7. 問 2 図のような道を考える.
(1) A から B に行く最短経路のうち,C も D も通らないものの総数を求めよ.
(2) 右または左または上に進むことができるとき,A から B に行く経路の総数を求めよ.た
だし,同じ道を後戻りすることはできないものとする.
B
A
C
D
答 (1) A から B に行く経路は 13C5 = 1287 通り.
このうち C を通る経路は 3C1 · 10C3 = 360 通り,D を通る経路は 10C4 · 3C1 = 630 通り,
C も D も通る経路は 3C1 · 7C2 · 3C1 = 189 通り.ゆえに,C または D を通る経路は
360 + 630 − 189 = 801 通り
C も D も通らない経路は
1287 − 801 = 486 通り
(2) 上に進む位置だけ考えればよいから
95
= 59049 通り
問 3 次の条件を満たす整数 a, b, c の組の総数を求めよ.
(1) 1 a b c 10
(2) 1 a b c 10
(3) 1 a, a + 2 b, b + 2 c, c 10
答 (1) 1, 2, · · · , 10 の中から 3 個を選んで小さい順に a, b, c とすればよいから
10C3 = 120 通り
(2) 整数 a, b に対して
a b ⇐⇒ a b + 1
であることに注意すると,整数 a, b, c に対して
1 a b c 10 ⇐⇒ 1 a b + 1 c + 2 12
である.この条件を満たす組 (a, b + 1, c + 2) の作り方は,(1) と同様にして,
12C3 = 220 通り.
組 (a, b, c) の総数と組 (a, b + 1, c + 2) の総数は等しいから, 220 通り が求めるもの.
(3) 整数 a, b, c に対して
1 a ∧ a + 2 b ∧ b + 2 c ∧ c 10 ⇐⇒ 1 a b − 1 c − 2 8
である.この条件を満たす組 (a, b − 1, c − 2) の作り方は,(1) と同様にして,
8C3 = 56 通り.
組 (a, b, c) の総数と組 (a, b − 1, c − 2) の総数は等しいから, 56 通り が求めるもの.
19. (2) (1) の等式の両辺を (n + 2) ! で割ると
dn+2
(n + 2) !
= n + 1
n + 2
·
dn
(n + 1) !
+ 1
n + 2
·
dn
n !
pn+2 = n + 1
n + 2
pn+1 + 1
n + 2
pn — 1
d1 = 0,d2 = 1 より
p1 = 0, p2 = 1
2
— 2
1
, 2
により定義される数列 {pn} について
pn =
n
k=0
(−1)k
k !
— 3
であることを,数学的帰納法で示す.
(I) 2
より n = 1, 2 のとき 3
は成り立つ.
(II) n = m, m + 1 のとき 3
が成り立つと仮定する.このとき 1
を用いると
pm+2 = m + 1
m + 2
pm+1 + 1
m + 2
pm
= m + 1
m + 2
m+1
k=0
(−1)k
k !
+ 1
m + 2
m
k=0
(−1)k
k !
=
m + 1
m + 2
+ 1
m + 2
m
k=0
(−1)k
k !
+ m + 1
m + 2
·
(−1)m+1
(m + 1) !
=
m
k=0
(−1)k
k !
+
(m + 2) − 1
m + 2
·
(−1)m+1
(m + 1) !
=
m
k=0
(−1)k
k !
+
(−1)m+1
(m + 1) !
+
(−1)m+2
(m + 2) !
=
m+2
k=0
(−1)k
k !
となり 3
は n = m + 2 のときも成り立つ.[証明終]
(3) lim
n→∞
pn =
∞
k=0
(−1)k
k !
= e−1
= 1
e
27 ポリアの壺
最初に壺の中に a 個の赤玉と b 個の白玉が入っている.ただし a,b は自然数とする.
1 回の試行につき,壺から 1 個の玉を取り出して,取り出した玉と同じ色の玉を新たに 1 つ
壺に入れて,取り出した玉を壺の中に戻す.
n 回目の試行で赤玉が取り出される確率 pn を求めよ.
答 n = 1, 2 などを調べてみると,全ての n に対し pn = a
a + b
と推測できる.
赤玉 x 個,白玉 y 個から始めて,n 回目の試行で赤玉が取り出される確率を f(x, y, n) と
かく.すべての自然数 x,y,n に対し
f(x, y, n) = x
x + y
であることを,n についての数学的帰納法で示す.
n = 1 のとき成り立つことは明らか.
n = m のとき成り立つと仮定する.試行を m + 1 回行うとき,1 回目が赤か白かで場合分
けすることにより
f(x, y, m + 1) = x
x + y
· f(x + 1, y, m) +
y
x + y
· f(x, y + 1, m) — 1
が成り立つ.帰納法の仮定より
f(x + 1, y, m) = x + 1
(x + 1) + y
, f(x, y + 1, m) = x
x + (y + 1)
これを 1
に代入して
f(x, y, m + 1) = x
x + y
· x + 1
x + y + 1
+
y
x + y
· x
x + y + 1
=
x(x + y + 1)
(x + y)(x + y + 1)
= x
x + y
となり,n = m + 1 のときも成り立つ.[証明終]
本問の答は,pn = a
a + b
20. 入試問題
28 (1) [2006 京都大文系]
さいころを n 個同時に投げるとき,出た目の数の和が n + 2 になる確率を求めよ.
(2) [2006 京都大理系]
さいころを n 個同時に投げるとき,出た目の数の和が n + 3 になる確率を求めよ.
答 (1) n 個のさいころの目を a1, a2, · · · , an とする.
a1 + a2 + · · · + an = n + 2 (各 ak は 1 以上 6 以下の整数)
を満たす組 (a1, a2, · · · , an) の個数は, 4 問 5 (2) と同様にして
n+1C2 =
(n + 1)n
2
ゆえに求める確率は
n+1C2
6n =
(n + 1)n
2 · 6n
[注] 2 の目が 2 個で残りは全て 1 の目,3 の目が 1 個で残りは全て 1 の目,と場合分けして
解くこともできる.
(2) (1) と同様にして
n+2C3
6n =
(n + 2)(n + 1)n
6n+1
29 [2002 東北大]
図のような格子状の道路がある.左下の A 地点から出発し,サイコロを繰り返し振り,次
の規則にしたがって進むものとする.1 の目が出たら右に 2 区画,2 の目が出たら右に 1 区
画,3 の目が出たら上に 1 区画進み,その他の場合はそのまま動かない.ただし,右端で 1
または 2 の目が出たとき,あるいは上端で 3 が出たときは,動かない.また,右端の 1 区画
手前で 1 の目が出たときは,右端まで進んで止まる.
n を 8 以上の自然数とする.A 地点から出発し,サイコロを n 回振るとき,ちょうど 6 回
目に,B 地点以外の地点から進んで B 地点で止まり,n 回目までに C 地点に到達する確率
を求めよ.ただし,サイコロはどの目が出るのも,同様に確からしいものとする.
A
B
C