学び方のデザイン 
2014-11-10 名古屋大学にて 
サイボウズ・ラボ 西尾泰和
今回正解を教えにではなく 
問題意識を共有して 
アイデアを貰いに来ました 
  
  
   
2
サイボウズ・ラボ 
! 
次世代のグループウェアの 
基盤となる技術を研究開発 
  
  
   
3
グループウェアって何? 
  
  
   
4
  
  
Group + Software 
   
5
  
  
  
6 
Augmenting Human Intellect 
ソフトウェアによって 
人間の能力を増強する 
エンゲルバート"Augmenting Human Intellect: A Conceptual Framework" (1962)
  
  
   
7 
Augmenting Group Intellect 
ソフトウェアによって 
集団の能力を増強する 
=グループウェア
  
  
   
8 
文章を与えると 
コンピュータが 
単語の意味を理解する
  
  
   
9
  
  
   
10 
人間 
コンピュータ
  
  
   
11 
人間+コンピュータ 
=増強された人間 
人間
  
  
   
12 
人間+コンピュータ 
=増強された人間 
人間 
商業的価値
  
  
  
13 
人間増強の四要素 
• 1: 人工物(Artifacts) 
• 2: 言語(Language) 
• 3: 方法論(Methodology) 
• 4: 教育(Training): 1~3を使うスキルを身につける 
エンゲルバート"Augmenting Human Intellect: A Conceptual Framework" (1962)
  
  
  
14 
人間増強の四要素 
• 1: 人工物(Artifacts) ←ソフトウェア 
• 2: 言語(Language) 
• 3: 方法論(Methodology) 
• 4: 教育(Training): 1~3を使うスキルを身につける 
エンゲルバート"Augmenting Human Intellect: A Conceptual Framework" (1962)
  
  
  
15 
人間増強の四要素 
• 1: 人工物(Artifacts) 
• 2: 言語(Language) 
• 3: 方法論(Methodology) 
• 4: 教育(Training): 1~3を使うスキルを身につける 
↑どんなよいソフトを作っても 
使い方が理解されなければ役に立たない 
エンゲルバート"Augmenting Human Intellect: A Conceptual Framework" (1962)
  
  
   
16 
身近な方が難易度が低い 
全人類を増強>顧客を増強>自社内を増強>自分を増強
  
  
   
17 
具体例:論文をもっと読む 
• “研究室の生産性を上げるためにメンバーが 
もっと論文を読むことが必要だ” 
• How? 支援ソフトウェア?(人工物) 
速読法の訓練?(方法論) 
• そもそも本当に必要なことはなにか?
  
  
   
18 
実装例:輪講 
• アウトプットのデッドラインを設定することで 
インプットせざるをえなくする施策 
• 「自分から論文を読もうとはしない」タイプの 
主体性のない人は「ルールです」と天下りすれ 
ば動かしやすい 
• 自発的に読んでる人の、読む速度の改善には有 
効ではない
  
  
  
19 
人間増強の四要素 
• 1: 人工物(Artifacts) 
• 2: 言語(Language) 
• 3: 方法論(Methodology) 
• 4: 教育(Training): 1~3を使うスキルを身につける 
エンゲルバート"Augmenting Human Intellect: A Conceptual Framework" (1962)
  
  
   
20 
2~4強化のアプローチ 
• 京都大学サマーデザインスクール 
• 灘校土曜講座 
• 「エンジニアの学び方」技術評論社 
• 「続・エンジニアの学び方」サイボウズ式
新しいことを学ぶためには 
盲点に気づく必要がある 
  
  
盲点:知らないこと、そして知らないということに気づいていなかったこと 
  
21
教科書が与えてくれる 
! 
教科書がない分野は 
どうすればいい? 
  
  
   
22
現実を先入観なく 
観察する 
  
  
「こうなっているはず」という自分の理解との食い違いを見つける 
  
23
先入観なく見るのは難しい 
  
  
   
24 
←見えていない
多くの視点を得ることで 
先入観を減らす 
! 
  
  
   
25 
“他人”の視点が有用
知識の多い人と 
少ない人がいる 
  
  
   
26 
知識多い 
知識少ない
知識多い人が教え 
少ない人が教わる 
  
  
   
27 
知識多い 
知識少ない
知識の少ない人からでも 
学ぶことができる 
  
  
   
28
自分以外から 
一方通行で学ぶ 
  
  
思い込みで壁を作りがち 
  
29
互いに知識を交換して学ぶ 
  
  
   
30
抽象的な知識ほど 
応用範囲が広い 
  
  
   
31
特定の問題の答えを 
覚えるのではなく 
「見たことない問題」 
を解く能力を学ぶ 
  
  
具体的な答えではなく、抽象化した「答えを得る方法」を学んでいる 
  
32
具体的な問題を解かずに 
解き方だけを学べるか? 
  
