。
今回は、「ストーリー」を使った継続支援をテーマにお届けしました。企画の際には、是非これらのポイントを使ってみてください。
----------------------------------------------------------------------
下記は、継続支援に関するスポルツからのお知らせです。
【継続率向上のためのスポルツのサポートサービス】
■継続ドライバとは
スポルツでは、国内外の様々な健康ビジネス事例研究、専門家へのヒアリングから、顧客の健康行動の継続支援技術を探査・抽出・整理し
て「継続ドライバ」と命名、2007 年から自主研究、現場への活用を行っています。
http://www.healthbizwatch.com/project_note/post_471.html
■継続ドライバのオープンセミナー(11 月、12 月開催)
継続ドライバ全体を紹介するオープンセミナーを定期開催しています。事例を使って一つ一つの継続ドライバを紹介します。
・11 月 17 日開催
http://hbw-store.com/seminar/keizokudriva1510-154.html
・12 月 10 日開催
http://hbw-store.com/seminar/keizokudriva1512.html
■健康食品、ウェブ、施設サービスの利用継続率を伸ばすための「継続支援企画」
継続ドライバを活用いただき、貴社施策の費用対効果を高めるというものです。社内セミナー、ベンチマーク調査、共同企画という3つのメニ
ューでサポートしています。
http://hbw-store.com/service/keizoku1507.html
健康ビジネス問題解決サポートメディア HealthBizWatch
[ヘルスコーチングの視線編] 2015 年 10 月 27 日号 ≫≫≫Author:里見将史
【テーマ:ヘルスコーチング × ICT】
----------------------------------------------------------------------
1.ICT 上でも 1 対 1 のヘルスコーチング
----------------------------------------------------------------------
一般的なコーチングはもちろん、ヘルスコーチングでも個別性、パーソナライズは必要な要素です。しかし、1対1の直接的な対話形式にこだ
わると、距離や時間などの制約条件が発生し、ビジネス的な拡がりが期待できません。
そこで、ICT を活用しウェブ上、モバイルを使ってヘルスコーチが1対1でサポートするヘルスコーチングのサービスが展開され始めてきてい
ます。そこには、ICT ならではのコミュニケーションスタイルで提供されています。
1-1 寄り添い感、見守られ感
ウェブやモバイルを活用したヘルスコーチングでは、テレビ電話やチャット形式でのテキストで、利用者とヘルスコーチが直接コミュニケーショ
ンを取ります。これまでのヘルスケアサービスでもメールでサポートするサービスもありましたが、メールではリアルタイム性や反応がわかり
づらいため、そこに「人」が寄り添っていてくれている感じが薄くなってしまいます。
テレビ電話はヘルスコーチと直接会話が可能なのはもちろん、チャット形式のテキストでのコミュニケーションでも、リアルタイムに反応が感じ
られるため、画面の中のテキストを通しても「人」を感じることが可能なのです。
1-2 コミュニケーションスタイルの変化
これまでのコーチングのコミュニケーションの中心は、対面での会話や電話が主流でした。対面での会話の価値は変わりませんが、電話に
ついてはウェブやモバイルでのコミュニケーションへと変化してきています。
特に最近では、メールでのコミュニケーションよりも LINE のようなチャット形式でのコミュニケーションが多く使われるようになってきています。
このように利用者が普段使用しているコミュニケーション手段に合わせて利用者とヘルスコーチのやり取りの仕組みを提供することで、利用
者にとってサービスの垣根やハードルが低くなって受け入れ易くなるのです。
ICT 上での 1 対 1 のヘルスコーチングも、いろいろなコミュニケーションスタイルで提供が可能になってきています。
----------------------------------------------------------------------
2.SNS を活用したコミュニティスタイル
----------------------------------------------------------------------
前回ご紹介したコミュニティスタイルのヘルスコーチングでは、1対1のコミュニケーションよりも個別性が薄まります。
しかし、コミュニティ内は「仲間」がいるのが1対1のコミュニケーションとは大きく異る部分です。コミュニティスタイルのヘルスコーチングでは、
提供価値として「学び」の要素がポイントになってきます。
2-1 知識+実践
コミュニティ内では、様々なコミュニケーションや情報交換のやり取りが発生するため、それらの会話一つ一つがメンバーにとって「学び」につ
ながります。また、その「学び」をメンバーと一緒に実践して共有する「場」としても機能します。ヘルスコーチングと聞くと一切「ティーチング」は
しないかと思われがちですが、「ティーチング」と「コーチング」が合わさったのがラーニングコミュニティというスタイルなのです。
