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教科教育学と
2015年12月20日
第8回ポスト戦後教育学研究会
京都大学でせいぜいおきばりやす
亘理 陽一
(静岡大学)
eywatar@ipc.shizuoka.ac.jp
結論
• 「エビデンス」に基づく教育研究に意味があるとすれば:
• 「実践者の視野に入っていない諸事実を指摘することで実践
者をそうした独断論の眠りから覚ますという批判的な役割」
(今井, 2015, p. 197)
• 教育実践・教育研究に「神様」はいないし、分かりやすい答えも
ないのに、人は自分が見たいようにものを見てしまうから:
• 「ひとは証拠を逆撫でしながら,それらをつくりだした者た
ちの意図にさからって,読むすべを学ばなければならない」
(ギンズブルグ, 2001, p. 46)
結論(ポーター, 2013)
• ローカルノレッジ(局所的な知識)が通用しなくなるとき,厳密
さや標準化が求められ,新しい信頼の技術として「数」が登場
• グローバリゼーションによる標準化の動きと,局所共同体におけ
る専門的知識やローカルノレッジの必要性とのあいだの「信頼」
をめぐる闘争
• 社会での専門家に対する信頼が弱いとき、あるいは弱くなったと
き、エキスパート・ジャッジメントに代わるものとして「数値」
あるいは「手続き化」がすすむ。定量化あるいは手続きの標準化
=力をもつ部外者が専門性に対して疑いを向けたときの適応
今井せんせの胸を借りて
• 今井 康雄 (2015).「教育
にとってエビデンスと
は何か: エビデンス批判
をこえて」『教育学研
究』82(2), 188−201.
ランダム化比較実験(RCT)と
メタアナリシス(p. 189)
→なんのために必要とされていること
なのかきちんとおさえたほうがいい
Cf. 寺沢(2015)
Cf. Hattie’s table of effect sizes
Hattie (2009, p. 19)
http://irorio.jp/umishimaakira/20150306/211305/
http://irorio.jp/umishimaakira/20150306/211305/
これまでの研究で示された
宿題の平均効果量
d = 0.29
小学生d = 0.15, 高校生d = 0.64
DA・KA・RA
• 「p値」・「有意差」のみに基づくような研究成果は無視
• そもそも推測統計の前提を満たしているか注意(男は
なぜ自分の女性経験だけで「女ってのはさァ」と勘違
いした一般論を語ってしまうのか問題)
• 図示によるバラつきの把握、標本誤差・測定誤差の検討
のほうがよっぽど重要
• 点での推定の危うさ(「あのコはオレのことだけが好
き」はおおむねいつも勘違い痛い辛い問題)
http://bilingualmonkeys.com/warning-to-new-parents-who-dream-of-raising-a-bilingual-child/
DA・KE・DO
効果量の
落とし穴
http://www.safetysign.com/products/p27501/warning-falling-into-open-port-sign
効果量の落とし穴
• 効果量の大小は文脈に依存
_人人人人人人人人人人人人_
> 説得して心を開かせろ <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
http://plaza.rakuten.co.jp/chira/diary/200803240000/http://slism.net/love/man-parted-lover.html
CALLで授業
やってみた
明示的文法指導
やってみた
効果量の落とし穴
• 効果量の大小は文脈に依存
_人人人人人_
> d = 0.53 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y ̄
効果量の落とし穴
• 効果量自体の意味も文脈に依存
_人人人人人人人人人人人人人_
> カップラーメン×おにぎり <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
https://nanapi.jp/112101 http://matome.naver.jp/odai/2137824899605745001
◎ ❌
効果量の落とし穴
• EBM (Evidence-Based Medicine)的に考えると:
• 放置すると悪化するのを完全に治す薬
• 放置すると悪化するのを食い止める薬
• 自然によくなるのを早める/助ける薬
• 教育・授業の「効果」を考えた場合…?!
しかし教育の場合,目標に到達する
途上で子供がどのような経験をした
かは,教育の成否にとって死活的に
重要なのではなかろうか。ところが
RCTは,まさにこの途中経過を度外
に置くことによってエビデンスを産
出するのである(p. 191)
しかし教育の場合,目標に到達する
途上で子供がどのような経験をした
かは,教育の成否にとって死活的に
重要なのではなかろうか。ところが
RCTは,まさにこの途中経過を度外
に置くことによってエビデンスを産
出するのである(p. 191)
RCTと分析手法は別物なので、「目標
に到達する途上で子どもがした経験」
を含み込んだ分析は十分可能
→要するに「ハサミは使いよう」問題
EBEの目論見とは逆に,RCTを理
想とするようなエビデンスは,
「時々の教育的あるいは政治的
流行」を正当化するのに都合の
良い論拠をそのつど提供する,
という役回りを演じる可能性が
ある(p. 190)
まさにまさに
• 平成26年度 英語教育改善のための英語力調査事業報告
• 学習指導要領に基づく「英語力」の調査
• 4技能がバランスよく育成されているか
• 全国高3約7万人(国公立校約480校、「話すこと」
は1.7万人(1校あたり1クラス))、無作為抽出
• 平成26年6∼9月 →旧学習指導要領の評価
旧学習指導要領
• 中学: 外国語を通じて、言語や文化に対する理解を深
め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の
育成を図り、聞くことや話すことなどの実践的コミュニ
ケーション能力の基礎を養う。
• 高校: 外国語を通じて、言語や文化に対する理解を深
め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の
育成を図り、情報や相手の意向などを理解したり自分
の考えなどを表現したりする実践的コミュニケーション
能力を養う。
旧学習指導要領
• 英語I: 日常的な話題について、聞いたことや読んだことを理解
し、情報や考えなどを英語で話したり書いたりして伝える基礎的
な能力を養うとともに、積極的にコミュニケーションを図ろうと
する態度を育てる。
• OCI: 日常生活の身近な話題について、英語を聞いたり話したりし
て、情報や考えなどを理解し、伝える基礎的な能力を養うととも
に、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育てる。
• ライティング: 情報や考えなどを、場面や目的に応じて英語で書
く能力を更に伸ばすとともに、この能力を活用して積極的にコ
ミュニケーションを図ろうとする態度を育てる。
いやちょと待てちょと待て
(2)聞くこと ~ Listening ~
1. 学習指導要領における領域・内容
標準的な発音、リズム、イントネーション、速度、声の大きさで話された場合、次のこと
ができる。
① 事物に関する紹介や対話などを聞いて、情報や考えなどの概要をとらえることができる。
② 事物に関する紹介や対話などを聞いて、情報や考えなどの要点や詳細をとらえることが
できる。
③ 事物と意見などを区別して聞くことができる。
2. 本調査において当技能で問うている力
Part A … 日本語で事前に与えられる状況設定及び視覚情報(イラスト)と音声情報
から、その場面で求められている課題(タスク)を解決する力を測定する問題で、上
記学習指導要領における①及び②の力を見ている。
微妙に現行指導要領の文言に
すり替わってるゥURRRYYY!!!