  
   
33
  
  
自分の経験から抽象化を 
繰り返して理解を育てる 
34 
プラトンは哲学を産婆術に例えた。本質的な知識は各人が産み出さねばならない 
野中郁次郎・紺野登(2003)『知識創造の方法論―ナレッジワーカーの作法』東洋経済新報社, p.33
経験と結びつかないと 
応用ができない 
  
  
   
35 
根無し草の知識 
応用 
根のある知識
実世界の問題に 
応用できない知識は 
なにも価値を産まない 
  
  
「意思決定の正しさの定義」では、正しくすらない 
  
36
応用して価値を生み出す 
ことができる知識の体系を 
自分の中で育てるには? 
  
  
どうすればいいのだろうか? 
  
37
“わかった” は 
仮説にすぎない 
  
  
   
38
仮説は実験して検証しよう 
  
  
   
39
  
PCDAサイクル 
   
計画行動 
計画の修正結果の考察 
40
  
PCDAサイクル 
   
仮説実験 
仮説の修正結果の考察 
41
  
PCDAサイクル 
42 
「うまくいくと思って行動したけど失敗した」が理解修正のチャンス 
  
理解 
理解に基づく 
行動 
理解の修正結果の考察
このサイクルを 
小さく回すことで 
素早く学ぶ 
  
  
例えばプログラミングなら小さいプログラムを書いて動かす 
ビジネスなら最小限の製品を作ってリリースしてみる 
  
43
最初の計画、仮説、理解は 
どうやって作るのか 
  
  
   
44
  
  
   
発散干渉 
成長 
収束 
選択 
整理 
発表 
付箋づくり 
グループ編成 
図解化 
A型 
書き出し 
発表資料 
づくり 
B型
書いてから考えよう 
  
  
   
46
どちらが簡単? 
  
  
! ・暗算 
・筆算 
   
47
どちらが簡単? 
  
  
! ・頭の中だけで考える 
・書いて、見ながら考える 
   
48
まずは全部書き出し 
“覚えておく負担”をなくし 
考えることに集中しよう 
  
  
   
49
京大サマーデザインスクール2014 
演習課題 
他人が読める字で。この演習では質ではなく量が評価される。時間は2分 
  
学び方の改善に 
「関係あるかもしれないこと」 
を時間内に数多く書いてみよう 
50
こういう演習初めての人は 
なかなかスラスラ書けない 
  
  
訓練すると書けるようになる 
  
51
“アイデアは一時に  
完全な形で現れるものだと 
思っている人が多いが 
 そんなものではない” 
トーマス・エジソン 
  
  
52 
p256 
A.オスボーン(2008)『創造力を生かす : アイディアを得る38の方法』豊田晃 訳, 創元社
最初から完璧なものを 
作ろうとして手が止まる 
完成度高めるのは後でやろう 
  
   
53
書いたものは改善できる 
書かなかったものは 
消えてしまう 
  
   
54
本の内容をまとめるなら 
本の内容だけではなく 
思ったことすべて書き出す 
  
  
   
55
他人に意見を聞いて 
判断保留して書き留める 
! 
盲点に気づく良い方法 
  
  
ついつい「それは違うだろ」とか「それは関係ない」とか判断しがち 
  
56
書いたものを机に広げる 
  
  
   
57
  
  
   
58
一時記憶は7個程度 
書いたものを机に広げれば 
100個をひと目で見渡せる 
  
   
59
ボトムアップで 
グループを作っていく 
  
  
   
60
何のために? 
! 
情報量が多いと脳が考えることを 
拒否してしまう。数枚のグループに 
するとアイデアが出やすくなる。 
  
  
   
61
  
  
 
ボトムアップが重要 
トップダウンに分類すると 
既存の考え方の枠に情報を 
押し込めているだけになる 
  
  
   
63
目的は 
予期しない構造の発見 
  
  
書いたり広げたりまとめたりは手段  予期しない構造=盲点 
  
64
表札をつけて束ねる 
  
  
   
65
何のために? 
! 
場所を変えているだけでは 
枚数が多い状況は変わらない 
束ねることで見た目の枚数を減らす 
  
  
   
66
  
  
   
68
図解化と文章化 
  
  
   
69
  
  
図解化 
  
70
図解は全体像を見るのに向いている 
文章は飛躍がないかを確認すること 
に向いている 
違うフォーマットに変えることで 
足りない部分に気づきやすくなる 
  
  
 
  
  
   
72 
図解→ 
↑文章としての 
アウトプット
  
  
文章化してアウトプットし 
他人のフィードバックを得る 
   
73
  
  
74 
「うまくいくと思って行動したけど失敗した」が理解修正のチャンス 
  
理解 
理解に基づく 
行動 
理解の修正結果の考察
異論 反論 大募集 
どんなコメントが来るか 
楽しみにしています。 
  
   
75

学び方のデザイン名古屋大学版