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2014年7月29日
記者会見
資料
日時:7 月 29 日(火)14 時 30 分~15 時 30 分
場所:郡山市記者クラブ (郡山市市役所本庁舎2F)
主催:鮫川・汚染問題を考える会
共催:放射性廃棄物拡散阻止3・26政府交渉ネット
連絡先: 090-9200-5783
090-3088-6007
2
目次
1) プレスリリース
P3
2) 経過(概略)
P4
3) 仮処分命令申立書
P6
4) 陳述書
P13
5) 関連資料
P17
① 鮫川村仮置き場設置同意書(H24 年5月11日)<偽造署名> 1
7
② 土地賃貸借契約書(H25 年5月25日)
18
③ 要請書(H25年7月17日)
23
④ 要請書への回答書(H25年7月25日)
25
⑤ 告訴状(H25 年9月19日)
27
⑥ 環境省への質問(H26年6月9日)発山本太郎参議院議員事務所 2
9
3
⑦ 環境省からの答弁(H26 年6月18日)
33
6) その他 メディア資料
P35
① 東京新聞(こちら特報)H24<2012年>11月25日
35
② 同 H25<2013 年>2月6日
36
③ 福島民報 同年7月19日
37
④ 朝日新聞 同上
38
⑤ 月刊誌「紙の爆弾」 H26年8月号
環境省の「不法占拠」と「私文書偽造」
39
プレスリリース ー 鮫川村の指定廃棄物の焼却炉について
7月29日「所有権に基づく操業差止めの仮処分」申し立て
現在鮫川村では、環境省が進める指定廃棄物の焼却処理についての安全性
を検証するための焼却実証実験が、行われています。ここでの実証実験を経て、
環境省は、福島県内の約 20 箇所の仮設焼却炉の建設他、指定廃棄物の焼却に
よる減容化を進めようとしています。
4
来る7月29日、無断で、所有地に焼却炉を建設し、稼動していることに対して、
地権者が「所有権に基づく操業差止めの仮処分」を、福島地方裁判所に申し立て、
午後から記者会見を行うことになりました。ご案内いたします。
環境省がこの実証実験用焼却炉の設置場所としたのは、「青生野協業和牛組
合」が管理する共有農地であり、共有地権者全員との契約書を交わすことが必要
でしたが、18 名の共有地権者の内、16 名分しか同意を取っていなかったことが、
参議院議員山本太郎さんの質問主意書への答弁でも明らかになっています。
全員の同意を得ていると言う見せ掛けのために、鮫川村宛の同意書が偽造さ
れ、偽造された地権者は、警察に有印私文書偽造(刑法159条第 1 項)で2013
年9月告訴し、告訴受理された後、今年5月20日に検察に送検されています。
民法上は、共有地を今回のように変更処分する場合、全員の承諾を得なけれ
ばならないことは、規定されています。(民法251条)
偽造の件や無断使用している件を受けて、すでに環境省宛に稼動を中止する
ことを求める要請書を提出していますが、環境省の前向きの対応はありません。
またご案内のように鮫川村での実証実験は、昨年開始した 9 日目の 8 月 29 日
には爆発事故を起こし、後になって国(内閣総理大臣)も爆発事故と認めましたが、
環境省はこの爆発事故の事実すら認めようとしていません。
指定廃棄物と言う高濃度汚染廃棄物の焼却実験に際して、爆発事故を起こし
ながら爆発事故を隠し続け、一方で民法上規定された所有権を侵害したまま、今
また実証実験を継続する環境省に対して、上記仮処分を申し立て、下記のように
記者会見を行います。
日時:7 月 29 日(火)14 時 30 分~15 時 30 分
場所:郡山市記者クラブ (郡山市市役所本庁舎2F)
主催:鮫川・汚染問題を考える会
共催:放射性廃棄物拡散阻止3・26政府交渉ネット
連絡先: 090-9200-5783 、090-3088-6007
2) 鮫川問題の経過
2012年(H24年)
4月 農事法人「青生野協業和牛組合」に汚染された稲
わら等の一時仮置き場として借り受けたいという話。
5月11日 同農事法人総会
総会での説明では、汚染土砂等の仮置き場として説明。
5
参加者全員鮫川村村長宛て同意書―参加せず署名していなかった堀川宗
則氏の署名を偽造して作成
6月 鮫川村 村議会で計画の説明
8月~9月 環境省 建設業者 公募
9月24日 環境省 日立造船と契約
10月中旬 鮫川村 施設建設「お知らせ」
11月15日 環境省 工事着工 < 契約を結ぶ前に着工>
12月5日 審査未終了が発覚 工事中断
中旬 工事再開
25日 鮫川村で初めての住民説明会
2013年(H25年)
3月29日 地権者と日立造船との契約書
5月11日 環境省と地権者との土地賃貸契約書(契約期間は、H
25年6月1日から H26年3月31日)
7月12日 全員の同意がないことを報道発表
7月17日 環境大臣に要請書提出
7月25日 要請書への環境省からの回答-排ガスの監理に万全
を期す。ご理解いただきたいー
8月 20日 鮫川村実証事業―運転稼動開始
8月26日 上記偽造された同意書、情報開示請求で入手。
8月29日 14時33分 爆発
同事業所&環境省は、警察・消防署に事故を届けず。
後に「爆発=火災事故」と思わなかったと釈明
同日20時ごろ 消防署 メディアの問い合わせで事故の事実を
知る。現場検証は翌日に。
8月30日 消防署現場検証(事故の翌日)
同日 環境省「農林業系副産物等処理実証事業の主灰コ
ンベアからの異音発生による仮設焼却炉の停止につ
いて」を発表
9月10日 環境省 山本議員への回答「爆発と呼ばれる状態では
なかった」
9月25日 環境省「主灰コンベア破損事故の原因調査結果及び再
発防止策(案)」発表。異音がして破損事故」爆発事
故ではなかったと発表。
9月19日 同意書偽造について刑事告訴
6
後に 告訴状 受理
10月30日 消防庁 棚倉消防署鮫川分署 「爆発による破損損壊が
起きた。本火災は建物火災である。」
11月7日 山本議員主催 環境省交渉
2014年(H26年)
1月28日 山本参議院議員 質問主意書提出
2月7日 同質問主意書への答弁書 消防庁爆発事故と認定
5月20日 刑事告訴 棚倉警察署、検察に送検
5月23日 山本参議院議員 環境省レク。
「なぜ18名の地権者で、16名の承諾でよいのか?」
の質問に、環境省「仮設だから過半数の同意でよい」
と答える。
「根拠法令について示してほしい」の要望に「法令担
当者に聞いて答える」と答弁。
6月9日 山本参議院事務所から質問書。
6月18日 環境省から答弁。法令根拠示さず。
7月1日 共有地の登記簿入手。18名の地権者の4名は、死亡
していたことがわかる。
仮処分命令申立書
平成26年7月29日
福島地方裁判所白河支部 御中
債権者代理人 弁護士 坂 本 博 之
7
弁護士 松 村 孝
当事者の表示 別紙当事者目録記載のとおり
仮処分により保全すべき権利 土地の共有持分権
申 立 の 趣 旨
1 債務者は、別紙物件目録記載の土地上で、別紙焼却システム目録記載の放
射性物質を含む農林業系副産物の焼却実証実験に係る仮設焼却システムの操
業を行ってはならない。
2 申立費用は、債務者の負担とする。
との裁判を求める。
申 立 の 理 由
第1 被保全権利
1 当事者
(1) 債権者は、別紙物件目録記載の土地(以下、同土地の全体を「本件土地」、
別紙物件目録において限定された部分を「本件土地部分」と言う)について、
本件土地部分だけでなく、本件土地全体について、共有持分 18 分の 1 を有
する共有者である(甲 1、14)。
