政治的地位未決定地域としての琉球
松島泰勝(琉球民族独立総合研究学会共同代表
、龍谷大学教員)
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• 1963年琉球・石垣島生まれ、南大東島、与那国島、沖縄
島那覇で育つ。
• 父親は台湾の基隆で生まれ、母親は石垣島で生まれる。
• 那覇高校、早稲田大学卒業、同大学大学院修了。博士
(経済学)。在ハガッニャ(グアム)日本国総領事館と在パ
ラオ日本国大使館の専門調査員、東海大学助教授を経て、
• 現在、龍谷大学経済学部教授、琉球民族独立総合研究
学会共同代表。
• 単著として『琉球独立論』(パジリコ)、『琉球独立への道』
(法律文化社)、『琉球独立』(Ryukyu企画)、『琉球の「自
治」』『沖縄島嶼経済史』(ともに藤原書店)、『ミクロネシ
ア』(早稲田大学出版部)
• 編著として『島嶼沖縄の内発的発展』(藤原書店)、『民際
学の展開』『島嶼経済とコモンズ』(ともに晃洋書房)、『琉
球列島の環境問題』(高文研)
• 日本の植民地としての琉球
• 1609年、島津藩の武力侵略を受けた琉球国は、同藩の間
接統治下におかれた。1879年に日本政府は琉球国を滅
亡させ、国王を東京に拉致し、「沖縄県」を設置した。琉球
併合に対して日本政府は現在まで謝罪も賠償も行ってい
ない。
• 戦前における琉球人差別問題。人類館事件(1903年大阪
の天王寺で開催された第5回内国勧業博覧会の「学術人
類館」において、アイヌ民族、台湾原住民、琉球人、朝鮮
人、中国人、インド人、ジャワ人、トルコ人、アフリカ人等の
人々が見せ物にされた事件)
• 沖縄戦で琉球は日本の「捨て石」とされ、琉球人が日本軍
により虐殺され、集団死を強制された。1952年に正式に日
本から琉球を切り離し、米軍統治を認めた。
• 1972年、日米両政府は当事者である琉球政府を排除して
沖縄返還協定を締結し、日本政府が「沖縄県」を設置した。
• 全市町村議会の反対決議、全市町村首長の反対にもか
かわらず、2012年、13年にオスプレイが配備。
• 日米による在琉米軍基地の形成
• 戦後、日本は米軍が占領した琉球列島を1952年
のサンフランシスコ講和条約によって本土から切り
離すことで、独立することができた。琉球には人権
を守る憲法もなく、米軍人の高等弁務官が司法、
立法、行政の三権を掌握する軍事独裁体制下に
おかれた。
• 「天皇メッセージ」1947年に昭和天皇は次のような
内容のことを米政府に伝えた。「米軍による沖縄統
治はアメリカの利益になるだけでなく、日本の防衛
にも役立ち、多くの日本国民も承認するだろう。軍
事統治は少なくとも25年から50年またはそれ以上、
アメリカが租借する形で続く必要がある」
• 戦後70年にあたり琉球の現在の政治的地域であ
る「沖縄県」が国際法違反であり、新たな法的地位
を獲得できることを明らかにしたい。
• ①「条約法に関するウィーン条約(条約法条約)」
第51条、第52条
• 第51条「(国の代表者に対する強制)条約に拘束さ
れることについての国の同意の表明は、当該国の
代表者に対する行為又は脅迫による強制の結果
行われたものである場合には、いかなる法的効果
も有しない」
• 第52条「(武力による威嚇又は武力の行使による
国に対する強制)国際連合憲章に規定する国際法
の諸原則に違反する武力による威嚇又は武力の
行使の結果締結された条約は、無効である」
• 1879年の琉球併合の過程において、日本政府に
よる琉球国王にたいする脅迫、強制、武力による
威嚇があった。琉球併合は違法であり、無効であ
り、琉球併合が国際法違反であれば、琉球が日本
の一部であるという法的根拠がゆらぐ。琉球人は
改めてみずからの政治的地位を住民投票によって
決めることができる。
• なお、日本政府の尖閣諸島領有の根拠は琉球併
合にある。
• アメリカ、フランス、オランダと琉球国が締結した修
好条約の正本を日本政府が奪う。琉球併合に対
する謝罪、賠償がまだなされていない。
• ②「大西洋憲章」
• 「第一に、両者の国は、領土的たるとその他たる
とを問わず、いかなる拡大も求めない。
• 第二に、両者は、関係人民の自由に表明する願望
に合致しない領土的変更を欲しない。
• 第三に、両者は、すべての人民に対して、彼らが
その下で生活する政体を選択する権利を尊重する。
両者は、主権及び自治を強奪された者にそれらが
回復されることを希望する。」
• アメリカは大西洋憲章で宣言したにもかかわらず、
沖縄戦後、琉球をそのまま占領して「関係人民の
自由に表明する願望に合致しない領土的変更」を
した。「主権及び自治を強奪された者にそれらが
回復されることを希望する」と明記している同憲
章に従えば、アメリカやイギリスは琉球の主権回
復運動にたいして真っ先に支援すべきである。
• ③「カイロ宣言」
• 「同盟国は、自国のためには利得も求めず、また領土拡
張の念も有しない。同盟国の目的は、1914年の第一次世
界戦争の開始以後に日本国が奪取し又は占領した太平洋
におけるすべての島を日本国から、はく奪すること、並
