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遺伝子
- 2. ヒトと遺伝子 • ヒトの全細胞に同じ遺伝子がある • 細胞中の核中のＤＮＡ中に遺伝子がある 細胞 ヒト 遺伝子 （６０兆個） 核 ＤＮＡ
- 3. 細胞 • 細胞は、核、ﾐﾄｺﾝﾄﾞﾘｱ、ﾘﾎﾞｿｰﾑ、小胞体、ｺﾞﾙｼﾞ体で構成 細胞 核 ６０兆個 ＤＮＡ保存 ２００種類 直径０．０２ミリ ﾐﾄｺﾝﾄﾞﾘｱ ｺﾞﾙｼﾞ体 ｴﾈﾙｷﾞｰ供給 発送ｾﾝﾀｰ ﾘﾎﾞｿｰﾑ ﾀﾝﾊﾟｸ質製造 小胞体 ﾀﾝﾊﾟｸ質を輸送
- 4. ＤＮＡ • ＤＮＡは二重のらせん構造、塩基にタンパク質情報有 二重のらせん構造 ヌクレチオド 塩基の並びが ＤＮＡ長 塩基 タンパク質情報 １．８ｍ Ａアデニン ＤＮＡ幅 Ｇグアニン 0.000002ｍｍ 糖 ﾘﾝ酸 Ｃシトシン 塩基数 Ｔチミン ３０億＊２
- 5. 遺伝子 （従来の定義） • 遺伝子はＤＮＡ中の「タンパク質をコードする領域」 遺伝子 遺伝子 遺伝子 ＤＮＡ ・・・ ・・・ 約２２，０００個 （２００４年 国際ﾋﾄｹﾞﾉﾑｺﾝｿｰｼｱﾑ）
- 6. ゲノム • ゲノムは遺伝子情報の全体 （遺伝子（ｇｅｎｅ）＋総体（ｏｍｅ）） 遺伝子 遺伝子 遺伝子 ＤＮＡ ・・・ ・・・ ゲノム ヒトゲノム解読の期間と費用 解読年 期間 費用 ２００３年 １５年 ４０００億円 ２００８年 １ケ月 １２００万円 ２０１０年 数時間 １０万円
- 7. ＤＮＡとＲＮＡ （従来の認識） • ＤＮＡは重要、ＲＮＡは重要でないという認識であった ＤＮＡ ＲＮＡ 日本語名 デオキシリボ核酸 リボ拡散 説明 デ（否定）オキシ（Ｏ） 特徴基 水素基（Ｈ） 水酸基（ＯＨ） 機能 タンパク質の設計図 タンパク質の作成員
- 8. ＤＮＡからタンパク質へ • 塩基３つからアミノ酸、アミノ酸１００以上からタンパク質 ＤＮＡ 塩基 塩基 Ｇ Ｃ Ｔ Ｃ Ｇ Ｃ ・・・ 転写 ３ ３ ＲＮＡ Ｃ Ｇ Ａ Ｇ Ｃ Ｇ ・・・ 翻訳 アミノ酸 アミノ酸 ・・・ ２０種類 １００以上 ﾍﾟﾌﾟﾁﾄﾞ結合 ﾀﾝﾊﾟｸ質 タンパク質 数１０万種類
- 9. ＤＮＡ複製 • ２本鎖が１本鎖に分裂し、各々が相補的塩基対で複製 ２本鎖 Ａ Ｇ Ｃ Ｔ Ｔ Ｃ Ｇ Ａ １本鎖 Ａ Ｇ Ｃ Ｔ Ｔ Ｃ Ｇ Ａ 相補的塩基対 ＤＮＡ複製 Ａ Ｇ Ｃ Ｔ Ｔ Ｃ Ｇ Ａ Ｔ Ｃ Ｇ Ａ Ａ Ｇ Ｃ Ｔ
- 10. 染色体 • 染色体は、細胞分裂時にＤＮＡが固まったもの 染色体 染色体 染色体 ＤＮＡ Ｘ ・・・ ｘ ・・・ ２３本＊２ Ｘ ・・・ ｘ ・・・ 平均４ｃｍ 常染色体 性染色体 男性 女性 Ｘ Ｘ Ｙ Ｘ