報告書p. 52
結果は…
CEFR 得点 Reading 割合 CEFR 得点 Listening 割合 CEFR 得点 Writing 割合 CEFR 得点 Speaking 割合
320 77 B2 320 175 0.3% 140 2 B1 14 274 1.7%
310 18 310 50 135 0 13 272
300 27 300 70 130 3 12 415
290 37 290 68 125 7 11 501
280 69 280 109 120 33 10 657
270 82 270 126 115 45 9 691
260 107 260 160 110 175 8 770
250 157 250 227 105 222 7 946
240 195 240 256 100 578 6 1185
230 317 230 341 95 608 5 1632
220 420 220 454 90 1,183 4 1105
210 561 210 615 85 946 3 1648
200 778 200 748 80 1,804 2 1450
190 1124 190 992 75 1,736 1 2827
180 1477 180 1241 70 1,971 0 2210
170 1956 170 1731 65 1,816 平均 4.5
160 2610 160 2199 60 2,347 調査対象 16,583
150 3545 150 2996 55 1,978 0点 2,210 13.3%
140 5245 140 4034 50 2,516
130 8192 130 5438 45 2,111
120 11790 120 7684 40 2,417
110 12508 110 8831 35 1,988
100 9796 100 9026 30 2,497
90 4698 90 7840 25 2,080
80 1823 80 5782 20 2,258
70 604 70 3474 15 2,167
60 208 60 2125 10 2,562
50 76 50 920 5 2,913
40 51 40 396 0 30,089
30 19 30 189 平均 27.2
20 2 20 106 調査対象 69,052
10 0 10 99 0点 20,139 29.2%
0 285 0 352
平均 129.4 平均 120.3
調査対象 68,854 調査対象 68,854
B1
A2
A1
0.0%
B1
A2
2.0%
25.1%
A2
A1
12.8%
86.5%
A1 72.7%
B2 0.2%
75.9%
0.7%
B2
B1
87.2%A1
A2 11.1%
2.0%
21.8%
【生徒全体のスコア分布】
<読むこと>43問(約45分) <聞くこと>36問(約25分) <書くこと>2問(約25分) <話すこと>3問(対面約10分)
[総論]
4技能全てにおいて課題があるとともに、
特に「書くこと」「話すこと」について課題が大きい。
1. 英語学習に対する生徒の意識
<テスト結果と質問紙の分析>
○生徒の英語学習に対する意識①
・英語が好きではないとの回答が半数を上回る。 特にA1レベルにおいて顕著。
・テストスコアが高いほど、英語学習は好きと回答する生徒の割合が高い。
○現在の英語力と将来の英語使用のイメージ②
・現在の英語力のレベルによって将来の英語使用のイメージが異なる。「英語をどの程度身に
付けたいと思っていますか」という問いに対し、テストスコアが高いほど、「英語を使って国際
社会で活躍できるようになりたい」「大学で自分が専攻する学問を学べるようになりたい」と
いった将来の英語使用のイメージが明確な生徒の割合が高い。
〈1.の改善の方向性〉
⇨ 生徒が「英語を使って何ができるようになるか」という観点から、主体的に学ぶ意欲・態度の
育成を含めた具体的な指標形式の目標の設定し、生徒が達成感を得られるようにする。
併せて、主体的な学びにつながる学習・指導方法(アクティブ・ラーニング)、及び評価方法の
善。
4 テスト結果と質問紙の分析及び今後の「改善の方向性」のポイント
学習意欲に課題
生徒の英語力について特に
「書く」「話す」が課題
P.5参照
結果の概要p. 4
いやちょと待てちょと待て
●「聞くこと」:多肢選択式・2パート構成・36問(約25分)
●「書くこと」:自由記述式・2パート構成・2問(約25分)
●「話すこと」:音読、即興での質疑応答、ある程度準備した上での意見陳述に
ついて評価基準を設け、教員が面接を実施(約10分)
2
単
位
時
間
Reading
読むこと
Listening
聞くこと
Writing
書くこと
Speaking
話すこと
測定する力
実際の言語使用場面を前提とした英語コミュニケーション能力
(「知識・技能」の習得だけでなく、それらを活用して思考・判断・表現する総合的な力)
問題構成
語彙・語法問題 14問
(短文の中で、文脈を理解するとともに、
文法的に、また語彙選択上最も適切な
表現を正確に判断できる力)
※A2~B1相当
課題解決問題 18問
(日本語で事前に与えられる状況設定
及び視覚情報(イラスト)と音声情報から、
その場で求められている課題(タスク)を
解決する力)
※A2相当
情報要約問題 1問
(英文音声で聞いた情報を理解し、指
定語数(30語程度)で要 約して書く
力)
※B1~B2相当
音読問題 1問
(適切な発音、リズム、イントネーショ
ン、速度、声の大きさで話す力)
※A1~B2相当
概要把握問題 6問
(与えられた英文の題材について、短
時間で全体の概要を理解する力)
※A2~B1相当
要点理解問題 18問
(英文音声の中から、事前に与えられる
英語の質問に答えるために必要な情報
を選択し、求められている解答を導くた
めに適切な判断をする力)
※A2~B2相当
意見展開問題 1問
(与えられた話題について、限られた
時間の中で自分の意見を説得力を
持って表現する力)
※A2~B2相当
質疑応答問題 1問
(試験官からの問いかけに応じて生
徒自身の経験や考えを適切に述べ
る力)
※A1~B2相当
情報検索問題 8問
(与えられた英文の題材について、
短時間で必要な情報を引き出す
力)
※A2相当
意見陳述問題 1問
(与えられた話題について、事実と自
分の意見とを区別して、論理的に説
明する力)
※A1~B2相当
要点理解問題 15問
(まとまった量の英文について、英文の
趣旨に関する内容や詳細部分の要点
を理解し、必要な情報を読み取る力)
※B2相当
[生徒・学校・教員に対する質問紙調査の構成(約15分)]
[試験問題の構成]
約
10
分
結果の概要p. 12
いやちょと待てちょと待て
●「聞くこと」:多肢選択式・2パート構成・36問(約25分)
●「書くこと」:自由記述式・2パート構成・2問(約25分)
●「話すこと」:音読、即興での質疑応答、ある程度準備した上での意見陳述に
ついて評価基準を設け、教員が面接を実施(約10分)
2
単
位
時
間
Reading
読むこと
Listening
聞くこと
Writing
書くこと
Speaking
話すこと
測定する力
実際の言語使用場面を前提とした英語コミュニケーション能力
(「知識・技能」の習得だけでなく、それらを活用して思考・判断・表現する総合的な力)
問題構成
語彙・語法問題 14問
(短文の中で、文脈を理解するとともに、
文法的に、また語彙選択上最も適切な
表現を正確に判断できる力)
※A2~B1相当
課題解決問題 18問
(日本語で事前に与えられる状況設定
及び視覚情報(イラスト)と音声情報から、
その場で求められている課題(タスク)を
解決する力)
※A2相当
情報要約問題 1問
(英文音声で聞いた情報を理解し、指
定語数(30語程度)で要 約して書く
力)
※B1~B2相当
音読問題 1問
(適切な発音、リズム、イントネーショ
ン、速度、声の大きさで話す力)
※A1~B2相当
概要把握問題 6問
(与えられた英文の題材について、短
時間で全体の概要を理解する力)
※A2~B1相当
要点理解問題 18問
(英文音声の中から、事前に与えられる
英語の質問に答えるために必要な情報
を選択し、求められている解答を導くた
めに適切な判断をする力)
※A2~B2相当
意見展開問題 1問
(与えられた話題について、限られた
時間の中で自分の意見を説得力を
持って表現する力)
※A2~B2相当
質疑応答問題 1問
(試験官からの問いかけに応じて生
徒自身の経験や考えを適切に述べ
る力)
※A1~B2相当
情報検索問題 8問
(与えられた英文の題材について、
短時間で必要な情報を引き出す
力)
※A2相当
意見陳述問題 1問
(与えられた話題について、事実と自
分の意見とを区別して、論理的に説
明する力)
※A1~B2相当
要点理解問題 15問
(まとまった量の英文について、英文の
趣旨に関する内容や詳細部分の要点
を理解し、必要な情報を読み取る力)
※B2相当
[生徒・学校・教員に対する質問紙調査の構成(約15分)]
[試験問題の構成]
約
10
分
Listening
聞くこと
Writing
書くこと
S
話
実際の言語使用場面を前提とした英語コミュニケーション能力
技能」の習得だけでなく、それらを活用して思考・判断・表現する総合的
題 14問
するとともに、
上最も適切な
力)
当
課題解決問題 18問
(日本語で事前に与えられる状況設定
及び視覚情報(イラスト)と音声情報から、
その場で求められている課題(タスク)を
解決する力)
※A2相当
情報要約問題 1問
(英文音声で聞いた情報を理解し、指
定語数(30語程度)で要 約して書く
力)
※B1~B2相当
音読
(適切な発音
ン、速度、声
※
題 6問
ついて、短
する力)
当
要点理解問題 18問
(英文音声の中から、事前に与えられる
英語の質問に答えるために必要な情報
を選択し、求められている解答を導くた
めに適切な判断をする力)
※A2~B2相当
意見展開問題 1問
(与えられた話題について、限られた
時間の中で自分の意見を説得力を
持って表現する力)
※A2~B2相当
質疑応
(試験官から
徒自身の経
る力)
※
結果の概要p. 12
きる。
<スクリプト> [F: Female]
F: Can you meet me somewhere
and bring me the train pass? How
about halfway between school and
our apartment building? The big
bridge, the one not too far from the
train station, would be a good
place to meet.