2-2 テーマ設定、組み合わせ
コミュニティスタイルでは、「学ぶ」と「実践」が中心だとお伝えしましたが、「学ぶ」部分については、コンテンツやメソッドはもちろん、商品や道
具などを正しく使うことも「学ぶ」の一部になると考えています。また、学んだことを実践することをヘルスコーチはコミュニティをファシリテーシ
ョンしながらサポートします。
そのため、ヘルスコーチは各分野の専門家や商品、道具などと連携・活用することで、様々なテーマのコミュニティスタイルのヘルスコーチン
グサービスも提供可能になり、サービスの幅も拡がります。
----------------------------------------------------------------------
3.ヘルスコーチング要素を組み込んだサービス
----------------------------------------------------------------------
ヘルスコーチングはコミュニケーション技法なので、対話、コミュニケーションの中で効果的に作用するものなのですが、ヘルスコーチが直接
介入しなくてもヘルスコーチングの要素をウェブやモバイル、アプリサービスに組み込むだけでも、利用者に対してヘルスコーチング的なアプ
ローチが十分可能です。
3-1 気づきを与える仕組み
ヘルスコーチングの会話の中心は利用者です。
そのため、ヘルスコーチングでは利用者の考えを身体の外に「言語化して出す」ことがポイントになってきます。利用者は言語化する過程で、
いろいろと考えたり、また考えを整理したりするのです。その時に、「気づき」が生まれるのです。
みなさんも会話の中で自分で話しながら整理できたとかスッキリしたという経験をお持ちだと思いますが、まさにその部分をサービスの中に
組み込むイメージです。ウェブやモバイルを使って現状のヘルスケアサービスを見ていると、情報提供、アドバイス提供はしっかりされている
のですが、利用者に発信してもらう、コメントしてもらう工夫が少ないです。コンテンツやアドバイス、チェックリストやアセスメントなどで利用者
に届けただけでそのままにしてしまうのではなく、利用者から引き出す、例えばアンケート形式で回答してもらうひと工夫だけでも「気づき」を
与える仕組みが提供可能なのです。
3-2 PDCA、振り返りの仕組み
ヘルスコーチングでは、目標を設定し、その目標に向けて細かい PDCA を回しながら進めていくのが基本的な進め方です。その PDCA の中
でポイントになってくるのが「振り返り」です。取り組みの振り返りや進捗の振り返りなどを定期的に行いながら振り返りを起点に次のアプロー
チを明確にしていくステップになるのです。
レコーディング系のサービスも、記録することは振り返りのタイミングでもあるのです。しかし、その記録だけに留まってしまって「振り返り」を
提供していないのがほとんどです。レコーディングダイエットで成功するためには記録から課題を見つけて、その課題に対して取り組むことが
必要なのです。
記録だけが成功の要因ではなく「記録→振り返り」が重要な要素なのです。
このように「振り返り」の機能をサービスに組み込むことはヘルスコーチが介在しなくても可能なのです。
今回はヘルスコーチング × ICT のアプローチを解説しました。
ヘルスコーチングは対面や電話などの直接的なコミュニケーションが基本だと思われている方がまだまだ多いですが、ICT との連携でヘルス
コーチングは多くのヘルスケアサービスの中で提供可能になってきているのです。
ご自身のヘルスケアサービスでの可能性を一度想像してみてください。
次回は、ヘルスコーチングの展開事例とその中から見えてきたことをご紹介する予定です。ご期待ください。
【ヘルスコーチングのサービスイメージ】
ヘルスコーチングについて、なんとなくのイメージはできたけど、実際にどんなサービスとの相性が良いのか?どんなサービスで提供できる
のか?まだまだイメージしづらいかもしれません。
例えばですが、こんなサービスが既に展開されていたりします。
・ダイエット食品の利用者に対する電話によるヘルスコーチングサービス
・健康機器の利用促進に向けたグループコーチング
・食事記録サービスの中でのダイエットを目的としたコーチングコミュニティ
・社員の肥満解消のためのオンラインダイエットコーチング
・健康食品通販のロイヤルカスタマー向け定期購入者離脱防止コーチングメール
・専門家向けスキルアップのためのコーチングコミュニティ
・食品の効果を高めるための商品を活用したグループコーチング
既存のサービスとヘルスコーチングとの連携について、ご興味ある方はお気軽にお問い合わせください。
貴社のサービスとの連携イメージなどご提案させていただきます!!
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http://www.healthbizwatch.com/mailmagazine/entry.html
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◇編集主幹:大川耕平
◇Author:大川耕平・脇本和洋・渡辺武友・里見将史
◇編集デスク:岩隈七重
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HealthBizWatch 2015年10月号