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Agile ツール適合化分科会(第6回)議事録
2015.8.26 片岡
<日時> 2015年8月25日(火)18:30~20:30
<場所> (株)IT働楽研究所 3階会議室 (東京 神田)
<出席者>片岡、樋山、贄、鈴木、名本、坂本、松下、トラン・ソン、ファム・ミンフン
<議事>
1.チュートリアル
片岡 雅憲氏より、「ソフトウェア変更管理・バージョン管理技術~Git と GitHub~」
と題して、Git/GitHub の機能概要、特徴(何故、注目されているか)、Subversion との相違点
等についての説明があった。
2.事例発表:次の2件の事例が発表された。
1)事例発表1:
<発表者>ファム・ミンフン氏 (ベトナム ヴィーネクスト(V-NEXT)社)
<題目> 「ヴィーネクスト塹壕より Agile」
<概要> ①ヴィーネクストからの観点、Agile の定義
②ヴィーネクストでの Agile 実施過程 ③Agile 実施後の経験 ④実例
2)事例発表2:
<発表者>贄 良則 氏(株式会社ジャスミンソフト)
<題目> 「Wagby による自動テストの例 - Jenkins と Selenium WebDriver」
<概要> Wagby で開発したアプリケーションの自動テストを行う例として、Jenkins
と Selenium WebDriver を組み合わせる仕組みについて
3.討議
次のような議論が行われた。
1)Git/GitHub の主な特徴は、①分散開発への対応 ②性能が Subversion と比べて1~2桁
良い ③チーム開発支援機能 ④バージョン管理機能 にある。
2)V-NEXT 社では、2013年3月よりアジャイル開発を開始し、現在ではすべてのプロジ
ェクトにアジャイル開発を適用している。アジャイル開発の回転周期(スピンと呼んでいる)
は、一週間から一か月(平均2週間)であり、納期間近になると一週間となることが多い。
スピンの長さは開発機能の大きさに依存することから、「機能分割」のやり方が極めて重要
である。
3)V-NEXT 社では日本からのオフショア開発案件が多いが、顧客とのコミュニケーションは
日本語で行っている。V-NEXT 社社員の70%は日本語を話すので、日本語でのコミュニケ
ーションの問題は感じていない。苦労しているのは、顧客が提示した仕様の曖昧さである。
4)V-NEXT 社のアジャイル開発では、各スピン毎の再テストの作業が負担になっている。
Jenkins 等を用いた再テストの自動化が大きな課題となっている。
5)贄氏からは、Wagby で開発したソフトウェアの再テストを、WebDriver + Jenkins で自動
化した事例について、デモを交えた説明があった。他の超高速開発ツールでは、Jenkins と
Agile ツール適合化分科会(第6回)議事録
2015.8.26 片岡
の連携は必ずしもうまくいかないが、Wagby の場合は Jenkins との相性が良くて連携がうま
くいっている。この再テスト自動化の仕組みを Wagby 代理店の会社にも技術トランスファ
ーしていく予定とのことであった。
6)贄氏より、Jenkins は CI ツールのデファクトスタンダードとして長い間利用されてきて
いるが、最近 circleCI 等の新しい CI ツールが出てきて、世代交代が起こるかもしれない、
との話があった。
7)鈴木氏よりテスト自動化の難しさについて次のような話があった。テスト自動化を進める
ためには、被テストプログラム、テストプログラムの標準化やテスト自動化ツールの開発に
それなりの投資が必要である。これにじっくりと取り組むのはなかなかに大変であり、力づ
くでテストこなそうとしている例が多い。テスト専門業者や子会社に投げている例も多い。
自社開発で繰り返し長期間使っていくような状況でないとテスト自動化はうまく進んでい
ない。
<資料の SlideShare での公開>
今回の当分科会での生産物(チュートリアル、事例発表資料)は、SlideShare
に登録致します。皆様、どうぞご活用下さい。
① 片岡チュートリアル:
「ソフトウェア変更管理・バージョン管理技術~Git と GitHub~」
② Agile ツール分科会(第6回)議事録
<次回分科会>
10月27日(火)18:30~20:30
(当初の10月20日(火)の予定から変更されています。間違わないようにご注意
下さい。)
<以上>