(2) 債務者は、「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に
伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染へ
の対処に関する特別措置法」(平成二十三年八月三十日法律第百十号、以下
「放射性物質汚染特措法」と言う)19 条に基づいて、指定廃棄物の収集、運搬、
保管、及び処分についての責務を負っている者である(同法 19 条は、「国は、
第 17 条第 1 項の規定による指定に係る廃棄物(以下「指定廃棄物」という。)
の収集、運搬、保管…及び処分をしなければならない」と規定する)。
なお、指定廃棄物とは、同法 17 条 1 項を受けて制定された省令である、
同法施行規則 14 条により、セシウム 137 についての放射能濃度の合計が
8000Bq/㎏を超えるもの、とされた。
2 本件土地の利用状態
本件土地は、地目が牧場となっており、債権者の父らの代に営林署から譲
り受け、共有者らが共同して開墾し、実際に牧場として利用してきたもので
ある(甲 14)。
また、本件土地は、農事組合法人青生野協業和牛組合が管理を行っており、
8
放牧地として利用していた(甲 2、3)。
平成 23 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災当時においても、放牧地とし
て利用されてきた。
3 債務者による指定廃棄物焼却用の仮設焼却炉設置計画
債務者の一部署である環境省による鮫川村への指定廃棄物の焼却炉の建設
計画は、平成 24 年度当初から始まった。環境省は、焼却炉の建設や運転につ
いては、日立造船(株)に委託し、焼却炉建設の用地確保を請け負った鮫川村と
の話し合いが進められてきた。
用地として目を付けられたのが本件債権者ら 18 名が共有する本件土地であ
り、全員の同意が得られないことから、本計画に賛成する地権者らが、本件債
務者らの同意書を偽造するという事態まで起こっている。まずそこまでの経過
を具体的に辿ってみる。
平成 24 年 4 月ころ、環境省から、鮫川村内に指定廃棄物を焼却するための
仮設焼却炉を設置する話がもたらされたようである。当初、この話は、本件
土地の地権者の殆どには知らされず、放射能で汚染された牧草等の一時置場
にしたいという程度の話であった。
そして、鮫川村では、同年 5 月、共有者らに対して、「鮫川村仮置き場設置
同意書」という表題の書面を以て、「仮置き場の設置及び汚染落ち葉等を燃や
す焼却炉の設置」についての同意を集めた。これは、表題だけを見ると仮置き
場だけを作るように見えるが、文章を読むと仮置き場だけではなく、焼却炉
の設置についての同意にもなっているという、誤魔化しの看板を掲げて人を
欺くような姑息な手法であった(甲 4、14)。なお、この同意書に債権者は同意
をしていないが、何者かが債権者の署名捺印を偽造して村長に届け出ている
(甲 4、14)。債権者は、自らの署名捺印が偽造されて同意書に用いられていた
ことを、平成 25 年 7 月 25 日に、鮫川村に対して情報開示請求を行うことに
より、初めて知った(甲 5、14)。
なお、債権者は、この同意書の署名捺印の偽造に関し、福島県棚倉警察署
に対し、有印私文書偽造・同行使で告訴を行っている(甲 6、14)。この告訴は
受理され、同警察署は、今年 5 月に検察庁に書類送検し、現在も捜査中であ
る。
4 債務者との本件土地部分の土地賃貸借契約
環境省は、本件土地部分について、共有地権者から賃借した上で、本件土
地に焼却炉や搬入路を建設した(なお、当初の賃貸借契約は、後述のとおり、
環境省ではなく、日立造船が当事者となった)。本件事業は、廃棄物処理施設
としては、従来にない環境省による直轄事業であったが、賃貸借契約の締結
も終わらないうちに、工事を始めたり、契約の当事者も、事業委託した日立
9
造船(株)との契約から環境省との契約に変更したりと、紆余曲折を繰り返した。
その上、共有地の 18 名の地権者の内、16 名の地権者とだけ賃貸契約を結
び、残りの本件債権者ら 2 名については、契約することなく、焼却炉建設を
行い、尚且つ焼却炉の操業を行った。
そして賃貸契約を結んだ 16 名にカウントしていた地権者の内、4 名はすで
に亡くなっていたことが分かったのである。
(1) 債務者は、本件仮設焼却システムを、日立造船株式会社に委託して操業
を行わせる計画であった。そこで、本件土地部分の土地賃貸借契約は、当初、
地権者らと同社との間で締結させていた(甲 7、8)。この土地賃貸借契約は、
期間は平成 24 年 9 月 24 日~平成 27 年 3 月 31 日、地権者 1 人当たりの賃
料年額は、1 万 3145 円、賃貸目的は、環境省から同社が委託を受けた調査
業務及び調査業務に付帯して環境省が指定した者に委託する業務の実施の
ため、ということであった(甲 7、8)。
もとより、債権者は、この賃貸借契約を締結しなかった(甲 7、14)。
また、債権者の他に、もう一人の地権者が、この賃貸借契約を締結しなか
った(甲 14)。
さらに、登記簿上に記載された 18 名の地権者のうち 4 名は既に死亡して
いることが分かった。
その者らの共有持分権は相続の対象となっていたにも拘らず、土地賃貸借
契約は、相続人全員の同意を得ることなく、一部の相続人の意思表示だけを
以て締結されたようである。
なお、上記土地賃貸借契約書の契約日時は、平成 25 年 3 月 9 日であり、
契約期間は平成 24 年 9 月 24 日からとなっているため、次項で見る工事開始
前には、契約が行われていなかったことになり、債務者は土地利用権原のな
いまま工事を開始したことになる。
(2) 上記のように、一部の地権者からの同意を得られぬまま、環境省及び日
立造船は、平成 24 年 11 月 15 日、建設工事を開始した(甲 14、甲 13 の 1)。
(3) その後、平成 25 年 5 月ころ、債務者(環境省)は、改めて本件土地につい
ての土地賃貸借契約を締結しなおしたたようである(甲 9、14)。本件土地部
分の利用目的は、「放射性物質を含む農林業委副産物の焼却実証実験に係る
調査業務」ということであり、8000Bq/㎏超の放射能で汚染された指定廃棄
物の焼却実験を行うための小型焼却炉を設置、運営することをその主な目的
とし、その焼却炉の操業に付帯する前処理施設やばいじん等の固型化施設、
その他の附帯施設も設ける(以下まとめて「本件焼却システム」という)とい
うものである。
債権者も、もう一人の地権者も、債務者との間で土地賃貸借契約を締結し
10
ていない(甲 13 の 2~5、甲 14)。死亡した 4 名の地権者についても上記と同
様である。
5 上記土地賃貸借契約の法的性質
(1) 上記土地賃貸借契約は、本件土地を、従前の牧場(農地)から指定廃棄物処
理施設用地に変更することを前提としており、土地の性質を全く変えてしま
うものであるから、民法上の処分行為に該当する。
従って、債務者に対する本件土地部分に関する土地賃貸借契約が有効に成
立するためには、本件土地の地権者全員の同意が必要となる。
しかし、債権者を含めて、少なくとも 2 名の地権者(登記簿上に地権者と
記載され、既に死亡している 4 名を含めると 6 名)が、本件土地賃貸借契約
を締結しておらず、同契約には同意をしていない。
従って、債務者と他の地権者らとの間の本件土地部分についての上記土地
賃貸借契約は無効であり、債務者には、本件土地部分を利用する権原がない。
(2) 平成 25 年 7 月 17 日付で、債権者は、環境省に対して、上記土地賃貸借