※ Copyright © 2015 Benesse Corporation「GTEC for STUDENTS」
F: Can you meet me som
and bring me the train pa
about halfway between sc
our apartment building?
bridge, the one not too far
train station, would be
place to meet.
報告書p. 54
C
E
F
R
の
じぇ
じぇ
じぇ
!
とまでは言いませんが、
カリキュラム評価として考えるなら
その妥当性、疑われて然るべき
ハウエヴァー(結果の概要pp. 2-3)
⇨ 生徒が「英語を使って何ができるようになるか」という観点から、主体的に学ぶ意欲・態度の
育成を含めた具体的な指標形式の目標の設定し、生徒が達成感を得られるようにする。
併せて、主体的な学びにつながる学習・指導方法(アクティブ・ラーニング)、及び評価方法の
在り方を検討・改善。
2. 4技能を活用した言語活動に対する生徒の意識
<テスト結果と質問紙の分析>
○4技能を通じた言語活動に対する生徒の意識「読むこと」「聞くこと」①
・英語を読んだり聞いたりして、概要や要点をとらえる活動をしていた生徒は半数を上回る。
(合計:リーディング67.2%、リスニング58.2%)
・「読むこと」「話すこと」のテストスコアが高いほど、授業において「概要や要点をとらえる
活動をしていたと思う」生徒の割合が高い。
○4技能を通じた言語活動に対する生徒の意識「話すこと」②
・聞いたり読んだりしたことについて、英語で話し合ったり意見交換をした経験が少ない
(合計:35.2%)。
・「話すこと」のテストスコアが高いほど、授業において「生徒同士で英語で話し合ったり意見の
交換をしたりしていたと思う」生徒の割合が高い。
○4技能を通じた言語活動に関する生徒の取組状況「話すこと」③
・英語でスピーチやプレゼンテーションをした経験が少ない(合計:22.9%)。
・「話すこと」のテストスコアが高いほど、授業において「英語でスピーチやプレゼンテーション
をしていたと思う」生徒の割合が高い。
特に「話す」「書く」
言語活動が十分でない
P.6,7参照
2
○言語活動に対する生徒の意識:「聞いたり読んだりしたことについて書くこと」
(2つ以上の技能統合型)
・聞いたり読んだりしたことについて、その内容を英語で書いてまとめたり自分の考えを英語
で書いたりした経験が少ない(合計:38.7%)。
・「書くこと」のテストスコアが高いほど、聞いたり読んだりしたことについて、その内容を
英語で書いてまとめたり自分の考えを英語で書いたりしていた生徒の割合が高い。
〈上記2.の改善の方向性〉
⇨ 基礎的な知識・技術を活用し、生徒の興味・関心が高い話題や、時事問題や社会的な話題
など幅広い話題について「発表・討論・交渉」などの言語活動を豊富に体験させ、情報や考え
などを的確に理解したり適切に伝えたりする総合的なコミュニケーション能力を高める必要が
ある。
⇨ あわせて「聞いて書く」など複数技能を統合して使う活動を通して、生徒が実社会や実生活の
中で、自らが課題を発見し、主体的・協同的に探求し、考えや気持ちを互いに伝え合うことを
目的とした学習・指導方法(アクティブ・ラーニング)や評価を行うことが必要。
3. 4技能を活用した言語活動に対する教員の意識
〈質問紙の分析〉
○授業における言語活動の指導①
<技能統合型:聞いたり読んだりしたことに基づく話合いや意見交換・書く活動>
・聞いたり読んだりしたことに基づき、情報や考えなどについて、話合いや意見交換を行って
いる教員(合計:33.0%)、書く活動を行っている教員(合計:39.7%)が少ない。
○授業における言語活動の指導②
<技能統合型:スピーチ、プレゼンテーション、ディベート、ディスカッション>
・スピーチやプレゼンテーションを行っている教員が少ない(合計:28.0%)
・ディベートやディスカッションを行っている教員が非常に少ない(合計:6.9%)
技能統合型の言語活動
・指導が十分でない
P.8参照
!?