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  • 1. Agile ツール適合化分科会(第6回)議事録 2015.8.26 片岡 <日時> 2015年8月25日(火)18:30~20:30 <場所> (株)IT働楽研究所 3階会議室 (東京 神田) <出席者>片岡、樋山、贄、鈴木、名本、坂本、松下、トラン・ソン、ファム・ミンフン <議事> 1.チュートリアル 片岡 雅憲氏より、「ソフトウェア変更管理・バージョン管理技術~Git と GitHub~」 と題して、Git/GitHub の機能概要、特徴(何故、注目されているか)、Subversion との相違点 等についての説明があった。 2.事例発表:次の2件の事例が発表された。 1)事例発表1: <発表者>ファム・ミンフン氏 (ベトナム ヴィーネクスト(V-NEXT)社) <題目> 「ヴィーネクスト塹壕より Agile」 <概要> ①ヴィーネクストからの観点、Agile の定義 ②ヴィーネクストでの Agile 実施過程 ③Agile 実施後の経験 ④実例 2)事例発表2: <発表者>贄 良則 氏(株式会社ジャスミンソフト) <題目> 「Wagby による自動テストの例 - Jenkins と Selenium WebDriver」 <概要> Wagby で開発したアプリケーションの自動テストを行う例として、Jenkins と Selenium WebDriver を組み合わせる仕組みについて 3.討議 次のような議論が行われた。 1)Git/GitHub の主な特徴は、①分散開発への対応 ②性能が Subversion と比べて1~2桁 良い ③チーム開発支援機能 ④バージョン管理機能 にある。 2)V-NEXT 社では、2013年3月よりアジャイル開発を開始し、現在ではすべてのプロジ ェクトにアジャイル開発を適用している。アジャイル開発の回転周期(スピンと呼んでいる) は、一週間から一か月(平均2週間)であり、納期間近になると一週間となることが多い。 スピンの長さは開発機能の大きさに依存することから、「機能分割」のやり方が極めて重要 である。 3)V-NEXT 社では日本からのオフショア開発案件が多いが、顧客とのコミュニケーションは 日本語で行っている。V-NEXT 社社員の70%は日本語を話すので、日本語でのコミュニケ ーションの問題は感じていない。苦労しているのは、顧客が提示した仕様の曖昧さである。 4)V-NEXT 社のアジャイル開発では、各スピン毎の再テストの作業が負担になっている。 Jenkins 等を用いた再テストの自動化が大きな課題となっている。 5)贄氏からは、Wagby で開発したソフトウェアの再テストを、WebDriver + Jenkins で自動 化した事例について、デモを交えた説明があった。他の超高速開発ツールでは、Jenkins と
  • 2. Agile ツール適合化分科会(第6回)議事録 2015.8.26 片岡 の連携は必ずしもうまくいかないが、Wagby の場合は Jenkins との相性が良くて連携がうま くいっている。この再テスト自動化の仕組みを Wagby 代理店の会社にも技術トランスファ ーしていく予定とのことであった。 6)贄氏より、Jenkins は CI ツールのデファクトスタンダードとして長い間利用されてきて いるが、最近 circleCI 等の新しい CI ツールが出てきて、世代交代が起こるかもしれない、 との話があった。 7)鈴木氏よりテスト自動化の難しさについて次のような話があった。テスト自動化を進める ためには、被テストプログラム、テストプログラムの標準化やテスト自動化ツールの開発に それなりの投資が必要である。これにじっくりと取り組むのはなかなかに大変であり、力づ くでテストこなそうとしている例が多い。テスト専門業者や子会社に投げている例も多い。 自社開発で繰り返し長期間使っていくような状況でないとテスト自動化はうまく進んでい ない。 <資料の SlideShare での公開> 今回の当分科会での生産物(チュートリアル、事例発表資料)は、SlideShare に登録致します。皆様、どうぞご活用下さい。 ① 片岡チュートリアル: 「ソフトウェア変更管理・バージョン管理技術~Git と GitHub~」 ② Agile ツール分科会(第6回)議事録 <次回分科会> 10月27日(火)18:30~20:30 (当初の10月20日(火)の予定から変更されています。間違わないようにご注意 下さい。) <以上>