契約は地権者全員の同意を得ていない旨指摘し、速やかに本件焼却施設等を
撤去されたい旨の要請を行った(甲 10)。
これに対して、環境省は、同年 7 月 25 日付で、地権者 18 名のうち 16 名
と土地賃貸借契約を締結して事業を実施していることは認識している、など
としたほか、安全性の確保と積極的に情報提供を行いつつ事業を進めてまい
りますので、何卒ご理解を賜り、土地賃貸借契約を締結して頂けますよう、
お願い申します、などと言ってよこした(甲 11)。
環境省自ら、上記土地賃貸借契約には瑕疵があることを認識していた者で
ある。
6 爆発事故の発生
(1) 環境省は、本件焼却システムの中の焼却施設について、平成 25 年 7 月 4
日から試験運転を開始し、同年 7 月 16 日に、実際に汚染物を燃やす負荷確
認運転を開始した(甲 13 の 4、5)。
そして、同年 8 月 20 日、本格稼働を開始した(甲 14)。
(2) 債務者ばかりか、鮫川村長らも、本件焼却システムは「安全だ」などとひ
たすら述べていた。しかし、その舌の根も乾かぬうち、平成 25 年 8 月 20
日に稼働を始めてから僅か 9 日後の同年 8 月 29 日、本件焼却施設は爆発事
故を起こした(甲 14)。
そればかりか、ところが、環境省は、その爆発事故について、爆発ではな
い、「異音がして、コンベアーカバーが破損した」などと述べ、爆発事故自体
をあったとはなかなか認めず、その事実を隠し続けてきた(甲 14)。
債権者らからこの事故を踏まえて環境省に対して、焼却炉の停止と事故説
11
明を求める申し入れ書が提出されたが、同省は、その事故が「爆発事故」であ
ったということについて、巧妙に言及を避けている(甲 12)。
なお、この件は、参議院山本太郎議員による質問主意書への答弁(質問主
意書は参議院議長名で、内閣総理大臣に答弁を求めるものであり、その答弁
は行政府を代表する答弁である)において、債務者は、平成 26 年 2 月7日、
当該事故は爆発事故であることを認めた。
債務者のこのような事実は、土地の地権者ばかりか、周辺住民や焼却施設
で働くものらに対する著しい背信行為であるというほかはない。
7 まとめ
従って、債権者は、債務者に対し、本件土地部分の共有持分権に基づく妨
害排除請求権として、本件焼却システムの操業差し止め請求権を有する。
第2 保全の必要性
1 債権者は、債務者に対し、本件焼却システムの操業差止を求めて本案裁判
を提起する準備を行っている。
2 一方、本件焼却システムは既に稼働しており、本件土地は牧場であり、農
地であって、食品を提供する材料を生産する場であるから、有害物質に対す
る安全については万全の配慮が必要であるところ、焼却炉からは、通常、ダ
イオキシン類や重金属類等の有害物資が絶えず排出されるものである上、特
に本件焼却システムは、指定廃棄物を焼却することを目的としているのであ
り、高い濃度の放射性物質が周辺に排出される危険性もある。実際同焼却施
設は、電離放射線防止規則の対象施設になっている。しかも、本件焼却シス
テムの中核である焼却炉は操業間もなく爆発事故を起こしており、その安全
性に大きな疑問がある。従って、このような焼却システムを稼働させたまま
の状態にしておくことは、本件土地の保全上極めて問題が多い。爆発事故は
通常、「音」、「光」、「煙」などや爆発による高温の焼却痕などで判断する。環
境省による「爆発ではない」という報告は、これらの事実を隠している。そし
て、同省は、現在の再開にあたってもこれらの事実を認めていないため、再
び爆発が起こり、人身事故が発生する怖れも抱えているものといわねばなら
ない。
3 さらに債務者は、地権者全員の同意が得られないことを知りながら勝手に
操業を始めてしまったり、同意書の債権者の署名捺印が偽造であることを知
りながらも無視していたり、爆発事故をいつまでも爆発であると認めなかっ
たりするなど、極めて不誠実な態度に終始しており、地権者らに対する信頼
関係も既に失われている。
4 従って、早急に本件焼却システムの操業を停止させる必要性がある。
12
5 よって、本件申立に及ぶ。
疎 明 方 法
甲第1号証 全部事項証明書(本件土地のもの)
甲第2号証 履歴事項全部証明書(青生野協業和牛組合のもの)
甲第3号証 定款(同上)
甲第4号証 鮫川村仮置き場設置同意書
甲第5号証 自己情報部分開示決定通知書
甲第6号証 告訴状
甲第7号証 土地賃貸借契約書用紙(日立造船との間のもの、債権者の下
に持ってこられたもの)
甲第8号証 土地賃貸借契約書(日立造船との間のもの、地権者の一人と
の間のもの)
甲第9号証 土地賃貸借契約書用紙(環境省との間のもの)
甲第 10 号証 要請書
甲第 11 号証 平成 25 年 7 月 17 日付け要請書に対する回答
甲第 12 号証 鮫川村焼却炉の停止と、事故説明を求める申し入れ書への
回答について
甲第 13 号証の 1~8 新聞記事
甲第 14 号証 陳述書
添付書類
1 申立書写し 1通
2 甲号証写し 各1通
3 訴訟委任状 1通
13
当事者目録
住 所 〒963-8404 福島県東白川郡鮫川村大字青生野 105 番地
債 権 者 堀 川 宗 則
事 務 所 〒305-0051 茨城県つくば市二の宮 2-7-20-1 階
坂本博之法律事務所
電話 029-851-5580
FAX029-851-5586
上記債権者代理人
弁護士 坂 本 博 之
弁護士 松 村 孝
住 所 〒100-8977 東京都千代田区霞が関 1-1-1
債 務 者 国
上記代表者法務大臣 谷 垣 禎 一
物件目録
所 在 福島県東白川郡鮫川村大字青生野字江堀
地 番 320 番
地 目 牧場
地 積 215179 ㎡
のうち、別添図面1~3記載の部分 3108.44 ㎡
焼却システム目録
1 8000Bq/kg 超の農林業系副産物に関する仮設の小型焼却炉
2 焼却対象物の受入、一時保管、破砕、混合を行う前処理施設
3 ばいじん・焼却灰のセメント固型化施設
4 その他附帯施設
14
陳 述 書
平成 26年 7月 29日
住 所 963-8404 福島県東白川郡鮫川村大字青生野字大平105
氏 名 堀川 宗則 ○印
1 私は、堀川宗則と申します。昭和 30 年生です。現在の職業は、会社員兼農
家です。
2 私は、福島県東白川郡鮫川村大字青生野字江堀 320 番の土地(以下「本件土
地」といいます)の共有者 18 人のうちの一人です。私は、この土地の共有持分
を、昭和 52 年 6 月 29 日、父堀川信正の死亡により相続しました。
この土地は、地目は牧場(農地)となっています。この土地は、父親たちの
代に営林署から譲り受け、共有地として開墾して牧場として使ってきました。
当初 100 頭弱の牛を飼ってきましたが、採算問題と高齢化で牧場経営から遠
ざかることになっています。しかし自然豊かな環境の中、自然環境を生かせ
るような活用の仕方が私にとっての希望でした。震災前は組合員の一部が利
用していましたが、震災後は線量が高いため利用できなくなっています。
3 平成 23 年 3 月 11 日に東日本大震災が発生し、東京電力福島第一原子力発
電所が重大な事故を起こしました。そして、福島県内だけではなく、関東地
方など、広い範囲に放射能を飛散させました。もちろん鮫川村もその例外で
はありませんでしたが、阿武隈山系の山に遮られて、福島県でありながら実
際はそれほど影響を受けませんでした。鮫川村や塙町などの周辺地域では、
改めて農業の再開を考える試みが取り組まれようとしていました。