- 11. 体細胞分裂のプロセス • 染色体は中央に並んだ後、両端へ移動し、細胞分裂する 染色体中央 Ｘ Ｘ 細胞 ｘ ｘ 染色体両端 Ｘ Ｘ 細胞 ｘ ｘ 細胞分裂 Ｘ Ｘ 細胞 ｘ ｘ
- 12. 減数分裂のプロセス • 染色体は第一分裂後、続けて第二分裂し、ＤＮＡ半分に 染色体 Ｘ Ｘ ｘ ｘ 第一分裂 Ｘ Ｘ ｘ ｘ 第二分裂 ＞ ＞ ＜ ＜ ＞ ＞ ＜ ＜ ＤＮＡ半分
- 13. 有性生殖 • 有性生殖は父と母から半分ずつの遺伝情報を引き継ぐ 父親 母親 遺伝情報 Ｘ Ｘ Ｘ Ｘ ｘ ｘ ｘ ｘ 生殖細胞 ＞ ＜ ＞ ＜ ＞ ＜ ＞ ＜ 子供 遺伝情報 Ｘ Ｘ ｘ ｘ
- 14. ＤＮＡ複製のミス • ＤＮＡの複製ミスによって、生物の進化と繁栄へ ３７億年前 生物の誕生 Ａ Ｇ Ｃ Ｔ ・・・ ３０億塩基 複製ミス （１０万回に１回） 現在 Ａ Ｇ Ｃ Ｔ ・・・ 生物の進化と繁栄 （数百万～数千万種）
- 15. ＳＮＰ • ＳＮＰとは、個人によって配列が１塩基だけ異なる箇所 Ａ Ｇ Ｃ Ｔ ・・・ Ａ Ｇ Ｃ Ｃ ・・・ ヒトは３０億塩基の中、約１０００万ヶ所 約３００ヵ所に１ヵ所異なる ほとんどの病気には原因となるＳＮＰが存在 がん、心筋梗塞、脳卒中
- 16. 生物の機能と遺伝子数 • 生物の機能は、遺伝子数と関係はない 生物 遺伝子数 人間 ２２，０００ ショウジョウバエ １１，０００ 上記の生物間で遺伝子数は、２倍の差しかない ヒトの場合、遺伝子は、ゲノムの２％しかない ↓ 生物の機能に影響する「何か」が （従来の）遺伝子以外にある
- 17. セントラルドグマ • 遺伝情報は、ＤＮＡ→ＲＮＡ→タンパク質の順番に流れる ＤＮＡ 転写 ＲＮＡ ＤＮＡの部分部分のコピー 翻訳 ﾀﾝﾊﾟｸ質
- 18. ＲＮＡ • ＲＮＡは一本鎖構造であり、不安定 一本鎖構造 ヌクレチオド 塩基の並びが 塩基 タンパク質情報 Ａアデニン Ｇグアニン 糖 ﾘﾝ酸 Ｃシトシン Ｕウラシル
- 19. ＤＮＡとＲＮＡ • ＤＮＡは二重のらせん構造、ＲＮＡは一本鎖構造 ＤＮＡ ＲＮＡ 構造 二本鎖 一本鎖 形状 糸状 丸まっている 安定性 安定 不安定 塩基 Ａ アデニン Ａ アデニン Ｇ グアニン Ｇ グアニン Ｃ シトシン Ｃ シトシン Ｔ チミン Ｕ ウラシル
- 20. 転写のプロセス • ＤＮＡ情報の一部を写し取ってＲＮＡが生まれるプロセス ＤＮＡ２本鎖 Ａ Ｇ Ｃ Ｔ Ｔ Ｃ Ｇ Ａ ＤＮＡ１本鎖 Ａ Ｇ Ｃ Ｔ Ｔ Ｃ Ｇ Ａ 相補的塩基対 ＲＮＡ複製 Ａ Ｇ Ｃ Ｕ Ｕ Ｃ Ｇ Ａ Ｕ Ｃ Ｇ Ａ Ａ Ｇ Ｃ Ｕ