先生、あなたも
か弱き“AL”の代弁者なのか
カリキュラム評価の人の言うことにゃー
「学習者のパフォーマンスのみに特
化した評価は、パフォーマンスの工
程を全面的に学習者に帰属させか
ねない。そこには『われわれの教
え方や内容には問題がないはずだ』
という、教える側の一種の思い込み
が見え隠れする。はたして『わから
なくなるように我々が教えてしまっ
ている』可能性は、本当にないの
だろうか」(根津, 2009, p. 39)
公的なやーつ、他にも
• 教育課程実施状況調査:
• 小学校(5, 6年): 2001, 2003年度
• 中学校(1∼3年): 2001, 2003年度
• 高等学校(3年): 2002→新学力観, 2003, 2005年度→旧
• 国研: 特定の課題に関する調査(英語:「話すこと」): 2007年度
• 国研: 特定の課題に関する調査(英語:「書くこと」): 2010年度
• 学習指導要領実施状況調査: 小学校(4, 5, 6年): 2012年度
公的なやーつ、他にも
• 教育課程実施状況調査:
• 学習指導要領に基づく学習の実現状況の調査
• 全国高3約1.5万人×2(/国公私立15万人(全体の
約13%))、無作為抽出
• 平成17年11月 →一部同一問題を出題し、前回
調査と通過率を比較
- 2 -
率 を 比 較 。 さ ら に , 前 回 調 査 ( H14及 び H15) と 同 一 問 題 を 出 題 し , 今 回 と
前 回 の 相 互 の 通 過 率 を 比 較 。
教 科 ・ 科 目 全 問 題 数 全 問 題 の う ち 全 問 題 の う ち 前 回
A,B冊 子 合 計 記 述 式 問 題 数 と 同 一 問 題 数( )
47 9 10国 語 国 語 総 合
67 14 14地 理 世 界 史 B
60 17 18歴 史 日 本 史 B
60 10 11地 理 B
45 10 10公 民 倫 理
44 17 15政 治 ・ 経 済
36 10 11数 学 数 学 Ⅰ
57 12 14理 科 物 理 Ⅰ
60 13 21化 学 Ⅰ
66 16 19生 物 Ⅰ
63 21 17地 学 Ⅰ
52 14 21外 国 語 英 語 Ⅰ
(24 .8 %) (27.5%)合 計 657 163 181
- 2 -
57 12 14理 科 物 理 Ⅰ
60 13 21化 学 Ⅰ
66 16 19生 物 Ⅰ
63 21 17地 学 Ⅰ
52 14 21外 国 語 英 語 Ⅰ
(24 .8 %) (27.5%)合 計 657 163 181
ち, くことに関する問題が くを め, た,国語総合では,前回を有意に下回る問
( は科目別 告に記載 。題のうち, に関する問題が くを めている )
, ( ) ( )なお 今回調査 平成11年告示高等学校学習指導要領 と前回調査 平成元年告示
の下では,理科,地理歴史や公民の各科目の生徒の履修状況が大きく なることから,
通過率の比較をみる にも,参考としてみるのが 当である。
教 科 ・ 科 目 全 同 一 前 回 を 有 意 に 前 回 と 有 意 に 前 回 を 有 意 に
問 題 数 問 題 数 回 る 問 題 数 の な い 問 題 数 下 回 る 問 題 数
47 10 1 4 5国 語 国 語 総 合
67 14 2 12 0地 理 世 界 史 B
60 18 0 18 0歴 史 日 本 史 B
60 11 6 5 0地 理 B
45 10 0 10 0公 民 倫 理
44 15 2 13 0政 治 ・ 経 済
36 11 0 11 0数 学 数 学 Ⅰ
57 14 1 13 0理 科 物 理 Ⅰ
60 21 8 12 1化 学 Ⅰ
66 19 2 14 3生 物 Ⅰ
63 17 0 17 0地 学 Ⅰ
52 21 4 16 1外 国 語 英 語 Ⅰ
657 181 26 145 10合 計
( ) , , 。 。通過率は 問題ごとの 答 答者数の合計を解答者数の合計で った数 である 以下同じ
前回調査との同一問題における通過率の比較
1
2
0
6
0
2
0
1
8
2
0
44
12
18
5
10
13
11
13
12
14
17
16
5
0 0 0 0 0 0 0
1
3
0
1
0
5
10
15
20
国語総合 世界史B 日本史B 地理B 倫理 政治・経済 数学Ⅰ 物理Ⅰ 化学Ⅰ 生物Ⅰ 地学Ⅰ 英語Ⅰ
国語 地理歴史 公民 数学 理科 外国語
問題数
- 4 -
60 18 0 18 0歴 史 日 本 史 B
60 11 6 5 0地 理 B
45 10 0 10 0公 民 倫 理
44 15 2 13 0政 治 ・ 経 済
36 11 0 11 0数 学 数 学 Ⅰ
57 14 1 13 0理 科 物 理 Ⅰ
60 21 8 12 1化 学 Ⅰ
66 19 2 14 3生 物 Ⅰ
63 17 0 17 0地 学 Ⅰ
52 21 4 16 1外 国 語 英 語 Ⅰ
657 181 26 145 10合 計
( ) , , 。 。通過率は 問題ごとの 答 答者数の合計を解答者数の合計で った数 である 以下同じ
前回調査との同一問題における通過率の比較
1
2
0
6
0
2
0
1
8
2
0
44
12
18
5
10
13
11
13
12
14
17
16
5
0 0 0 0 0 0 0
1
3
0
1
0
5
10
15
20
国語総合 世界史B 日本史B 地理B 倫理 政治・経済 数学Ⅰ 物理Ⅰ 化学Ⅰ 生物Ⅰ 地学Ⅰ 英語Ⅰ
国語 地理歴史 公民 数学 理科 外国語
問題数
前回を有意に上回る問題数 前回と有意に差のない問題数 前回を有意に下回る問題数
(2) 記述式問題の状況(同一問題)
記 述 式 問 題 ( 前 回 調 査 と 同 一 問 題 ) で は , 無 解 答 率 の 化 は み ら れ な い が ,
と し て 無 解 答 率 が 高 い ( 約 25%)
( 参 考 ) 各 科 目 に お け る 記 述 式 問 題 ( 同 一 問 題 ) の 通 過 率 ・ 無 解 答 率 の 平 均
問 題 数 通 過 率 平 均 無 解 答 率 平 均教 科 ・ 科 目
( 前 回 ) ( 今 回 ) ( 前 回 ) ( 今 回 )
1 41.3 35.5 36.8 44.8
国 語 国 語 総 合
( 国 語 Ⅰ )
地 理 世 界 史 B 4 36.7 40.7 30.0 32.5
通過率・無解答率の平均
(同一問題 記述式問題)
25.325.2
47.446.4
0
20
40
60
80
100
通過率 無解答率 通過率 無解答率
前回 今回
(%)
通過率・無解答率の平均(同一問題全体)
54.6 55.6
8.8 9.5
0
20
40
60
80
100
通過率 無解答率 通過率 無解答率
前回 今回
(%)
( 参 考 ) 各 科 目 に お け る 記 述 式 問 題 ( 同 一 問 題 ) の 通 過 率 ・ 無 解 答 率 の 平 均
問 題 数 通 過 率 平 均 無 解 答 率 平 均教 科 ・ 科 目
( 前 回 ) ( 今 回 ) ( 前 回 ) ( 今 回 )
1 41.3 35.5 36.8 44.8
国 語 国 語 総 合
( 国 語 Ⅰ )
地 理 世 界 史 B 4 36.7 40.7 30.0 32.5
歴 史 日 本 史 B 6 57.9 55.1 17.2 20.3
地 理 B 0
公 民 倫 理 3 67.9 66.5 15.9 22.1
政 治 ・ 経 済 0
数 学 数 学 Ⅰ 2 27.5 28.3 52.1 52.1
2 56.7 62.2 15.2 12.8
理 科 物 理 Ⅰ
( 物 理 Ⅰ B )
5 39.2 47.3 27.7 21.7
化 学 Ⅰ
( 化 学 Ⅰ B )
5 39.4 40.0 24.2 24.1
生 物 Ⅰ
( 生 物 Ⅰ B )
4 44.2 42.7 29.7 28.4
地 学 Ⅰ
