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大阪大学石黒研究室 博士後期課程1年 浦井 健次
生命の進化と多様な運動の獲得
~二関節筋やシナジーを工学的視点で捉える~
参考文献
生体模倣ロボティクス勉強会@大阪大学豊中キャンパス
[1] 筧 慎治, 脊椎動物の筋シナジーの創発と系統進化,...
発表概要
はじめに:生命の進化について
二関節筋の出現とその機能
シナジー・二関節筋とロボティクス
運動制御の進化(シナジー・CPGの獲得)
生命という巨大な創発現象を理解するためには,
(1) “短い”時間スケールの創発 : 一個体の一生
(2) “長い”時間スケールの創発 : (1)の基盤となる,
生命の全歴史を通して積み上げられた進化
→両方を考慮することが必要
生命の進化にお...
進化における偶然・必然 (Kimura, 1968)
分子進化の中立説(Kimura, 1968)
●突然変異の大部分は個体の生存に中立的
DNAは脆弱(日に5-5万変位が生じる)
●突然変異が偶然の浮動を経て集団の必然となる
たいていの突然変...
• 系統樹における枝分かれは進化上の傑作の証明
• ゲノムは保守的:機能の積み重ねの順序は決定的に重要
• ノックアウトマウスは生存率・繁殖能力が顕著に低下(遺伝子改変は致命的)(Morishita et al., 2005)
[3] Mori...
発表概要
運動制御の進化(シナジー・CPGの獲得)
はじめに:生命の進化について
二関節筋の出現とその機能
シナジー・二関節筋とロボティクス
シナジー・筋シナジー
(Bernstein, 1947; Bernstein, 1996; 横山他, 2014)
[4] Bernstein, N. A. “On the construction of movements.” Moscow: ...
生物の運動制御の歴史とシナジーの獲得
(Romer, 1983; Roaf & Sherrington, 1910; Day & Jayne, 2007; Lesser, 1996)
[7] Romer, A.S., Parsons, T.S....
①運動制御の進化では,シナジーの細分化(幸運
な変異による革命的な進化)と同時に再編成もあり,
それは動物の身体構造および生活環境の相互作用に
依存
②生体運動制御における自由度の克服
• 非対称性緊張性頸反射
• 右を向いたら右の手が伸びる反...
[11] Andersson, L. S. et al., "Mutations in DMRT3 affect locomotion in horses and spinal circuit function in mice." Nature...
発表概要
はじめに:生命の進化について
二関節筋の出現とその機能
シナジー・二関節筋とロボティクス
運動制御の進化(シナジー・CPGの獲得)
二関節筋の歴史
(Steinmetz, 2012; 奈良他, 2008; Ingen, 1990)
[13] Steinmetz, P. R. H. et al., “Independent evolution of striated musc...
• 進化史上に見る二関節筋の誕生
●二関節筋が残った原始生物が,
その制御に成功したものと考えられる
●ナメクジウオのS字状波動遊泳運動
・機能的単位筋は三関節筋
→拮抗筋を順次時間差を掛け手活性化することで遊泳
結果,陸上の2足,4足歩行の動...
二関節筋の機能 (奈良他, 2009)
• 二関節筋の必要性
• ある筋が傷んでも他の筋の出力の調整で全体
の出力特性には大きな影響を与えない
• 生物の過酷な生存競争を戦い抜くには欠かせ
ぬ特性の一つ
• 二関節筋がないと,手先の剛性楕円は制...
発表概要
二関節筋の出現とその機能
シナジー・二関節筋とロボティクス
はじめに:生命の進化について
運動制御の進化(シナジー・CPGの獲得)
• 多くのロボットは一つの筋肉(モータ)が壊れると致命傷
• 筋が冗長であれば,踏ん張れた可能性も?
• 人の場合,全身の冗長な筋を活用し,受け身も取れる
• 冗長な筋を上手く協調制御している(筋が互いに邪魔をしない)
• 役割分担:単:重力へ...
[16] 辻敏夫他. "筋シナジーに基づく複合動作のパターン識別." 日本ロボット学会誌 Vol.28, No.5, pp.606-613, 2010. [17] Nassour, John, et al. "Multi-layered mul...
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二関節筋・シナジーとロボティクス

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「生命の進化と多様な運動の獲得」と題して,二関節筋やシナジーを工学的視点で捉え,調査・考察した結果の報告資料です.