- 21. 転写の地点 • ﾌﾟﾛﾓｰﾀｰ（転写開始地点）とﾀｰﾐﾈｰﾀｰ（転写終了地点） ＤＮＡ２本鎖 Ａ Ｇ Ｃ Ｔ Ｔ Ｃ Ｇ Ａ ＤＮＡ１本鎖 ﾌﾟﾛﾓｰﾀｰ Ｔ Ｃ Ｇ Ａ ﾀｰﾐﾈｰﾀｰ （転写開始地点） （転写終了地点） ＲＮＡ複製 Ｕ Ｃ Ｇ Ａ Ａ Ｇ Ｃ Ｕ
- 22. ｍＲＮＡ （メッセンジャーＲＮＡ） • ＤＮＡ情報を核からリボソームまで運ぶＲＮＡ 細胞 核 ＤＮＡ ｍＲＮＡ ﾘﾎﾞｿｰﾑ ﾀﾝﾊﾟｸ質製造
- 23. 転写のコントロール • ＤＮＡ内の別領域が読まれて、異なるﾀﾝﾊﾟｸ質ができる 遺伝子 遺伝子 ＤＮＡ ﾌﾟﾛﾓｰﾀ ﾌﾟﾛﾓｰﾀ 転写 別領域 転写 因子 因子 ｍＲＮＡ 異なる ﾀﾝﾊﾟｸ質
- 24. 複写のコントロール （ｽﾌﾟﾗｲｼﾝｸﾞ） • スプライシング（ｍＲＮＡの「意味有部分」のみ使用） ＤＮＡ 遺伝子 ｍＲＮＡ 意味無部分 意味有部分 意味無部分 イントロン エクソン イントロン ｽﾌﾟﾗｲｼﾝｸﾞ （１０％） 成熟ｍＲＮＡ ﾀﾝﾊﾟｸ質
- 25. 複写のコントロール （選択的ｽﾌﾟﾗｲｼﾝｸﾞ） • 選択的スプライシング（「意味有部分」の一部のみ使用） ＤＮＡ 遺伝子 ｍＲＮＡ 意味無部分 意味有部分 意味無部分 イントロン エクソン イントロン ｽﾌﾟﾗｲｼﾝｸﾞ （１０％） 選択的ｽﾌﾟﾗｲｼﾝｸﾞ 一部 一部 成熟ｍＲＮＡ ﾀﾝﾊﾟｸ質
- 26. 複写のコントロール （ＲＮＡ編集） • ＲＮＡ編集 （ｍＲＮＡがＤＮＡ情報を伝達中に変えること） ＤＮＡ 遺伝子 ｍＲＮＡ 意味無部分 意味有部分 意味無部分 イントロン エクソン イントロン ｽﾌﾟﾗｲｼﾝｸﾞ （１０％） 選択的ｽﾌﾟﾗｲｼﾝｸﾞ 一部 一部 ＲＮＡ編集 ＤＮＡ情報変更 成熟ｍＲＮＡ ﾀﾝﾊﾟｸ質
- 27. 各種ＲＮＡ • ｍＲＮＡの他にも、ｔＲＮＡ、ｒＲＮＡ等がある ＤＮＡ ＤＮＡ 転写 ｍＲＮＡ ｍＲＮＡ ﾒｯｾﾝｼﾞｬｰＲＮＡ ｔＲＮＡ ﾄﾗﾝｽﾌｧｰＲＮＡ 翻訳 ｱﾐﾉ酸 ｒＲＮＡ ﾘﾎﾞｿｰﾑＲＮＡ ﾀﾝﾊﾟｸ質 ﾀﾝﾊﾟｸ質
- 28. 遺伝子組み換え • 遺伝子組み換えが可能 ＤＮＡ切断 Ｘ Ｘ 制限酵素 Ｘ Ｘ ＤＮＡ結合 ＤＮＡリカーゼ
- 29. ＤＮＡ増幅法 • ＤＮＡ増幅法が進歩 ヒト 大腸菌 ＰＣＲ法 ２倍／１日 ２８１兆／１日 １０万／２－３時間
- 30. 遺伝子情報の調査 • 遺伝子情報の調査にｃＤＮＡ（ｺﾝﾃﾝﾎﾟﾗﾘｰＤＮＡ）を活用 ＤＮＡ 遺伝子 場所不明 ｍＲＮＡ 意味無部分 意味有部分 意味無部分 イントロン エクソン イントロン ｽﾌﾟﾗｲｼﾝｸﾞ （１０％） 選択的ｽﾌﾟﾗｲｼﾝｸﾞ 一部 一部 ＲＮＡ編集 場所明確、 成熟ｍＲＮＡ 不安定、複製不可 逆転写酵素 ｃＤＮＡ 場所明確、 安定、複製可 この方法で、２００２年マウスゲノム百科事典を完成