( 地 学 Ⅰ B )
外 国 語 英 語 Ⅰ 6 47.9 47.6 23.0 20.7
38 46.4 47.4 25.2 25.3合 計
「通過率平均 「無解答率平均」は該当す る個々の問題の通過率及び無解答率を 平均したもの。」,
25.325.2
47.446.4
0
20
40
60
80
100
通過率 無解答率 通過率 無解答率
前回 今回
54.6 55.6
8.8 9.5
0
20
40
60
80
100
通過率 無解答率 通過率 無解答率
前回 今回
(3) 設定通過率との比較
12科 目 中 , 国 語 総 合 , 世 界 史 B , 日 本 史 B , 地 理 B , 倫 理 , 化 学 Ⅰ , 生 物 Ⅰ , 地 学
Ⅰ及び 英語Ⅰの 9科目 において通過率が設定通過率を 回る又は同程度と考えられる問
題 数 が 全 の 問 題 数 の 数 以 を め た ( 生 物 Ⅰ は , 設 定 通 過 率 を 回 る 又 は 同 程 度。
と考えられる問題数が 数)
一方 ,政治・ 経済, 数学Ⅰ及び物理Ⅰの3科目は,通過率が設定通過率を 回る又は
同程度と考えられる問題数が全 の問題数の 数 であった。
設 定 通 過 率 を 設 定 通 過 率 と 設 定 通 過 率 を
教 科 ・ 科 目 問 題 数 回 る と 考 え 同 程 度 と 考 え 下 回 る と 考 え
ら れ る 問 題 数 ら れ る 問 題 数 ら れ る 問 題 数
47 23 12 12国 語 国 語 総 合
67 24 26 17地 理 世 界 史 B
60 26 18 16歴 史 日 本 史 B
60 36 15 9地 理 B
45 16 15 14公 民 倫 理
44 9 8 27政 治 ・ 経 済
36 3 8 25数 学 数 学 Ⅰ
57 12 16 29理 科 物 理 Ⅰ
60 13 18 29化 学 Ⅰ
66 12 21 33生 物 Ⅰ
63 18 14 31地 学 Ⅰ
52 14 16 22外 国 語 英 語 Ⅰ
657 206 187 264合 計
[設定通過率]
学 習 指 導 要 領 に 示 さ れ た 内 容 に つ い て , 標 な 時 間 を か け , 学 習 指 導 要 領 作 成 時に 定
さ れ た 学 習 活 動 が 行 れ た 場 合 , 個 々 の 問 題 ご と に 答 , 答 の 合 の 合 計 で あ る通 過 率
が の程度になるかを示した数 。
設 定 通 過 率 と の 比 較 (H17調 査 )
40
問 題 数
教 科 ・ 科 目 問 題 数 回 る と 考 え 同 程 度 と 考 え 下 回 る と 考 え
ら れ る 問 題 数 ら れ る 問 題 数 ら れ る 問 題 数
47 23 12 12国 語 国 語 総 合
67 24 26 17地 理 世 界 史 B
60 26 18 16歴 史 日 本 史 B
60 36 15 9地 理 B
45 16 15 14公 民 倫 理
44 9 8 27政 治 ・ 経 済
36 3 8 25数 学 数 学 Ⅰ
57 12 16 29理 科 物 理 Ⅰ
60 13 18 29化 学 Ⅰ
66 12 21 33生 物 Ⅰ
63 18 14 31地 学 Ⅰ
52 14 16 22外 国 語 英 語 Ⅰ
657 206 187 264合 計
[設定通過率]
学 習 指 導 要 領 に 示 さ れ た 内 容 に つ い て , 標 な 時 間 を か け , 学 習 指 導 要 領 作 成 時に 定
さ れ た 学 習 活 動 が 行 れ た 場 合 , 個 々 の 問 題 ご と に 答 , 答 の 合 の 合 計 で あ る 通 過 率
が の程度になるかを示した数 。
設 定 通 過 率 と の 比 較 (H17調 査 )
23
24
26
36
16
9
3
12
13
12
18
14
12
26
18
15 15
8 8
16
18
21
14
16
12
17
16
9
14
27
25
29 29
33
31
22
10
20
30
40
問 題 数
(参考)前回調査(平成14,15年度調査)
1 2 科 目 中 , 国 語 Ⅰ , 世 界 史 B , 日 本 史 B , 地 理 B , 倫 理 及 び 英 語 Ⅰ の 6 科
目 に お い て 通 過 率 が 設 定 通 過 率 を 回 る 又 は 同 程 度 と 考 え ら れ る 問 題 数 が 全
の 問 題 数 の 数 以 を め た 。
一方,政治・経済,数学Ⅰ,物理ⅠB,化学ⅠB,生物ⅠB及び地学ⅠBの6科目は,
通過率が設定通過率を 回る又は同程度と考えられる問題数が全 の問題数の 数
であった。
平 成 15年 度 は , こ の か 世 界 史 A , 日 本 史 A , 地 理 A , 現 会 を 実 施 。 結 果 は 。
設 定 通 過 率 を 設 定 通 過 率 と 設 定 通 過 率 を
分 問 題 数 回 る と 考 え 同 程 度 と 考 え 下 回 る と 考 え
ら れ る 問 題 数 ら れ る 問 題 数 ら れ る 問 題 数
44 26 11 7国 語 国 語 Ⅰ
50 13 16 21地 理 世 界 史 B
58 19 13 26歴 史 日 本 史 B
57 19 21 17地 理 B
46 20 10 16公 民 倫 理
51 15 10 26政 治 ・ 経 済
30 1 5 24数 学 数 学 Ⅰ
51 12 8 31理 科 物 理 Ⅰ B
設 定 通 過 率 を 設 定 通 過 率 と 設 定 通 過 率 を
分 問 題 数 回 る と 考 え 同 程 度 と 考 え 下 回 る と 考 え
ら れ る 問 題 数 ら れ る 問 題 数 ら れ る 問 題 数
44 26 11 7国 語 国 語 Ⅰ
50 13 16 21地 理 世 界 史 B
58 19 13 26歴 史 日 本 史 B
57 19 21 17地 理 B
46 20 10 16公 民 倫 理
51 15 10 26政 治 ・ 経 済
30 1 5 24数 学 数 学 Ⅰ
51 12 8 31理 科 物 理 Ⅰ B
53 10 11 32化 学 Ⅰ B
54 5 10 39生 物 Ⅰ B
55 6 10 39地 学 Ⅰ B
52 15 21 16外 国 語 英 語 Ⅰ
601 161 146 294合 計
設定通過率との比較(H14,15調査)
26
13
19 19 20
15
1
12
10
5 6
15
11
16
13
21
10 10
5
8
11 10 10
21
7
21
26
17 16
26
24
31 32
39 39
16
0
10
20
30
40
国 世 日 地 倫 政 数 物 化 生 地 英
問題数
(4) 設定通過率との比較(記述式問題)
12科 目 中 , 国 語 総 合 , 世 界 史 B , 日 本 史 B , 地 理 B , 倫 理 , 物 理 Ⅰ , 生 物 Ⅰ 及 び 地
学Ⅰの8科目において通過率が設定通過率を 回る又は同程度と考えられる問題数が全
の 問 題 数 の 数 以 を め た ( 物 理 Ⅰ は , 設 定 通 過 率 を 回 る 又 は 同 程 度 と 考 え ら。
れる問題数が 数)
一方,政治・経済,数学Ⅰ,化学Ⅰ及び英語Ⅰの4科目は,通過率が設定通過率を
回 る 又 は 同 程 度 と 考 え ら れ る 問 題 数 が 全 の 問 題 数 の 数 で あ っ た 。
設 定 通 過 率 を 設 定 通 過 率 と 設 定 通 過 率 を
教 科 ・ 科 目 問 題 数 回 る と 考 え 同 程 度 と 考 え 下 回 る と 考 え
ら れ る 問 題 数 ら れ る 問 題 数 ら れ る 問 題 数
9 1 5 3国 語 国 語 総 合
14 5 5 4地 理 歴 史 世 界 史 B
17 7 3 7日 本 史 B
10 7 1 2地 理 B
10 6 1 3公 民 倫 理
