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2013.02.11 TGF+FGFシンポジウム 押川講演
- 1. 2013/02/11 TGF+FGF 出版記念シンポジウム 「アカデミズムは原発災害にどう向き合うのか」 首都圏「ホットスポット」 と大学と住民と 東京大学物性研究所・ 東京大学原発災害支援フォーラム(TGF) 押川正毅 1
- 2. アカデミズムの役割 疑問、相談… 市民 学者、専門家 情報提供 「どうするべきか？」判断 やってはいけないこと ・間違った情報提供 ・ミスリーディングな情報提供 ・判断の押し付け 2
- 3. アカデミズムの役割 疑問、相談… 市民 学者、専門家 情報提供 「どうするべきか？」判断 やってはいけないこと 原発震災後に ・間違った情報提供 こちらが全て実現！ ・ミスリーディングな情報提供 ・判断の押し付け 2
- 4. 柏の放射線量が高い？ 東大の測定 （本郷、駒場、柏） 2011/3/21 降雨 に伴う汚染が主 単位: μSv/時 3
- 5. 政府は、実は前日から首都圏の雨に伴う放射能汚染 を予見していた、らしい (コンピュータシミュレーション・SPEEDI ?) 4
- 6. 2011.05.16 読売新聞 「チェーンメールで放射線のデマ拡大」 千葉県の柏、(略)の計4市で、飛び地のように放射線の観測数 値が高くなる「ホットスポット」が発生しているという うわさが… 文部科学省(略)は「千葉と埼玉で測 定されている数値は平常時と変わら ない」 「公的機関や報道機関などの根拠の ある情報を…」 状況の把握と分析のため、デマなど のメール転送を… と、いう大新聞の報道が「デマ」だった！ 5
- 7. 文科省航空機モニタリング マップ 2011.09.29(!) (柏が有名になっ たが、実は 城 県南部もかなり 汚染されている) 6
- 8. 柏市の放射能汚染問題の推移 (I) 3/11 ： 東日本大震災・福島原発 3/21： 東 地域の主要な汚染の発生 3月末~4月上旬：東大柏の線量の高さが一部で認識 5/10 ： 武田邦彦氏ブログで言及→ネット上で広まる 5/16 ： 読売新聞報道「柏ホットスポット説はデマ」 「柏市の子どもたちを放射能汚染から守る会」発足 6/2 ： 柏市に要請書・署名提出 (私も立ち会いました） 6/28 ： 柏市に要請書提出 (私も立ち会いました) このあたりまでは、市の対応は極めて冷淡 7
- 10. ミスリードされた東 6市 柏市長からのメッセージ (2011/6/6付 柏市ホームページ掲載) 残念ながら市には放射線に関する専門家がいません。そのため、様々な情報や専門家等の助 言をもとに検討し、東大や国立がんセンターの情報とあわせて専門家としての「人体に影響 を与えるレベルではなく、健康にはなんら問題はないと考えています」というメッセージ を、柏市の判断として市民の皆さんにお伝えしてきました。 放射能測定講座 松戸市ホームページ Q&A (2011/6/15時点→2011/6/16削除) 9
- 11. 原因の一つ： [5月時点のもの] 東大の「専門家」の見解 「測定点近傍にある天然石や地質などの影響で、平時でも放射 線量率が若干高めになっているところがあります。」「人体に 影響を与えるレベルではなく、健康に何ら問題はない」 天然石や地質 の影響? 10
- 12. 原因の一つ： [5月時点のもの] 東大の「専門家」の見解 「測定点近傍にある天然石や地質などの影響で、平時でも放射 線量率が若干高めになっているところがあります。」「人体に 影響を与えるレベルではなく、健康に何ら問題はない」 天然石や地質 の影響? 3/21に天然石が 降ってきたのか?! グラフ作成：自称「ただの主 婦」 @pino1982 さん → 10
- 13. 日本の自然放射線量 (日本地質学会) 柏の放射線量 は、地質的には むしろ低い! 11
- 14. 天然石？ 東大柏2011/3/20の測定値平均： 0.12μSv/h 柏周辺の自然放射線量（推定）： 0.05μSv/h 天然石の影響が仮にあっても、高々 0.07μSv/h程度 (3/20には3/15の汚染の影響が残っており、実際にはもっと小さいはず） 東大は5月中旬に測定地点を変更 柏(1)→柏(2) 5/10∼5/13の測定値平均 柏(1)は近傍の天然石の 柏(1) 0.37 μSv/h 差： 0.12μSv/h ために平時から 柏(2) 0.25 μSv/h 放射線量が高かった？ 12
- 15. キャンパス内平均値: 0.30μSv/h これは中庭等の、人為的な 理由で低い場所を含む。 人為的な理由がない場 合の典型的な値は、 むしろ最頻値： 0.35μSv/h 13 cf.) 柏(1) 0.37μSv/h (5月中旬)
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- 17. 結論 「地質の影響で高い」→ 地質学的にあり得ない 「天然石の影響で高い」→キャンパス内の他の地点 との比較から、まず考えられない 「柏(1)の放射線量は平時から高かった」 → 誤りとほぼ断定できる （仮に「平時から高め」だったとしても、放射線量が高い主因が原発事故であり、これを副 次的であるかのように扱うのはミスリーディング） そもそも「アカデミズム」と呼ぶに値するのか？ 15
- 18. 2011年6月∼7月教員有志要請 で（一応）修正→周辺自治体 Webページにも波及 東大教員として、東大の不適切な情報提供について深く 謝罪致します。本当に申し訳ありませんでした。 16
- 19. 柏市の放射能汚染問題の推移 (II) 8/19: 放射線対策室設置 10/21 : 柏市根戸放射能高濃縮スポット(57.5μSv/h) 「つながろう柏! 柏未来プロジェクト」発足 11/21・23 : 柏市の除染を進める対話集会 2012/1/4 市長年頭訓示 [毎日jp 記事] 2012/2/28 除染シンポジウム ∼2012年度末 幼稚園・小中学校 （一応）除染完了
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- 21. 空間線量が意味するもの 本来はこれはどういう数値か？ 1m高で 0.35μSv/h (バックグラウンドを除き0.3μSv/h) Cs-134+Cs-137 80,000 Bq/m2 （IAEA資料に基づく押川試算) 表面汚染密度 ≧ 40,000 Bq/m2 (東 地域でのCs汚染の場合、0.2μSv/h程度以上に相当） 放射線管理区域 東 ではその辺りの至る所 が放射線管理区域に相当 19
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- 23. 放射線障害防止法 Cs-137 1.3 メガベクレル = 130万ベクレル 未開封のアンプルに入っていても一騒動だが… これは東 周辺では 約6m四方の土地にバラ撒かれたCs-137に相当！ （これに加え、Cs-134, 放射性ヨウ素等々も…） 21
- 24. （非密封線源の場合）Cs-134, Cs-137 とも （合計）1万Bq以上は管理する必要がある（はず） 東 では 0.1m2程度の広さの表土に含まれる 何のための「放射線障害防止法」？ 何のための「専門家」？ 22