びに満州、台湾及び澎湖島のような日本国が清国人から
盗取したすべての地域を中華民国に返還することにある。
日本国は、また、暴力及び強欲により日本国が略取した
他のすべての地域から駆逐される。」
• これは1943年にルーズヴェルト、蒋介石、チャーチル
が発表しました。「同盟国は、自国のためには利得も求
めず、また領土拡張の念も有しない」と明記されており、
戦後の米軍による琉球統治はカイロ宣言違反となります。
また「日本国が奪取した他のすべての地域から駆逐され
る。」のなかの「他のすべての地域」に琉球は該当して
おり、カイロ宣言に従って琉球から日本は「駆逐され
る」べきなのです。
• ④「ポツダム宣言」
• 「8 カイロ宣言の条項は、履行せらるべく、
又日本国の主権は、本州、北海道、九州及び四
国並に吾等の決定する諸諸島に局限せらるべ
し。」
• これは1945年に日本にたいして無条件降伏を突
きつけた国際法であり、戦争に敗れた日本はポ
ツダム宣言のすべての条項に従うことが義務付
けらた。
• 日本の主権は「本州、北海道、九州及び四国並
に吾等の決定する諸諸島」に限定。琉球は含ま
れておらず、琉球が日本の一部になっている現
状はポツダム宣言違反。
• ⑤「サンフランシスコ講和条約」
• 第3条「日本国は、北緯29度以南の南西諸島(琉球
諸島及び大東諸島を含む。)、孀婦岩の南の南方
諸島(小笠原群島、西之島及び火山列島を含む。)
並びに沖の鳥島及び南鳥島を合衆国を唯一の施
政権者とする信託統治制度の下におくこととする
国際連合に対する合衆国のいかなる提案にも同
意する。このような提案が行われ且つ可決される
まで、合衆国は、領水を含むこれらの諸島の領域
及び住民に対して、行政、立法及び司法上の権力
の全部及び一部を行使する権利を有するものとす
る。」
• この条文にしたがって戦後の琉球の政治的地位が
決定。同条項により琉球にたいする「行政、立法及
び司法上の権力」をアメリカが行使することになっ
た。ポツダム宣言に記載された「吾等の決定する
諸諸島」に琉球は含まれないことが明らかになった。
• 琉球は将来、信託統治領になるはずだったが、そ
うならずに米軍統治下に置かれた。もしも琉球が
信託統治領になっていたら、アメリカの信託統治領
になったミクロネシアの島々のように、国連の信託
統治理事会による監視を受け、国連のプロセスに
基づいた住民投票によって、完全独立国、自由連
合国、その他の政治的地位をみずからで決定する
ことができた。琉球を信託統治領にしなかったこと
も国際法違反。
• ⑥「沖縄返還協定」
• 第1条1「[施政権の返還]アメリカ合衆国は、2に定
義する琉球諸島及び大東諸島に関し、1951年9月8
日にサン・フランシスコ市で署名された日本国との
平和条約第3条の規定に基づくすべての権利及び
利益を、この協定の効力発生の日から日本国のた
めに放棄する。日本国は、同日に、これらの諸島
の領域及び住民に対する行政、立法及び司法上
のすべての権力を行使するための完全な権能及
び責任を引き受ける。」
• これによって沖縄県という現在の琉球の政治的地
位が確定。各種の公文書や当時の外務省官僚の
証言で明らかになったように、有事の際の米軍に
よる核兵器持ち込み、軍用地の原状回復費の日
本政府による肩代わりなど、日米両政府は「密約」
をして、協定条文の記載内容と異なる。
• 沖縄返還協定には上の条文のように、アメリカから
日本への、琉球にたいする「施政権の返還」が明
記。しかし領土権または主権についての記述がな
い。
• 日本政府はサンフランシスコ講和条約後から「潜
在主権」を持っていたと主張。しかし、琉球に対して
国家としての役割を果たさない。
• 世界の他の植民地の人々は、支配と抑圧から解放さ
れるために、国際法に基づいて「民族の自己決定権」
を行使して、国連の協力をえながら住民投票を行い、
独立を宣言し、他国の承認をもらうという、一連のプロ
セスを経てきた。琉球にはそのような機会も与えられ
ない。これは重大な国際法違反。
• 「沖縄県」というステータスにたいする国家承認の手続
きがなされていないことも問題。国際社会のなかで「復
帰」に明確に反対したのは台湾つまり中華民国の政
府。アメリカから日本に施政権が移動したことを国際
社会が認めたわけではない。この協定自体も密約に
基づき、当事者である琉球政府抜きで日米両政府だ
けで締結しており、法的にも欠陥がある。「沖縄県」と
いう政治的地位は、法的にも、国際社会からの認知と
いう点でも確定しておらず、琉球人は新たな政治的ス
テータスを決定することができる。
• 琉球併合に清国政府は強く反対しており、その時
の「沖縄県」も国際的な承認をえた政治的地位で
はない。日本政府が琉球を「暴力及び強欲により
略取した」のだから、国際的に認められるわけがな
い。
• 以上のような国際法に違反して日米両政府は琉球
を植民地支配してきた。国際法違反を盾にして、琉
球は国連、国際機関に訴え、日本から独立するこ
とができる。

松島泰勝(まつしま やすかつ,Matsushima Yasukatsu):政治地位未定地域──琉球