17 0 3 14政 治 ・ 経 済
10 1 0 9数 学 数 学 Ⅰ
12 2 4 6理 科 物 理 Ⅰ
13 3 3 7化 学 Ⅰ
学Ⅰの8科目において通過率が設定通過率を 回る又は同程度と考えられる問題数が全
の 問 題 数 の 数 以 を め た ( 物 理 Ⅰ は , 設 定 通 過 率 を 回 る 又 は 同 程 度 と 考 え ら。
れる問題数が 数)
一方,政治・経済,数学Ⅰ,化学Ⅰ及び英語Ⅰの4科目は,通過率が設定通過率を
回 る 又 は 同 程 度 と 考 え ら れ る 問 題 数 が 全 の 問 題 数 の 数 で あ っ た 。
設 定 通 過 率 を 設 定 通 過 率 と 設 定 通 過 率 を
教 科 ・ 科 目 問 題 数 回 る と 考 え 同 程 度 と 考 え 下 回 る と 考 え
ら れ る 問 題 数 ら れ る 問 題 数 ら れ る 問 題 数
9 1 5 3国 語 国 語 総 合
14 5 5 4地 理 歴 史 世 界 史 B
17 7 3 7日 本 史 B
10 7 1 2地 理 B
10 6 1 3公 民 倫 理
17 0 3 14政 治 ・ 経 済
10 1 0 9数 学 数 学 Ⅰ
12 2 4 6理 科 物 理 Ⅰ
13 3 3 7化 学 Ⅰ
16 5 5 6生 物 Ⅰ
21 7 5 9地 学 Ⅰ
14 0 6 8外 国 語 英 語 Ⅰ
163 44 41 78合 計
( 参 考 ) 前 回 調 査 ( 平 成 14,15年 度 調 査 )
12科 目 中 , 国 語 Ⅰ , 日 本 史 B , 地 理 B , 倫 理 及 び 英 語 Ⅰ の 5 科 目 に お い て 通 過 率 が
設 定 通 過 率 を 回 る 又 は 同 程 度 と 考 え ら れ る 問 題 数 が 全 の 問 題 数 の 数 以 を め
た。
一方,世界史B,政治・経済,数学Ⅰ,物理ⅠB,化学ⅠB,生物ⅠB及び地学ⅠBの
7科目は,通過率が設定通過率を 回る又は同程度と考えられる問題数が全 の問題数
の 数 で あ っ た 。
設 定 通 過 率 を 設 定 通 過 率 と 設 定 通 過 率 を
教 科 ・ 科 目 問 題 数 回 る と 考 え 同 程 度 と 考 え 下 回 る と 考 え
ら れ る 問 題 数 ら れ る 問 題 数 ら れ る 問 題 数
- 9 -
163 44 41 78合 計
( 参 考 ) 前 回 調 査 ( 平 成 14,15年 度 調 査 )
12科 目 中 , 国 語 Ⅰ , 日 本 史 B , 地 理 B , 倫 理 及 び 英 語 Ⅰ の 5 科 目 に お い て 通 過 率 が
設 定 通 過 率 を 回 る 又 は 同 程 度 と 考 え ら れ る 問 題 数 が 全 の 問 題 数 の 数 以 を め
た。
一方,世界史B,政治・経済,数学Ⅰ,物理ⅠB,化学ⅠB,生物ⅠB及び地学ⅠBの
7科目は,通過率が設定通過率を 回る又は同程度と考えられる問題数が全 の問題数
の 数 で あ っ た 。
設 定 通 過 率 を 設 定 通 過 率 と 設 定 通 過 率 を
教 科 ・ 科 目 問 題 数 回 る と 考 え 同 程 度 と 考 え 下 回 る と 考 え
ら れ る 問 題 数 ら れ る 問 題 数 ら れ る 問 題 数
7 3 1 3国 語 国 語 Ⅰ
10 3 1 6地 理 歴 史 世 界 史 B
12 3 6 3日 本 史 B
10 3 3 4地 理 B
9 6 0 3公 民 倫 理
13 3 1 9政 治 ・ 経 済
15 1 3 11数 学 数 学 Ⅰ
6 2 0 4理 科 物 理 Ⅰ B
14 2 4 8化 学 Ⅰ B
12 2 1 9生 物 Ⅰ B
9 1 0 8地 学 Ⅰ B
14 1 7 6外 国 語 英 語 Ⅰ
131 30 27 74合 計
(参考)前回調査(平成14,15年度調査)
1 2 科 目 中 , 国 語 Ⅰ , 世 界 史 B , 日 本 史 B , 地 理 B , 倫 理 及 び 英 語 Ⅰ の 6 科
目 に お い て 通 過 率 が 設 定 通 過 率 を 回 る 又 は 同 程 度 と 考 え ら れ る 問 題 数 が 全
の 問 題 数 の 数 以 を め た 。
一 方 , 政 治・ 経 済 ,数 学 Ⅰ , 物理 Ⅰ B,化 学 Ⅰ B, 生物 ⅠB及び 地学Ⅰ Bの6科 目は,
通過率 が設定通 過率を 回る又は同程度と考えられる問題数が全 の問題数の 数
であった。
平 成 15年 度 は , こ の か 世 界 史 A , 日 本 史 A , 地 理 A , 現 会 を 実 施 。 結 果 は 。
設 定 通 過 率 を 設 定 通 過 率 と 設 定 通 過 率 を
分 問 題 数 回 る と 考 え 同 程 度 と 考 え 下 回 る と 考 え
ら れ る 問 題 数 ら れ る 問 題 数 ら れ る 問 題 数
44 26 11 7国 語 国 語 Ⅰ
結果の概要
数
学
数
学
外
国
語
外
国
語
● 三角比など基本的な概念や用語・記
号の意味の理解に課題
● 事象を式で数学的に表現したり論理
的に説明したりすることに課題
● 三角比など基本的な概念や用語・記
号の意味の理解に課題
● 事象を式で数学的に表現したり論理
的に説明したりすることに課題
● 具体例から一般的な関係や性質を
導く授業を工夫
● 解決過程や推論の過程を筋道立て
て発表させる活動などの充実
● 具体例から一般的な関係や性質を
導く授業を工夫
● 解決過程や推論の過程を筋道立て
て発表させる活動などの充実
● 英語を聞いたり,文章を読んで概要・
要点を理解することは定着
● 内容を考えて書くことや,指定された
状況や文脈に応じて書くことに課題
● 英語を聞いたり,文章を読んで概要・
要点を理解することは定着
● 内容を考えて書くことや,指定された
状況や文脈に応じて書くことに課題
● 意味をとらえた応答や,情報を整理
しながら要点を理解させる指導
● 様々なトピックを設定し,書く意欲や
表現力に応じた指導の工夫
● 意味をとらえた応答や,情報を整理
しながら要点を理解させる指導
● 様々なトピックを設定し,書く意欲や
表現力に応じた指導の工夫
● 自己の体験や自己の生きる課題と関
連付けて考察させることに課題<倫理>
● 現代社会の諸課題を資料を活用して
追究し,表現することに課題<政経>
● 自己の体験や自己の生きる課題と関
連付けて考察させることに課題<倫理>
● 現代社会の諸課題を資料を活用して
追究し,表現することに課題<政経>
● 人間としての在り方へ関心を高め,
生き方を探究させる指導の充実<倫理>
● 基本的な概念を踏まえ,議論や発
表などを通して追究を深める学習<政経>
● 人間としての在り方へ関心を高め,
生き方を探究させる指導の充実<倫理>
● 基本的な概念を踏まえ,議論や発
表などを通して追究を深める学習<政経>
公
民
公
民
な学習活動への取組は改善<地理> 界の諸課題の学習の充実<地理>
理
科
理
科
● 実験結果を基に考察したり,グラフに
表現したりすることに課題<共通>
● 運動方程式や力学的エネルギー保存の
法則などの基本的な理解に課題<物理Ⅰ>
● 「酸・塩基,中和」や「酸化と還元」など
イオン概念の定着に課題<化学Ⅰ>
● 遺伝の法則や,遺伝子と染色体の位
置関係の理解に課題<生物Ⅰ>
● 台風や地球の熱収支などで,データ
を読み取り,考察することに課題<地学Ⅰ>
● 実験結果を基に考察したり,グラフに
表現したりすることに課題<共通>
● 運動方程式や力学的エネルギー保存の
法則などの基本的な理解に課題<物理Ⅰ>
● 「酸・塩基,中和」や「酸化と還元」など
イオン概念の定着に課題<化学Ⅰ>
● 遺伝の法則や,遺伝子と染色体の位
置関係の理解に課題<生物Ⅰ>
● 台風や地球の熱収支などで,データ
を読み取り,考察することに課題<地学Ⅰ>