しかしながら平成 24 年 4 月ころ環境省から、鮫川村内に仮設焼却炉を設置す
る話がもたらされました。最初は、この焼却炉建設の事実は、地権者のほと
んどの人たちには、知らされず、伝わってきた話は、放射能で汚染された牧
草などの一時置き場にしたいということでした。使っていない場所なら置き
場にしても良いということでした。ところが、実際は放射能汚染度が特別に
高い「指定廃棄物」の量を減らすための焼却施設を作るというのが、国が考
えた事でした。
15
鮫川村長の大樂勝弘さんをはじめ、この提案の内容を知っていて、賛成し
た人もあったとは思いますが、村の多くの人たちは、知らされないまま、そ
れに賛成する意向を示しました。そして、その設置場所として、本件土地が
選定されました。市町村では処理できないような汚染度が高い放射性物質を、
焼却する計画ですから、誰もが心配します。国の計画に賛成する市町村は少
なく、鮫川村長が賛成したから、このような施設を鮫川村に持ってきたとい
う話も聞きました。
4 農事組合法人青生野協業和牛組合は、共有地の管理も事業にしていますが、
今回の国からの提案は、農地に焼却炉を建設したり、侵入道路を作ったりとこ
の共有地を変更するものです。従ってこうした場合は、共有者全員の承諾が必
要になります。
しかし、本件土地に設置することについて、地権者の全員が賛成したわけで
はありませんでした。私は、当初から反対でした。平成 24 年 5 月 11 日に青生
野集落センターで共有地権者への説明会がありましたが、仕事の都合で不参加
でした。
後日他の参加者より汚染物の保管場所として、共有地を一時的に借用したい
ため『鮫川村仮置き場設置同意書』に署名捺印を求められたとのことでした。
(環境省が主体であり大規模な焼却炉が建設されることの説明は一切なく、ま
た焼却炉建設のための同意書なら署名はしなかったと他の地権者も言ってい
た)
全員の同意が必要と考えていたので、改めて私にも同意を取りに来るだろう
と思っていました。以降、問い合わせもなく当然ながら同意書への書名捺印も
しておりません。
平成 24 年 11 月 15 日、環境省の工事が突然始まりました。また、11 月 25
日の東京新聞『こちら特報部』で鮫川村に廃棄物焼却炉建設の記事が掲載され、
それが当該地であることは直ぐに理解できました。同時に建設の基となる物が、
先の同意書であることが想定できましたが、自分の書名がないのになぜとの疑
問から、誰かが自分になりすまして署名捺印したのではないかと思いました。
(以前他の地権者から携帯に連絡があり、同意書には宗則さんの書名捺印が
してあるとの内容を思い出しました)
そのため、平成 25 年 7 月 25 日鮫川村の情報開示請求により、自分以外の第
三者による偽造を確認するに至りました。また、村長宛てに提出する文書です
から、この同意書が、今回の焼却炉建設の行政上の手続きにとって、必要なも
のだったのだと思いますが、このような文書の偽造は、犯罪行為であり、反対
している本人の意向を無視してこのような行為に走ることは、全く許せません。
16
共有地は、汚染物の仮置き場に使うだけという話を信じていた地権者にとって
も、寝耳に水の話だったと思います。手続き上の審査が未終了だったことも分
かり、工事は一時中断しましたが、平成 24 年 12 月中旬になって再開されまし
た。
5 工事を始めてから数か月経過した平成 25 年 3 月に、環境省から今回の事業
の委託を受けた日立造船(株)と賛成する地権者の皆さんと契約を結んだと聞
いています。また半年以上過ぎた 5 月 30 日に、環境省は地権者の皆さんと、
土地の賃貸借契約を結んだと聞いています。土地の賃貸借契約を結ぶ前に工
事を始めるなど論外ですが、私のほかにも、もう一人が署名捺印しおりませ
んでした。
そればかりではなく、地権者 18 名のうち、4 名は既に死亡しており、死亡
した地権者が契約を交わすことは不可能です。これを見逃したとすれば、業
務怠慢であり意図的であれば重大な法令違反です。契約者は署名捺印し、賃
貸料を受け取っています。死亡した地権者については誰が賃貸料受け取って
いるのかという不可思議な状況です。
6 本件土地の上に建てられた仮設焼却炉について、鮫川村長らは、環境省の
受け売りで、ひたすら「安全だ」と言っていました。ところが、平成 25 年 8 月
29 日、何と、稼働を始めてからわずか 9 日後に、この焼却炉は爆発事故を起
こしたのです。鮫川村の実証実験は、指定廃棄物と言う高濃度の放射性汚染
物の焼却が、安全かどうかを確かめる実験炉だと聞きました。それが稼働後
わずかで爆発事故を起こしたのです。しかも環境省は、その爆発事故につい
て「爆発」であったとは認めず隠し続けてきました。それでも国はようやく
爆発だと認めたと言います。
7 なお、仮設焼却炉は、稼働期間は 2 年と言われています。しかし、2 年で終
了するというのが果たして本当かどうか、分かりません。
また、鮫川村長は、仮設焼却炉が撤去されたら、メガソーラーを建設するな
どと言っています。どちらにしても、もはや本件土地は牧草地ではなくなっ
ていることは明らかです。
8 焼却炉建設は平成 24 年 11 月に開始されましたが、地権者との具体的な同
意や契約が何も無い状況で環境省(工事発注業者:日立造船)は、無断で工
事を行い平成 25 年 3 月に工事完了しました。また、鮫川村長は処分に困って
いた汚染土(10tダンプで 10 台分程度)も、敷地内に違法に埋設させました。
17
その後、何度も違法な施設稼動の停止を求めても、環境省や鮫川村は一切耳
を傾けることなく、これを無視し平成 25 年 8 月 20 日より施設を稼動させま
した。放射性廃棄物を焼却処理する国は、どこにも無く世界初の暴挙が行わ
れました。
また、鮫川村は、担当地区で発生した汚染廃棄物は、村の予算で廃棄物の
処理をしなくてはならない決まりがあるそうです。そのための処理方法や処
理費用の捻出に苦慮していたところ、村に費用負担がなく村内にある廃棄物
の焼却処理の全てを環境省の事業で行うとの打診があり、受け入れの判断を
されました。その後の交渉も候補地の地域住民に相談は一切なく、非公開で
進められたのです。
鮫川村長は議会議事録で行政側は焼却炉建設を遂行するに際に、反対運動
が起こることを強く恐れていたため工事着工直前まで、候補地を非公開にし
ていました。
焼却されセシウム濃度が高くなった、煙もバグフィルターにより 99.9%除去
できると環境省は説明しています。しかし、第三者が提案する計測器の設置と
測定は強固に拒否しこれを許可していません。これでは、不安を掻き立てるだ
けで何の解決にもなりません。
地域住民はここで安心して生活する権利があります。安心して生活するため
には、十分な情報開示が必要です。異なる計測方法であっても測定値が同程度
であれば、安全が担保され安心して生活することができます。爆発事故の再発
防止は当然ですが、人間が行うことに絶対はなく、同様の事故が繰り返される
リスクは増大し安心して生活が出来ない状況が続いております。
また、この焼却炉の建設から稼動に至る過程で、地域住民も賛成派と反対派
で住民同士の対立も表面化し、穏やかな生活は一変してしまいました。以前の
生活を取り戻すためには、焼却炉の稼動停止と施設撤去を切に願って止みませ
ん。先祖から受け継いだ土地で、これからも安心で安全な日々の生活が送れる
よう、ご英断をよろしくお願いいたします。

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140728 鮫川仮処分 記者会見 資料(前半)校正版 