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二関節筋・シナジーとロボティクス

  1. 1. 大阪大学石黒研究室 博士後期課程1年 浦井 健次 生命の進化と多様な運動の獲得 ~二関節筋やシナジーを工学的視点で捉える~ 参考文献 生体模倣ロボティクス勉強会@大阪大学豊中キャンパス [1] 筧 慎治, 脊椎動物の筋シナジーの創発と系統進化, 第21回創発システム・シンポジウム創発夏の学校, 基調講演, 2015. [2] Kimura, M., "Evolutionary rate at the molecular level." Nature Vol.217, No.5129, pp.624-626, 1968. [3] Morishita, T. et al. "Nephrogenic diabetes insipidus in mice lacking all nitric oxide synthase isoforms." Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, Vol.102, No.30, pp.10616-10621, 2005. [4] Bernstein, N. A. “On the construction of movements.” Moscow: Medgiz, 1947. [5] Bernstein, N. A. “Levels of construction of movements.” Dexterity and its development. Lawrence Erlbaum Associates, Mahwah, pp. 115-170, 1996. [6] 横山光他.“筋シナジーに基づく,異なる速度の歩行・走行を司る神経機構の解明~運動学習への応用を目指して~.” 2014 年度 財団法人ミズノスポーツ振興財団研究助成 報告書, 2014. [7] Romer, A.S., Parsons, T.S. and Hirakow, R., "脊椎動物のからだ: その比較解剖学" 法政大学出版局, 1983. [8] Roaf, H. E. and Sherrington, C. S., "Further remarks on the spinal mammalian preparation." QJ Physiol 3, pp. 209-211, 1910. [9] Day, L. M. and Jayne, B. C., "Interspecific Scaling of the Morphology and Posture of the Limbs During the Locomotion of Cats (Felidae)". The Journal of Experimental Biology 210, pp. 642- 654, 2007. [10] Leeser, K.F., "Locomotion Experiments on a Planar Quadruped Robot with Articulated Spine". Master’s Thesis. MIT, Department of Mechanical Engineering, 1996. [11] Andersson, L. S. et al., "Mutations in DMRT3 affect locomotion in horses and spinal circuit function in mice." Nature 488.7413, pp. 642-646, 2012. [12] Joy, J. E. et al., "Spinal Cord Injury:: Progress, Promise, and Priorities." National Academies Press, 2005. [13] Steinmetz, P. R. H. et al., “Independent evolution of striated muscles in cnidarians and bilaterians.” Nature 487.7406, pp. 231-234, 2012. [14] 奈良勲他, "二関節筋-運動制御とリハビリテーション", 医学書院, 2008. [15] van Ingen Schenau GJ. "On the action of bi-articular muscle; A review." Netherlands J of Zoology, 1990. [16] 辻敏夫他. "筋シナジーに基づく複合動作のパターン識別." 日本ロボット学会誌 Vol.28, No.5, pp.606-613, 2010. [17] Nassour, John, et al. "Multi-layered multi-pattern CPG for adaptive locomotion of humanoid robots." Biological cybernetics, Vol.108, No.3 , pp.291-303, 2014. [18] Nakata, Y. et al. "Hopping of a monopedal robot with a biarticular muscle driven by electromagnetic linear actuators." Robotics and Automation (ICRA), 2012 IEEE International Conference on. IEEE, 2012. [19] Yoshida, K. et al., "Novel FF control algorithm of robot arm based on bi-articular muscle Principle-Emulation of muscular viscoelasticity for disturbance suppression and path tracking." Industrial Electronics Society, 2007. IECON 2007. 33rd Annual Conference of the IEEE. IEEE, 2007.
  2. 2. 発表概要 はじめに:生命の進化について 二関節筋の出現とその機能 シナジー・二関節筋とロボティクス 運動制御の進化(シナジー・CPGの獲得)
  3. 3. 生命という巨大な創発現象を理解するためには, (1) “短い”時間スケールの創発 : 一個体の一生 (2) “長い”時間スケールの創発 : (1)の基盤となる, 生命の全歴史を通して積み上げられた進化 →両方を考慮することが必要 生命の進化における多様な形態の創発 運動制御の創発・進化の基盤を理解するのに,進化の歴史を 遡り,成り立ちを探ることは有用 (筧, 2015) 「胸鰭」が「四肢」へ・・・ [1] 筧 慎治, 脊椎動物の筋シナジーの創発と系統進化, 第21回創発システム・シンポジウム創発夏の学校, 基調講演, 2015.