● 目的意識をもった実験,結果の考察
など,科学的な思考を育むための指
導の工夫や探究活動の充実<共通>
● 図や表などのデータを正しく読み取
り,グラフ化,文章化するなど,科学
的に解釈し,表現する力の育成<共通>
●日常生活や既習の学習内容に結び
つけて,基礎的な事項の定着を図る
指導の充実<共通>
● 目的意識をもった実験,結果の考察
など,科学的な思考を育むための指
導の工夫や探究活動の充実<共通>
● 図や表などのデータを正しく読み取
り,グラフ化,文章化するなど,科学
的に解釈し,表現する力の育成<共通>
●日常生活や既習の学習内容に結び
つけて,基礎的な事項の定着を図る
指導の充実<共通>
題数 前回と有意に差のない問題数 前回を有意に下回る問題数
る問題 ■ 英語Ⅰ 前回を有意に上回る問題
5問中3問が
「読むこと」(古典)
に関する問題
4問すべてが
「聞くこと」に
関する問題
67.9
52.0
47.4
57.4 67.1
60.6
66.0
70.1
0
20
40
60
80
100
前回(H14) 今回(H17)
%
B1(3) 英語での話しかけに応答する
A2(2) 英語を 聞いて詳細を 理解する
A2(3) 英語を 聞いて詳細を 理解する
A3(4) 英語を聞いて概要・要点を理解する
0
1
8
2
0
4
11
13
12
14
17
16
0 0
1
3
0
1
数学Ⅰ 物理Ⅰ 化学Ⅰ 生物Ⅰ 地学Ⅰ 英語Ⅰ
数学 理科 外国語
ない問題数 前回を有意に下回る問題数
■ 英語Ⅰ 前回を有意に上回る問題
100
%
● 理由や根拠を基に自分の考えを記述
する問題で無解答が多い
● 古典を読み味わう能力や古典の言語
事項などに課題
● 理由や根拠を基に自分の考えを記述
する問題で無解答が多い
● 古典を読み味わう能力や古典の言語
事項などに課題
● 資料から読み取ったことを,筋道立
てて表現する意欲や能力の育成
● 古典の現代的な価値の理解と,古
典に親しむ態度や能力の育成
● 資料から読み取ったことを,筋道立
てて表現する意欲や能力の育成
● 古典の現代的な価値の理解と,古
典に親しむ態度や能力の育成
国
語
国
語
調査結果における主な特色 指導の改善の主な具体例
今回の調査結果の特色と指導改善の具体例
!?
結果のポイント
270 126 115 45 9 691
260 160 110 175 8 770
250 227 105 222 7 946
240 256 100 578 6 1185
230 341 95 608 5 1632
220 454 90 1,183 4 1105
210 615 85 946 3 1648
200 748 80 1,804 2 1450
190 992 75 1,736 1 2827
180 1241 70 1,971 0 2210
170 1731 65 1,816 平均 4.5
160 2199 60 2,347 調査対象 16,583
150 2996 55 1,978 0点 2,210 13.3%
140 4034 50 2,516
130 5438 45 2,111
120 7684 40 2,417
110 8831 35 1,988
100 9026 30 2,497
90 7840 25 2,080
80 5782 20 2,258
70 3474 15 2,167
60 2125 10 2,562
50 920 5 2,913
40 396 0 30,089
30 189 平均 27.2
20 106 調査対象 69,052
10 99 0点 20,139 29.2%
0 352
平均 120.3
調査対象 68,854
B1
A2
A1
A2
A1
12.8%
86.5%
75.9%
0.7%B1
87.2%A1
2.0%
21.8%
CEFR 得点 Listening 割合 CEFR 得点 Writing 割合 CEFR 得点 Speaking 割合
B2 320 175 0.3% 140 2 B1 14 274 1.7%
310 50 135 0 13 272
300 70 130 3 12 415
290 68 125 7 11 501
280 109 120 33 10 657
270 126 115 45 9 691
260 160 110 175 8 770
250 227 105 222 7 946
240 256 100 578 6 1185
230 341 95 608 5 1632
220 454 90 1,183 4 1105
210 615 85 946 3 1648
200 748 80 1,804 2 1450
190 992 75 1,736 1 2827
180 1241 70 1,971 0 2210
170 1731 65 1,816 平均 4.5
160 2199 60 2,347 調査対象 16,583
150 2996 55 1,978 0点 2,210 13.3%
140 4034 50 2,516
130 5438 45 2,111
120 7684 40 2,417
B1
A2
0.0%
A2 12.8%
0.7%
B2
B1
87.2%A1
A2 11.1%
2.0%
21.8%
<聞くこと>36問(約25分) <書くこと>2問(約25分) <話すこと>3問(対面約10分)
CEFR 得点 Reading 割合 CEFR 得点 Listening 割合 CEFR 得点 Writing 割合
320 77 B2 320 175 0.3% 140 2
310 18 310 50 135 0
300 27 300 70 130 3
290 37 290 68 125 7
280 69 280 109 120 33
270 82 270 126 115 45
260 107 260 160 110 175
250 157 250 227 105 222
240 195 240 256 100 578
230 317 230 341 95 608
220 420 220 454 90 1,183
210 561 210 615 85 946
200 778 200 748 80 1,804
190 1124 190 992 75 1,736
180 1477 180 1241 70 1,971
170 1956 170 1731 65 1,816
160 2610 160 2199 60 2,347
150 3545 150 2996 55 1,978
140 5245 140 4034 50 2,516
B1
A2
0.0%
B1
A2
2.0%
25.1%
A2 12.8%
B2 0.2%
0.7%
B2
B12.0%
21.8%
生徒全体のスコア分布】
<読むこと>43問(約45分) <聞くこと>36問(約25分) <書くこと>2問(約25分)
300 27 300 70 130 3
290 37 290 68 125 7
280 69 280 109 120 33
270 82 270 126 115 45
260 107 260 160 110 175
250 157 250 227 105 222
240 195 240 256 100 578
230 317 230 341 95 608
220 420 220 454 90 1,183
210 561 210 615 85 946
200 778 200 748 80 1,804
190 1124 190 992 75 1,736
180 1477 180 1241 70 1,971
170 1956 170 1731 65 1,816
160 2610 160 2199 60 2,347
150 3545 150 2996 55 1,978
140 5245 140 4034 50 2,516
130 8192 130 5438 45 2,111
120 11790 120 7684 40 2,417