  • 1. 1 2014年7月29日 記者会見 資料 日時:7 月 29 日(火)14 時 30 分~15 時 30 分 場所:郡山市記者クラブ (郡山市市役所本庁舎2F) 主催:鮫川・汚染問題を考える会 共催:放射性廃棄物拡散阻止3・26政府交渉ネット 連絡先: 090-9200-5783 090-3088-6007
  • 2. 2 目次 1) プレスリリース P3 2) 経過(概略) P4 3) 仮処分命令申立書 P6 4) 陳述書 P13 5) 関連資料 P17 ① 鮫川村仮置き場設置同意書(H24 年5月11日)<偽造署名> 1 7 ② 土地賃貸借契約書(H25 年5月25日) 18 ③ 要請書(H25年7月17日) 23 ④ 要請書への回答書(H25年7月25日) 25 ⑤ 告訴状(H25 年9月19日) 27 ⑥ 環境省への質問(H26年6月9日)発山本太郎参議院議員事務所 2 9
  • 3. 3 ⑦ 環境省からの答弁(H26 年6月18日) 33 6) その他 メディア資料 P35 ① 東京新聞(こちら特報)H24<2012年>11月25日 35 ② 同 H25<2013 年>2月6日 36 ③ 福島民報 同年7月19日 37 ④ 朝日新聞 同上 38 ⑤ 月刊誌「紙の爆弾」 H26年8月号 環境省の「不法占拠」と「私文書偽造」 39 プレスリリース ー 鮫川村の指定廃棄物の焼却炉について 7月29日「所有権に基づく操業差止めの仮処分」申し立て 現在鮫川村では、環境省が進める指定廃棄物の焼却処理についての安全性 を検証するための焼却実証実験が、行われています。ここでの実証実験を経て、 環境省は、福島県内の約 20 箇所の仮設焼却炉の建設他、指定廃棄物の焼却に よる減容化を進めようとしています。
  • 4. 4 来る7月29日、無断で、所有地に焼却炉を建設し、稼動していることに対して、 地権者が「所有権に基づく操業差止めの仮処分」を、福島地方裁判所に申し立て、 午後から記者会見を行うことになりました。ご案内いたします。 環境省がこの実証実験用焼却炉の設置場所としたのは、「青生野協業和牛組 合」が管理する共有農地であり、共有地権者全員との契約書を交わすことが必要 でしたが、18 名の共有地権者の内、16 名分しか同意を取っていなかったことが、 参議院議員山本太郎さんの質問主意書への答弁でも明らかになっています。 全員の同意を得ていると言う見せ掛けのために、鮫川村宛の同意書が偽造さ れ、偽造された地権者は、警察に有印私文書偽造(刑法159条第 1 項)で2013 年9月告訴し、告訴受理された後、今年5月20日に検察に送検されています。 民法上は、共有地を今回のように変更処分する場合、全員の承諾を得なけれ ばならないことは、規定されています。(民法251条) 偽造の件や無断使用している件を受けて、すでに環境省宛に稼動を中止する ことを求める要請書を提出していますが、環境省の前向きの対応はありません。 またご案内のように鮫川村での実証実験は、昨年開始した 9 日目の 8 月 29 日 には爆発事故を起こし、後になって国(内閣総理大臣)も爆発事故と認めましたが、 環境省はこの爆発事故の事実すら認めようとしていません。 指定廃棄物と言う高濃度汚染廃棄物の焼却実験に際して、爆発事故を起こし ながら爆発事故を隠し続け、一方で民法上規定された所有権を侵害したまま、今 また実証実験を継続する環境省に対して、上記仮処分を申し立て、下記のように 記者会見を行います。 日時:7 月 29 日(火)14 時 30 分~15 時 30 分 場所:郡山市記者クラブ (郡山市市役所本庁舎2F) 主催:鮫川・汚染問題を考える会 共催:放射性廃棄物拡散阻止3・26政府交渉ネット 連絡先: 090-9200-5783 、090-3088-6007 2) 鮫川問題の経過 2012年(H24年) 4月 農事法人「青生野協業和牛組合」に汚染された稲 わら等の一時仮置き場として借り受けたいという話。 5月11日 同農事法人総会 総会での説明では、汚染土砂等の仮置き場として説明。
  • 5. 5 参加者全員鮫川村村長宛て同意書―参加せず署名していなかった堀川宗 則氏の署名を偽造して作成 6月 鮫川村 村議会で計画の説明 8月~9月 環境省 建設業者 公募 9月24日 環境省 日立造船と契約 10月中旬 鮫川村 施設建設「お知らせ」 11月15日 環境省 工事着工 < 契約を結ぶ前に着工> 12月5日 審査未終了が発覚 工事中断 中旬 工事再開 25日 鮫川村で初めての住民説明会 2013年(H25年) 3月29日 地権者と日立造船との契約書 5月11日 環境省と地権者との土地賃貸契約書(契約期間は、H 25年6月1日から H26年3月31日) 7月12日 全員の同意がないことを報道発表 7月17日 環境大臣に要請書提出 7月25日 要請書への環境省からの回答-排ガスの監理に万全 を期す。ご理解いただきたいー 8月 20日 鮫川村実証事業―運転稼動開始 8月26日 上記偽造された同意書、情報開示請求で入手。 8月29日 14時33分 爆発 同事業所&環境省は、警察・消防署に事故を届けず。 後に「爆発=火災事故」と思わなかったと釈明 同日20時ごろ 消防署 メディアの問い合わせで事故の事実を 知る。現場検証は翌日に。 8月30日 消防署現場検証(事故の翌日) 同日 環境省「農林業系副産物等処理実証事業の主灰コ ンベアからの異音発生による仮設焼却炉の停止につ いて」を発表 9月10日 環境省 山本議員への回答「爆発と呼ばれる状態では なかった」 9月25日 環境省「主灰コンベア破損事故の原因調査結果及び再 発防止策(案)」発表。異音がして破損事故」爆発事 故ではなかったと発表。 9月19日 同意書偽造について刑事告訴
  • 6. 6 後に 告訴状 受理 10月30日 消防庁 棚倉消防署鮫川分署 「爆発による破損損壊が 起きた。本火災は建物火災である。」 11月7日 山本議員主催 環境省交渉 2014年(H26年) 1月28日 山本参議院議員 質問主意書提出 2月7日 同質問主意書への答弁書 消防庁爆発事故と認定 5月20日 刑事告訴 棚倉警察署、検察に送検 5月23日 山本参議院議員 環境省レク。 「なぜ18名の地権者で、16名の承諾でよいのか?」 の質問に、環境省「仮設だから過半数の同意でよい」 と答える。 「根拠法令について示してほしい」の要望に「法令担 当者に聞いて答える」と答弁。 6月9日 山本参議院事務所から質問書。 6月18日 環境省から答弁。法令根拠示さず。 7月1日 共有地の登記簿入手。18名の地権者の4名は、死亡 していたことがわかる。 仮処分命令申立書 平成26年7月29日 福島地方裁判所白河支部 御中 債権者代理人 弁護士 坂 本 博 之