  4. 4. 進化における偶然・必然 (Kimura, 1968) 分子進化の中立説(Kimura, 1968) ●突然変異の大部分は個体の生存に中立的 DNAは脆弱(日に5-5万変位が生じる) ●突然変異が偶然の浮動を経て集団の必然となる たいていの突然変異は絶滅するがまれに集団に広がる ●遺伝子の変異は頻繁で,遺伝子によらず,ほぼ等確率 生命維持のために重要な遺伝子の変異は自然淘汰によって排除 (髪の毛の色の遺伝子などは重要でないため変異可能) →変異が蓄積しにくい [2] Kimura, M., "Evolutionary rate at the molecular level." Nature Vol.217, No.5129, pp.624-626, 1968.
  5. 5. • 系統樹における枝分かれは進化上の傑作の証明 • ゲノムは保守的:機能の積み重ねの順序は決定的に重要 • ノックアウトマウスは生存率・繁殖能力が顕著に低下(遺伝子改変は致命的)(Morishita et al., 2005) [3] Morishita, T. et al., "Nephrogenic diabetes insipidus in mice lacking all nitric oxide synthase isoforms." Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, Vol.102, No.30, pp.10616-10621, 2005. 進化における機能の獲得 (Morishita et al., 2005) 中立説の範囲外の劇的な変化もある ●遺伝子セットの倍化 ●他の生物の遺伝子の挿入→ウイルスの遺伝子が哺乳類の遺伝子に挿入される 例えば,水中遊泳の 名残が陸生動物にも.
  6. 6. 発表概要 運動制御の進化(シナジー・CPGの獲得) はじめに:生命の進化について 二関節筋の出現とその機能 シナジー・二関節筋とロボティクス
  7. 7. シナジー・筋シナジー (Bernstein, 1947; Bernstein, 1996; 横山他, 2014) [4] Bernstein, N. A. “On the construction of movements.” Moscow: Medgiz, 1947. [5] Bernstein, N. A. “Levels of construction of movements.” Dexterity and its development. Lawrence Erlbaum Associates, Mahwah, pp. 115-170, 1996. [6] 横山光他.“筋シナジーに基づく,異なる速度の歩行・走行を司る神経機構の解明 ~運動学習への応用を目指して~.” 2014 年度 財団法人ミズノスポーツ振興財団研究助成 報告書, 2014. ※Bernsteinはシナジーで運動を指し,筋シナジーと 使い分けている (Bernstein 1947, 1996) 時空間的にひとまとまりの,目的を持った運動のことを「シナジー(synergy)」と呼ぶ シナジーの階層構造 • レベルA:筋緊張の制御(姿勢制御) • レベルB:関節リンクの制御(移動(CPG)) • レベルC:空間の制御(目標到達) • レベルD:行為の制御(目的の達成:シーケン シャルな制御) Mode1 Mode2 シナジーモデルによる筋活動波形生成 (横山他, 2014) ・https://www.youtube.com/watch?v=yKpJElwama8 カエルは2つのモード (跳躍:左右対称 動作,歩行:左右 非対称動作)のシ ナジーを持つ
  8. 8. 生物の運動制御の歴史とシナジーの獲得 (Romer, 1983; Roaf & Sherrington, 1910; Day & Jayne, 2007; Lesser, 1996) [7] Romer, A.S., Parsons, T.S. and Hirakow, R., "脊椎動物のからだ: その比較解剖学" 法政大学出版局, 1983. [8] Roaf, H. E. and Sherrington, C. S., "Further remarks on the spinal mammalian preparation." QJ Physiol 3, pp. 209-211, 1910. [9] Day, L. M. and Jayne, B. C., "Interspecific Scaling of the Morphology and Posture of the Limbs During the Locomotion of Cats (Felidae)". The Journal of Experimental Biology 210, pp. 642-654, 2007. [10] Leeser, K.F., "Locomotion Experiments on a Planar Quadruped Robot with Articulated Spine". Master’s Thesis. MIT, Department of Mechanical Engineering, 1996. 