脱法ドラッグの
新しい呼び名の再提案
コピーライター長谷川哲士
警察庁の方へ
危険ドラッグは
危険だと思う
て つ じ
こんにちは!
警察の方々に
いつもお世話になってる
長谷川哲士です!
いつもお世話になってる…
いや、
サイフを
無くした時とか、
道案内の時に
お世話になってる
という意味です。
言葉って、
いろんな意味で
受けとれるので
むずかしいですね。
脱法ドラッグの
新しい呼び名
「危険ドラッグ」も、
いろんな意味で
受けとれます。
警察庁の方の
発表ですと…
「“危険ドラッグ”という
 新たな呼称がしっかり
 浸透することで、非常に
 危険なものであることを
 認識していただくように
 期待している」
「“危険ドラッグ”という
 新たな呼称がしっかり
 浸透することで、非常に
 危険なものであることを
 認識していただくように
 期待している」
“危険ドラッグ”
 という名前なら、
 危険なものだと
 認識してくれる。
確かにそうかも
しれませんが、
危険だから
やってみたい
と思う可能性も
あります。
危険ドラッグ
という名前に関して、
こんなつぶやきが
ありました。
他多数...
 いちおう、
“脳殺ドラッグ”
 という案で
 応募しました。
(期限過ぎてましたが...)
 いちおう、
“脳殺ドラッグ”
 という案で
 応募しました。
まぁ、この案が
いいかは置いといて、
危険ドラッグ
という名前には
3つの危険な側面が
あると思います。
危険ドラッグの危険その1
そもそも、
ドラッグが危険って
わかりながら
やってる人のほうが
はるかに多いのでは
ないでしょうか?
それは、不良が
不良を悪いことだと
わかりながらやるのに
似ているような。
つまり、
危険ドラッグ
という名前は、
塩味サルト
と似たような名前です。
甘味シュガー
と似たような名前です。
小麦粉バーガー
と似たような名前です。
危険ドラッグの危険その2
もしぼくが、
ドラッグの売人
だったら、
「兄ちゃん、
 これは危険ドラッグ
 じゃなくて
 安全ドラッグだから
 大丈夫だよ。」
…って、絶対言うと思いました。
危険ドラッグの危険その3
3つ目は、
言わなくてもわかる
と思いますが、
いま警察官の
みなさんが
懸念されている
そのことです。
そう、
言わなくても
おわかりだと
思いますが...
・・・
スイマセン!
3つあるっていうと、
それっぽく聞こえるので
言ってみただけです。
でも危険ドラッグの
3つ目の問題点は、
つぶやきを見たり、
掲示板を見たりすれば、
いろいろ見つかるはず。
そもそも、
危険ドラッグと
決めた理由が
ちょっと問題
あるかもです。
「“危険”ということばが
 頭につく呼び名が260件あり、
 “ドラッグ”がうしろに
 つくものが5900件
 あったことから、
 双方を合わせて…
「“危険”ということばが
 頭につく呼び名が260件あり、
 “ドラッグ”がうしろに
 つくものが5900件
 あったことから、
 双方を合わせて…
“双方を合わせた”
 という点に
 疑問をもった人も
 多いかと思います。
そしてその前提となる
最も多くの人が
思いついた案がベスト
というのも
おかしいような…
最も多くの人が
思いつく言葉が
ベストなら、
コピーライターは
この世にいりません。
自称コピーライターの
ぼくだったら、
こう考えます。
ダサい名前にしたら
いいのではないか?
 ぼくの尊敬する
 みうらじゅんさんは、
“暴走族”を
“おならプープー族”
 と名づける
 アイデアを
 提案していました。
だから、たとえば
脱法ドラッグの
新しい呼び名が…
馬鹿ドラッグ
とか
シアルノーミ
とか
とか
オトンノチンカス
とにかく
脱法ドラッグが、
ダサい名前だったら、
使う気にならない
のではないか?
一理あると思いますが…
けっきょく
別の名前や、
元の名前で
呼ばれてしまいそうな
気もします。
沖縄県で
“暴走族”を
“ダサイ族”に言い換えても
浸透しなかったそうですし…。
では、ここらでいったん
危険ドラッグ以外で
候補となっていた名前を
もういちど見てみます。
「準麻薬(183件)」
「廃人ドラッグ(140件)」
「危険薬物(123件)」
「破滅ドラッグ(110件)」
「有害ドラッグ(95件)」
「違法ドラッグ(87件)」
「殺人ドラッグ(85件)」
「幻覚ドラッグ(85件)」
「錯乱ドラッグ(81件)」
もしぼくが
警察庁に勤めていたら、
この案に決めます。
「準麻薬(183件)」
「廃人ドラッグ(140件)」
「危険薬物(123件)」
「破滅ドラッグ(110件)」
「有害ドラッグ(95件)」
「違法ドラッグ(87件)」
「殺人ドラッグ(85件)」
「幻覚ドラッグ(85件)」
「錯乱ドラッグ(81件)」
 なぜ
“殺人ドラッグ”が
 いいと思ったのか?
 それは、
“殺人”と
“ドラッグ”を
 結びつけて、
ドラッグが、
殺人を起こす引き金に
なりうることを
伝えているからです。
ぼくは、
ドラッグに手を出す
すべての人が、
悪いヤツだとは
思っていません。
そして、
心が弱いというか、
現実逃避したくて、
ドラッグに手を出す
人たちが一定数いると
思っています。
自分がどうなろうと
かまわないから、
とにかく現実から
目をそらしたい。
そんなことを思って
ドラッグに
手を出してしまう
人たちです。
もし、その人たちが、
ドラッグが、
自分だけではなく、
他人に被害を及ぼす
ものだと知ったら、
ドラッグを手に入れる前、
ドラッグを使う前に、
ためらうのではないか。
殺人犯になる
可能性があると
知っていたら、
ドラッグを使わない
のではないか。
危険ドラッグで、
自分が危険になるのは
かまわないが、
殺人ドラッグで、
誰かを殺すのはイヤ。
犯罪者には
なってもいいけど、
殺人犯には
なりたくない。
そんな気持ちに
乗っかって、
ドラッグの購入と使用を
防げると思ってます。
 だからぼくは、
“殺人ドラッグ”を
 支持します!
いや、
ドラッグを支持する
ということではなくて、
“殺人ドラッグ”
 という名前を支持する
 ということです。
以上、たんたんと
話してみましたが、
どうでしょうか?
これを読んで、
やっぱり、
殺人ドラッグに
したくなるか、
それとも、
危険ドラッグで
いいんだと
再度決心するのか、
それはわかりませんが、
いずれにしても、
言葉を決めるときは、
言葉を考える
プロセスも
言葉にして、
説明したほうが
よいと思います。
ぼくはいつも、
そうやって
コピーライターの
仕事をしています。
もし警察庁の方たちが
言葉で困っているなら
ぼくを呼んでください。
警察に行くのには
慣れています。
いや、
サイフを
無くした時とか、
道案内の時とかに…。
警察官の方、
いつもていねいに
道を教えてくれて、
ありがとうございます。
警察は、
子どもたちが
憧れる仕事に、
きっとなれると
信じてます。
最後まで読んでくれて
ありがとうございます!

脱法ドラッグの新しい呼び名の再提案