  • 7. 7 弁護士 松 村 孝 当事者の表示 別紙当事者目録記載のとおり 仮処分により保全すべき権利 土地の共有持分権 申 立 の 趣 旨 1 債務者は、別紙物件目録記載の土地上で、別紙焼却システム目録記載の放 射性物質を含む農林業系副産物の焼却実証実験に係る仮設焼却システムの操 業を行ってはならない。 2 申立費用は、債務者の負担とする。 との裁判を求める。 申 立 の 理 由 第1 被保全権利 1 当事者 (1) 債権者は、別紙物件目録記載の土地(以下、同土地の全体を「本件土地」、 別紙物件目録において限定された部分を「本件土地部分」と言う)について、 本件土地部分だけでなく、本件土地全体について、共有持分 18 分の 1 を有 する共有者である(甲 1、14)。 (2) 債務者は、「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に 伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染へ の対処に関する特別措置法」(平成二十三年八月三十日法律第百十号、以下 「放射性物質汚染特措法」と言う)19 条に基づいて、指定廃棄物の収集、運搬、 保管、及び処分についての責務を負っている者である(同法 19 条は、「国は、 第 17 条第 1 項の規定による指定に係る廃棄物(以下「指定廃棄物」という。) の収集、運搬、保管…及び処分をしなければならない」と規定する)。 なお、指定廃棄物とは、同法 17 条 1 項を受けて制定された省令である、 同法施行規則 14 条により、セシウム 137 についての放射能濃度の合計が 8000Bq/㎏を超えるもの、とされた。 2 本件土地の利用状態 本件土地は、地目が牧場となっており、債権者の父らの代に営林署から譲 り受け、共有者らが共同して開墾し、実際に牧場として利用してきたもので ある(甲 14)。 また、本件土地は、農事組合法人青生野協業和牛組合が管理を行っており、
  • 8. 8 放牧地として利用していた(甲 2、3)。 平成 23 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災当時においても、放牧地とし て利用されてきた。 3 債務者による指定廃棄物焼却用の仮設焼却炉設置計画 債務者の一部署である環境省による鮫川村への指定廃棄物の焼却炉の建設 計画は、平成 24 年度当初から始まった。環境省は、焼却炉の建設や運転につ いては、日立造船(株)に委託し、焼却炉建設の用地確保を請け負った鮫川村と の話し合いが進められてきた。 用地として目を付けられたのが本件債権者ら 18 名が共有する本件土地であ り、全員の同意が得られないことから、本計画に賛成する地権者らが、本件債 務者らの同意書を偽造するという事態まで起こっている。まずそこまでの経過 を具体的に辿ってみる。 平成 24 年 4 月ころ、環境省から、鮫川村内に指定廃棄物を焼却するための 仮設焼却炉を設置する話がもたらされたようである。当初、この話は、本件 土地の地権者の殆どには知らされず、放射能で汚染された牧草等の一時置場 にしたいという程度の話であった。 そして、鮫川村では、同年 5 月、共有者らに対して、「鮫川村仮置き場設置 同意書」という表題の書面を以て、「仮置き場の設置及び汚染落ち葉等を燃や す焼却炉の設置」についての同意を集めた。これは、表題だけを見ると仮置き 場だけを作るように見えるが、文章を読むと仮置き場だけではなく、焼却炉 の設置についての同意にもなっているという、誤魔化しの看板を掲げて人を 欺くような姑息な手法であった(甲 4、14)。なお、この同意書に債権者は同意 をしていないが、何者かが債権者の署名捺印を偽造して村長に届け出ている (甲 4、14)。債権者は、自らの署名捺印が偽造されて同意書に用いられていた ことを、平成 25 年 7 月 25 日に、鮫川村に対して情報開示請求を行うことに より、初めて知った(甲 5、14)。 なお、債権者は、この同意書の署名捺印の偽造に関し、福島県棚倉警察署 に対し、有印私文書偽造・同行使で告訴を行っている(甲 6、14)。この告訴は 受理され、同警察署は、今年 5 月に検察庁に書類送検し、現在も捜査中であ る。 4 債務者との本件土地部分の土地賃貸借契約 環境省は、本件土地部分について、共有地権者から賃借した上で、本件土 地に焼却炉や搬入路を建設した(なお、当初の賃貸借契約は、後述のとおり、 環境省ではなく、日立造船が当事者となった)。本件事業は、廃棄物処理施設 としては、従来にない環境省による直轄事業であったが、賃貸借契約の締結 も終わらないうちに、工事を始めたり、契約の当事者も、事業委託した日立
  • 9. 9 造船(株)との契約から環境省との契約に変更したりと、紆余曲折を繰り返した。 その上、共有地の 18 名の地権者の内、16 名の地権者とだけ賃貸契約を結 び、残りの本件債権者ら 2 名については、契約することなく、焼却炉建設を 行い、尚且つ焼却炉の操業を行った。 そして賃貸契約を結んだ 16 名にカウントしていた地権者の内、4 名はすで に亡くなっていたことが分かったのである。 (1) 債務者は、本件仮設焼却システムを、日立造船株式会社に委託して操業 を行わせる計画であった。そこで、本件土地部分の土地賃貸借契約は、当初、 地権者らと同社との間で締結させていた(甲 7、8)。この土地賃貸借契約は、 期間は平成 24 年 9 月 24 日~平成 27 年 3 月 31 日、地権者 1 人当たりの賃 料年額は、1 万 3145 円、賃貸目的は、環境省から同社が委託を受けた調査 業務及び調査業務に付帯して環境省が指定した者に委託する業務の実施の ため、ということであった(甲 7、8)。 もとより、債権者は、この賃貸借契約を締結しなかった(甲 7、14)。 また、債権者の他に、もう一人の地権者が、この賃貸借契約を締結しなか った(甲 14)。 さらに、登記簿上に記載された 18 名の地権者のうち 4 名は既に死亡して いることが分かった。 その者らの共有持分権は相続の対象となっていたにも拘らず、土地賃貸借 契約は、相続人全員の同意を得ることなく、一部の相続人の意思表示だけを 以て締結されたようである。 なお、上記土地賃貸借契約書の契約日時は、平成 25 年 3 月 9 日であり、 契約期間は平成 24 年 9 月 24 日からとなっているため、次項で見る工事開始 前には、契約が行われていなかったことになり、債務者は土地利用権原のな いまま工事を開始したことになる。 (2) 上記のように、一部の地権者からの同意を得られぬまま、環境省及び日 立造船は、平成 24 年 11 月 15 日、建設工事を開始した(甲 14、甲 13 の 1)。 (3) その後、平成 25 年 5 月ころ、債務者(環境省)は、改めて本件土地につい ての土地賃貸借契約を締結しなおしたたようである(甲 9、14)。本件土地部 分の利用目的は、「放射性物質を含む農林業委副産物の焼却実証実験に係る 調査業務」ということであり、8000Bq/㎏超の放射能で汚染された指定廃棄 物の焼却実験を行うための小型焼却炉を設置、運営することをその主な目的 とし、その焼却炉の操業に付帯する前処理施設やばいじん等の固型化施設、 その他の附帯施設も設ける(以下まとめて「本件焼却システム」という)とい うものである。 債権者も、もう一人の地権者も、債務者との間で土地賃貸借契約を締結し