運動制御の進化=シナジーの細分化・再編成 →細分化の到達点の一つが人間の手指の独立した動き 左右対称 (ミミズの蠕動) 左右非対称 (波打ち運動 ) 前後非対称 (シーラカンスの鰭) 2つ以上のモード (カエルの歩様) • 運動制御とそれを担う神経系は,分節的な筋肉群を駆動するために進化 (Romer, 1983) 移動運動の神経制御において左右肢の運動パターンを生成する脊髄の中枢性パターン発生 器(central pattern generator : CPG)は最重要の神経機構と約 1 世紀前から認 識されてきた(Roaf & Sherrington, 1910) チーターを典型とする高速で走る哺乳類では,四肢の動きに 連動して体幹全体が左右対称な波打ち運動を繰り返す (Day & Jayne, 2007) →これは新型の大きなシナジーの獲得 背骨は運動範囲を広げるだけでなく,前足と後ろ足間の エネルギーの伝達の効率を高めている (Lesser, 1996)
  9. 9. ①運動制御の進化では,シナジーの細分化(幸運 な変異による革命的な進化)と同時に再編成もあり, それは動物の身体構造および生活環境の相互作用に 依存 ②生体運動制御における自由度の克服 • 非対称性緊張性頸反射 • 右を向いたら右の手が伸びる反射 • 首の向いている方向の腕が伸び,反対の肘が屈曲する • 最も強い力が必要な特別な状況で無意識に出現する • 潜在的シナジーの存在を示唆 • 首の方向を変えるだけで,上肢の運動にバイアスがかかる • 右向いて書く文字と左向いて書く文字とが異なる 運動の発達から見たシナジー [1] 筧 慎治, 脊椎動物の筋シナジーの創発と系統進化, 第21回創発システム・シンポジウム創発夏の学校, 基調講演, 2015.
  10. 10. [11] Andersson, L. S. et al., "Mutations in DMRT3 affect locomotion in horses and spinal circuit function in mice." Nature 488.7413, pp. 642-646, 2012. [12] Joy, J. E. et al., "Spinal Cord Injury:: Progress, Promise, and Priorities." National Academies Press, 2005. 全身の筋肉の独立した制御はほぼほぼ不可能.シナジーをフル活用して自由度を下げる 一方,「巧みさ」を実現するために重要な部分については自由度を保つようにする シナジーの表象は未解明.しかし・・・ シナジー・CPGは,複雑なシステムの運動制御の自由度の問題に貢献 Graham Brown's unpublished 1941 film • 除脳猫(Joy et al., 2005) • 中脳歩行誘発野(MLR)の刺激 • トレッドミル上で3種類の歩様 CPGのシナジーを決める遺伝子の存在の 証明(Andersson et al., 2012) • 馬の系統にはpaceの修得 が容易な系統と不得意な系 統がある.その違いがたった 一つの遺伝子で支配されて いた • マウスで特定の箇所の遺伝 子を改変すると異常なパター ンで歩行を始めた TrotPace シナジー・CPGによる運動制御 (Joy et al., 2005; Andersson et al., 2012)
  11. 11. 発表概要 はじめに:生命の進化について 二関節筋の出現とその機能 シナジー・二関節筋とロボティクス 運動制御の進化(シナジー・CPGの獲得)
  12. 12. 二関節筋の歴史 (Steinmetz, 2012; 奈良他, 2008; Ingen, 1990) [13] Steinmetz, P. R. H. et al., “Independent evolution of striated muscles in cnidarians and bilaterians.” Nature 487.7406, pp. 231-234, 2012. [14] 奈良 勲他, "二関節筋-運動制御とリハビリテーション", 医学書院, 2008. [15] van Ingen Schenau GJ. "On the action of bi-articular muscle; A review." Netherlands J of Zoology, 1990. 二関節筋は現世の生物の進化の過程で誕生し,高度な運動制御に関与していることから, その存在は古くから知られている ●人体四肢出力特性・制御機能特性に深くかかわっている (奈良他, 2008) ●二関節筋の存在はC.Galen(131~210AD)が文献に記している (Ingen, 1990) • 運動という出力は,突き詰めると(分解すると)筋の収縮 →筋の制御=運動の制御 • 筋肉の出現 • 横紋筋の進化 (Steinmetz, 2012) • 昆虫や脊椎動物などが持つ随意筋 二関節筋はいつ誕生したのか?なぜ誕生したのか?単関節筋だけじゃ何が問題なのか?