- 31. セントラルドグマの逆 • セントラルドグマの逆の伝達経路をもつ生物がある セントラルドグマ セントラルドグマの逆 ＤＮＡ ＲＮＡ 転写 逆転写 ＲＮＡ ＤＮＡ 翻訳 翻訳 ﾀﾝﾊﾟｸ質 ﾀﾝﾊﾟｸ質 （レトロウィルス）
- 32. ＲＮＡワールド仮説 • 生物はＲＮＡとして誕生し、後にＤＮＡに譲ったという仮説 ３７億年前 生物の誕生 ＲＮＡ 遺伝情報 現在 ＤＮＡ 遺伝情報 ＋ ﾀﾝﾊﾟｸ質 複製
- 33. ｎｃＲＮＡ （ノンコードＲＮＡ） • ｎｃＲＮＡとは、タンパク質をコードしないＲＮＡ ﾀﾝﾊﾟｸ質ｺｰﾄﾞ ﾀﾝﾊﾟｸ質ｺｰﾄﾞしない ＤＮＡ ２％ ７０％ 転写 ｍＲＮＡ ｎｃＲＮＡ ＲＮＡの８０％～９０％ 翻訳 最終生理活性物質 ﾀﾝﾊﾟｸ質 ﾀﾝﾊﾟｸ質 最終生理活性物質
- 34. 遺伝子 （新定義） • 遺伝子とは、ﾀﾝﾊﾟｸ質あるいはＲＮＡをｺｰﾄﾞしている部分 遺伝子（従来） ＲＮＡをｺｰﾄﾞ ＤＮＡ 遺伝子 転写 （新定義） ｍＲＮＡ ｎｃＲＮＡ ＲＮＡの８０％～９０％ 翻訳 最終生理活性物質 ﾀﾝﾊﾟｸ質 ﾀﾝﾊﾟｸ質 最終生理活性物質
- 35. 遺伝子の数 • 現在、約２万と推定されるが、従来と中身は全く異なる 遺伝子（従来） ＲＮＡをｺｰﾄﾞ ＤＮＡ *1 *2 遺伝子 転写 （新定義） 約２万個 ｍＲＮＡ ｎｃＲＮＡ 翻訳 *1 従来、約２２、０００個 横断読取ＲＮＡ発見 ﾀﾝﾊﾟｸ質 ﾀﾝﾊﾟｸ質 現在、約２、０００個 *2 大量
- 36. コンピューターに例える • ＤＮＡはハードディスク、ＲＮＡはＣＰＵ ＤＮＡ ハードディスク 転写 ＲＮＡ ＣＰＵ 翻訳 ﾀﾝﾊﾟｸ質 出力機
- 37. ＲＮＡのﾀﾝﾊﾟｸ質合成ｺﾝﾄﾛｰﾙ • ＲＮＡ干渉、ｍｉＲＮＡ、ｎｃＲＮＡ等でコントロール ＤＮＡ 外部からの ｎｃＲＮＡｺｰﾄﾞ 二本鎖ＲＮＡ 転写 ｎｃＲＮＡ 因子 ｍＲＮＡ ＲＮＡ干渉 ｓｉＲＮＡ Ｓｍａｌｌ Ｉｎｔｅｒｆｅｒｉｎｇ ﾀﾝﾊﾟｸ質 ｍｉＲＮＡ マイクロＲＮＡ 人間は２００～３００個
- 38. まとめ • 体内最終活性物質にはＲＮＡも有（ﾀﾝﾊﾟｸ質だけでない） • ＲＮＡがタンパク質合成をコントロール • タンパク質合成は複雑であり、 ＲＮＡ選択的ｽﾌﾟﾗｲｼﾝｸﾞ、ＲＮＡ干渉、ｎｃＲＮＡ調整機能等
- 39. 最後に • 本資料は自分の勉強のために作成しました。 • ご指導・ご鞭撻は、以下へお願いいたします。 – okadaofficial@yahoo.co.jp 岡田恭治 ＜参考文献＞ • 教科書ではわからない遺伝子のおもしろい話 – 独立行政法人理化学研究所 林崎良英 以上