  • 10. 10 ていない(甲 13 の 2~5、甲 14)。死亡した 4 名の地権者についても上記と同 様である。 5 上記土地賃貸借契約の法的性質 (1) 上記土地賃貸借契約は、本件土地を、従前の牧場(農地)から指定廃棄物処 理施設用地に変更することを前提としており、土地の性質を全く変えてしま うものであるから、民法上の処分行為に該当する。 従って、債務者に対する本件土地部分に関する土地賃貸借契約が有効に成 立するためには、本件土地の地権者全員の同意が必要となる。 しかし、債権者を含めて、少なくとも 2 名の地権者(登記簿上に地権者と 記載され、既に死亡している 4 名を含めると 6 名)が、本件土地賃貸借契約 を締結しておらず、同契約には同意をしていない。 従って、債務者と他の地権者らとの間の本件土地部分についての上記土地 賃貸借契約は無効であり、債務者には、本件土地部分を利用する権原がない。 (2) 平成 25 年 7 月 17 日付で、債権者は、環境省に対して、上記土地賃貸借 契約は地権者全員の同意を得ていない旨指摘し、速やかに本件焼却施設等を 撤去されたい旨の要請を行った(甲 10)。 これに対して、環境省は、同年 7 月 25 日付で、地権者 18 名のうち 16 名 と土地賃貸借契約を締結して事業を実施していることは認識している、など としたほか、安全性の確保と積極的に情報提供を行いつつ事業を進めてまい りますので、何卒ご理解を賜り、土地賃貸借契約を締結して頂けますよう、 お願い申します、などと言ってよこした(甲 11)。 環境省自ら、上記土地賃貸借契約には瑕疵があることを認識していた者で ある。 6 爆発事故の発生 (1) 環境省は、本件焼却システムの中の焼却施設について、平成 25 年 7 月 4 日から試験運転を開始し、同年 7 月 16 日に、実際に汚染物を燃やす負荷確 認運転を開始した(甲 13 の 4、5)。 そして、同年 8 月 20 日、本格稼働を開始した(甲 14)。 (2) 債務者ばかりか、鮫川村長らも、本件焼却システムは「安全だ」などとひ たすら述べていた。しかし、その舌の根も乾かぬうち、平成 25 年 8 月 20 日に稼働を始めてから僅か 9 日後の同年 8 月 29 日、本件焼却施設は爆発事 故を起こした(甲 14)。 そればかりか、ところが、環境省は、その爆発事故について、爆発ではな い、「異音がして、コンベアーカバーが破損した」などと述べ、爆発事故自体 をあったとはなかなか認めず、その事実を隠し続けてきた(甲 14)。 債権者らからこの事故を踏まえて環境省に対して、焼却炉の停止と事故説
  • 11. 11 明を求める申し入れ書が提出されたが、同省は、その事故が「爆発事故」であ ったということについて、巧妙に言及を避けている(甲 12)。 なお、この件は、参議院山本太郎議員による質問主意書への答弁(質問主 意書は参議院議長名で、内閣総理大臣に答弁を求めるものであり、その答弁 は行政府を代表する答弁である)において、債務者は、平成 26 年 2 月7日、 当該事故は爆発事故であることを認めた。 債務者のこのような事実は、土地の地権者ばかりか、周辺住民や焼却施設 で働くものらに対する著しい背信行為であるというほかはない。 7 まとめ 従って、債権者は、債務者に対し、本件土地部分の共有持分権に基づく妨 害排除請求権として、本件焼却システムの操業差し止め請求権を有する。 第2 保全の必要性 1 債権者は、債務者に対し、本件焼却システムの操業差止を求めて本案裁判 を提起する準備を行っている。 2 一方、本件焼却システムは既に稼働しており、本件土地は牧場であり、農 地であって、食品を提供する材料を生産する場であるから、有害物質に対す る安全については万全の配慮が必要であるところ、焼却炉からは、通常、ダ イオキシン類や重金属類等の有害物資が絶えず排出されるものである上、特 に本件焼却システムは、指定廃棄物を焼却することを目的としているのであ り、高い濃度の放射性物質が周辺に排出される危険性もある。実際同焼却施 設は、電離放射線防止規則の対象施設になっている。しかも、本件焼却シス テムの中核である焼却炉は操業間もなく爆発事故を起こしており、その安全 性に大きな疑問がある。従って、このような焼却システムを稼働させたまま の状態にしておくことは、本件土地の保全上極めて問題が多い。爆発事故は 通常、「音」、「光」、「煙」などや爆発による高温の焼却痕などで判断する。環 境省による「爆発ではない」という報告は、これらの事実を隠している。そし て、同省は、現在の再開にあたってもこれらの事実を認めていないため、再 び爆発が起こり、人身事故が発生する怖れも抱えているものといわねばなら ない。 3 さらに債務者は、地権者全員の同意が得られないことを知りながら勝手に 操業を始めてしまったり、同意書の債権者の署名捺印が偽造であることを知 りながらも無視していたり、爆発事故をいつまでも爆発であると認めなかっ たりするなど、極めて不誠実な態度に終始しており、地権者らに対する信頼 関係も既に失われている。 4 従って、早急に本件焼却システムの操業を停止させる必要性がある。
  • 12. 12 5 よって、本件申立に及ぶ。 疎 明 方 法 甲第1号証 全部事項証明書(本件土地のもの) 甲第2号証 履歴事項全部証明書(青生野協業和牛組合のもの) 甲第3号証 定款(同上) 甲第4号証 鮫川村仮置き場設置同意書 甲第5号証 自己情報部分開示決定通知書 甲第6号証 告訴状 甲第7号証 土地賃貸借契約書用紙(日立造船との間のもの、債権者の下 に持ってこられたもの) 甲第8号証 土地賃貸借契約書(日立造船との間のもの、地権者の一人と の間のもの) 甲第9号証 土地賃貸借契約書用紙(環境省との間のもの) 甲第 10 号証 要請書 甲第 11 号証 平成 25 年 7 月 17 日付け要請書に対する回答 甲第 12 号証 鮫川村焼却炉の停止と、事故説明を求める申し入れ書への 回答について 甲第 13 号証の 1~8 新聞記事 甲第 14 号証 陳述書 添付書類 1 申立書写し 1通 2 甲号証写し 各1通 3 訴訟委任状 1通
  • 13. 13 当事者目録 住 所 〒963-8404 福島県東白川郡鮫川村大字青生野 105 番地 債 権 者 堀 川 宗 則 事 務 所 〒305-0051 茨城県つくば市二の宮 2-7-20-1 階 坂本博之法律事務所 電話 029-851-5580 FAX029-851-5586 上記債権者代理人 弁護士 坂 本 博 之 弁護士 松 村 孝 住 所 〒100-8977 東京都千代田区霞が関 1-1-1 債 務 者 国 上記代表者法務大臣 谷 垣 禎 一 物件目録 所 在 福島県東白川郡鮫川村大字青生野字江堀 地 番 320 番 地 目 牧場 地 積 215179 ㎡ のうち、別添図面1~3記載の部分 3108.44 ㎡ 焼却システム目録 1 8000Bq/kg 超の農林業系副産物に関する仮設の小型焼却炉 2 焼却対象物の受入、一時保管、破砕、混合を行う前処理施設 3 ばいじん・焼却灰のセメント固型化施設 4 その他附帯施設
  • 14. 14 陳 述 書 平成 26年 7月 29日 住 所 963-8404 福島県東白川郡鮫川村大字青生野字大平105 氏 名 堀川 宗則 ○印 1 私は、堀川宗則と申します。昭和 30 年生です。現在の職業は、会社員兼農 家です。 2 私は、福島県東白川郡鮫川村大字青生野字江堀 320 番の土地(以下「本件土 地」といいます)の共有者 18 人のうちの一人です。私は、この土地の共有持分 を、昭和 52 年 6 月 29 日、父堀川信正の死亡により相続しました。 この土地は、地目は牧場(農地)となっています。この土地は、父親たちの 代に営林署から譲り受け、共有地として開墾して牧場として使ってきました。 当初 100 頭弱の牛を飼ってきましたが、採算問題と高齢化で牧場経営から遠 ざかることになっています。しかし自然豊かな環境の中、自然環境を生かせ るような活用の仕方が私にとっての希望でした。震災前は組合員の一部が利 用していましたが、震災後は線量が高いため利用できなくなっています。 3 平成 23 年 3 月 11 日に東日本大震災が発生し、東京電力福島第一原子力発 電所が重大な事故を起こしました。そして、福島県内だけではなく、関東地 方など、広い範囲に放射能を飛散させました。もちろん鮫川村もその例外で はありませんでしたが、阿武隈山系の山に遮られて、福島県でありながら実 際はそれほど影響を受けませんでした。鮫川村や塙町などの周辺地域では、 改めて農業の再開を考える試みが取り組まれようとしていました。 しかしながら平成 24 年 4 月ころ環境省から、鮫川村内に仮設焼却炉を設置す る話がもたらされました。最初は、この焼却炉建設の事実は、地権者のほと んどの人たちには、知らされず、伝わってきた話は、放射能で汚染された牧 草などの一時置き場にしたいということでした。使っていない場所なら置き 場にしても良いということでした。ところが、実際は放射能汚染度が特別に 高い「指定廃棄物」の量を減らすための焼却施設を作るというのが、国が考 えた事でした。