  13. 13. • 進化史上に見る二関節筋の誕生 ●二関節筋が残った原始生物が, その制御に成功したものと考えられる ●ナメクジウオのS字状波動遊泳運動 ・機能的単位筋は三関節筋 →拮抗筋を順次時間差を掛け手活性化することで遊泳 結果,陸上の2足,4足歩行の動物はおおよそ二関節筋を持ち,魚類は持たない →抗重力筋としての二関節筋 ●陸上に上がると,三関節筋は機能しえない状況 におかれ,単関節筋のみ残った生物も,各関節を 独立に制御する必要があり,死滅したと考えられる 二関節筋の歴史 (Steinmetz, 2012; 奈良他, 2008; Ingen, 1990) [13] Steinmetz, P. R. H. et al., “Independent evolution of striated muscles in cnidarians and bilaterians.” Nature 487.7406, pp. 231-234, 2012. [14] 奈良 勲他, "二関節筋-運動制御とリハビリテーション", 医学書院, 2008. [15] van Ingen Schenau GJ. "On the action of bi-articular muscle; A review." Netherlands J of Zoology, 1990. [1] 筧 慎治, 脊椎動物の筋シナジーの創発と系統進化, 第21回創発システム・シンポジウム創発夏の学校, 基調講演, 2015.
  14. 14. 二関節筋の機能 (奈良他, 2009) • 二関節筋の必要性 • ある筋が傷んでも他の筋の出力の調整で全体 の出力特性には大きな影響を与えない • 生物の過酷な生存競争を戦い抜くには欠かせ ぬ特性の一つ • 二関節筋がないと,手先の剛性楕円は制御 できない • 生物は,一見冗長に見える筋を獲得し,他の 筋との協調した制御システムを作り上げることに より,ロバストな出力特性を獲得 例)スキーのエアリアルで着地するとき・・・ • 足底からの感覚情報を得て,フィードバック制御す る時間的余裕がなくても,拮抗二関節筋を備えた 拮抗筋群で制御された脚であれば,少々雪面が 凸凹していても安定した姿勢制御を可能とする https://www.youtube.com/watch?v=G69e1bER76I [14] 奈良勲他, 二関節筋 - 運動制御とリハビリテーション, 医学書院, 2008.
  15. 15. 発表概要 二関節筋の出現とその機能 シナジー・二関節筋とロボティクス はじめに:生命の進化について 運動制御の進化(シナジー・CPGの獲得)
  16. 16. • 多くのロボットは一つの筋肉(モータ)が壊れると致命傷 • 筋が冗長であれば,踏ん張れた可能性も? • 人の場合,全身の冗長な筋を活用し,受け身も取れる • 冗長な筋を上手く協調制御している(筋が互いに邪魔をしない) • 役割分担:単:重力への対抗 多:制御 • 四肢出力特性・制御機能特性に深く関与 (奈良他, 2008) ロボットは二関節筋やシナジーを必要とするのか 駆動系に冗長性を持たないロボット において,筋の損傷は致命傷 ●二関節筋の必要性 ●シナジーの必要性 シナジー・CPGは,複雑なシステムの 運動制御の自由度の問題に貢献 →例えば,巧みな運動と,基本動作 の両立を少ない制御量で実現 [14] 奈良勲他, 二関節筋 - 運動制御とリハビリテーション, 医学書院, 2008.
  17. 17. [16] 辻敏夫他. "筋シナジーに基づく複合動作のパターン識別." 日本ロボット学会誌 Vol.28, No.5, pp.606-613, 2010. [17] Nassour, John, et al. "Multi-layered multi-pattern CPG for adaptive locomotion of humanoid robots." Biological cybernetics, Vol.108, No.3 , pp.291-303, 2014. [18] Nakata, Y. et al. "Hopping of a monopedal robot with a biarticular muscle driven by electromagnetic linear actuators." Robotics and Automation (ICRA), 2012 IEEE International Conference on. IEEE, 2012. [19] Yoshida, K. et al., "Novel FF control algorithm of robot arm based on bi-articular muscle Principle-Emulation of muscular viscoelasticity for disturbance suppression and path tracking." Industrial Electronics Society, 2007. IECON 2007. 33rd Annual Conference of the IEEE. IEEE, 2007. シナジーや多関節筋のロボットへの活用例 (辻他, 2010 ; Nassour et al., 2014 ; Nakata et al., 2012 ; Yoshida et al., 2007) ① シナジーを活用したロボット ② 二関節筋を活用したロボット EMG信号を利用した筋シナジーによる複合動作パターン認識 CPG(MLMP-CPG)によるNAOの歩行パターン生成 二関節筋を持つ脚ロボット:足先の剛性楕円を変化させ,跳躍を実現 二関節筋を持つアームロボットの運動制御

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