IB Japanese A2 HL Y2 Media Essay
- 1. 山中美奈
インターネットという新しいメディア媒体
高度情報化社会のこの時代、マスメディアの在り方はますます個人の自由を
尊重する傾向が強くなって来ている。メディア利用者は情報を受け取るだけで
なく、自分から情報を発信するということが定着してきており、地上デジタル
放送やインターネットは利用者参加型メディアの代表と言える。どちらも匿名
で自身の意見や見解を反映させることができるという特徴があるが、インター
ネットが別格なのは、一度ネット上に情報がでまわると世界中の人がいつでも
どこからでもアクセスすることができてしまうという点にある。インターネッ
トというメディアの持つそのいままでにない斬新なスタイルは、世界中で予想
外の事態を引き起こしている。
ネットでは個人の自由が尊重される。基本的にネット上は法での規制がまだ
緩く、各個人は表現と思想の自由が許されているため皆思い思いの意見を匿名
で発信する。その上最近では自分の関心のある情報を優先的に表示させるパー
ソナライズ化が進んでおり、同じ思想を持った人々がネット上で出会いやすく
なっているという現象が起こっている。去年から今年にかけて起こったチュニ
ジアの「ジャスミン革命」及び中国の「中国ジャスミン革命」はいずれもイン
ターネット上で同じ考えを持つひとたちが結束を固め、デモに発展したという
ものである。これは利用者が情報を発信でき、且つ発言や思想の自由が許され
たネットならではが招いた革命であり、かつてではあり得ない現象である。
インターネットはその特徴から、特定の国の統治者にとっては大変都合が悪
い。例えば国民の思想を統一したい共産主義の中国やロシア、小さな国ゆえに
様々な情報が溢れかえるのを防ぎたいシンガポール、総書記のネガティブな情
報は御法度な北朝鮮などにとって、インターネットは国家を滅ぼしかねない敵
なのだ。そのような比較的厳しくない国は一部情報の統制、北朝鮮のような極
端な国になると一般市民のパソコンの所持もネットへのアクセスも禁じられて
いる。これでは国家間で国民が知っている情報に甚大な差異が出て来てしまう
という懸念があるが、だからといって事実が民間に流布すれば収拾のつかない
事態になり、紛争やゆくゆくは戦争の原因になりかねないためインターネット
利用の規制は現時点では必ずしも非難の的にならないという状況にある。
インターネットは、使い方によっては諸刃の剣になる。インターネットを使
いこなせる国民が集まっている民主主義国は、経済的にも社会的にもネット利