  • 15. 15 鮫川村長の大樂勝弘さんをはじめ、この提案の内容を知っていて、賛成し た人もあったとは思いますが、村の多くの人たちは、知らされないまま、そ れに賛成する意向を示しました。そして、その設置場所として、本件土地が 選定されました。市町村では処理できないような汚染度が高い放射性物質を、 焼却する計画ですから、誰もが心配します。国の計画に賛成する市町村は少 なく、鮫川村長が賛成したから、このような施設を鮫川村に持ってきたとい う話も聞きました。 4 農事組合法人青生野協業和牛組合は、共有地の管理も事業にしていますが、 今回の国からの提案は、農地に焼却炉を建設したり、侵入道路を作ったりとこ の共有地を変更するものです。従ってこうした場合は、共有者全員の承諾が必 要になります。 しかし、本件土地に設置することについて、地権者の全員が賛成したわけで はありませんでした。私は、当初から反対でした。平成 24 年 5 月 11 日に青生 野集落センターで共有地権者への説明会がありましたが、仕事の都合で不参加 でした。 後日他の参加者より汚染物の保管場所として、共有地を一時的に借用したい ため『鮫川村仮置き場設置同意書』に署名捺印を求められたとのことでした。 (環境省が主体であり大規模な焼却炉が建設されることの説明は一切なく、ま た焼却炉建設のための同意書なら署名はしなかったと他の地権者も言ってい た) 全員の同意が必要と考えていたので、改めて私にも同意を取りに来るだろう と思っていました。以降、問い合わせもなく当然ながら同意書への書名捺印も しておりません。 平成 24 年 11 月 15 日、環境省の工事が突然始まりました。また、11 月 25 日の東京新聞『こちら特報部』で鮫川村に廃棄物焼却炉建設の記事が掲載され、 それが当該地であることは直ぐに理解できました。同時に建設の基となる物が、 先の同意書であることが想定できましたが、自分の書名がないのになぜとの疑 問から、誰かが自分になりすまして署名捺印したのではないかと思いました。 (以前他の地権者から携帯に連絡があり、同意書には宗則さんの書名捺印が してあるとの内容を思い出しました) そのため、平成 25 年 7 月 25 日鮫川村の情報開示請求により、自分以外の第 三者による偽造を確認するに至りました。また、村長宛てに提出する文書です から、この同意書が、今回の焼却炉建設の行政上の手続きにとって、必要なも のだったのだと思いますが、このような文書の偽造は、犯罪行為であり、反対 している本人の意向を無視してこのような行為に走ることは、全く許せません。
  • 16. 16 共有地は、汚染物の仮置き場に使うだけという話を信じていた地権者にとって も、寝耳に水の話だったと思います。手続き上の審査が未終了だったことも分 かり、工事は一時中断しましたが、平成 24 年 12 月中旬になって再開されまし た。 5 工事を始めてから数か月経過した平成 25 年 3 月に、環境省から今回の事業 の委託を受けた日立造船(株)と賛成する地権者の皆さんと契約を結んだと聞 いています。また半年以上過ぎた 5 月 30 日に、環境省は地権者の皆さんと、 土地の賃貸借契約を結んだと聞いています。土地の賃貸借契約を結ぶ前に工 事を始めるなど論外ですが、私のほかにも、もう一人が署名捺印しおりませ んでした。 そればかりではなく、地権者 18 名のうち、4 名は既に死亡しており、死亡 した地権者が契約を交わすことは不可能です。これを見逃したとすれば、業 務怠慢であり意図的であれば重大な法令違反です。契約者は署名捺印し、賃 貸料を受け取っています。死亡した地権者については誰が賃貸料受け取って いるのかという不可思議な状況です。 6 本件土地の上に建てられた仮設焼却炉について、鮫川村長らは、環境省の 受け売りで、ひたすら「安全だ」と言っていました。ところが、平成 25 年 8 月 29 日、何と、稼働を始めてからわずか 9 日後に、この焼却炉は爆発事故を起 こしたのです。鮫川村の実証実験は、指定廃棄物と言う高濃度の放射性汚染 物の焼却が、安全かどうかを確かめる実験炉だと聞きました。それが稼働後 わずかで爆発事故を起こしたのです。しかも環境省は、その爆発事故につい て「爆発」であったとは認めず隠し続けてきました。それでも国はようやく 爆発だと認めたと言います。 7 なお、仮設焼却炉は、稼働期間は 2 年と言われています。しかし、2 年で終 了するというのが果たして本当かどうか、分かりません。 また、鮫川村長は、仮設焼却炉が撤去されたら、メガソーラーを建設するな どと言っています。どちらにしても、もはや本件土地は牧草地ではなくなっ ていることは明らかです。 8 焼却炉建設は平成 24 年 11 月に開始されましたが、地権者との具体的な同 意や契約が何も無い状況で環境省(工事発注業者:日立造船)は、無断で工 事を行い平成 25 年 3 月に工事完了しました。また、鮫川村長は処分に困って いた汚染土(10tダンプで 10 台分程度)も、敷地内に違法に埋設させました。
  • 17. 17 その後、何度も違法な施設稼動の停止を求めても、環境省や鮫川村は一切耳 を傾けることなく、これを無視し平成 25 年 8 月 20 日より施設を稼動させま した。放射性廃棄物を焼却処理する国は、どこにも無く世界初の暴挙が行わ れました。 また、鮫川村は、担当地区で発生した汚染廃棄物は、村の予算で廃棄物の 処理をしなくてはならない決まりがあるそうです。そのための処理方法や処 理費用の捻出に苦慮していたところ、村に費用負担がなく村内にある廃棄物 の焼却処理の全てを環境省の事業で行うとの打診があり、受け入れの判断を されました。その後の交渉も候補地の地域住民に相談は一切なく、非公開で 進められたのです。 鮫川村長は議会議事録で行政側は焼却炉建設を遂行するに際に、反対運動 が起こることを強く恐れていたため工事着工直前まで、候補地を非公開にし ていました。 焼却されセシウム濃度が高くなった、煙もバグフィルターにより 99.9%除去 できると環境省は説明しています。しかし、第三者が提案する計測器の設置と 測定は強固に拒否しこれを許可していません。これでは、不安を掻き立てるだ けで何の解決にもなりません。 地域住民はここで安心して生活する権利があります。安心して生活するため には、十分な情報開示が必要です。異なる計測方法であっても測定値が同程度 であれば、安全が担保され安心して生活することができます。爆発事故の再発 防止は当然ですが、人間が行うことに絶対はなく、同様の事故が繰り返される リスクは増大し安心して生活が出来ない状況が続いております。 また、この焼却炉の建設から稼動に至る過程で、地域住民も賛成派と反対派 で住民同士の対立も表面化し、穏やかな生活は一変してしまいました。以前の 生活を取り戻すためには、焼却炉の稼動停止と施設撤去を切に願って止みませ ん。先祖から受け継いだ土地で、これからも安心で安全な日々の生活が送れる よう、ご英断をよろしくお願いいたします。