110 12508 110 8831 35 1,988
100 9796 100 9026 30 2,497
90 4698 90 7840 25 2,080
80 1823 80 5782 20 2,258
70 604 70 3474 15 2,167
60 208 60 2125 10 2,562
50 76 50 920 5 2,913
40 51 40 396 0 30,089
30 19 30 189 平均 27.2
20 2 20 106 調査対象 69,052
10 0 10 99 0点 20,139 29.2%
0 285 0 352
平均 129.4 平均 120.3
B1
A2
A1
B1
A2
2.0%
25.1%
A2
A1
12.8%
86.5%
A1 72.7% 75.9%
0.7%B12.0%
21.8%
外
国
語
外
国
語
● 英語を聞いたり,文章を読んで概要・
要点を理解することは定着
● 内容を考えて書くことや,指定された
状況や文脈に応じて書くことに課題
● 英語を聞いたり,文章を読んで概要・
要点を理解することは定着
● 内容を考えて書くことや,指定された
状況や文脈に応じて書くことに課題
● 意味をとらえた応答や,情報を整理
しながら要点を理解させる指導
● 様々なトピックを設定し,書く意欲や
表現力に応じた指導の工夫
● 意味をとらえた応答や,情報を整理
しながら要点を理解させる指導
● 様々なトピックを設定し,書く意欲や
表現力に応じた指導の工夫
理
科
理
科
● 「酸・塩基,中和」や「酸化と還元」など
イオン概念の定着に課題<化学Ⅰ>
● 遺伝の法則や,遺伝子と染色体の位
置関係の理解に課題<生物Ⅰ>
● 台風や地球の熱収支などで,データ
を読み取り,考察することに課題<地学Ⅰ>
● 「酸・塩基,中和」や「酸化と還元」など
イオン概念の定着に課題<化学Ⅰ>
● 遺伝の法則や,遺伝子と染色体の位
置関係の理解に課題<生物Ⅰ>
● 台風や地球の熱収支などで,データ
を読み取り,考察することに課題<地学Ⅰ>
● 図や表などのデータを正しく読み取
り,グラフ化,文章化するなど,科学
的に解釈し,表現する力の育成<共通>
●日常生活や既習の学習内容に結び
つけて,基礎的な事項の定着を図る
指導の充実<共通>
り,グラフ化,文章化するなど,科学
的に解釈し,表現する力の育成<共通>
●日常生活や既習の学習内容に結び
つけて,基礎的な事項の定着を図る
指導の充実<共通>
両方信じるなら
旧指導要領フル実施で
英語教育は後退した
ということでおk?
おっと、
誰か来たようだ
資料は実証主義者たちが信じているよう
に開かれた窓でもなければ、懐疑論者た
ちが手にするように視界をさまたげる壁
でもない。いってみれば、それらは歪ん
だガラスにたとえることができるのだ。
ひとつひとつの個別的な資料の個別的な
歪みを分析することは、すでにそれ自体
構築的な要素をふくんでいる(ギンズブ
ルグ, 2001, p. 48)。
EBE批判は,悪くすれば,学
校や教師の旧態依然の権威
を擁護する議論になってし
まう恐れがある(p. 192)
エビデンスと応答責任との関係→説明責
任の文脈に横滑りしているという事実
応答責任が根づくべき生活世界から,切
り離されたところでエビデンスが産出さ
れるという事情; その背後には,生活世
界から切り離された,理想的にはRCTの
ような実験的な状況でこそエビデンスは
産出されるという想定(p. 194)。
エビデンスと応答責任との関係→説明責
任の文脈に横滑りしているという事実
応答責任が根づくべき生活世界から,切
り離されたところでエビデンスが産出さ
れるという事情; その背後には,生活世
界から切り離された,理想的にはRCTの
ような実験的な状況でこそエビデンスは
産出されるという想定(p. 194)。
エビデンスに対する認識
の問題はどこから?
Porter (1995)/ポーター(2013)
Porter (1995)/ポーター(2013)
• 数値とは「没個人化」のための道具: ローカルノレッジ(局所
的な知識)が通用しなくなるとき,厳密さや標準化が求められ,
新しい信頼の技術として「数」が登場する(pp. 299−300)。
• グローバリゼーションによる標準化の動きと,局所共同体にお
ける専門的知識やローカルノレッジの必要性とのあいだの「信
頼」をめぐる闘争: 数値は「没個人化」に役立ち,個人の技能
は最小限にしか要請されなくなる。しかし同時に,数値だけで
はだめで,それを解釈するための個人の技能やローカルのノレッ
ジが逆に必要とされる場面がある(pp. 300)。
Porter (1995)/ポーター(2013)
• 社会での専門家に対する信頼が弱いとき,ある
いは弱くなったとき,エキスパート・ジャッジメ
ントに代わるものとして「数値」あるいは「手
続き化」がすすむ。定量化あるいは手続きの標
準化とは,力をもつ部外者が専門性に対して疑
いを向けたときに,その適応として生じるので
ある(p. 303)。
Porter (1995)/ポーター(2013)
• 分をわきまえた同僚同士のゆるやかな合意程度で
は,公共の信頼を確立するに十分ではない。その
ような官僚的な努力こそが,厳格な標準化をもっ
とも強力に推進してきた(p. 6)
• 誤りや偏見や不正によってエキスパート・ジャッ
ジメントが損なわれていると主張する人々の疑い
を解くために,計測と計算の高度に標準化された
手続きに頼ろうとする必要性(p. 6)
Porter (1995)/ポーター(2013)
• 数値の力を基礎づけるのは,距離を越える技
術,標準化された手続きである。それらは,
ローカルノレッジや信頼や知恵を前提としたも
のの考え方への依存度を小さくしてくれる。と
同時に,標準化しルーティン化する努力は,そ
れ自体の弱みを,新しいごまかしの機会という
かたちでつくりだす(p. 8)
Porter (1995)/ポーター(2013)
• なぜビジネスや政府の活動,社会科学研究にお
いて定量化が極度の魅力をもつのかを理解した
とき,逆に物理化学や生態学で定量化が果たし
ている役割について新しい知見が得られるだろ
う(p. 11)。
• 数字・グラフ・数式をコミュニケーションの道
具としてとらえること(p. 11)
Porter (1995)/ポーター(2013)
• 定量化は,局地的な共同体の境界を越え出るコミュ
ニケーションに,たいへん適しているのである。高
度に規律化された言説は,その言説を生み出す個人
に依らない知識生産を助長する(p. 12)。
• エキスパート・ジャッジメントから明示的な意思決
定基準への遷移は,(中略)外部からの圧力にさら
された反応として,没個人的な戦略が必要となって
生じた(p. 14)。
Porter (1995)/ポーター(2013)
• 定量的規則が個人的判断にとってかわろうとす
る駆動力: 力のなさと脆弱さの反映
• この駆動力を,安定して自律したコミュニティが
欠如しているときの不信の状況に対する反応と
解釈(p. 14)。
論点
• 「エビデンス」批判より、根っこの客観性(志向)の功罪が重要では
• 「客観性」の産出・所有(者)の問題と合わせて…
• 教育(研究)におけるローカルノレッジの役割
• 通用しなくなっているのか、むしろそれが全てじゃないか問題
• 教育(研究)関係者は外部から「信頼」されているのか問題
• むしろ反没個人的な、価値志向的な営みであることの合意形成は…
• 「応答責任」は現実にはそれほど美しいものではありえない
• 内に閉じた議論だけでは中室本的議論を殺せない
教科教育学と
2015年12月20日
第8回ポスト戦後教育学研究会
遅刻してすいませんでした
亘理 陽一
(静岡大学)
eywatar@ipc.shizuoka.ac.jp

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